PERNANO~ぺルなの~Strikers 1話
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この作品はにじファンに投稿していた物を移転させたものです。更新は遅いですが、頑張って完結させたいです。

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「ひっく……うっぐ……」

 

オレンジの髪で10歳の小さな女の子が墓の前で泣いている。

 

 

 

少女の名前は『ティアナ・ランスター』

 

そして、少女の前にある墓には『ティーダ・ランスター此処に眠る』と書かれていた。

 

「なんで……なんで死んじゃったの……お兄ちゃん………」

 

少女の兄…ティーダが亡くなった理由は任務中の殉職。

彼は『時空管理局』という組織に勤めており、任務で人質を助ける際に犯人との交戦、その後犯人の攻撃によって命を落としてしまった。

 

そして、静寂を尊ぶべき場所で誰かがそう呟いた。

 

「航空隊の面汚しめ、犯罪者を捕らえたならまだしも……取り逃がした上にくたばるなど言語道断だ」

 

ティーダの上司であろう人がそう呟いた。

 

 

 

しばらくして葬式も終わり、ティアナは自分の家に帰ることにした。

 

しかし、ティアナの足取りは重い。

 

 

「お兄ちゃん…」

 

 

ティアナの家族はティーダと自分の2人だけだった

 

しかし、ティーダはもうこの世に居ない、自分独り…天涯孤独になってしまった。

 

ティアナの頬を涙が再び濡らしていった。

 

 

ーーーーーーーーーー

 

あれから再び泣いたティアナは、漸く自分の家に辿り着いた。

 

そして家に入ろうとした時、誰かが玄関の近くで壁にもたれかかっているのを発見した。

 

ティアナはその人物に近づく、その人物は男でどこかの学校の制服を着ていた。

 

ティアナは男を揺さぶったりしたが、男は目を覚まさない。

 

ティアナは男をどうするか考えた後、男を家に入れ、ソファーに寝かせる事にした。

 

ーーーーーーーーーー

 

……『向こう側』に着いたのか?

 

旅の終わりは唐突で、そして文字通り衝撃的なものだった。

『向こう側』辿り着いたと思った瞬間、息が止まるほど全身を激しく揺さぶられた。

一瞬、何が起こった!?と思ったが、すぐにそれは収まったため、ひとまずは安堵する。

俺は自分のするべきことを果たし、そして本来あるべき場所にたどり着いた。

悲しみはあったが納得もしていた。

 

さて、これから何をしようか。そんなことを考えながら俺はゆっくりと目を開けた。

 

「…ここはどこだ?」

 

彼が目を開けると、そこには見知らぬ天井があった。

身体を起こすと、そこは誰かの家の中のようで、自分はどうやら部屋ーー広さ的にリビングだろうかーーのソファーの上で寝ていたようだ。

 

 

「俺は…『向こう側』に着いたのか?」

 

そう思い、俺は部屋を見回しーー絶句した。

 

 

 

 

「あの…大丈夫ですか?」

 

オレンジ色の髪の少女が俺の隣に来て心配そうな声で言った。

 

少女は手に皿を持っており、皿にはベーコンエッグが乗っている。

 

 

ーーーいや、待て。

 

どうして人がいる? ここにはもう人間なんていないはずだ。

 

まさか…『向こう側』への移動に失敗したのか?

そう思い、自分の体を見下ろすと、俺の格好は『向こう側』で着ていた七姉妹学園の制服姿だった。

 

…間違いない、少なくともこの体は『向こう側』のものだ。

だとすると、本当にここは『向こう側』――滅びた世界だというのか?

 

 

頭の中に様々な疑問が浮かぶ。

 

『向こう側』には人間は居ない、しかしこの少女は一一「あの…本当に大丈夫ですか?」

 

…俺に反応が無かったのか、少女は顔を覗き込むようにして、再び聞いてきた。

 

 

「…ああ、大丈夫だ、ちょっと考え事に夢中になってただけだ」

 

 

俺は返事をして、ソファーに座るように体制を変えた。

 

 

とにかく、この少女には聞きたい事が山ほどある。だが、その前に少女は俺に言った。

 

 

 

「ベーコンエッグ、あなたの分も作ったんですけど、お腹空いてますか?」

 

…俺がどれだけ寝ていたか分からないが、空腹感はある。

 

 

この少女に色々と聞く前にまずは腹ごしらえだ。

 

俺は少女とベーコンエッグを食べる事にした。

 

 

ーーーーーーーーーー

 

食事の最中、俺は少女に『俺はどうしてこの家で寝ていた』と聞いた。

 

すると、少女が言うにはどうやら俺は彼女の家の近くで寝ていたようだった。

 

そして、俺を見つけた少女は俺を家に入れソファーに寝かせる、暫くして俺が目覚め、現在に至る、という事らしい。

少女は最後に小さく『重かったけど』と呟いていた。

 

 

そして、ベーコンエッグを食べ終えた後、俺は少女に尋ねる事にした。

 

 

「さて…君に色々と聞きたい事がある」

 

 

ーーーーーーーーーー

 

 

俺は自分の思いつく限り少女に質問した。その結果分かった事は、ここは『向こう側』の地上ではない、そしてシバルバーのどこかでもなく、ミッドチルダという全く別の『異世界』だという事だ。

 

…正直信じられない。兄の言葉を借りて言うなら『ナンセンス』だ。

 

だが、この少女…何時までも少女と言うのもあれか。

 

 

俺は少女に名前を尋ねる事にした。

 

 

「そういえば…君の名前は?」

 

「え?」

 

 

…まあ、いきなり名前を聞かれたらこんな反応も当然だろうな。

 

だが、少女はちゃんと答えた。

 

 

「私の名前は…ティアナ・ランスターです。あなたは?」

 

 

相手が名乗ったらこちらも名乗るのが礼儀だ、自分だけ名乗らないわけにはいかない。

 

俺は少女…ティアナに自分の名前を言った。

 

 

「俺の名前は……」

 

 

 

 

 

 

 

「…達哉。周防達哉(すおうたつや)だ」

 

説明
…俺は『奴』と戦い、『向こう側』に戻ったハズだった。しかし、俺がたどり着いたのは『ミッドチルダ』という世界だった。そこで俺は独りぼっちの少女と出会った。−−魔法と仮面の力が交錯するとき、彼らは新たな一歩を踏み出す。

我は汝、汝は我…
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