ハイスクールD×D〜最強の戦車と最強の兵士(予定)〜
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第二章『戦闘校舎のフェニックス』

第十話「ドアをノックする時は向こうに聞えるようにしっかりと叩きましょう」

 

 

俺は強くなりたかった。

((自分|テメェ))の大切なものを守り抜く位の強さ。

もう二度とあの時見たいなことが起きても守り抜く位の強さが。

だから、このゲームで俺は強くなって見せる。

そう思っていたのに・・・・。

 

 

 

 

 

 

 

 

〜朝・静雄の住むアパート〜

 

side静雄

 

「・・・何度も言うけどな、朱乃。勝手に家に入ってくんな」

 

「あら、いいじゃないシー君。折角可愛い幼馴染みが毎朝料理を作りに来てるのに」

 

「お前な、自分の立場をもうちっと自覚しろよ」

 

朱乃がつくってくれた朝食を口に入れながら睨みつける。

片や学園一の不良、片や学園全男子が羨むアイドルの一人。

これまで以上に面倒な事になるに決まってる。

 

「大体、こういうのはイッセーにでもやってやれ。泣いて喜ぶんじゃねぇか?アイツ」

 

「だめよ、イッセー君はリアスとアーシアちゃんのモノですもの。手を出したら怒られちゃうわ」

 

「・・・否定できねェな。ただ、リアスのイッセーに対する態度は異常じゃねぇか?」

 

「・・・・・そうね」

 

そう、リアスのイッセーに対する態度は少し危険な感じがす。

グレモリー一族は身内に甘い事で有名だが、だとしてもリアスのイッセーに対する態度は一人の眷属に向けるものじゃない。

その事に俺よりリアスと付き合いの長い朱乃も気付いているはずだ。

 

「アイツの過保護っぷりは少し度が過ぎる。日常では別にいいが、レーディングゲームでもイッセーに何かあったからって一々動揺されてちゃこっちの身がもたねぇ」

 

「ええ、それは私も思っていた所なの。だから、私からリアスにそれとなく注意してみるわ」

 

「おう。悪いな」

 

「うふふ。いいのよ」

 

そう笑いあいながら俺達は箸を進めていった。

 

 

 

 

「それと、今日の放課後、部室に来て頂戴ね」

 

「あ?何でだよ??」

 

朝食を終え片付けている途中、朱乃がそう言ってきた。

 

「今日、リアスが重大な話があるらしいわ」

 

「・・・嫌な予感しかしねぇな」

 

「そういわないの。それじゃあ、先に行ってるわね?」

 

片付けを終え台所から出てきた朱乃はエプロンを脱いでそのまま玄関へと向かった。

 

「おう」

 

俺はそれを軽く手を振りながら見送ると学校に行く身支度をし始めた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〜H・R前の静雄の教室〜

 

「おはよう静雄君。今日も大暴れだったみたいだね?」

 

「アイツ等が勝手に喧嘩売ってきてンだ。俺はしたくてしたい訳じゃねぇ」

 

今朝も通学路で待ち伏せていた((不良|バカ))どもを叩きのめして、登校すると祐斗が苦笑しながらそう言ってきた。

 

「最近は大人しかったのに、また現れてきたね」

 

「っつか、何で次から次へと来るんだよ。俺は平和に暮らしてェのによ・・・!」

 

バキリ・・・!

 

つい今までの事を思い出して持っていたシャーペンが折れてしまった。

 

「静雄君。抑えて抑えて・・・」

 

祐斗が宥めてくるが、どうも苛立ちが収まらない。

 

「おーい。席につけー」

 

担任が教室に現れたのと同時に朝礼のチャイムが鳴った。

 

「それじゃあ、後でね」

 

「・・・おう」

 

そう言いながら祐斗は席に戻っていった。

そして、朝のHRが始まり簡単な連絡事項を終えて担任が教室を出ようとした時、

 

「あ!?そうだ平和島」

 

「・・・なんすか?」

 

突然呼ばれ、つい睨んでしまった。

 

「ヒッ!い、いや・・・あのな、放課後、生活指導の蛭間先生が指導室に来いと言われてな・・・」

 

”蛭間”という名前に俺の機嫌は更に急降下した。

 

「ああ?」

 

「じゃ、じゃあ!伝えたからな!!」

 

そういうと担任は脱兎のごとく、教室から出ていった。

 

「・・・・・・」

 

バキリ・・・・。

 

また、シャーペンが折れちまった。代えの奴を用意しないとな。

 

 

 

 

どうやら今日は最悪な気分で部室にいかねぇとイケねェみたいだ・・・・。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〜放課後・旧校舎オカルト研究部部室〜

 

 

静雄side

 

「あ〜クソッ。あのクソ野郎・・・いつもいつもネチネチとウザってぇ・・・」

 

ようやく蛭間のクソの説教から解放された俺はオカルト研究部に向かっている。

 

「しっかし、蒼那が弁護してくれなかったらもっと長引いてただろうな・・・後で礼をしなきゃな」

 

生徒会長、支取蒼那。リアス経由で知り合い今では気の許せる((友達|ダチ))だ。アイツが来てくれなきゃ蛭間の野郎半殺しにしてたな・・・。

 

(それにしても・・・)

 

『お礼はいいので、早くリアスの所に行ってあげなさい。あなたの力が必要なの』

 

アイツが最後に言った言葉、アレは言ったいどういう意味だ?それが今日リアスの重大な話と関係があんのか?

