恋姫の世界に行ってくる 第十幕 |
<華琳サイド>
どうやら賊は片ずいたようね。報告より少し数が多かったけど、この数を防ぎきった
秋蘭と季衣には何か褒美をあげないとね。特に秋蘭には、ね。
「華琳様、ただいま戻りました。」
「秋蘭、お疲れ様。報告より数が多かったけどよく耐えたわね。けど、損害は小さくないようね。」
「はっ。しかし彼女らのおかげで、防壁こそ破られましたが、最小限の損害で済みました。
街の住民も皆無事です。」
彼女ら?秋蘭にここまで言わせるとはね。
「この大梁義勇軍を率いてるものです。
この度、増加し続ける賊に対抗するため兵を挙げましたが、数が違いすぎ、この様に
夏侯淵様に助けていただいている次第で。」
「そう。自分の実力を見誤ったのはともかくとして・・・街を守りたいという
その心がけは大したものね。」
「面目次第もございません・・・」
けど、
「あなた達がいなければ、私の大切な将を失うところだったわ。ありがとう。」
「はっ!」
「それでですね。華琳様。凪達を華琳様の部下にしてもらえませんか?」
秋蘭が進言するという事は、実力は少なからずあるのね。
「聞けば、曹操様もこの国の未来を憂いておられるとの事。一臂の力ではありますが、
その大業にぜひとも我々の力もお加えくださいますよう・・・」
「・・・後ろの二人は?」
「ウチもええよ。曹操様の話はよう聞いとるし。その方が、大陸を治めてくれるんやったら、
今よりは平和になるやろ?」
「凪ちゃんと真桜ちゃんがそれでいいなら私もそれでいいのー」
「・・・良いでしょう。三人の名は?」
「楽進と申します。真名は凪・・・この命曹操様にお預けいたします。」
「李典や。真名は真桜や。以後よろしゅう。」
「于禁なのー。真名は沙和っていうの。よろしくお願いしますなのー」
「凪、真桜、沙和。そうね、まずは・・・住民への配給をしてきなさい。
そこに北郷という男がいるわ。その男に指示を仰ぎなさい。」
「はっ!「りょーかい。「わかったのー。」」」
そう言って走っていく三人。
「思わぬ所でいい収穫だわ。ところで季衣の姿が見えないわね?」
「そういえばそうだな。秋蘭、一緒じゃなかったのか?」
「ああ、季衣とは別行動でな。戦が終わったら報告に来るよう言っておいたのだが・・・」
まさか・・・季衣に限ってないとは思うけど。
「探しに行くわよ。春蘭、秋蘭、桂花、行くわよ。」
「御意!」
そう言って歩きだした私に後ろから、
「華琳様。一つお耳に入れておきたいことが。」
「何、秋蘭?」
「この街に、慈悲深き死神がいるのですが・・・」
「なんですって・・・それは本当、秋蘭?」
慈悲深き死神。この辺に現れたとは聞いていたけど、こんな所で会えるなんて。
「それで、どうだった?」
「はい、まさしく噂通りの残忍さで、東側にいた賊をたった一人で殲滅。
それに、一瞬目が奪われるほどの美貌の持ち主でした・・・」
「そう、欲しいわね。」
「華琳様!どこのどいつかも分からない人間を入れるなんて!」
「桂花。そうやってムキにならないの。今日は私の閨に来なさい。
たっぷり可愛がってあげる。」
「華琳様〜」
そんなことを話していると、前を歩いていた春蘭が、
「季衣どこだ〜、いたら返事をしろ〜。」
「あ、春蘭様だ。春蘭様〜、こっちですよ〜。」
「ん、おお、季衣。そこにいたか。華琳様、いましたよ。」
見つけたわ。無事でよかった。
「季衣ダメでしょ。戦闘が終わったら報告に来ないと。」
「ごめんなさい華琳様。」
「でも無事でよかったわ、季衣。ん、貴方は?」
そう言ってその者を見た私は思わず、口が緩んでしまった。
「華琳様、その者が例の。」
「そう、貴方が慈悲深き死神かしら?」
<海斗サイド>
あの顔。確実に狙われてる。話をしたいとは思ったが、降る気は毛頭無いのに。
「華琳様、その者が例の。」
「そう、貴方が慈悲深き死神かしら?」
死神ね・・・
