大日本帝国陸軍兵器列伝〜ヘンテコ刀と騎兵隊長〜
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満州ーーー

 

この地は日露戦争以来から

大日本帝国の生命線であり、

1938年に起きた満州事変により

大日本帝国の版図に組み込まれた

 

しかし元々、軍閥が支配していた

この地には馬賊や山賊による被害も

絶えることがなかった

 

そんな中、満州の国境や河川の警備を

主任務とする軍隊"満州国軍"に

あるものが持ち込まれる

 

それはーーーーー

 

 

 

「山中中尉、入ります!!」

 

大きな声と共に部屋に入ってくる男

彼の名は山中(やまなか) 雅義(まさよし)中尉

満州国軍に所属している騎兵隊の

隊長を務めている

 

内地にいた時は部下からは賞賛されていたが

上官との揉め事に巻き込まれてしまい、

結果、この地に左遷させられた人物である

 

 

「うむ、わざわざ呼び出してすまんな」

 

 

彼の現在の上官にあたり、

この警備隊基地の司令官でもある

金子(かねこ) 龍太郎(りゅうたろう)は、

酒が原因で左遷させられ、

この基地に配属された

 

しかし馬術は達人の域であり、

馬賊との戦闘で足が負傷しなければ

今も戦ってたかもしれない豪傑である

ちなみに山中が尊敬している人物でもある

 

 

「いえ、そんなことは構いませんよ

それより大切な用事とは一体??」

 

「うむ、まず最近の騎兵が

どうなっとるかは知っとるな??」

 

第一次世界大戦以降、

戦車や機関銃、自動車等が発達し、

それに伴い騎兵は規模が

縮小されていっている

 

「えぇ、我々騎兵科のものにとって

つらい状況ですよ」

 

「上の方も馬よりも最新鋭の

戦車、機関銃を配備しろと我ら騎兵を

蔑ろにする連中が多い!!」

 

「・・・それで私は愚痴を

聞かされるために??」

 

「そんなつまらんもんではない!!」

 

「というと??」

 

「数日ほど前に本土から

騎兵の新型装備が届くとの連絡がきた!!」

 

「おぉ、ついに!!」

 

これは彼にとって朗報であった

 

「そこでだ、君にその新型の装備の

試験運用をしてもらいたい」

 

「はっ、了解しました!」

 

「うむ、いい返事だ!!

新型の装備は後で部屋に届けさせる

キサマはそれまでに準備をしておけ!!」

 

そして山中が敬礼し、

部屋を出ようとした時

彼はある疑問が思い浮かんだ

 

「ところで、その新型装備とは

どのような物なんですか??」

 

「儂もわからん

詳しいことは聞いておらんのでな」

 

そう言われ、山中は敬礼をし、

部屋を出て行った

 

 

 

 

 

 

 

「で、これが届いた新型の装備ですか??」

 

そこには新型の装備が届くと聞き、

騎兵隊の面々が集まっていた

 

「・・・あぁ、どうやらな」

 

彼は新型の装備を見せていのだが

新型の装備はなんと軍刀であり、

しかも

 

「誰がこんなこと考えたんですかね??

拳銃に刃を付けるって・・・」

 

そう、届いたのは〜試制拳銃付軍刀〜という

拳銃に刃をつけたというものである

 

「・・・知るかそんなこと・・・」

 

「まぁ、見かけは変でも使ってみれば

案外使えるかもしれませんよ」

 

「じゃぁおm「嫌です」・・・だろうなぁ」

 

山中は頭を抱えた

 

「こんな変な刀をどうしろと・・・」

 

 

 

 

 

 

 

試制拳銃付軍刀が届いてから数日後、

 

この基地に馬賊に襲われたという連絡が入り

山中率いる部隊に出撃命令が出たのである

 

「久しぶりの実戦だな」

 

「はいっ、馬賊共に騎兵の力を

見せつけてやりましょう!!」

 

みんな大丈夫だな・・・と思っていると

 

「ところで隊長、あのヘンテコ刀は

持って行くんですか??」

 

そう言われ指を差してる方向をみると、

試制拳銃付軍刀があった

 

「・・・本当なら持っていきたく

ないんだが・・・」

 

「でも届いてから触れてすら

いませんよね??」

 

「・・・あ〜、分かったよチクショウ」

 

そう言われては持っていくしかなく

一度も使われず捨てられたら

刀もかわいそうだと思い、

彼は持っていくのであった

 

 

 

 

 

 

 

「撃てっ!!」

 

その大声と共に銃声が響き渡るり

音と共に村の中にいた男数人が倒れる

 

「よ〜し、いいぞ!!

