IS<インフィニット・ストラトス>with LN<リリカルなのは>第十五話 |
第十五話 任された極秘任務
「久しぶりだな、管理局に来るのも」
俺は管理局に着くと自然とそう声に出していた。
「二ヶ月ぶりか?俺は仕事で来てるけどさ。と言っても回数は少ないんだけどな」
弾は俺と並んで歩きながらそう言った。
「いくらSランク魔導師でもまだ高校生だもんな、まあ、なのはさん達は違うけどな」
「あの人達が特殊なだけだろ」
本来なのはさん、フェイトさん、はやてさんは本来俺より一つ上の学年、つまり高校生二年生として青春を謳歌している筈なのだが、中学卒業後すぐに管理局に入り機動六課を設立し活躍している。
まあ、そのことについては色々あったとしか言えない。
「てか、一夏に至ってはその年で管理局最強だろ?俺はお前の方が特殊______いや、異常か?」
弾はそう言ったが俺も少々自覚はある。
自分が異常だと言うことに。
何故だか知らないがあの修行に耐えられた。
本来人間に対してやるべきでない修行に。
一年でその修行を終えた自分に。
少なからず自分はそう思っていた。
『雪白刹那』も何か関係しているのかと思ってしまう。
「あの人達の修行を受けてれば自然とそうなるって」
だから俺は無難にそう答えていた。
と言うか答えるしかなかった。
『雪白刹那』を知っているのは管理局のごく一部しか知らない。
六課でも知っているのはなのはさん、フェイトさん、はやてさんの三人しかいない。
もちろん弾は知らない。
「いや、死ぬだろ」
弾は苦笑いして言った。
実際にそうなのだが。
そしてそうこうしているうちに目的の場所に着く。
「ここで合ってたっけ?」
「一夏流石に冗談だろ」
まあ、そうなのだが。
俺と弾の目の前のドアには
_______提督室
と、あった。
「んじゃ、さっさと入りますか」
そう言ってドアをノックする。
コンコン
『入ってくれ』
中からそう聞こえてきたので俺と弾はドアを開け部屋に入った。
「久しぶりだな、一夏、弾」
そう言って来たのは俺や弾の友人にして管理局提督を勤めているクロノハラウオンだった。
「おう、久しぶりだなクロノ」
「相変わらず身長は変わってないな」
ちなみに俺が上の方ね。
「気にしていることを一々言うな!」
クロノはかなり気にしているらしいな。
「そうだぞ、いくらその通りだからってそういうこと言っちゃ失礼だろ」
「一夏、お前もな!」
クロノのツッコミが炸裂する。
何かクロノって弄りやすいんだよな。
「てか、さっさと本題に入ろうぜ」
弾がそう言うとクロノはため息をつきながら
「誰のせいでこうなったんだよ..........」
そう言っていた。
クロノはゴホンと咳をしてから本題に入った。
「今回君たちを極秘で呼んだのにはわけがある」
そう言ってクロノは資料を渡してくる。
「これって..........」
そこには魔導師の名前がズラリと書いてあった。
「そうだ。君たちは察っしているであろう最近多発している魔導師行方不明事件の被害者が乗っている」
資料を見る限り三十人くらいだ。
しかしそれ以上に興味深いところがあった。
「なあ、クロノこの被害者達って..........」
弾がそう言うとクロノは目を伏せながら
「ああ、全員________
_________管理局の男性魔導師なんだ」
「なっ!?」
クロノの一言を聞いて黙り込んでしまう弾。
「なあ、もしかしてその件ってあの襲撃事件と関わっていたりするのか?」
「ああ、関わっている、IS学園に襲撃してきたISは恐らく一夏を狙っての犯行だ」
クロノはそう言った。
しかし俺はある疑問に気付く。
「なあ、クロノ。何で襲撃事件について知っている?」
あのIS襲撃事件は地外法権がはたらくIS学園で起きたため管理局には伝わらない筈。
それに千冬姉がいたらまず面倒なことになるこの事件は管理局には伝えない。
それなのに何故?
「更識から連絡が来たんだよ」
更識_________楯無のことか..........
成る程な、納得した。
千冬姉..........
恐らく、自惚れではないが俺のことが心配だったのと、この事件は思っているよりまずい事件だったから管理局で信用できるクロノに伝えるように言ったのだろう。
「びっくりしたよ。更識が『私の一夏君が襲撃された!』なんて言ってくるからさ。最初は何のことだかと思ったが」
「誰が私の一夏君だ」
「それは更識に言ってくれないか」
クロノは困ったように言った。
だが俺はあることに気付く。
「..........」
だあぁぁぁぁぁぁぁん!!!
