魔法先生ネギま!〜魔術と真祖の力を持つ者〜 第五作
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ちゃーっす、虚崎空だ。一日経って別荘から出た俺たちだったが、ちょうどいい時間と言うことでエヴァの家で夕飯をご馳走になっていた。俺も一品作らせてもらったが、エヴァにも満足してもらえたので、とても嬉しい。皿洗いは茶々丸――夕飯を作っている時に呼んでいいと言われた――がやってくれたので俺たちは食休みしていると、エヴァに電話がかかってきた。

 

「じゃあな、じじい」

 

「学園長か?」

 

「ああ。いきなり私の魔力が大きくなった理由を話せと言われてな。十一時に広場だ。お前もついてこい」

 

「分かった。風達はどうする?」

 

「もっちろん!」

 

「行きます!」

 

「そうか。エヴァ、それまでここに居ていいか?」

 

「ああ、別にいいぞ」

 

「そう言や、エヴァって((人形使い|ドール・マスター))って呼ばれてんだよな?」

 

「ああ、そうだぞ」

 

「ならさ、魔力の核みたいのって作れるか」

 

「ああ、一応作れるが……」

 

「なら教えてくんね? ちょっとやりたいことあんだわ」

 

「まあ、いいが……そうだな。お前の血を定期的に吸わせてくれるのならいいぞ」

 

「よっしゃ、なら頼む!」

 

これで出来ることが増えるな。取り敢えず、今まで研究していたことをやっていくか。

 

 

 

 

さて、俺たちはあれからずっと雑談をしながら過ごしていたが、十一時になる少し前になったので広場に向かった。

 

「お、エヴァンジェリンがきたようじゃ……む?」

 

「そら、来てやったぞじじい」

 

「エヴァ、何故空君達がいるんだい?」

 

「今回の件に関係あるからに決まっているだろうが」

 

「ま、そう言うことです。あ、ちなみに呪いは俺が解きましたし、結界での抑制も自作の道具で無効化しました」

 

「君は何てことをしてくれたんだ!」

 

「呪いの解呪ですけど何か?」

 

「そこにいるのは悪い魔法使いなんだぞ!」

 

「そんなこと知りませんよ。それに悪いって何を基準にしてるんですか?」

 

「基準などない! 吸血鬼と言うだけで悪なんだ!」

 

「……ああ、そうかよ」

 

「何だ、その反抗的な態度は!」

 

「気に食わねえんだよ。吸血鬼つうだけで、異種族だっつうだけで排除対象にする手前等がよ」

 

そこで俺がここに来る前に仕込んでいたダミー着信が鳴ったので、さも会話をしているかのように演技をする。

 

「もしもし、詠春さんですか? ああ、久しぶりですね。どうです、昔あげた刀はまだ使い物になりますか? ……そうですか。今学園長たちと裏の話をしているところなので切りますね。では」

 

「空君。お主は婿殿と……」

 

「ええ、知り合いですよ。緋鞠が俺の傍にいることも知ってますし。緋鞠、いいぞ」

 

「うむ、承知した」

 

そう言って緋鞠は人化する。

 

「妖怪だと!」

 

どうやら人化したことで緋鞠が妖怪だと分かったらしく、いきなり学園側の人が臨戦態勢をとる。

 

「あー、やだやだ。妖怪だからって攻撃しようとすんなよな。じゃねえと」

 

俺はそこで一度言葉を切り、空間制御を発動させる。

 

「こっちも攻撃態勢とっちまうぜ? 来い、『((古代兵器|ナラクヴェーラ))』!」

 

俺が空間制御で取り出したのは『ストライク・ザ・ブラッド』に出てきた古代兵器を縮小したものだ。

 

「止めんか! ……空君も抑えてくれんかのう?」

 

「こっちは自衛しかする気はないから別にいいけど」

 

ま、自衛は自衛でも少しでも危険性がありゃ殲滅して身を守るっつうもんだけどな。

 

「空君はいつから裏のことを知っておったのかのう」

 

「さて、いつだったかな。詠春さんと知り合ったのは初等部一年の頃だけど」

 

「そんなに前から……では、麻帆良の現状も知っておるな?」

 

「概ねは」

 

「なら、手伝ってくれんかのう?」

 

「学園長!」

 

「断るに決まってんだろうが。ちなみに、風や史も一緒だ。何かしたら死ぬより酷い目にあわせるぞ」

 

「先程から聞いていれば、あなたには正義の心と言うものはありませんの!」

 

「正義の心? そんなあやふやな物なんか持っちゃいねえよ」

 

「どこがあやふやだと言うのですか!」

 

「あんたはソクラテスの話を知らねえのか? 例えば嘘をつくことをどう思う?」

 

「そんなもの、悪いことに決まってますわ!」

 

「なら、医者が末期症状の患者に嘘を言うことも悪いことなんだな?」

 

「そ、それは……」

 

案の定黙ったよ、金髪さんは。

 

「ほら、正義はあやふやじゃないんだろ? はっきり言えよ、悪いことだって。それが出来ねえんなら正義なんてもんを語ってんじゃねえよ」

 

全く、原作を読んでた時から思ってたんだが、こいつら頭どうにかしてんじゃねえのか?

 

「んじゃ、俺等は帰るが手出しなんかすんじゃねえぞ。エヴァ、今日おまえん家に泊めてくれ」

 

「いいぞ、今の私は最高に気分がいいからな」

 

「ま、待ってくれんか!」

 

「何だよ」

 

「本当に手を貸してはくれんのか?」

 

何言ってんだ、こいつ……待てよ?

 

「そうだな、こっちが出した条件を全部飲むなら手伝ってもいいぜ」

 

「して、その条件とは?」

 

「一、風と史、緋鞠には干渉しない。二、頼まれた仕事を受けるかどうかはこっちが決める。三、ペアで仕事をするときにはエヴァとのペアのみを認める。四、しっかりと仕事料を支払う。五、立場は対等。仕事中だろうと聞きたくない命令は絶対に聞かない。六、仕事を請け負った時の内容、結果がどのようなことになろうと一切文句を言わない」

 

「そ、それは……」

 

「条件に一切の妥協はしないし、受けるかどうかはこの場で決めろ。猶予は与えん」

 

「待っって下さい! あの子が本当に使い物になるのか分からないじゃないですか!」

 

「なら、強さを示せばいいんだな? 誰が相手してくれるんだ?」

 

「学園長、僕が行きます」

 

「行ってくれるかの、タカミチ君」

 

「高畑先生か。じゃあ、とっととやろうぜ。『祓え、雪霞狼』」

 

「へえ、槍かい。じゃあ、僕も」

 

高畑先生はそう言うと両手を前に持ってきて掌を向かい合わせる。おそらく咸卦法だろう。しかし、俺はその発動を待たずに空間制御で高畑先生の後ろに移動し、槍を突き付ける。

 

「はい、これで終了。で、どうする? 条件を飲む?」

 

「……しょうがない、その条件を飲もう」

 

「了解。んじゃ俺たちは帰るから」

 

そう言って俺は風達を連れ空間制御でエヴァの家に戻っていった。

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駄文製造機の私ですが、温かい目でご覧下さい。
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コメント
続き楽しみにしてます(notrh)
続き待ってます!(頭翅(トーマ))
雪霞狼、魔法使いにとってはハマノツルギ並みに相手にしたくないものの一つだな。続きをまってます(アリアン)
早く続きが読みたいです(ヒナたん)
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