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時刻は、太陽が出てきて明るくなってきた時、ヴェルは目を覚ます。
「……あー、どこだっけ?ここ……」
目を擦りながら、現状を確認する。
ヴェルは、起き上がり、ベットで眠る女の子を見る。
「召喚……だっけか」
サモン・サーヴァント……俺達の使う召喚とは違う魔法。
何がでるか分からないとか、もはやギャンブルじゃね?とか思ったが、
召喚した本人と似たような魔物が出るらしい。
似たような、と言っても性格や見た目ではなく、
自分の使える魔法のようだ。
たとえば、火の使い手なら火に関係する魔物。
水なら、水に関係する魔物。
風なら……とそんな感じでいいのか?
「今は……何時だ?」
壁にかかっている時計で確認……できなかった。
俺の世界の文字でも、ゲームの世界の文字でもなかった。
「こういうのも覚えていかなくちゃ駄目か……」
―――今日は覚えることが多そうだ……
俺は小さくため息をついた。
―――――
タバサが目を覚まし、着替え終わるのを廊下で待つ。
待っている間、様々な生徒が通っていったが……
―――全員が女の子ってどういうことだ?
今も女の子が不審者を見つけたような顔をして通っていく。
だから何で……あぁ、コート着てるからか?
顔も隠してるし……だから見られんのか?
そう考えていると、タバサがドアを開けて出てくる。
「で、どこに行くんだ?」
「食堂」
「食堂か……」
俺達がいたギルド内での食堂を思い出す……。
深夜までずっと騒いで、殴りあったり、喧嘩したりしてたな……
まぁ、流石に貴族だからそんな事はないか。
そう考えていると、声が聞こえてくる。
「あら、タバサ……おはよう」
タバサが小さく頷いた。
俺も前を向いてみると、赤い髪の女の子が、
使い魔をつれてやってきた。
「本当に人間を召喚したのね。
召喚された時は剣を持ってたけど……
今は持ってないみたいね」
「飯食いに行くのに剣なんか持って行くか?」
「それもそうね……」
まぁ、アイテムポーチにつっこんでるだけなんだけどな。
「あぁ、名前がまだだったか……ヴェルだ、よろしく」
「私はキュルケ・アウグスタ・フレデリカ・フォン・アンハルツ・
ツェルプストーよ」
無駄に長いな……覚えずらそうだ。
キュルケは、俺の顔を覗き込んでくる……。
「見えないわね……真っ暗。
魔法でもかかってるのかしら?」
「あぁ、魔法がかかってる。」
他にも、探知不可能や気配隠しなどもある。
「ふーん……っと、タバサ早く行きましょう?
遅れちゃうわ」
タバサが頷き、俺達は三人で並んで食堂へと向かう……途中、
ピンクブロンドの女の子……ルイズだっけ?と黒髪の男の子がいた。
黒髪の子は、きっと俺と同じように召喚されたんだろう。
「あ……タバサ、おはよう。
それに……ツェルペストー!」
あれ?俺の事無視してね?
「タバサも平民を召喚したんですって?」
「そう」
……あぁ、そういう設定だったな。
闇とか光とか……異端尋問?にかけられる可能性があるらしい。
エルフ……だっけ、が使うような魔法と似ていたら、
異端尋問……だっけ。
まぁ、俺が魔法を使ったら【東方】だとか何とかの魔法使いって事にする
みたいだ。
「あぁ、平民だ……そっちの黒髪は?
ここじゃ珍しいけど」
俺が黒髪の男の子を指差す、と
「俺の名前は平賀才人。才人でいい。
突然コイツに召喚された……よろしくな」
才人はルイズを指差す。
おい……主をコイツ呼ばわりかよ。
俺も呼び捨てだけどさ。
「ヴェルだ。
タバサに召喚された、よろしく」
……あれ?
「そういえば、タバサ?」
「何?」
「飯食うところってさ、貴族専用なんだよな?
俺と才人はどうすればいい?」
「……そうなのか?」
「あぁ、確かそうだったような気がする」
昨日、大抵の事は説明してもらったな。
スクウェアとか、錬金とかも教えてもらった。
「才人は何もしらないのか?」
まぁ、名前からしてそうだよなー。
一般人だし……俺も一般人だったけどな。
「あぁ、突然この世界に呼び出されて……」
「世界?」
「また異世界とか言う気?」
ルイズが呆れたように才人を見つめる。
「だってどうだろ!?月が二つなんておかしいに決まってる!」
決定……日本人だ。
どうやら俺みたいに、神に会って来たわけじゃなく
突然きたみたいだ。
「まぁ、落ち着けって……飯だ飯」
「……おう」
不貞腐れんなよ……
「タバサ、飯どうすればいい?
俺と才人は無理だろ?」
「……食堂に行けば、賄いを貰えるか聞いてみる」
「ん、ありがと……んじゃ、才人ー。
行くぞー」
「あ、おう!」
「ちょ、ちょっと!勝手に人の使い魔を……」
後ろから何か聞こえたが、飯だ飯……まぁ、後で謝っておくか
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四話『使い魔』 | ||
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