乱世を歩む武人〜第九話〜
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あの戦が終わりもう数日経つ。

 

激化すると思った黄巾党との争いだが思わぬ形で収束し始めていた。

 

陳留の曹操が本隊を突き止め首領の張角、張宝、張梁の討伐に成功したらしい。

 

これにより黄巾党は戦いの意義を失い大多数が消滅、残党がチラホラと残る程度になった。

 

しかしそれが私の生活にどんな影響があるかといえば

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

徐栄

「え〜っとコレが部隊の経費でこれが嘆願書・・・そしてこれが工事の決算でコレが・・・ま  た  あ  の  人  か。 放置」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

仕事が増えた以外対して変わることはなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

徐栄

「あ〜もう陳述書の処理なんて受けなきゃよかった。・・・しかし多いこと多いこと・・・・」

 

そういいながらも筆を走らせる手は休めない。全く・・・コレは絶対に一部隊の副官の仕事ではないだろう。

 

今現在、上層部が自分たちの私腹を肥やすのに夢中で洛陽の民を鑑みることなど皆無だ。

 

となれば董卓さんの性格上洛陽の治安の安定に力をいれるというのは当然の流れである。

 

ここでは私を除くと賈駆さんと董卓さん以外だと張遼さんがなんとか出来る程度。当然一人ひとりの処理の量は大きくなる。

 

張遼さんもやってくれるとはいえ彼女には調練もあるし、他の部隊との連携などを含めた武官側の仕事がある。

 

当然其の穴埋めは副官である私の仕事というわけだ。わかっているがこの多さには軽く独り言も溢れるというものだ。

 

徐栄

「・・・・・・・・よし、区切りもついたしちょっと休憩」

 

ん〜っと伸びをして席をたつ。まぁ残り3割程度だし問題はないだろう。

 

丁度昼だったこともあり私は適当にすませようと厨房に向かったのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

徐栄

「ふ〜食った食った。」

 

流石は首都だ。属軍程度がつかう厨房でも食材の品数がすごい

 

どこかで食休みをしようかなと思ったらこちらに向かって呂布さんが歩いてきた。

 

徐栄

「こんにちは呂布さん。ご飯は・・・お済みのようですね。」

 

相変わらず表情はわかりづらいが最近何となく分かるようになってきた。

 

呂布

「・・・・・・徐栄、頼みがある」

 

彼女が頼み?料理以外では珍し・・・くもないか。大方アレだろうし。

 

徐栄

「え〜っと・・・呂布さんの家族のお世話ですかね?」

 

呂布

「・・・(コクン)」

 

そう、時折彼女の家族・・・拾ってきた犬やネコ等の動物の世話の手伝い頼まれることがあるのだ。

 

いつもは陳宮さんがしているのだが一斉に体を洗ってやるときなんかにはよく頼まれる。

 

ちなみに彼女とは未だに一度も仕合ったことがない。とはいえココに来てから何度か一緒に戦場にでているのでその戦いを見たことはある。

 

彼女の戦いは一つの完成形だ。彼女が何気なく打つ攻撃は最短距離を行き攻撃の意志を少し乗せるだけで彼女の持つその膨大な気は全てのものを吹き飛ばす。

 

張遼さんとの戦いを見ていたこともあるが彼女は完全に見てから反応ができていた。おそらく彼女にはたいていの攻撃がゆっくりと見えていることだろう。

 

私とは真逆の存在だ。おそらく勝つためには相当な手間と危ない橋を踊りながら往復するような危険度、そして絶対に負けてはいけない状況下にならない限り無理だろう。

 

しかし彼女は他の二人と違って別に戦いが好きなわけではない。戦わなくていいのならば寝て、食べて、遊んでいる方が好きな人なのだ。

 

ならば私が戦う道理もなし。彼女とはかなり良好な関係を築けている。

 

 

話はそれたが要するに洗っている間他のやつを見ておいてくれという事なのだろう。

 

徐栄

「ええ、かまいませんよ。いつもどおり呂布さん達が洗い終わった子達の面倒を見てればいいのですね?」

 

呂布

「・・・(コクン)」

 

徐栄

「了解です。じゃあ行きましょうか。」

 

