いわゆるテンプレ物語 第8話 |
…さて、日付は変わり日曜日。
小鳥がないているすがすがしい朝。
サッサと着替えをして、外にいく格好(いい服がなかったので制服にした)をして、朝ごはんをたべ、キンジの部屋に行く。
キンジは…
部屋にいないようだ。
まあ、日曜日だし、でかけたんだろう。
さてと、俺はアリアの所へ行って介入しますか。
日がすっかり登った10時ごろ
街の床屋のそばの道路に着いた。
たしかここの床屋でアリアが髪型をかえ、アリアのお母さんのところに行くはず…
っと、アリアが出てきたな。
まあ、予想どうり前髪をさげ、額の傷をうまく隠しているようだ。
では、尾行を始めますか。
っと、あれはキンジか?
下手な尾行だな。あんなんじゃすぐにバレるぞ?
−−−−10分後−−−−
「なに着いて来てるのよ?尻尾がニョロニョロ見えてるわよ?」
「げっ…気づいてたのか。それならサッサと言ってくれればいいのに」
「話すかどうか迷っていたのよ。一応あなたも武偵殺しの被害者だからね」
「それとこれと、どういう関係があるんだよ?」
「いいからついてきて」
「はいはい。…ってここは…警察署?」
…まだ俺に気づかないのかよ。
ちょっとここまで来ると、悲しくなってくるぞ…?
この際、最後まで気づかないで行くか。
結局、警察署から出てくるまで気づかれなかった。
…もういいや。
「ついてこないで!!」
と夕方の街に叫び声が響く。
アリアとキンジがようやく別れた。
ったく、こんなところで泣くなよ。
そんなにアリアは悲しかったのか?
…確かに、実の母親があんなに乱暴に扱われたら泣きたくなるのかもな。
別れた後、すぐにキンジは何か思い立ったように走って行った。
大方、学校の資料室にでも行くんだろう。
俺は家で待ってるか。
飛行機に乗り込むつもりはない。
あそこに俺が居ると邪魔だからな。バックアップでもしますか。
−−−−−−神崎かなえside−−−−−−
娘との面会がやっとできたわ。
まさか1ヶ月も待たされるなんて思ってもいなかったわ。
ところで、これは一体どういうことなんでしょう?
私の前には何故か固まった皆さんと、唯一動いている羽の生えたちっちゃい女の子がいます。
「あなたが神崎かなえさんですね?」
「ええ、そうですわ。何のようでしょう?皆さん固まって居るのですが?」
「これは私が時間を止めて居るだけです。今話しても、誰にも聞かれないのでご安心ください」
「…にわかには信じ難いですけど、実際に起こっているのですね。それで、なぜこんなことを?」
「あなたのお子さんのアリアさん、助けたいですか?」
…この子何を言っているのかしら?
「…何からですか?特に思い当たらないのですけれど」
「彼女自身の悩みからです。私なら救うことが出来ます」
「…ちっちゃいのにそんなこと任せちゃ悪いわ」
だいたい12歳くらいかしら?
「大丈夫ですよ。伊達に360年も生きてませんから」
そんなに生きてたのね…
そういえば羽を持ってるし、人間では無いみたいね。
まあ、任せられるわね。
「それじゃあ、お願い出来るかしら?」
「もちろんです。では。」
そう言って彼女は消えてしまい、時は動き出した。
−−−フランside−−−
今は7時15分。
すっかり日が沈んで、あたりが暗くなった頃、
俺はベットで寝ていた。
どうこうしたからって事件が無くなるそうじゃないし、ゆっくりとその時を待っていた。
pppppppppp
…きたな。やっとか。
「はーい。どちら様ですか?」
「俺だ。武藤だよ。大変なことが起きた!今すぐ教室に来てくれ!」
そう言って一方的に電話を切られた。
ったく、焦りすぎなんだよ。…仲間が関わってるんだし、しょうがないけどさ。
取りあえず走って教室に向かう。
と言っても、流石に全力ではない。5割も出せばF1並みの速さになる。
静かな夜の道を駆け抜ける。
3分程で学校の玄関についた。
あたりは真っ暗でもの音一つしない。
そんな学校の教室が一箇所だけ明るくなっている。
階段を駆け上がり、教室に入ると一気に俺に視線が集まった。
「フラン、きてくれてありがとうな」
「それよりも、何が起こったのか説明してくれないかな?」
「ああ、わかった。実はハイジャックがさっき起きてな、そこに神崎とキンジが乗ってんだよ」
「今の状況は?」
「現在犯人と交戦中の様だ」
