IS レジェンドウォーズ 16話 忠告
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Side秋人

なんとか女子たちの魔の手から逃れた僕たちは更衣室についた。

 

「何とかなったね」

 

「うん」

 

「いや、しかし助かったよ」

 

「何が?」

 

「やっぱり学園に男二人はつらいから。にいさ、おっと。更識はそこまで気にしてないみたいだけど」

 

「そうなの?」

 

そうなのって

 

「いや、かなり肩身が狭くて大変だぞ。ま、これからもよろしくね」

 

「うん。よろしく。僕のことはシャルルってよんで」

 

「わかった。僕のことも秋人でいいよ」

 

ふと時計を見るとかなり時間がやばい。

 

「シャルル!とにかく早く着替えよう。遅れたらまずい」

 

一気に服を脱ぐと

 

「わあっ!?」

 

シャルルが声をあげた。なんか女の子みたいな悲鳴だな。

 

「どうしたのシャルル。早く着替えないと、うちの担任の恐ろしい制裁が….」

 

「う、うんっ?着替えるよ?で、でもあっち向いてて….ね?」

 

「?まあ人の着替えをじろじろ見る気はないけど」

 

男同士でも裸になるのが恥ずかしいのかな?

 

ふと視線を感じたので、

 

「シャルル?」

 

「な、何かな?」

 

振り向いてみるとシャルルはもう着替え終えていた。

 

「うわ、着替えるのはやいね。コツとかあるの?」

 

「い、いや、別に」

 

「ふ〜ん。よし着替え完了。急ごう」

 

「う、うん」

 

シャルルの手を掴んで更衣室を出ていく。ここからは時間との勝負。

 

 

 

「では、本日から格闘及び射撃を含む実戦訓練を開始する」

 

「「「「「「「「「「はい」」」」」」」」」」

 

何とか間に合った。

本当はかなりギリギリだったけど姉さんが少し遅れてきたからセーフだった。

 

にしてもさすが全クラス揃っているだけあってかなり多いな。

 

「まずは実戦を実演してもらおう。そのまえに本日よりこの学園で働くことになった用務員兼警備員を紹介する」

 

姉さんの言葉に一人の少年が前に出てくる。長く伸ばした黒髪に鋭い目つきに整った顔立ち。かなりのイケメンだ。

 

「今日からここで働くことになった高月悠輝だ。みんなの一つ年上でISの操縦はできないがこれからよろしくたのむ」

 

そういって挨拶する高月さん。

 

「きゃ」

 

「ん?」

 

『『『『『『『『『『きゃあああああああああああ!』』』』』』』』』』

 

朝とは比べ物にならないソニックウェーブだと!?予想していたけどそれ以上だと?!

 

「かっこいい!」

 

「しかも年上!」

 

「すこし危ない感じだけどそこがさらにイイ!!」

 

「静まれ!」

 

姉さんの言葉に静まるみんな。

 

「あ〜、悪いけど俺にはもうすでに婚約者がいる」

 

『『『『『『『『『『えええええ?!』』』』』』』』』』

 

「そ、そんな」

 

「神はいないの!?」

 

「そんな、そんな、そんな〜」

 

その言葉にみんなが沈む。

 

「ついでに三組に今日転校してきたのは俺の義妹だ」

 

『『『『『えええ!?』』』』』

 

反応したのは三組の生徒だ。三組にも転校生っていたんだ。

 

「あいさつしろ」

 

「はい兄さん」

 

一人の女子が三組の列から出てきて高月さんの隣に立つ。

その顔を見た瞬間、僕たちは驚愕した。

 

「三組に転入してきた高月円夏です。よろしくお願いします」

 

そういって元の列に戻っていく。なんなんだ彼女は?なんで姉さんと同じ顔なんだ?箒も、セシリアも、鈴もみんな開いた口がふさがらないみたいだ。特にボーデビィヒさんなんかものすごい顔をして彼女をにらみ続けていた。

 

Sideout

 

Side一夏

さっきの衝撃も冷めないうちに織斑先生が

 

「では自己紹介も終わったところでこれから模擬戦をしてもらう。凰、オルコット」

 

「「は、はい」」

 

「専用機もちはすぐに始められるだろう?前に出ろ」

 

先生に言われてしぶしぶ前に出る二人。

 

「なんでわたくしが」

 

「めんどくさいな〜」

 

二人は不満げに出ていく。そんな二人に織斑先生が、

 

「お前たち少し真面目にやれ。あいつにいいところを見せられるぞ」ボソッ

 

なんてことをつぶやいた瞬間

 

「やはりここはイギリス代表候補生セシリア・オルコットの出番ですわね!」

 

「実力を見せるいい機会よね!専用機もちの!」

 

わかりやすすぎるぞ二人とも。

 

「それでお相手は?わたくしは鈴さんの相手でもかまいませんが?」

 

「ふふん。こっちのセリフよ。返り討ちにしてやるわ」

 

