魔法先生ネギま!〜魔術と真祖の力を持つ者〜 第三作
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「はあ? 最下位のクラスは解散?」

 

こんちゃ〜。虚崎空だ。今俺は風と電話してたんだが、風がいきなり変なことを言い出した。

 

『そうそう、その中でも特に悪かった人は留年とか、小学生からやり直しだとか!』

 

「あ〜、それはないわ」

 

『え、何で』

 

「中学ってのは義務教育だからな。テストが悪かった程度じゃ留年に出来ねえよ」

 

『……そうなの?』

 

「そうだ。まあ不安だってんなら家で泊まりこみで勉強するか?」

 

『いいの!?』

 

「ああ、史と一緒に勉強道具を持ってこい。そうだな……二百五十位以内に入れたら、春休みに何か奢ってやるよ」

 

『うっしゃー! がんばるぞー!』

 

「期末テストは確か水曜からだよな。なら、明日の放課後からやるぞ。パジャマ類だけはちゃんと持ってこいよ」

 

『はーい。んじゃまた明日!』

 

その声を聞いた後、俺は電話を切る。

 

「さて、明日の夕飯は何にするかな」

 

そんなことを考えながら俺は床に就いた。

 

 

 

 

「おっじゃまっしまーす!」

 

「おじゃまします」

 

「はい、いらっしゃい」

 

「相変わらず緋鞠ちゃんは頭の上に乗ってるんですね」

 

「ほーら、緋鞠ー。こっち来―い」

 

風が緋鞠を呼ぶが、緋鞠は俺の頭の上から動く気配がない。

 

「さて、客間に荷物置いてこい。まずは数学の勉強をするぞ」

 

「えー、少しくらい遊ぼうよー」

 

「はいはい、ちゃんと勉強しような」

 

「そうですよ、お姉ちゃん」

 

「ちぇっ、分かったよ」

 

「分からないとこがあったら呼んでくれ。俺は夕飯の準備をしてくるから」

 

「今日は何なんですか?」

 

「酢豚と肉団子に中華風スープだ」

 

「やったー!」

 

「楽しみです!」

 

「ほら、頑張って勉強始めろよ」

 

そう言って俺はキッチンに向かう。作っている途中で何回か呼ばれたが、少し教えるとちゃんと理解してくれた。

 

「この調子なら今回はかなり上位を狙えるんじゃないか?」

 

「うーん、でも今回は皆気合い入ってるからねー」

 

「へ、何で?」

 

「今回私たちのクラスが最下位だとネギ先生がクビになっちゃうんですよ」

 

「ネギ先生っつーと、例の子供先生か。男子の方でも噂になってるぞ」

 

「僕的にはちょっと頼りないって感じかなー」

 

「しょうがないですよ。まだ十歳なんですし」

 

「でもさー史伽。空兄が十歳の頃ってもっと頼りがいがあったよね」

 

当たり前だよ。だって二回目の人生だし。

 

「そう言われればそうですけど」

 

「そういやさ、空兄はテスト大丈夫なの?」

 

「まあ、いつも通りってとこかな。さて、俺は食器洗ってくるからその間に風呂入っちまえ」

 

「一緒に入るー?」

 

「お姉ちゃん、何言ってるですか!」

 

「はいはい、馬鹿言ってないでとっとと入れ」

 

「はーい」

 

全く、俺が本気にしたらどうすんのかねえ。そう思いながら食器を洗っていき、客間に布団を敷きに行く。風達が上がった後俺も風呂に入ったが、俺が風呂から出ると、沢山勉強をして疲れ果てたのか、二人とも机に突っ伏して寝ていた。

 

「はあ、しょうがないか」

 

俺は順番に二人を布団に寝かせ、枕元に勉強道具をまとめておいた。自分の勉強は既に終わらせてあるので、俺も自分の部屋に戻り就寝した。……が、事件は朝起こった。

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「ふぁ〜、もう朝か。ん? 何か少し暑苦しいような……」

 

そう思い布団の中を見ると風達が俺の布団に潜り込んでいた。

 

「え、ちょ、何で!?」

 

俺ってば何かやっちまったのか!? そう思ってると二人が目を覚ました。

 

「……あれ?」

 

「ん〜、え?」

 

だんだん意識が覚醒して現状を理解したのだろう、二人の顔が真っ赤になった。おそらく俺も真っ赤になってるだろう。

 

「お、俺は朝食の準備とかあるから先に行くな。お前たちはまだゆっくりしてていいぞ!」

 