もうそんなに進んでいたのか…
行くか。
まずは先生に許可をとっておくか。ちょうど車両科の先生も居るし。
「先生、武偵が飛行機を飛ばすのに許可っているんですか?」
「いや、特にはないが?」
なら良いな。
「それじゃあ先生、武藤くん、ちょっといってくるから」
「ちょっ、待てよ!」
そんな武藤の声は無視して窓から飛び降り、海に向かう。
着くと、モーターボートを創り、空き地島を目指して出発した。
…今回で能力持ちだとわかっちまうけど、いずれバレるなら早い方がいいよな。
空き地島に到着し、戦闘機を創る。
今回選んだのはF-35。ステルス性も有り、垂直離陸もできる。狭いここではぴったりの機体だ。
ちなみに、改造としてバルカン砲を一門、装備してある。ミサイルは機体内には入れず、翼下に左右2つずつの自動追尾ミサイルを取り付けてある。
こうすることで、ステルス性は落ちるが、対空装備だと知らせておっぱらえるだろう。
このミサイルもやはり改造済みで、一度撃ったら当たるまで延々と追い続ける。
何ともチートすぎる機体だ。
ヘッドマウントディスプレイをつけて機体に乗り込むと、後ろから武藤がやって来た。
「おい、なにするきだ!?」
「何って、遠山くんたちが乗ってる飛行機の護衛?」
「そんなことしなくても…っていうか、操縦できるのかよ!?それF-35だろ!?どうやっててにいれたんだよ!?」
興奮しすぎだろ…落ち着いてくれ…
「能力で創ったし、これにはかなり慣れてるから大丈夫だよ」
神界にいたとき、嫌なほどこれで操縦訓練をやらされたからな…
まさか30機といっぺんに相手するとは思ってなかったなあ。
そのおかげで操縦は体の一部の様に出来るようになったからいいんだけど。
車両科の先生もきたようだな…一応言っとくか。
「先生、この機体の無線の周波数は441.96Hzです!こっちからいうことが有るかもしれないんで、合わせて置いてください」
「わかった。気をつけろよ」
「では、いってきます」
コクピットに入り、ヘッドマウントディスプレイを機体に繋ぎ、ハッチを閉める。
注意:ここからは無線での会話です。
「武藤くん、聞こえる?」
「ああ、感度良好だ」
「じゃあ、いってきます」
…あれ?このセリフ二回目か?
まあいいや。
垂直に離陸し、ある程度の高さまで上昇したらキンジ達のところに向かって、フルスロットルで向かう。
すると、すぐに武藤から無線がきた。
「フラン、キンジ達の飛行機にミサイルが当たって燃料が漏れてるらしい。着陸させたいけど、羽田は封鎖されて、横についた戦闘機について来いと言って居るらしいぞ!」
「わかった。絶対に従わないように言って。戦闘機は何とかする。」
さて、戦闘開始と行きますか。
−−−−−−キンジ達の飛行機に並んで飛んでいる戦闘機パイロットその1side−−−−−−(長すぎた by作者)
俺は簡単な任務を命じられた。機体に損傷を負ったジェット機を海の上に誘導して撃墜するという任務だった。
俺にとっては片手間で出来る内容だった。
途中までは。
ジェット機の横に着いて飛んでいると、レーダーに反応があった。
あり得ないことだ。しかも、こちら以上のスピードで近づいてくる。
「管制塔、こちらファルコン1。後方から高速飛行物体が接近中。指示を求む。」
「こちら管制塔。目視で確認せよ。攻撃はするな。」
「…了解」
クソッタレ!先制攻撃もできないのかっ!これじゃあ撃ち落とされちまう!
そうこう考えていると、自分の横を一機の戦闘機が飛んで行った。
「管制塔!F-35だ!しかも対空装備だ!所属は確認できず。圧倒的にこちらが不利だ!」
−−−−−管制塔side−−−−−
「管制塔!F-35だ!しかも対空装備だ!所属は確認できず。圧倒的にこちらが不利だ!しかも今、後ろにつかれている!」
何だと!?一体どこの所属だ!?アメリカか?イスラエルか?台湾か!?
しかも対空装備とは…戦闘では負けるじゃないか!?
このパイロットからの無線を聞いて人で溢れた管制塔が一機に騒がしくなった。
その時、一本の無線が入った。
「どうも〜。こちら話題になっておりますF-35のパイロットでーす」
と聞こえたのは、女の子の声。
おそらく、中学生位だろう。
「司令官、外部からかけられています。こちらの回線を使われています!」
どういうことだ!?この暗号回線を!?