すっかり話しに着いてきてこれない赤髪の男がいた。
事情説明中
「なるほどな。襲撃されたのか」
弾は納得したように言った。
「そういうことだ」
クロノはそう言った。
「で、この件で俺達を呼んだ理由はなんだ?俺はまだ当事者だから呼んだってのは分かる。弾も呼んだのは狙われているのが管理局の男性魔導師だからってことだろう」
俺は更に続ける。
「でも、それだけじゃないんだろ?」
そう言うとクロノはおもむろに
「ああ、君たちには囮を頼みたいんだ」
「囮だと?」
弾がクロノの発言に反応した。
「いや、正確には犯人の逮捕に協力して欲しいんだ」
成る程、だからこの人選なのか。
「つまり、あれか?狙われているのが管理局の男性魔導師でこれ以上被害を出さないように管理局最強って言われている俺と魔導師ランクSの弾を囮にして狙ってきた犯人を返り討ちにして捕まえろってことか?」
「ああ、概ねその通りだ」
クロノは友人に囮を頼んだのが心苦しいか苦い表情をする。
「でもさ、思ったんだけどよ、一夏の所に襲撃してきたのはISだぜ。しかもリンカーコアも積んでるって話だろ。一夏はいいとしても俺の強さでやりあうとかなり微妙だぜ」
弾はそう言った。
確かにあのISはランクSでも微妙だ。
魔導師相手ならまず弾はかなり優勢に立ち回れるし、ISが相手でも弾は同じだろう。
しかしそれが一緒になると話しは変わってくる。
ただでさえ通常のISでもかなりの機動性や攻撃能力を誇るのに魔力でそれを強化すれば機動性や攻撃能力も段違いになる。
俺を襲ったあのISの収束砲は正しくそれの産物だ。
喰らえば只のISじゃ耐えられない。
それは魔導師でも同じ事だ。
バリアジャケットが破壊されれば魔導師も只の人間だ。
良くて大怪我、悪くて死。
だからこそ、弾は言っているのだろう。
「弾を呼んだのは勿論事件に協力してもらう為に呼んだ、それは間違いないよ。まあ、ここから本題なんだよ」
クロノはもう一つの資料を出した。
そこにはある人物のことが載っていた。
「弾にはこれとは別の件を頼む、このエミル・レイルトンの護衛をね」
エミル・レイルトン性別女年齢13歳、家は普通で現在ミッドチルダに3歳離れた兄と二人暮らし。両親は管理局職員、魔導師ではない。
Stヒルデ魔法学院の中等部に通っている。
見た感じミッドではごく普通の人物だ。
「なんで護衛なんだ?見た感じごく普通の女の子だと思うんだが」
「この件は上からの極秘命令なんだよ。だから僕も詳しくは教えて貰えなかったんだ」
悔しそうにするクロノ。
「つまり、俺と弾って全く別の件で呼ばれたってことか?」
「ああ、そうだ。全く別の件なんだよ..........」
クロノはちょっとつまっていた。
「どうした?何かあるのかよ?」
弾がそう言うとクロノは口を開けた。
「いや、ちょっと嫌な予感がしてね。この二つの件が全く関係ないとはあまり思えないんだよ」
「どうして?」
「特にこれといった理由はないんだが..........ただな..........」
クロノが珍しく根拠の無いことを言っている。
用心しておいた方がいいな。
「まあ、取り敢えず俺はさっさと護衛の任にでもいってくるわ」
弾はあまりそれを気にした様子もなくそう言った。
「気を付けろよ」
「何が起きるかわからないからな」
俺とクロノはそう言った。
「おお、行ってくる」
そう言って弾は部屋をで出てった。
「大丈夫なのか..........?」
「弾は強い、心配するなよ」
クロノが心配そうにしていたので俺はそう言った。
「で、俺の件は?」
こっちもさっさと終わらせようと思い促す。
「そうだった。一夏、君にはね犯人の確保、それに行方不明の被害者の居場所の発見を頼む」 そう言ってクロノは更に資料を出す。
「君にはここにいってもらいたい」
そこに書いてあったのは
_____________海鳴市
は?
海鳴市?
「どうしてここなんだよ?」
「実は最近、海鳴市で、謎の失踪事件が発生しているんだよ。被害者は五人、全員男だ」
クロノはもう分かったなという目で見てきた。
「その五人は全員魔導師の可能性が高いと言うことか?」
「その通りだ」
一夏は理解力が高くて助かるよ、そう付け足してそう言った。
「それでだ、一夏にはこの失踪事件の六人目の被害者になって欲しいんだ」
形だけだけどねと付け足して。
しかし、海鳴か、士朗さん達に挨拶しないとな。
でもあのシスコンがいるからな。
普通に挨拶は出来なさそうだ。
それとアリサさんやすずかさんにも挨拶しないとな。
余談だがアリサさんとすずかさんって何故かは知らないけど俺と会うと顔を赤くしたりするんだよな。
それになのはさん達もそうなんだが俺に対してのスキンシップが激しいと言うか、腕に胸当ててきたりするんだよな。
俺のことをからかっているんだろうけど、俺も男だからそういうの控えてもらいたいっていうか(女の子のアピールに気付かない男、それが織斑一夏)
「まあ、分かったよ。ようは俺が海鳴に行って犯人捕まえろってことだろ」
簡単に言うとそうなる。
「でもそれって長期滞在とかになるかもしれないだろ?俺、IS学園の生徒でもあるんだが」
「その件なら千冬さんに許可を貰っておいた」
随分と根回しが早いな。
「それと現地に協力者がいるから、一夏にはそこでお世話になってもらう」
「協力者?士朗さんのところか?」
「まあ、行ってみれば分かるよ」
クロノはばつが悪そうに言う。
「まあいいや、行ってくるよ」
俺はそう言って部屋を出ていこうとする。
「一夏、気を付けろよ」
「ああ、肝に銘じておく」
クロノに言われ、返答する。
俺は今度こそ部屋を出ていった。
「あ、そう言えばあの事について言ってなかったな..........まあ、一夏のことだから大丈夫か..........」
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もし、一夏が管理局最強魔導師と呼ばれていたらのifの物語。 | ||
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