IS?インフィニット・ストラトス?黒獅子と駆ける者? |
episode23 後悔
そして一夏たちは保健室にいた・・・・・・
「・・・・・・・・」
「・・・・・・・・」
「・・・・・・・・」
三人はあの時の隼人を思い出していた。
「・・未だに信じられませんわ・・・・。あれが・・隼人さんだなんて・・・」
「・・そりゃ、初めて見る人はそう思うわよね・・・。当然といや当然かな・・・」
「・・そうだな・・・」
「二人は前にも・・・見ているのですか?」
「まぁね・・・。幼馴染となれば、見てしまうわよ・・・・人の素顔って言うのは・・・」
「・・・一体・・何が?」
「・・・・三年ぐらい前だったかな・・・あたしと一夏・・隼人が中一の時だったかな」
「そのくらいだったな・・・・。俺と鈴が不良十人に囲まれたときに隼人が助けに来てくれたんだよな・・・・」
「・・そこまではよかったのよ・・ただ」
「・・・・ただ?」
「・・あたしが不良にひどいことされたのよ・・・・それで隼人は・・・激昂してね・・・・不良たちを叩きのめしたのよ」
「・・・・・」
「不良の一人が命乞いをしても隼人はお構いなしに殴ったり、蹴ったり・・・容赦が無かった」
「・・・・・・・」
「・・隼人によって不良たちは全治八ヶ月の重症を負ったのよ・・・。あの後隼人は半年ぐらい停学処分を受けたの・・・」
「・・・そんなことが・・・・あったのですね・・」
セシリアはただ驚くしか・・・なかった・・・・
「・・今回は理性が保っていられたからやめていたけど・・・・・もし隼人がマジギレだったら・・・・たぶんラウラ助からなかったと思う」
「・・・・・・」
「・・本当は思い出したくないのよ・・・・あんな隼人の姿・・・見たくない・・」
鈴は表情を暗くする・・・・
「・・鈴さん」
「鈴・・・・」
「・・・まるで・・・別人みたいに・・なったみたいで・・・・」
「・・別人・・か」
「・・・まるで・・二重人格・・・みたいですね」
「・・・・・・・・」
すると保健室のドアが開いた。
「・・・隼人」
そこには、隼人が立っていた。
「・・・・・・」
隼人何も言わず、鈴とセシリアが寝ているベッドの近くにあったイスに座った。
「・・・大丈夫か・・・二人とも」
「あ、う、うん・・・。少し打撲程度の怪我だから・・平気」
「そうか・・・・」
「・・そ、その・・・・助けてくれて・・ありがとう」
「・・礼を言われるほどでもない・・・。特に俺なんかにはな・・」
「・・・・・」
「・・・お前達には偉そうな事を言っておいて・・・俺は何にも変わっていなかった」
「・・・・・」
「・・・どうしても・・・怒りに呑まれてしまう・・・理性を失って・・・自分でも何をやっているのか・・わからないんだ・・」
そして隼人は顔を下に向ける。
「・・・隼人」
「俺には・・何も言う権限なんか・・・ない」
「・・・・・・」
「・・・・・・」
「・・・・・・」
「お前がそこまで落ち込むとはな」
そして保健室のドアが開くと、千冬が入ってきた。
「織斑先生・・・」
「・・・お前があそこまで怒りを露にしたのは初めて見たな」
「・・・・・」
「話は聞いている。事の発端はボーデヴィッヒが原因なんだろ」
「・・・・・・」
「・・そうです」
隼人が言う前に鈴が言った。
「・・・しかし、あんなに一方的にやられているのに、止めることができなかったな・・・いや、できなくて当然か」
「え・・?織斑先生は・・・あの場に?」
「あぁ。神風がバリアを破壊してアリーナ内に侵入したのを知って、止めに入ろうとしたがな・・・あの状況では割り込むことはできない」
「・・・・・・・」
千冬は恐らく少なからず悔やんでいるのだろう・・・・。あの時止めることができなかった自分の無力さに・・・・・しかし、あんな状況で生身で止めに入るのは自殺行為に等しい・・・
「神風。お前はトーナメントまでISの使用を一切禁ずる・・・。いいな」
「・・・どんな処罰も受けるつもりです」
「・・本当なら謹慎物なんだが・・・事情が事情だ。大きく軽くなったと思え」
「・・・織斑先生・・・・ラウラは・・・どうなっているんですか・・・」
「・・・精神的に不安定になっている。辛うじて会話ができるようになったが・・・搬送された直後はおびえた状態で会話もままならなかった・・・。ISも中破して、凰、オルコット同様にトーナメント出場は不可能だ。
「・・・・そうですか」
「神風」
「は、はい」
「・・・今後は限度を弁えろ・・・いいな」
「・・はい」
そうして千冬は保健室を出た・・・・
「・・・・・・・・・」