…平常心、平常心。
これでは相手に付け込まれてしまう。
よし、落ち着いた。
「きみはどこの所属だね?」
「そんなの教えるわけないでしょ。
と普通ならいうけど…私は東京武偵高のフランドール・スカーレット。Rランク武偵」
「なっ!?」
「手っ取り早くいうけど、サッサと戦闘機をどけてください。速やかに行われなかった場合は、武力行使もあり得ます」
「ちょ、ちょっと待ってくれ!」
「30秒待ちましょう」
どうすればいいんだっ!?
「おい、ファルコン1。どうにかして撃墜できないのか!?」
「無理です。憲法9条があるので、こちらからは手を出せません」
「クソッ!」
どうしようも無いじゃないか!」
「時間です。答えを聞きましょう」
「…わかった。ファルコン。引き上げろ」
「!………了解しました」
「ご協力ありがとうございます」
何だったんだあいつは…
Rランクだと?ふざけているな。
−−−−−フランside−−−−−
管制塔の指示どうり、横に着いて飛んでいる戦闘機は離れて行った。
「武藤くん。戦闘機の排除、終わったよ」
「そうか、ありがとう。 それで、これからどうするんだ?」
「それなんだけど、遠山くんたちに繋いでくれる?」
「ああ」
キンジが出たようだ。
「なんだい?フランちゃん」
…完全にヒスってるな。
「着陸なんだけど、空き地島に着陸したらどうかな?」
「なにいってるんだ?無理に決まってるだろ!」
と反発したのは武藤。
「大丈夫だよ、対角線に使えば。どの位あったっけ?」
「だいたい2000mちょいだけど、それでも足りないだろ !」
「大丈夫。いま、空き地島は向かい風が吹いてる。着陸できるよ。」
「そんなわけ…
いや、できるかもしれないな。キンジ、どう思う?」
「できるさ。ただ、空き地島が見えないのが厳しい。」
確かに。あたりは真っ暗で地面がどこなのかまったくわからない。
「それならなんとかなるよ。」
「本当か!?…それじゃあキンジ、頼む」
「了解♪」
空き地島へと向かい、ミサイルを証明がわりに使えるようにする。
マグネシウムと着火の装置を組み込んだ、即席の照明装置だ。
それを8本、空き地島の淵当たりに撃ち込む。
シュッっという音と共に、ミサイルが発射され、
まばゆい光が空き地島のうえで起こった。
輪郭がはっきりと見えた。
「フランちゃん、武藤、空き地島を確認できた。着陸する」
「気をつけろよ。」
「頑張って。」
後はキンジ自身の頑張り次第だな。
キンジ達の飛行機が空き地島へと向かい、高度を下げて行って、
着地した。
が、止まらない。
原作なら風車にわざと当たってとまるはずが、大きくそのコースをはずれてしまっている。
これでは、海へと落ちちまう!
どうすればいい…
飛行機のまえに何かものを作ってとめるか?
…いや、それじゃあキンジ達のダメージが大きすぎる。
要はスピードを落とせば言い訳だけど…
…空き地島の地面を傾ければいいじゃん。
なんでこんな簡単なことに気がつかなかったんだろ。
羽を出し、空き地島の地面を上り坂(角度20ほど)にする。
すると、急速に飛行機の速度は落ちて、無事に止まった。
羽をしまい、空き地島に俺も着陸する。
ちょうどキンジとアリアが出てきた。
「遠山くん、アリアちゃん、大丈夫?」
「ああ、大丈夫だ。まあ、銃が壊れちまったけどな」
「私も大丈夫よ」
「そう、良かった。
ところで、遠山くん。何か変なこと、アリアちゃんにやってないだろうね?」
「…別に?」
「そ、そうよ。そんなことされるわけ無いじゃない!」
「そんな事って?」
「キスとか………..あっ」
おお、自白してくれたか。
こんなんでよく武偵が務まっているな?
「ふーん。キス、したんだ〜?」
きっと今、俺は今までで一番、最高に悪い笑みをしているんだろうなぁ…
「し、してないわよ!」
「本当に?」
「してないわよ!本当よ!」
と顔を真っ赤にしながらアリアが言う。
「…逆に怪しい。早く本当の事をいいなよ?」
これでいけるか?
「…そうよ。したわよっ!なんでわかるの!?」
「いや〜、何となく。遠山くん、アリアちゃんとのキス、どうだった?」
「「なっ!?」」
おお〜更に赤くなってるwww
キンジに至ってはヒスリそうになってるな。
それでいいのか、おい?
まあいいや。
「あははっ。おろしろ〜い。ほら、帰ろう?」
「あ、ああ…」
「え、ええ。そうね。」
ちょっとまだ早すぎたかな?
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