【トロン兄妹シリーズ】その66「エリューの空羽家訪問」
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夏のある日のこと。

士官学校入学を目前に控えた空羽弟が、

妻のエリューを伴って実家を訪れました。

 

空羽弟:「ここも久しぶりだな…」

エリュー:「そうね、結婚のご挨拶以来だもん」

 

空羽家は川越市内の「空羽屋」というたいやき屋さんです。

たいやきやおだんごの販売の他、

店内で甘味を提供しています。

数年前にお店を改装したばかりで、経営はかつかつです。

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空羽母:「あらまあ、遠いところ来てくれてほんとにありがとう!

ささ、お茶でも飲んで♪」

空羽父:「たいやきも食べて食べて♪」

 

空羽家では勘市さんの両親があたたかく出迎えてくれました。

出されたたいやきは粒の残った粗ごしの芋あんでした。

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お茶を飲み、空羽家の両親と一通り話し終えると、

勘市さんとエリューは二階にあがりました。

 

空羽弟:「俺の部屋は泊まれるように一応片付けてあるものの、

姉ちゃんの部屋はもう完全に納戸だな」

 

お嫁に行った亜乃亜の部屋には、

たんすやふとんがところ狭しと置かれてありました。

 

空羽弟:「おいでエリュー」

 

窓の外をちらりと見た空羽弟がエリューを手招きしました。

 

空羽弟:「姉ちゃんの部屋は眺めがいいんだ」

 

亜乃亜の部屋からは蔵づくりの古い町並みや、

時の鐘がよく見えました。

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その翌日、エリューは空羽弟に市内の神社に連れて行ってもらいました。

この季節、神社境内はたいへん緑深く、

その陰で薄暗いほどでした。

 

空羽弟:「…で、何をお願いしたの?」

エリュー:「内緒…♪」

 

エリューはふふと笑って、自分の腕を空羽弟の腕にからませ、

答えをはぐらかしました。

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空羽家で過ごした休暇を終えると、

空羽弟が士官学校の宿舎に入るために家を出ました。

 

空羽弟:「それじゃエリュー、行って来るよ」

エリュー:「勘市さん…!」

空羽弟:「神さまがきっと俺を無事卒業させて、

またエリューの許に帰してくれるさ」

エリュー:「え! なんで私のお願いを…!?」

空羽弟:「俺たちは夫婦、願いごともひとつなのさ」

エリュー:「ほんとね…」

 

空羽夫妻はお互いの顔を見合わせ、笑顔になりました。

説明
とりあえずビックバイパーはたいやき屋。
エリュー&空羽弟によるオトメディウス聖地中の聖地巡礼。
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トロン兄妹シリーズ オトメディウス エリュー・トロン オリジナルオトメ 

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