そんな事を考えている間にいつの間にかオカルト研の部室の扉の前に到着していた。

 

「ん?・・・・(何人か知らない奴の臭いがするな)」

 

不思議に思いながらドアノブを回し部屋に入ろうとするが・・・

 

ガチャッ・・・。

 

「・・・・・・」

 

ガチャガチャガチャ!!!

 

「・・・・(イライライラ!!)」

 

一向にドアが開かない。

これはアレか?締め出しか?それとも新手の虐めか?

・・・・・よし・・・

 

「静雄?今からドアを――――」

 

ぶっ壊す!

 

「ウオラアアアァ!!!」

 

ドガアンッ!!!

 

ドアをぶち壊すと、そこにはいつものメンバーと見ねぇ顔が二人にフードをかぶった怪しい集団がいた。

 

「開けるからって言おうとしたのに・・・ハァ」

 

「おい、人の顔を見ていきなり溜息かよ」

 

ドアをぶっ壊したおかげで少し気分が収まったが、いきなり人の顔を見てため息とかすんじゃねぇよ。

 

「そんで、今どういう状況だよ。それにあそこにいる奴ら誰だ?」

 

「おいおい、リアス。もしかしてそれがお前のもう一人の『戦車』か?」

 

「あ?」

 

そう言ってメイドと紅服の男とその後ろに控えるフード集団を指さし、紅服の奴がこちらに声をかぶせてきた。

 

「そうよ。彼が私の『((戦車|ルーク))』平和島静雄よ」

 

「コイツがあの『グレモリーの狂犬』平和島静雄ねぇ・・・。なるほど、その名の通り品性の欠片もなさそうだな・・・」

 

「なんですって・・・?」

 

金髪紅服の言葉にリアスの眉が跳ねた。

別に俺自身品格が無いのは知っているから、別にどうこうしようとはおもわねぇんだが・・・。

 

「おい、リアス。だからどういう事か説明しろって」

 

「それは―――」

 

「お嬢様。それは私から説明させていただきます。お久しぶりです、平和島静雄様」

 

「あ?」

 

苦い顔をしながら説明しようとしたリアスの声を遮りメイドが一歩前に出てきた。

 

「あ〜・・・ヤベ。誰だっけ?」

 

「グレモリー家に仕えるメイドのグレイフィアと申します。以前お会いした事があるのですが」

 

以前会った。メイドのグレイフィア・・・・

 

「あ、あ〜〜!思い出した、あの時のか・・・・。コイツは失礼をした、平和島静雄だ」

 

そう言って軽く会釈すると、グレイフィアはお構いなくと言いながら説明を始めた。

 

 

〜メイド説明中〜

 

 

「つまり、リアスがそこの奴と婚約するわけだが、リアス自信はその婚約を良しとせずそんでレーディングゲームで決着付けようっと、簡単に要約するとこんな感じでいいのか?」

 

「はい。その通りでございます」

 

「なるほどね・・・・」

 

大体納得したんで懐から薬草煙草を取り出し、口にくわえる。

 

「おい、そこの赤いの、一つ聞いて言いか?」

 

「あ?なんだ狂犬?それと、俺の名はライザー・フェニックスだ」

 

「テメェの名前なんてどうでもいい」

 

「何だと・・・?」

 

赤いのの顔が険しくなるがそんな事はどうでもいい。

 

「お前、リアスの事どう思ってんだよ。見た所、テメェの下僕達は全員女だろ?その上更にリアスが欲しいのか?」

 

俺の言葉にイッセーがなにっ!?と驚愕の声をあげたが無視した。

 

「あ?そりゃあ、こんないい女お家の事情とはいえ俺のモノにできるのだからな」

 

「・・・・」

 

その言葉を聞いて、俺は口にくわえていた煙草を握りつぶし、そのまま落ちた煙草を踏み潰した。

 

 

 

 

静雄sideend

 

 

 

 

side三人称

 

 

「ッ!?いけない、ダメ!!シー君!!」

 

「へっ?」

 

ライザーの言葉を聞いた瞬間、静雄を突然黙りこむと加えていた煙草を握りつぶし、そのまま足元に落ちた煙草を踏み潰した。

それを見た朱乃は声を荒げ、静雄に待ったをかけるが・・・

 

「ウオラアアァァァァァァ!!!」

 

ブォンッ!

 

静雄は近くにあったリアスが何時もいる場所の机を片手で持ち上げ、そのままライザーに向かって投げ放った。

 

「なっ!?」

 

ボゥッ!!