「自分でそう名乗った覚えは無いが。どうやらそうらしい。それで、曹操。何かようか?」
「貴様!華琳様になんて口n「春蘭、やめなさい!」むぅ〜。」
なんでこの世界の人間はすぐ手が出るんだ。
「噂の真偽を確かめたくてね。でも、どうやら本当らしいわね。
貴方、名は?」
「韓義、字は紅炎だ。こっちは典韋。今回は典韋の友達の許?を助ける為にここに来た。」
「典韋です。季衣がお世話になっています。」
そう言うと流琉の方を見て、
「貴方が典韋ね、季衣から話は聞いているわ。料理が得意だとか?」
「は、はい。いつも季衣に食べさせてたので。自然と。」
ますます俺らを見る目が変わってきたぞ。
話をしたら引き込まれる。ここは逃げだな。
「じゃあそろそr「待ちなさい。貴方達、私の者になりなさい。」・・・」
遅かったか。仕方ない。
「何故?」
「そうね、才ある者を才ある者が使うのは当然よ。私は貴方達を使う事が出来るわ。
貴方は武に優れている。典韋も武を持っているようだし、料理の腕も有りそうだから欲しい。
どうかしら?待遇は約束するわよ。」
俺はこの唯我独尊なとこが嫌いなんだが、口が裂けても言えないな。
「流琉、お前はどうしたい?」
俺は付く気は無いが、流琉は。季衣もいるしな。
「私は・・・どこまでも付いていきますよ。そう決めてますから。」
「そうか、分かった。なら曹操、悪いが断らせてもらう。」
「貴様!華琳様の誘いを断るとは!「春蘭!・・・理由を聞かせてくれないかしら?」
むぅ〜秋蘭。」」
理由か、まず一番大事な事が、
「曹操、逆に聞くが俺に対して武以外で何に期待してる?」
「そうね、私は美しい女に目がないの。私に付いてきたら、閨で良いことをしてあげるわよ。」
「だってさ、流琉。どう思う?」
そう言うと流琉は顔を真っ赤にして、
「に、兄様。閨って。それに兄様って男ですよね。」
「「「「へ?」」」」
「そういうことだ。ご期待に添えないようで悪いが、俺は男だ。」
全く、面倒な容姿に変えてくれたもんだ・・・
「なあ、秋蘭。あいつ女なのに男なのか?」
「姉者、少し黙っていてくれ。」
「嘘を付いてるんじゃないでしょうね・・・」
そんな怖い目で見んなっつうの。
「正真正銘の男だよ。こんなことで嘘をついてどうする。
まぁそういうわけだ。」
「・・・分かったわ。でもそんな理由で断れるとでも?」
性別間違われてるのがそんな事って・・・
「まだあるがそれは「おーい、華琳。住民への配給終わったぞ。」・・・やっぱりか。」
それは原作ではあまり顔が映らなかったが見覚えのある男の姿だった。
「一刀、お疲れ様。凪達から話は聞いてるでしょ。あの三人、貴方に付けるから色々と教えてあげな さい。」
「ちょ、ちょっと待てよ。いずれ武将になるような三人を俺にか?」
「・・・何か文句でも?」
「ありません。ってそちらの方は?」
「韓義に典韋よ。季衣を助けてくれてね。武の方も相当な物だから、
私の部下になるよう説得中よ。」
説得?命令の間違いだろ。
「典韋だって!それに韓義・・・」
「天の御使い北郷一刀か、そいつがいることが俺があんたの部下にならない理由だよ、曹操。」
「どういうことかしら?」
「北郷、韓義なんて武将は三国志にはいないぞ。」
「ん、そうなのか。わるい、たすかtt・・・ちょっと待て、今三国志って。」
「今のが答えだ。曹操の一人勝ちでは面白くない。行くか、流琉。」
「はい、兄様。」
そう言って村を出ようとする。
「華琳!あいつを捕まえてくれ!あいつは俺と同じだ。天の御使いで、未来を知っている!」
「なんですって!春蘭、秋蘭、季衣、捕まえなさい!」
「「「御意!」」」
そう言って即座に俺達を囲む三人。
「すまんな。助けてもらったのだが、華琳様の命令だ。悪く思うな。」
「流琉、下がってろ。」
流琉を自分の後ろに立たせる。
まだ武将の相手を出来るほどでは無いからな。
「来い。」
「言われなくとも!はあああぁぁぁ!!」