この調子でいくぞ!!」

 

山中率いる騎兵部隊は出撃してから

連絡のあった村へいくと、

馬賊は略奪中だったこともあり、

見事に奇襲をかけられた

 

結果馬賊は混乱しており

まともな反撃ができずにいた

 

やがて山中達は各々が持っていた銃に

銃剣を付けた

 

「いくぞ!!突撃ぃ!!」

 

ワァー!!という声と共に

十数人ほどの騎兵が突撃を開始した

 

村からは散発的に銃声がするが

一騎にも当たらず、

 

結果、騎兵部隊は突入に成功し、

たちまち馬賊と混戦になった

 

しかし訓練された部隊と馬賊との差は

歴然としており馬賊の敗色が濃いが

馬賊の数が連絡より多く、手こずっている

 

山中も馬上で騎兵銃を使い、

敵を倒していった

 

「ふぅ・・・敵は思ったより多いな・・・」

 

その時だった

 

パァン・・・・

 

「ぐはっ!!」

 

銃声があたりを覆っているため

目立たなかったが一発の弾が彼に命中し、

そのまま騎兵銃を落として馬から落ちる

 

「いってて・・・」

 

そして感発いれず馬賊の一人が

青龍刀で彼に斬りかかっていった

 

「あまいっ!!」

 

試制拳銃付軍刀を横に抜き、

相手の胴を二つに切ろうとする

 

しかしそれは相手が間一髪で

横の避けたため空振りになる

 

その動作を見て彼は、

相手が只者じゃない事を悟った

 

「こいつ・・・この馬賊の頭か??」

 

しかし考える暇もなく相手は

青龍刀を振りかざしてきた

 

山中はそれを避けるべく、

左に体を背けたが、

相手は青龍刀ではなく足で攻撃してきた

そして山中は壁にぶつかる

 

「ぐはっ!!」

 

「隊長!!」

 

それに気づいた兵士の何人かが

山中を助けようとしたが馬賊に阻まれる

 

そして相手は飛んで青龍刀を

大きく振りかざした

 

(ここまでか・・・)

 

そう思ったが、彼は自分が持っている刀の

大きな特徴を思い出した

 

・・・ーか八か・・・

 

「くらえっ!!」

 

山中は相手に向かって縦に軍刀を構える

 

刹那、飛んでいた相手は胸に銃弾を食らい、

そのまま落ちて倒れた

 

それを見ていた馬賊達は動揺し始め、

降伏したり逃げ始めていった

 

「逃げた奴はそのままでいいっ!!

降伏してきたのは、

一応見張りをつけとけ!!」

 

騎兵の一人がそう叫んだ後、

山中に駆け寄った

 

「隊長、大丈夫ですか!?」

 

「あ、ああ」

 

「しかし、いまのは??」

 

「いやぁ、まさかな・・・

こんなヘンテコ刀に助けられるとは」

 

そう、彼が持っていた試制拳銃付軍刀は

その名前の通り拳銃が付いていたのだ

 

「まぁ、なにはともあれ無事で

良かったですよ

一応念のためここで休んどいてください」

 

そういって兵士は後始末のため

その場を離れて行った

 

 

「・・・ありがとな、名刀さんよ」

説明
時は昭和、満州の国境や河川の警備を
主任務とする軍隊"満州国軍"騎兵部隊に
試作された兵器が持ち込まれた

それは試制拳銃付軍刀だった!?
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拳銃 軍刀 満州 兵器 騎兵 大日本帝国 昭和 日本軍 大日本帝国陸軍 軍隊 

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