IS?インフィニット・ストラトス?自由の天使 |
episode00 自由の翼
・・・・・・どうして・・・
車のエンジン音がして、ゴミ捨て場の前を通り過ぎるのを感じながらその者はそう考えた・・・・・
その直後に雨が降り出して、ゴミ捨て場に捨てられている一体のガンプラを濡らして行く。
・・・なんで・・・捨てるんだよ・・・
そのガンプラはそう思うものも、どうすることもできなかった・・・・
・・・俺が・・・『GM(ジム)』だからか?・・・『ガンダム』じゃないからって・・・・
捨てられたことに、その者は絶望する・・・・
そうさ・・俺はのっぺりしているし、ツインアイじゃないし、角も無い・・シンプルすぎるさ・・・・だからって・・・組んでから捨てるなんて・・・・ないだろう・・・・・
そのガンプラ・・・ジムは深く底に眠る意思で考える・・・・だが、それだとしても、動くことは無い・・・・命など無い・・・それは当然のことだ・・・・・
・・・このまま俺は・・・・壊されるんだろうな・・・いや、それしかない、か・・・・
そしてジムはどんどん意識が薄れていくのを感じた・・・・
・・・・生きたい・・生きて・・・自由に・・・動けたら・・・どうなんだろうな・・・・俺の知らない・・外の世界・・・・見たい・・・見てみたい・・・・
そう思いながら、ジムの意識は消えていった・・・・・・
『・・・・・・?』
すると、ジムの意識が戻ってきた・・・
『・・・ど、どうして・・・?俺・・消えたはずじゃ・・・』
戸惑っていると、ある違和感が感じられた。
『・・・・?』
すると、ついさっきまで動くことすら叶わなかったはずだったが、今では体が動いた。
『・・動く・・?』
そしてジムは少しふらつきながらも、立ち上がることができた・・・
『・・・なぜ・・動けるんだ・・・ガンプラなのに・・・』
ジムは自分の体を見ると・・・・
『・・・ど、どうなってんだ・・・?』
ジムは自分の姿に驚きを隠せなかった・・・
さっきとは全く異なる姿になり、頭には四本の角を持ち、黄色のツインアイが発光し、胸のダクトより風が吹き出された。右手にはライフルを持ち、左腕にはシールドを持っていた。腰の両サイドには折り畳まれたパーツが装着されており、その上部に筒状の棒が左右に一本ずつあった。背中には青いウイングを持っており、青と黒の構成のウイング二枚の間には白い砲身のキャノンがあった。。機体には細かいディテールが施されており、重厚感もあった。
『さっきと比べて全く違うな・・・それに、なんだか身体が重い・・?』
ジムは自分の体の表面を触れてみると、プラスチックではなく、金属のようであった。
『どうなってんだ?』
そうしてうーんと悩む・・・
『・・・でも、俺はどうしたらいいんだ・・・姿が変わった上に動けるようになったとは言えど・・・俺にはどこにも・・・』
(いいや・・・君には自由がある)
(な、なんだ・・・?誰だ!?)
ジムは驚いて辺りを見回す。
(私は君の中にいる)
(え・・?俺の・・中?)
(そう・・・・・我が名は『Gジェネレーション』・・・お前に命を与えた者だ)
(Gジェネレーション?・・・・命を与えたって・・?ど、どういう意味だよ?)
(そのままだ。私はお前に自由を与えた)
(自由・・・?)
(お前は命を得た新たなる存在として、もう一度・・・やり直すのだ)
(・・・・・)
(それより、なぜ俺に命を・・)
(お前には生きたいと強く願い、自由になりたい・・・その信念に、私は賭けたのだよ)
(信念・・か。・・ん?賭ける?・・それより、俺の姿を変えたのはなぜだ?)
(・・・・お前には最強の力を授けた。その姿が証だ)
(最強の・・・力?)
すると、ジムは光の包まれると、そのまま大きくなって、二メートル弱の大きさになった。
『こ、これは・・・』
ジムは大きくなった姿を見て驚く。
(お前に与えた新たな姿・・・・そしてお前の新たなる名前・・・『フリーダム』だ・・・)
『フリーダム・・・・』
そしてジムことフリーダムは近くにあったミラーで自分の姿を見ると、それは自分が捨てられた原因になった物と酷似した顔であった。
『・・最強の力・・・ガンダムのことか・・・。そうだよな・・・・しかし、皮肉なものだ・・・・恨んだ相手の姿を得るとは・・・』
(・・お前が何を思うのかは別だが、お前には一つ役目を請け負ってもらうぞ)
(役目・・・?)
(・・お前にはこの世界を見守って、後に語る者として・・・そして、この世界を守って欲しい・・・・自由という名の天使として・・・)
(自由の・・・天使・・・)
(・・・・・・)
(どうだ?)
(・・俺は別に構わない・・・だが・・・)
(だがなんだ?)
(・・人間は信用することはできない・・・。現に俺は・・それに捨てられたのだからな)
(・・・別にお前がどう思おうが、私は別に構わない・・・だが、私が聞きたいのはお前の意思はYESなのか、それともNOなのかを聞きたいのだ)
(・・・・・)
(・・・・あぁ。俺は人間を信じないが・・・守らないわけではない。命を無駄に失わせるわけには行かない・・・)
(そうか・・・まぁ、それでいい。では、行くがいい・・・自由の翼よ)
『自由の翼・・・フリーダム、か・・・』
そしてフリーダムは「ふっ」と鼻で笑うように言う。
『では、見守って行こうじゃないか・・・この世界を・・・』
そうしてフリーダムは背中のウイングを大きく広げると、地面を蹴って一気に飛び上がった。
説明 | ||
人間の身勝手で捨てられた一つのガンプラ・・・。彼の生きたいという強い執念によって、一人の神が彼に命を与えた・・・・。自由の翼として生まれ変わり、とある一つの世界を見守っていくために、彼はその世界の空に舞い上がる・・・・ ※にじファンに投稿予定だった作品です。見ていただけたら嬉しいです。 |
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