いわゆるテンプレ物語 第9話 |
??????とある男side
3科目でRランクの上にあの飛行技術、そして超能力…
素晴らしい。
あれなら、いくら金をだしても惜しくないな。
要望にはすべてこたえられるだろう。
おい、お前!
この武偵に依頼して協力して貰え。
なに?見た目で判断するな!
この武偵なら依頼を忠実に遂行してくれるだろうさ。
ほら、サッサと連絡をとって依頼を申し込め!
翌日
「この泥棒猫!」
朝起きると、リビングの方から声が聞こえた。
気になって素早く制服に着替え、リビングに行くと、なぜか白雪が日本刀を手に鬼の形相で立っていた。
床にはキンジのものと思われる携帯。
拾って画面を見ると、白雪から40件以上のメールが届いていた。
固まっていたキンジが慌てて携帯を俺から奪い取り、ポケットにいれた。
白雪の初ヤンデレか。
「遠山くん、何があったの?」
キンジは頭を掻きながらいう。
「実は昨日の夜からずっと白雪からメールが届いていたんだけど、見れなくて。それで白雪が痺れを切らして…」
「直接乗り込んできたということだね。ご愁傷様」
「…フランも巻き込まれてるんだから、少しは焦ったらどうだ?」
「確かに、ちょっとヤバイかもね」
急に白雪がワナワナと震えだした。
「ペ…ペアルック!アリアとキンちゃん、ペアルックしてる!」
と言いながら、それぞれの腰にあるキーホルダーを指差す。
ペアルックって…何時の時代の言葉だよ。
「まさか…付き合ってたり…」
「違うから!フラン、何か言ってやってくれよ!」
急に言われてもなあ…
そういえば、
「私も同じの持ってるよ。流石に二股はしないでしょ?」
「でも…そうだ!昨日のハイジャックの時、なんか変なことしたでしょ!」
あ〜、もうダメかな。
キンジがビクビクしながら問いかける。
「た、たとえば?」
「キ………キスとか…」
二人は顔を真っ赤にする。
ここまで分かりやすいのか…
「したのね…したんでしょ!」
その矢先、白雪が日本刀をアリアの頭に振り落とす。
完全に殺す気だな。「アリアを殺して私も死ぬ!」とか言ってるし。
それをアリアは真剣白刃どりで迎え撃つ。
まさか俺以外にできる奴がいたとは…。
「ちょ、ちょっと待ちなさいよ!」
だけど、どっちもすごいな。白雪は日本刀の扱いがすごく上手いし、アリアもバリツやアルカタを駆使している。普段より何倍もいい動きをしてる。
「大丈夫だったのよ!」
「何が?」
必死なアリアに対し、般若のような顔の白雪が聞く。
「子供はできてなかったから!」
あー、そんな事もあったっけ。
「アリア、そんなのでできるわけないじゃないか…」
「ひいお爺様が教えて下さったのよ!」
「今時の小学生でも知ってるぞ!」
「なら、何なのよ!」
「い、いえねえ!」
テンポ良かった会話のリズムが崩れる。
まさかアレをしろなんて言えないだろうからな…
しょうがないといえばそれまでだけど。
「知らないんじゃない!」
「知ってるよ!」
いいかげんに子供みたいな会話にキレた白雪がアリアに詰め寄る。
「結局はキスしたんじゃない!!!」
と言いながらM60を取り出す。
一体どこにしまってたんだよ…
アリアをロックオンした白雪は銃をうちはじめる。
「ちょ…フラン、二人を止めてくれ!」
「無理だよ。屋外ならともかく、こんなに狭いところじゃあ出来ない。それよりも…」
「逃げるか」
俺たちはベランダへと向かい、倉庫兼セーフティボックスに入る。
「ふう。もう安心だね」
と、心配を軽減させるべく笑いながらいうと、なぜか顔を赤くしてうつむかれてしまった。
…怒らせちゃったかな?
「ご、ごめんね? 嫌だった?」
「そ、そんなことないよ。ありがとう」
なんか感謝された。
おかしなキンジだな。
その後若干お互いに避けながらも、大きな出来事はなく、無事に晩御飯の時間になった。
「おっ、今日は白雪が作ってくれたのか」
「うん。さあ、早く食べて?」
何だか、ここまでお互いに幸せそうだと新婚夫婦みたいだな。
机の上には大量の中華料理とご飯茶碗が1つ。
…あれ? 俺の分は?
「あの〜、白雪さん。私のご飯は…」
「あっ、ごめんね。今出すからチョット待ってて」
よかった。食べさせてくれない訳ではないんだな。
しばらく待つと、ピンクの可愛らしい茶碗に少なめにご飯が盛られていた。
正直、あまり量を食べられなくなった。
こんなに小さな身体になったんだから当たり前だけど、残念なものは残念だ。
では、酢豚を一口。
「美味し〜い!」
肉が柔らかく、味付けもバッチリ。野菜の硬さもちょうどいい。
「ありがとう。頑張ったんだよ」
「今度この作り方を教えてくれない?」
「いいい」
よしっ。作り方さえわかれば、また自分で作れる。
そういえば、アリアは…
「私の分は!?」
まだ何も食べていなかったのか。
「はいっ! さっさと食べちゃって」
ドンッ! と突き出されたのは箸が真っ直ぐに刺さったご飯茶碗。
米だけは特盛。
縁起悪いなぁ。
こめかみをピクピクさせながら、アリアが回鍋肉を食べようとすると、白雪に手を払われた。
「チョット、なにすんのよ!」
「これはキンちゃんの分! あんたにはあげない!」
それなら俺はどうなるんだ?