上段から一気に切り下ろしてくる夏侯惇。
それを大蛇で居合切りを放ちはじき返す。
「な、何ぃ!!」
「姉者!はっ!」
そう言いながら矢を三本まとめて撃ち放つ夏侯淵。
それを鞘に収めた状態の蟒蛇で弾き落とす。
そこに、
「ちょりゃぁぁーー!!」
季衣の岩打武反魔が飛んでくるも、
「ふんっ」
大蛇を斜めにして、その上を滑らせそのまま受け流す。
「はあああぁぁぁ!!」
今度は夏侯惇の猛攻。
ガキンッ ガキンッ
その一撃一撃が死に至るんじゃないかと思うぐらい強い。
こいつ、捕まえる気無いな。
「ふんっ。よけてばかりじゃ勝てはしないぞ!」
「そうだな、なら少し本気で行こう。」
これまたテイルズのユーリの技だ。今思うと、俺の外見もユーリに似てんな。
「行くぞっ!」
そう言って一気に速度を上げ、残像が残るほどにまで速度を上げた。
そして、前から、右から、左から、後ろから。
ありとあらゆる方向から夏侯惇に切りかかる。
そして最後に斬撃を加えた連撃。
ズバババァァン
「漸毅狼影陣」
「ぐはっっ・・・」
バタッ
「あ、姉者ーーー!」
一応全て峰打ちにしたから大丈夫だろ。
「くっ、ま、まだだ!」
「おい、無理すんな。かなりの数の連撃を叩き込んだ。もう立ってるのもやっとだろう。」
大剣を杖の様にし、立ち上がろうとする夏侯惇。
「春蘭、もういいわ。この男を甘く見すぎていたようね。」
「華琳様・・・すみません。」
「なあ、あんたは何物なんだ。なんでそんなに強いんだ。」
「さぁな。それを知った所で何かが変わるわけじゃない。それじゃあ行くか。黒兎!」
ヒヒィィーン ブルゥゥゥ
「行けるか、流琉?」
「ちょっと待ってください。季衣、じゃあ行ってくるから。」
「流琉〜、行っちゃうの?」
「うん。季衣が曹操様に付いてくって決めたみたいに、私も兄様に付いていくって決めたんだ。
いい、季衣。私が居ないからって、食べ過ぎたりしちゃ駄目だよ。」
「うん、分かった。またね、流琉。」
「うん、また。」
そう言った流琉は黒兎に跨る。
「どこへ行くのかしら?それだけ聞かしてくれてもいいかしら?」
「しばらくは大陸を旅する。そこで、仕えるに値する人間が居れば仕えるさ。」
「そう・・・」
俺は黒兎に跨り、
「じゃあな、曹操。また会おう。」
黒兎は一気に加速し、すぐに村が見えないぐらい離れてしまった。
「兄様。今度はどこに行くんですか?」
「そうだな、気の向くままに何処かにいくさ。」
あとがき
本当にユーリが大好きなnontanです。
蒼破刃に漸毅狼影陣、ヴェスペリアやった直後です、これ投降してるの・・・
まあ、オリジナルなところも増やしていきます。
ご意見、ご感想、ご指摘があればコメントしていただけると嬉しいです。
でわでわ
説明 | ||
華琳様登場。 武将との戦闘、表現ムズイ。 相手は、わかりますよね。 |
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コメント | ||
マル棒丸様:貴重なご意見有難うございます。ここで一刀と華琳に未来人と分からせたのは、原作の様にならなくするためです。えっとあまり詳しく話すとネタバレになってしまうんですが。自分以外に未来を知っている人がいると知った一刀は、この歴史を自分も知っているが、相手も知っている。ならばどうする?と、後々オリジナルな感じを出したくて一刀と華琳には正体をバラしました。(a) 何故、主人公は一刀に自分が未来人である事 [三国志]というキーワードを入れて話したの? 主人公が未来人だと分かったら、一刀や華琳がほっとくわけないと分かってる筈じゃないの? メリットないよ 警戒させるだけじゃ・・・・ それに、流々をつれているんだから余計な戦闘が起きないよう立ち去る という考えはどこに...... (マル棒丸) |
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