 

突然の行動に流石のライザーも驚いたが、すぐさま自身に向かってきた机を焼き尽くし、投げつけた張本人を睨みつけた。

 

「おいおい、いきなり何をするんだ?リアス、お前は下僕の躾も満足にできないのか?」

 

「うるせぇ!このニワトリ野郎がぁ!」

 

「静雄、待ちなさい!」

 

そう言ってリアスの制止も聞かず静雄はライザーに殴りかかろうとした。

対するライザーも迎え撃つために席を立ち、彼の下僕達もフードを脱ぎ臨戦態勢に入った。

 

ガシィッ!

 

「っ!?」

 

「そこまでです」

 

突き出した拳はライザーに届かず、グレイフィアが真正面から受け止めた。

その光景を見てイッセーとアーシアは驚愕した。

いくらリミッタ―が付いているからといって出鱈目な強さを誇る静雄の拳をあんな細い腕で受け止めたのだから、

 

「静雄様、お怒りを納めてください。これ以上の行為は私が止める事になります」

 

「知ったことかよ。邪魔すんじゃねぇ、どけ」

 

ギリギリと静雄はグレイフィアを押し返そうとするが彼女は全く動かない。

痺れを切らした静雄は左手で殴りかかろうとした。

それをみたグレイフィアはスッと目を細め、抑えていない右腕に魔力を纏わせた。

そして・・・

 

「止めなさい、静雄!」

 

「シー君、止まって!」

 

「静雄君、抑えて!」

 

「止まってください、静雄先輩!」

 

イッセーとアーシアを除くオカルト研究部の人たちが止めにかかった。

 

「離せ、アイツは言っちゃならねぇ事を言った。あのクソ鳥を一発殴らなくちゃ気がすまねぇ!」

 

「気持ちは嬉しいけど、今は抑えて!その怒りはゲームで発散してちょうだい」

 

「シー君。今は抑えて、ね?おねがい・・・」

 

「・・・・」

 

スッ・・・

 

リアスと朱乃の説得によって静雄はようやく怒りを納め、力を抜いた。

それを確認したグレイフィアもつかんでいた静雄の手を離した。

 

「・・・少し頭冷やしてくる・・・」

 

そういうと静雄はそのまま部屋を出ていった。

 

 

 

三人称sideend

 

 

 

 

side静雄

 

「あ〜・・・クソッ!またやっちまったな〜」

 

旧校舎の屋根の上で俺は仰向けになりながら煙草を吸っていた。

先ほどの事で少しは反省しているので頭を冷やすために屋根の上に寝そべりながら空を見つめていた。

 

「やっぱりここにいたのね」

 

「んぁ?」

 

空もいつの間にか日が暮れていて、夜になった頃に朱乃が現れた。

 

「終わったのか?」

 

「ええ、十日後レーディング・ゲームで決着をつけるそうよ」

 

「十日後か・・・・」

 

あまりに短い。

ハッキリ言ってゲーム初戦の俺達にとってかなり厳しい相手だな。

 

「それで、部長と相談した結果、明日から修行をする事になったの・・・」

 

「妥当だな・・・」

 

今のままでも十分勝てる要素はあるが、こちらには悪魔になって半年も満たないイッセーとアーシアがいるのだ。

特にイッセーは鍛え方次第で強くなる事も出来る。

 

「目的は俺達全体のレベルアップ、特にイッセーの強化だろ?」

 

「正解。それにフェニックスに対する対策とかね」

 

そこでいったん場に静寂が訪れた。

そこで朱乃が何やらゴソゴソとしだす。

 

「・・・・朱乃」

 

「なぁに?」

 

「何故膝枕してやがる?」

 

何時の間にか膝枕されていてた。

見上げると彼女の豊満な胸の所為で半分顔が隠れている。

そんな彼女を直視しないように目を反らすと、彼女はクスクスと笑い、

 

「うふふ、リアスの為にあれだけ怒ってくれたシー君にご褒美?」

 

「別に、礼を言われるほどでもねェ」

 

「ふふっ照れちゃって」

 

「照れてねぇよ」

 

それから二人とも無言で夜空を見上げていた。

見上げながら朱乃は俺の髪を撫でたりしてきたが、何故かいやな気はしない。

昔からそうだ。俺が落ち込んだり反省している時にコイツが現れ膝枕してくれる。

そして、何故か俺はそれに癒されちまう。

 

(ホント、感謝してるよ・・・)

 

「え?今何か言った?」

 

「フッ・・・さぁな・・・」

 

そして、しばらく俺と朱乃は満天の夜空を眺めていた。

 

 

 

 

 

説明
今回から二巻に入ります。
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タグ
肉体がチート 悪魔 平和島静雄 堕天使 メインヒロインは朱乃 ハイスクールD×D デュラララ!!キャラは結構出る デュラララ!! fateシリーズ(宝具のみ) クロスオーバー 

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