俺はそう早口で言うと急いで部屋の外に出た。

 

「あ〜、しばらくまともに顔見て話せねえかも」

 

 

 

 

あの朝の事件があった日から半月ほど経ち、今日は春休み。見事二人とも二百五十位以内に入ったので、二人を連れて食堂棟に向かっていた。

 

「あれー? ネギ先生です」

 

「あ、ホントだ」

 

「へえ、あれがそうなんだ」

 

俺たちがそう話していると向こうもこっちに気付いたのか、

 

「あ、鳴滝さん達……と誰ですか?」

 

「あ、こないだ来てた人だ」

 

「そうやなー」

 

と話しかけてきた。

 

「初めまして、ネギ先生。風と史の幼馴染の虚崎空です。いつも二人がお世話になってます」

 

「あはは、なんだか保護者みたいね」

 

「えっと、そっちは……」

 

「あ、私は神楽坂明日菜よ」

 

「うちは近衛木乃香言います」

 

「ああ、あんたが詠春さんの娘さんか」

 

「へ、お父様のこと知っとるん?」

 

「ああ、以前京都に遊びに行った時に知り合ってね。その時近衛さんと知り合ったら仲良くしてやってくれと言われてたんだけど、終ぞ今まで知り合う機会がなかったんだ。以後宜しく、近衛さん。神楽坂さんとネギ先生も」

 

「お父様の知り合いなんやし木乃香でええよ」

 

「私も明日菜でいいわよ。言いにくいでしょ?」

 

「そっか、なら俺のことも空でいいぞ。ところで、何か困ってるみたいだったがどうしたんだ?」

 

「あー、私達ネギに学園の案内をしてたんだけどちょっと用事が入っちゃって」

 

「なら僕たちが案内しようか?」

 

「そっか、二人は散歩部だっけ。でもいいの? 用事があったんじゃ」

 

「いや、俺がこないだのテストの褒美にスイーツを奢るだけだったからな。それくらいなら案内で休んだ時にでもできるし」

 

「じゃあ、悪いんやけど頼めるか?」

 

「ああ、任された」

 

そう会話すると二人は少し急いでいたのか早歩きで行ってしまった。その後はバスケ部や水泳部、まほらチアリーディングの見学をし、今は食堂棟で俺たちの本来の目的であった今月の新作スイーツを食べていた。

 

「んー、やっぱ空兄の方がおいしいかなー」

 

「空兄も食べてみますか?」

 

あーん、と口の前にスプーンを差し出されたので一口食べてみる。

 

「んー、うん。大体材料は分かったから、機会があったら作ってやるよ」

 

「空兄さっすがー」

 

「三人とも仲が良いんですねー」

 

「まあ、小さい時からの付き合いだからねー」

 

「それじゃあ、最後にあそこ行って終わりにするか」

 

そうして俺たちが向かったのは裏山にある、世界樹のところだ。

 

「あ、これって……」

 

「おっきい木だよね」

 

「皆は世界樹って呼んでるんですよ」

 

「正式な名前は神木・蟠桃と言って、二十二年に一度発光したりするんだ」

 

「へえ、そうなんですか」

 

そんな話をしながら俺たちは世界樹を登っていく。

 

「あ、それとこの樹には伝説があるんだよ」

 

「あー、ここで片思いの人に告白すると想いが叶うっつう、眉唾なやつか」

 

「もう、空兄はそう言うとこ直した方がいいと思います」

 

「女心が分かってないんだから」

 

「そんなこと言われても困るよな、ネギ先生」

 

「え、あ、はい。そうですね」

 

「だよなー。ま、俺だったらそんなのに頼らず自分で振り向かせるけどな」

 

「え、空兄好きな人がいるですか!?」

 

「いや、いないけどさ」

 

「あ、じゃあ僕が告白してあげよっか?」

 

「そう言うのは本当に好きな人ができたときに取っとけ。って、何で溜息ついてんだお前等?」

 

「べっつにー」

 

「何でもないですよー」

 

「あれ? もしかして……」

 

「やばっ! 先生、言っちゃ駄目だからね!」

 

「ん? 取り敢えずそろそろいい時間だから帰るか」

 

そう言って俺達は下に降りて、山から出たところで解散となった。

 

説明
本日も投稿することができました。作者はコメントをいただくと、テンションが極限まで上がります。それでは、駄文製造機の私ですが、温かい目でご覧下さい。
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