魔法少女リリカルと恋姫な物語 〜少年の数奇な運命〜 第13話 母親たちの会談
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「おじゃまします」

「失礼するよ」

「あら、いらっしゃい。待ってたわよ♪」

 

 あれ(前話)から二日経ったが、ジュエルシードは見つかることなく、日曜日を迎えた。そして朝の10時ちょっと前くらいにフェイトが家を訪ねてきた。用事はもちろん、母さんがプレシアさんのところに連れて行ってもらうようお願いしたことだ。

 

「今日はよろしくねフェイトちゃん」

「雪乃をよろしく頼むぞ」

「はい、責任を持ってお送りします」

「フェイト、もし母さんたちの話が終わって、時間あったら一緒に遊ばない?たまには息抜きも必要だろうから・・・」

「・・・うん!絶対に遊ぼう!楽しみにしとくから!」

 

 フェイトと遊ぶ約束を取り付けた後、フェイトたちは転送の準備をした。

 

「それじゃあなた、行ってきますね」

「ああ、気をつけてな」

「それでは行きます。神那、また後でね」

「行ってらっしゃい、フェイトもまた後でね」

 

 そしてフェイトが座標をつぶやくと三人は転送された。さて、僕もちょっと時間をつぶそうかな。

 

「父さん、僕もちょっと魔法の練習してくるよ」

「ん?今からか?それはいいが何の魔法だ?」

「砲撃魔法の練習」

「ふむ・・・分かった。気をつけてやるんだぞ」

「は〜い、お昼には一回帰ってくるから。それじゃ行ってきま〜す」

 

 さ、今日もいつものところで練習しようかな。

 

―――時の庭園 雪乃side―――

 

「・・・着きました」

「ご苦労様。・・・なんというか殺風景なところねぇ」

「あ〜、それはあの鬼婆の趣味だと思うけどねぇ・・・」

「アルフちゃんは何でプレシアさんの事を鬼婆なんていうの?それに鬼婆なんて女の子の口から出る言葉じゃないわよ?」

 

 ほんとフェイトちゃんもそこのところちゃんと教育しておかないと駄目よ?自分の使い魔なんだから・・・。

 

「あんなやつ鬼婆で十分だよ!フェイトにあんな仕打ちするなんて・・・!」

「アルフ・・・」

「あらあら、プレシアさんもどんな教育をしているのかしらねぇ・・・」

 

 ほんと((色々|・・))お話しなくちゃいけないかしらね・・・。フェイトちゃんにプレシアさんのところまで案内してもらいつつ、そんなお話をしているとフェイトちゃんが立ち止まった。

 

「・・ここです。この扉の先に母さんがいます」

「分かったわ、それじゃとりあえず先に入ってもらえるかしら?いきなり部外者が入ったりしたら大変「その心配はいらないわ、入ってきなさい」・・あらあら、ばれてるみたいね♪」

 

 さすがというべきかしら。ここは彼女の庭みたいなものらしいわね。自分の娘が連れてきた客を外敵と認識するなんてね。

 

「それじゃ、入りましょうか」

「は、はい・・・」

「あたしはここで待ってるよ」

「うん、ちょっとだけ待っててねアルフ」

 

 ギィという音と共にフェイトちゃんは扉を開けてくれた。あれがプレシアさん・・・気のせいかしら?

 

「どうもこんにちはプレシアさん。早速だけど、会った瞬間に思ったことを聞いてもいいかしら?」

「どうも・・・。なにかしら?」

「私が見た写真は十数年前のものだったけれど・・・その時から外見がほとんど変わってないのには何か理由があるのかしら?」

「・・・特に何もしていないわよ。そんなくだらないことを聞くためにここに来たのかしら?」

「あらあら、うらやましい限りだわ。それとさっきもいったけどプレシアさんを見た瞬間に思ったことですから、本題はちゃんと別にありますよ♪」

(・・・食えない女ね)

 

 さ、まずは一つずつ聞いていきましょうか・・・。

 

「話を聞く前についてきてくれる?立ったまま話すのもあれでしょう?」

「あらあらお気遣いありがとうございます。それではお言葉に甘えましょうか」

「フェイトは部屋に戻っていなさい。終わったら呼ぶから」

「はい母さん」

「あら、フェイトちゃんにも聞いてほしかったんだけどな・・・」

「さっさとついてきてくれる?」

「あらあら、それじゃフェイトちゃん、また後でね♪」

「あ、はい」

 

 もう・・・プレシアさんもせっかちな人ねぇ。後々面倒がないように、フェイトちゃんにも一緒に聞いてほしかったんだけど、仕方ないわね。せかされるままプレシアさんについていったところは、地球で言う応接間らしきところだった。さすがにこれだけ広いと、いろんな部屋があるようね。

 

「好きなところに座ってちょうだい」

「では・・・」

 

 好きなところにということだったので、プレシアさんの正面に座ったみた。やっぱりお話しするときは向かい合わなくちゃね。

 

「まずは自己紹介を。私は((月詠雪乃|つくよみゆきの))と申します」

「知ってるでしょうけど、プレシア・テスタロッサよ。それで、何を話し合いたいのかしら?」

「そうですね、まずあなたが約26年前に((行|おこな))ったヒュードラの実験の事故で娘であるアリシアちゃんを亡くしていますね?」

「・・・ええそうよ」

「では、その後あなたが没頭した研究はプロジェクトF.A.T.Eで間違いないですか?」

「・・・そこまで分かってるなら、私が成し遂げたいこともわかってるんでしょう?」

 