それから隼人はしばらくして保健室を出て、外の広場にベンチに座っていた。
(情けない・・・・自分すらコントロールができないのか・・俺は・・・)
隼人は拳を握り締めた・・・・・
「・・隼人」
「・・・・」
すると、箒が隼人の前にやって来た。
「箒か・・・」
「・・・・・」
「見苦しいものを見せてしまったな・・・」
「・・い、いや・・・私は・・その・・」
箒はなんて言ってやればいいか戸惑っていた・・・
「・・箒」
「な、なんだ・・・?」
「・・お前が言っていた特訓だが・・」
「・・・・・・」
「・・何も必要ない。特訓を引き受けるよ」
「え・・・?」
箒は唖然とした。
「な、なぜだ・・?」
「・・・もうどうでもいいんだ」
「・・・・・」
「・・・ISの訓練はできないが・・・生身が出来上がれば、ISにも反映させることができる。だが、俺の厳しい特訓に付いて来れるのか?」
「・・・元よりそのつもりだ。私は前にもお前の特訓に耐えてきたんだ。今度も大丈夫だ」
「そうか・・・。なら、問題は無い、か」
そして隼人は立ち上がる。
「・・・今日はもう遅い。明日から特訓を始める。明日に備えて今日は休んでいろ」
「・・わ、分かった・・・」
そうして箒はその場を後にして、隼人は寮に戻っていった・・・・
「・・・・・・・」
その頃、楯無は生徒会室でとある報告書を見ていた。
(・・・・予想通りね)
それはとある事故についての調査報告書であった。
(・・・亡国機業がこの件に絡んでいたのね・・・。隼人君の父親である神風淳一郎はかなり腕利きの情報捜査員であり、亡国機業の最重要な情報を掴んでいた・・・。けど、亡国機業も黙っていたわけではなく、差し金を送って抹殺を図った・・・・その際に目撃をした隼人君の母親である神風昌子も殺害、その後証拠隠滅のために車に遺体を乗せて車二台を衝突させて爆破・・・・)
楯無は報告書を見て、眉間にしわを寄せる。
(・・惨いわ・・・あの組織ならやりかねないけど・・・ここまでやるなんて・・・)
そして一つの不安が過ぎる。
(今日の隼人君が見せたあの状態・・・・もしこの事実を知ってしまったら・・・恐らく隼人君は・・・)
恐ろしい想像が頭の中に映し出されて、楯無は目を瞑る。
(隼人君には悪いけど・・・黙っておくしかないわね・・・今は・・)
そして楯無は報告書を隣にあったシュレッダーにかけた。
「・・・・・・」
そうして楯無は机に肘を着くと両手を組み、その上にあごを乗せた・・・・
とある海域・・・・・・
ガキンッ・・・!!
鈍い音が辺りに響くと、黒い影は震えた。
目の前には、黒い機体がおり、手にしていたランスを黒い影に突き刺していた。
全身装甲の機体であって、カラーリングは黒をメインに、グレーなど、黒色系のカラーがほとんどであり、各所に赤が施されていた。頭の形状はまるで海賊の被る帽子のような形状をしており、額にはドクロがあり、黄色のツインアイを持って、右目には半透明のグリーンのアイパッチが付けられていた。両肩にはバインダーを持っており、まるでマントを思わせる形状で、先端にはフックを一基ずつ搭載されていた。胸部にもドクロがあり、その外見は見るからにも海賊とも言えるものであった。
「・・・・」
そしてその機体はランスを引き抜くと、黒い影は海に落ちていき、水中で爆発した。
(これでバインドは三体目・・・・残りはどこかに潜んでいるか)
その機体のパイロットはそう考えながら、下に待機していた潜水艦に戻っていった・・・。
その潜水艦の艦橋側面には・・・二つの蛮刀を交差させ、その上にドクロが描かれたマーキングが施されていた・・・・
後書き
オリ主の二重人格疑惑・・・・。後でこれは重要な出来事に繋がりますので・・・・
説明 | ||
トラックに轢かれそうになった女の子を助けて俺はお陀仏になった・・・。・・・って!それが本来の死じゃなくて、神様のミスで!?呆れている俺に、その神様がお詫びとして他の世界に転生させてくれると言うことらしい・・・。そして俺は『インフィニットストラトス』の世界に転生し、黒獅子と呼ばれるISと共にその世界で戦うぜ! |
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コメント | ||
不良中年の機体キタコレwww(紅蓮のアーティスト) ここで『AGE2の海賊ver.』登場! ってところですか。 ………物語の収集がつかない。(jon/doe) |
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