IS 〈インフィニット・ストラトス〉 蘇りし帝国の亡霊 プロローグ4 |
「連続殺人事件?」
イギリスの某所に存在する、OSA(米秘密捜査局)の本部でケヴィン・J・ブラスコヴィッツが、上司に事の顛末を尋ねていた。
「ああ。ドイツの方でここ数ヶ月の内に、既に37件もの犠牲者が出ている。犠牲者の繋がりはバラバラ。何一つ関連するものが見当たらない」
「その事件が何でコッチ(OSA)に関係してくるんです?それに今の時期、第二回モンド・グロッソが目前に迫ってるっていうのに…後二週間無いんでしたっけ?向こうは何もしなかったんですか?」
「正確には9日後だな。目前に迫ってるからだ。下手に事を荒立てて、せっかくお膳立てした舞台を滅茶苦茶にされたくなかったらしい。だから何も起こっていないと思わせて、警察が秘密裏に調べてたんだ。それにどうも様々な利権等も絡んでるらしい。あと、向こうの女のお偉いさんが『そんなの大した問題じゃない!それに男なんかがしゃしゃり出るなんておぞましくて嫌だ!』とか言って、碌に調査に力入れてなかったみたいだ。だから向こうは細々と調査するしか無かったらしい。世知がない世の中になったもんだよ。遺族等は訴え出ても、全て棄却されてる」
「何ですかそれ!人の命を何だと…」
「だが、犠牲者の中にとある富豪の息子がいてね。その筋からこの話が回って来たんだ。…それに実はここだけの話なんだが、犠牲者の中にうちのエージェントが数人いたんだ」
「…成程。他の所の秘密情報部が出てくる前に、何故犠牲になったか調べるんですか」
「理解が早くて助かる」
「分かりました。今すぐドイツに向かいます」
「頼むよ。ああ、そうだ。それと君に贈り物が来ていたんだ。これがそうだ」
手渡された小包は小さく、本当に片手サイズでしか無かった。
「開けてみても?」
「ああ、構わんよ」
小包を開けてみると、そこにはメダリオンがあった。周囲には何やら特徴的な彫刻が施され、その真ん中の部分は回転するようである。そしてその回転する箇所の先端には、何かが嵌っていたかのような小さなくぼみがあった。
「ほう、中々素晴らしいな」
「ええ…あの、これは一体誰が?」
「それが皆目検討もつかないんだ。誰かが君宛に送ってきたのは確かだが、何時の間にかここに配達されていてね。『爆弾かも』と思い、X線等で調べてみたが、どうもそうではなかったからそのままにしていたんだ」
「そう、ですか」
「ああ、それとこんなポストカードも一緒だった」
そこにはここの宛先だけしか書かれておらず、名前等は入っていなかった。そしてそのカードの内容はとても短かった。
『これが貴方の下に届いている頃には、きっとメダリオンも届いている筈でしょう。それは貴方の命に関わる重大な物。肌身離さず持ち歩くように。そうすれば重要な物事が見えてくる筈です』
「どういう意味でしょうか?」
「分からない。これが『重大な物』とあるが、一体どう君に働くのか。そして『重要な物事』が何なのか、皆目検討もつかん。それはそうと、君はそろそろ出掛けた方が良いんじゃないかね?」
「え?あっああ、す、すいません。すぐに向かいます」
「ああ、気を付けてな。…幸運を」
「有難う御座います。では、失礼!」
そうして、一人の男???ケヴィン・J・ブラスコヴィッツはドイツへと飛んだ。
この事が、彼の人生に大きな局面を与える事を知らずに。
説明 | ||
ISとWolfensteinのクロス作品です。 もう一人オリキャラの登場です。 |
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インフィニット・ストラトス IS Wolfenstein | ||
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