 ・・・信じたくはなかったけれど、やっぱりそうなのね・・・。

 

「あなたは・・・アリシアちゃんを生き返らせるためにあのプロジェクトを・・・」

「それ以外に何があるというの?あの事故でわたしはたった一人の娘を失った!その気持ちがあなたに分かって!?」

「・・・それは分かりません。それに私はあなたのしたことを全て否定しに来たわけではありません・・・。そのプロジェクトで生まれたのがフェイトちゃんですね?」

「ええそうよ。アリシアになりきれない出来損ない・・・失敗作よ」

「・・・すいません、あなたはフェイトちゃんをなんだと思っているんですか?」

「言ったでしょう、あの子は失敗作。いわばお人形なのよ」

 

 さすがに我慢の限界だったわ。そのセリフを聞いた瞬間、私はプレシアさんに平手打ちをしていた。

 

「・・・なにをするの?」

「あの子がお人形?あの子にはちゃんと感情がある。自分の意思がある。れっきとした人間です・・・!」

「・・・あの子は生まれ方が他とは違うのよ?遺伝子を使って作られたヒトの姿をした人形よ"パァン!"・・・」

「生まれ方がどうのと言う話ではないんです。子供には生まれ方が選べないんです。その親すらも。大事なのは、生まれてもしくは作られた子ををどう思うかです」

「・・・思い出したわ。姓が変わっていて気づかなかったけど、あなたユキノ・ルレインね?地球ではごく最近確立され、プロジェクトF.A.T.Eの礎となったクローン技術を管理局で発表した人物。しかも地球では禁止とされている人間をクローン技術で作り出した第一人者・・・」

「あらあら、プレシアさんに知ってもらえていたなんて嬉しいわ♪ま、昔の話ですね。今はもう管理局を辞めていますから」

「あらなぜ?あなたならいいとこまで上り詰めることもできるでしょうに・・・」

「そういったことには興味なかったですし、子供も生まれましたから・・・。話が脱線しましたね」

 

 ふぅ、少し落ち着きましょう。

 

「事情は違えど、私と同じようなことをした人間に色々言われたくないわね」

「・・・たしかにそうですね。それにこれ以上はあなたとフェイトちゃんの問題でしょうからそれに関してはもう何も言いません。しかし、どんなことをしても死んだ人間を生き返らせることはできないんです」

「いいえ、あなたも科学者だったのなら分かるでしょう?できないのならばできるところから持ってくればいい。たとえば今いる世界でできないのであれば、できていたかもしれない世界の技術を使えばいいのよ・・・」

「・・・理屈は分かりますが、そんな技術が確立した世界があったとは思えません」

「いいえ、あの世界にならあるかもしれないのよ。アルハザードになら・・・!」

 

 アルハザード!?全ての技術の基があるといわれる世界・・・。でもあそこは・・・。

 

「あの世界が存在したとして、どうやって行くというのですか?次元世界の狭間にあるといわれるあの世界に・・・」

「そのためにジュエルシードを集めているのでしょう?あれは次元干渉型エネルギー結晶体。ならばそのエネルギーを使って次元世界の狭間にもいけるはず・・・」

「あくまで可能性の問題でしょうけれど・・・。ですが、いずれ管理局が動きますよ?」

「それでもまだ先の話よ。管理局は万年人手不足なのはあなたも知っているでしょう?」

「それは・・・認めたくないですけどそうですね」

 

 そう、管理局は万年人手不足といわれている。無数にある全ての時空世界を管理するという名目があるのだから、人手はいくらあっても足りないくらいなのよね。そんなことはほぼ不可能だというのに、お偉いさんたちはそれが分かっていないから嫌いなのよね・・・。

 

「そういうことだから、まだ大丈夫よ。急がなければならないのは変わらないけれどね・・・」

「・・・ああ、それで思い出しました。話は変わるけれど、もう一つプレシアさんを観察してきてわかったことがあるの」

「・・・唐突ね、もういいの?」

「ええ。今は何を言ってもやることを変えてくれそうにないですから。ただ・・一つ付け加えて言わせてもらえるなら・・」

「もらえるなら?」

「フェイトちゃんを一人の人間として見てあげてください。あの子はプロジェクトの失敗作かもしれません。ですが、生まれてきたことに罪はありません。それにあの子はフェイト・テスタロッサであって、アリシア・テスタロッサではありません」

「・・・あの子を娘として見ろと言うの?」

「どう見るかはプレシアさん次第です。娘としてみるか、他人として見るか。はたまたお人形として見るか・・・」

「・・・・・・」

 

 はぁ・・・言いたいことはこれで全部言えたかしら?それじゃあと・・・。

 

「それじゃさっきのことに戻りますけど、プレシアさん。あなたは今、病魔に侵されていますね?」

「・・・隠しても無駄のようね。ええそうよ。まず治らないと言われたわね・・・」

「それじゃあそれを治しましょうか♪」

「私の話を聞いてた!?」

 

 問題ない、問題ない♪私のアレを使えば治るんだから♪

説明
どうもこんばんは〜。投稿がちょっと遅くてすいませぬ;;でも、自由な時間があってもいいよね?(笑)。てことで再び本編どうぞ〜。
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