「じゃあ、フランはどうなるのよ!」
おお、よく気付いたな。流石ホームズの孫。
「フランちゃんはキンちゃんの命の恩人だからいいの」
さいですか………。
その後も言い争いは続いたが、何とか寝る前には終わった。
2週間後
最初の定期試験があった。
いやー、まさか今日だったとは知らなかった。
まあ、何も準備なんていらないんだけどね。
一応前世では高3だったし、能力もあって楽勝。
前行ってた高校はBランクだったし、テストの内容も簡単だった。
…キンジ達は苦しんでいたが。
全教科終わって放課後
「武藤、今回のテストの内容は中々難しかったな」
「ああ…特に数学なんてやばかった。公式覚えていても、どう使えばいいのか分からなくてなぁ」
みんな疲れてるな…
遊びにでも連れてって見るか。
「ねえねえ、この後どっかに遊びにいかない?」
提案して、直ぐに乗ってきたのは武藤。
「おおっ、いいねえ。どこいこっか?(フランちゃんと一緒ならどこでもいいけど)」
「そうだね?…遠山くん、なんか面白いとこ無い?」
急に振ってごめんな、キンジ。
どうしても思いつかなかったんだよ。
「この近くならやっぱりゲーセンじゃあないか?」
「ゲーセンか…私はいいと思うけど、皆はどう?」
一応聞いて見たが、皆もイイとのことだ。
結局、アリア、キンジ、武藤、不知火、俺の5人で行くことになった。
理子も誘おうと思ったが、学校に来ていなかった。
…おそらく今頃は司法取引でもしているのだろう。
ゲーセンに着くと、人だかりができていた。
「なあキンジ、今日ってなんかあったっけか?」
「いや、無かったと思うけど?」
「そうだよな…あの〜、すみません。今日って何かあるんですか?」
「はい。プロのドラマーの方がドラムマニアの最も難しい曲にチャレンジするんです。
今のところ、一人しかクリアできていないので、かなり注目されていますよ」
「そうだったんですか」
店員さんが去って行った後、不知火が声をかけてきた
「(ねえ、そのクリアした人ってフランちゃんのことだよね?)」
「(うん。そうだけど…)」
「(もしもその曲をプロのドラマーの人がクリア出来なかったら、フランちゃんはプロ並みか、それ以上ってことになるね)」
「(それは困ったな?)」
「なに話してるの?」
とアリアから聞かれたので、話は終わった。
「いや、何でもないよ。それよりも、始まるみたいだよ?」
「本当だ。ねえねえ、いい場所にいきましょうよ」
「どこに行くの?」
ゲーム機の周りは人だらけで、とても入れそうにない。
「大丈夫だよ。だってフランちゃんがクリアしたんでしょ?なら、近くに行って挑戦者を見たっていいんじゃないかな」
「そっか……って、なんで私がやったって分かったの!?」
「だって、そこに張り紙してあるわよ?」
と言いながら指差したのは壁の広告欄。
そこには、俺の顔写真と共に、
"君は鬼畜譜面を叩けるか!?
挑戦者募集中!
クリアしたのはこの娘だけ!"
と書かれた大きなポスターが貼ってあった。
…何時の間に俺の顔の写真なんかとったんだよ。
「確かに、それならいけるな」
なぜか納得しているキンジ。
「取り敢えず店員さんに聞いてみるよ」
と真っ先に行動したのは武藤。
どうやら、スムーズに話が進んでいるようだ。
しばらくして、店員さんがお客さんに声をかけた。
「唯一クリアした方がいらっしゃっています!
道を開けて下さい!前に出ます!」
すると、一瞬で道が開けた。
…訓練でもしてたのか?
ちょうど人一人通れる位の道ができたので、前へと進む。
人の間を縫うように進んでいくと、一気に俺に視線が集まった。
「えーと、どうも。クリアした人です」
歓声が途端にわく。
そんなにすごい譜面だったっけ?
「へえ、君がこの譜面を叩いたんだ。俺はドラマーのKURO。よろしく」
とはにかみながら、20代位のツンツン頭の男が挨拶をしてきた。
「私はフランドール=スカーレット。よろしくお願いします。」
「それじゃあ、折角だから、対戦しようよ」
そう、ここのドラムマニアは二台あって、対戦が出来る。
まあ、やる人はあんまりいないが。
「うん分かった。点数制のでいいよね?」
コテンパンにして、笑ものにしてやるwww
「じゃあ始めるよ」
数分後
まさか、本当に勝ってしまうとは…
「いやー、負けちゃったねぇ」
「それでもすごいですよ。ノルマまでいったんですから。」
今まではノルマまで行った人すらいなかったしな。
「今日は楽しかったよ。ありがとう」
「うん。またきてね!」
ふらん は 上目遣い を つかった!
KURO は やられた!
「もちろんだよ!ぜったいくるから!」
…やりすぎたかな?
何か周りの人も赤くなってるし…
「ね、ねえフランちゃん。帰らない?」
顔を赤くしながらアリアが提案してくる。
そうだなぁ…
「それじゃあ、皆はもういい?」
「「「「「うん(ああ(ええ))」」」」」
皆もう良くなったようで、帰って行った。
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