IS〈インフィニット・ストラトス〉 〜G-soul〜 |
「おい! 今のマドカだったぞ!? どういうこった!?」
俺は走りながら隣を走るラウラに聞いた。
「私が知るか! とにかくあの車を追うぞ!」
ラウラは怒鳴るように返事をよこした。
「瑛斗! ラウラッ!」
後ろから大声で呼ばれた。走りながら振り返ると同じくダッシュでこっちに来る一夏の姿があった。ちなみに言うと、俺とラウラはすでにサングラスを外している。
「一夏!」
「お前ら、マドカを知らないか!?」
「アイツならあの車だ!」
ラウラが前方を走る車を指差した。一夏はそれを聞いて、クソッ、と歯噛みした。
「楯無さんから連絡があった! イギリス政府がサイレント・ゼフィルスの回収に動き出したんだ!」
「回収・・・・・そうか!」
俺は合点がいった。
「どういうことだよ?」
「サイレント・ゼフィルスは亡国機業にマドカがいた時に使ってたISだ。きっと当時は所在特定信号の発信もオフ状態。けどマドカは記憶を失った。脳のナノマシンによってな」
「だから、なんなんだよ!?」
「一夏、ISは操縦者の身体に深刻な問題が生じた場合、どうなる?」
「どうなるって・・・・・あ!」
「そうだ。操縦者の身体に問題が発生したら、救援を求めるためにISは独自の判断を行う。つまり・・・・・」
「サイレント・ゼフィルスの所在特定信号は再び発信状態に戻ったということか・・・・・・!」
ラウラが呻くように呟いた。
「そういうことだ。特定信号が発信状態なら、製作国のイギリスは簡単に場所を特定できる。それにイギリス政府がどんな手段でサイレント・ゼフィルスを奪取するのかはわからないが、こんな強引な手段に出たんだ。相当ヤバいぜ、こりゃ・・・・・!」
俺がそういうと、一夏のズボンのポケットから携帯の着信音がなった。
「セシリアか! どうした!?」
電話の相手はセシリアのようだ。
「ああ! 今、そのことで大変なことに・・・・・・・なっ!?」
一夏の顔がみるみる蒼白になっていく。
「わ、わかった! そっちは頼む!」
そして一夏は電話を切った。
「どうした!? 何があった!?」
「楯無さんから話を聞いたセシリアがイギリス政府に問い詰めたらしい。そしたらサイレント・ゼフィルスは、回収じゃなくて破壊。操縦者も機密保持のため抹殺だって・・・・・!」
「そん―――――――――」
ドガァァァンッ!!
「「「!?」」」
前方で爆発が起きた。
しかし、俺たちは何が爆発したのか直感した。
車だ。マドカを乗せたあの車が爆発したのだ。
「・・・・・っ! マドカァッ!」
一夏は白式を展開して、爆発の近くに向かった。
「こうなったら形振り構ってられねえ! ラウラッ!」
「了解だ!」
俺はG−soulを、ラウラはシュヴァルツェア・レーゲンを展開。一夏の後を追った。
一夏に追いつくと、センサーが反応を示した。それに続いてラウラは眼帯を外し、『越界の瞳』を露わにする。
「・・・・・・・・・・・・・」
爆炎の中から何かが出てきた。
「マ――――――」
一夏が一歩前に出る。
ギュンッ!
「「「!」」」
一夏の肩の装甲に火花が散った。それは、レーザーによる射撃攻撃。そして、それを行ったのは・・・・・
「サイレント・ゼフィルス・・・・・!」
マドカの身を包む装甲。サイレント・ゼフィルスのものだ。そのマドカの周囲には、レーザービットが浮遊している。
マドカを、『守る』ように。
「まさか・・・記憶が戻ったのか!?」
ラウラがプラズマ手刀を構える。
「いや。それにしては様子が変だ」
俺が呟くと、マドカの顔を覆うようにバイザーが下りた。
『・・・・・操縦者の生命の危険と判断。操縦者の防衛、および敵の排除を行うため、自動操縦を開始』
マドカの声ではなく、機械音声が聞こえた。そして、レーザーライフルがマドカの手に握られる。
『敵の排除、開始』
マドカの・・・いや、サイレント・ゼフィルスのレーザーが、一夏の顔面に迫った
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