そうして私たちは呂布さんの家へと向かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

動物・・・とくに犬やネコの体を洗うというのは難しいものだ。

 

動物は水に濡れるのを特に嫌がる。ましてや洗うとなれば暴れることも視野に入れるものだ。

 

しかし呂布さんに拾われた動物たちはおとなしく彼女に洗われている。

 

彼女になついているというの半分、彼女の強さを本能で感じているというの半分といったところだろう。

 

だけど彼女の手から離れたらそうはいかない。みんなが思い思いに駆けまわるのでその後集める際に数匹いなくなっていて探しに行く・・・なんていうのがザラだ。

 

だからこそ私の出番だ。何故そこで私の出番かというとこれは私のある体質が関係する。

 

「zzz・・・」

 

猫1

「zzz・・・」

 

猫2

「zzz・・・」

 

 

今、木の下に腰掛けている私の周りには洗い終わった後、ひとしきり駆けまわった動物たちが眠っている。

 

そう、私は何故か動物・・・特にネコになつかれては寝床にされるという変わった体質があるのだ。

 

こうなったのは氣の扱いを覚えたあたりからだったか・・・あまり氣を表にださないように生活し始めてからは特に寄ってくる。

 

徐栄

「全く・・・なにが楽しくてわざわざこっちにくるんだか・・・」

 

そういいつつもあぐらをかいた膝の中心にいるネコの背中をゆっくりと撫でてやる。

 

動物は好きだから別にいいのだが毎回毎回外で休んでいると自然と集まってくるので忙しい時の小休止には非常に不便だ。

 

呂布

「・・・動物たちが言ってる。徐栄の近くは落ち着く。」

 

セキト

「クゥ〜ン」

 

そういいながら呂布さんがこちらに向かってきた。どうやらセキト・・・彼女の愛犬を最後に全ての動物を洗い終わったらしい。

 

セキトも私の近くで寝たいのだろうが周りがすでに囲まれていて場所がないせいだろう。クルクルと周囲を回っている。

 

徐栄

「おや、終わりましたか。お疲れ様でした。」

 

呂布

「・・・好きでやってる」

 

徐栄

「そうでしたね。さて・・・これどうしましょうか?」

 

そういって周りにいる動物たちを指す。足の踏み場もないこの状況では移動できない。

 

呂布

「・・・徐栄も一緒に寝ればいい」

 

徐栄

「いやいや・・・仕事がまだ残っております故」

 

呂布

「・・・・・・ダメ?」

 

彼女がつぶらな瞳でそう問いかけてきた。

 

 

 

・・・・・・・・・・・・・・・・まぁいいか。寝れはしないがもう少し休むのもアリかもしれない。

 

徐栄

「まぁ急ぎではありませんでしたしね・・・分かりました。ならこの子達が起きるまで自分はココにいますよ」

 

呂布

「・・・じゃあ恋も」

 

そういいながらこちらに寄ってくる。動物たちもそれに気づいたのかすぐさま道を開け始めた。

 

そして彼女は自分の膝の上に頭を載せた。

 

徐栄

「あの・・・なにを?」

 

呂布

「・・・やっぱり、落ち着く」

 

そういって寝息を立て始めた。セキトさんは彼女の腕の中に入り動物たちも呂布さんと自分の周りにあつまり寝息を立て始める。

 

今ココで寝ていないのは私だけ・・・という状況になってしまった。

 

 

 

徐栄

「全く・・・損な性分だわ」

 

 

 

私は眠ることも出来ず動こうともしない自分の体に苦笑しつつ彼女たちが起きるまでの時間を過ごしたのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その後。徹夜で書類を終わらせて朝一で賈駆さんのところへ持っていったら「これ・・・半分くらいは来週でも大丈夫よ?」といわれ軽くへこんだ。

 

 

説明
忙しかったので修正はしておりません。
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コメント
周りがすでに囲まれいて⇒囲まれていて(黄金拍車)
>> アルヤさん しかしコレで明日の仕事が減るよ!・・・なんてことがあったらいいんでしょうけどね。(RIN)
確かにヘコむわぁ・・・・・・(アルヤ)
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