「慌てるな、馬鹿共。対戦相手は…….」

 

すると、突然上空から、

 

――キィィィィィイン――

 

「ああああああぁぁっっ!?退いてくださーい!」

 

訓練機『ラファール・リヴァイヴ』に乗った山田先生がこっちに向かって落下してきていた。

すると三

四組のほうから簪が蒼鋼を展開して飛び出して来て、山田先生を受け止めた。

 

「ありがとうございます。更識さん」

 

「いえ」

 

とびだした簪に抱きかかえられた山田先生は地面におろされて、安堵している。

 

「さて小娘ども、さっさと始めろ」

 

「えっ?あの二対一でですか?」

 

「いや、流石にそれは…….」

 

セシリアと鈴は遠慮がちに言うけど、

 

「安心しろ。今のお前たちではすぐに負ける」

 

俺も同意見だ。

 

その言葉が気に障ったのか、闘士をたぎらせる二人。

 

「では、はじめ!」

 

そして、飛び立ち戦い始める三機。

 

「デュノア、山田先生が使っているISについて説明しろ」

 

「は、はい。山田先生がつかっているISはデュノア社製第二世代型IS『ラファール・リヴァイヴ』で――」

 

デュノアの説明を聞き流しながら戦闘を見ていると、

 

「すこしいいか?」

 

円夏が話しかけてきた。

 

「なんだ?」

 

「お前が更識一夏か?」

 

「ああ。おまえだろう。今朝兄さんが言っていたのは。正直渡された資料だけじゃ実感がわかなかったけど、本当にそっくりだな」

 

「まあな。だが今はそんなことはどうでもいい」

 

そこで彼女はいったん言葉をきり、

 

「お前はどう思っているんだ?織斑千冬と織斑秋人を」

 

「別に、ただの先生とクラスメートだ」

 

俺がそう言うと円夏は、

 

「私は憎いな」

 

と小声で俺にしか聞こえないように言った。

 

「そしてお前のことも憎い」

 

「で?どうするんだ?」

 

「だが、お前には少し興味がある」

 

興味ねえ。

 

「お前は本当にあの二人のことを割り切っているのか?」

 

「……..どういう意味だ?」

 

「そう簡単に割り切れるほどお前は器用なのか?私にはそう見えんがな」

 

「そういうお前も器用には見えんぞ」

 

「当たり前だ。私は――」

 

ドガアン!

 

円夏の言葉は、グレネードに吹き飛ばされた二人の落下音に遮られた。

 

「今日はここまでとしよう。私は戻る」

 

そういって円夏は三組に戻っていった。

 

「あ、あんたねえ、なに面白いように回避先よまれてんのよ!」

 

「鈴さんこそ!無駄にばかすかと衝撃砲を撃つからいけないのですわ!」

 

責任の押し付け合いを始めたぞ。なんか、専用機持ちのブランドがどんどん下がっているな。

 

「山田先生は元代表候補生だ。これくらいは当然だ」

 

「昔の話ですよ。それに候補生どまりでしたし」

 

ちなみに候補生の中でもトップの実力を持っていたそうだが上がり症のせいでなかなか国家代表になれなかったそうだ。つまり上がり症さえなければ国家代表クラスの実力ってことだ。

 

ちなみに撃墜された二人はまだ言い争いをしていたのだが、

 

「二人ともそこまで」

 

割って入ったのは簪だ。

 

「セシリアはもっと確実に狙撃できるように山田先生だけじゃなくて鈴の行動も予測して撃つようにすること。鈴も今回は二対一だったのだから後方はセシリアに任せてあまり衝撃砲を撃たずに懐に飛び込むようにしないと。二人とも今回はタッグだったんだからお互いに助け合わなきゃ実力の半分も発揮できないよ?」

 

「う、わかりましたわ」

 

「確かに簪の言うとうりね」

 

流石だな簪。やっぱり観察眼がいい。

 

「さて、諸君にもIS学園教員の実力は十分に分かったな。以後敬意を持て接するように」

 

『はい!』

 

織斑先生の言葉に返事をするみんな。

 

「専用機持ちは織斑、オルコット、凰、デュノア、ボーデヴィッヒ、更識、更識妹、高月の八人だな。では十人グループに分かれて実習を行う。各グループリーダーは専用機持ちが行うこと。いいな?では分かれろ」

 

すると、俺、織斑、デュノアのところに集まってくるみんな。

 

「織斑君一緒に頑張ろう!」

 

「わかんないところ教えて〜」

 

「デュノア君の操縦技術を見たいなぁ」

 

「更識君を奪うチャンス、ん?な、何かな更識さ、ぎゃあああ!?」

 

最後の奴、自業自得だ。

 

「この馬鹿共が。主席番号順で一人ずつ各グループに入れ!順番はさっき言った通りだ!もたもたするようならISを背負ってグラウンドを百周させるからな!」

 

その言葉にすぐに各グループに分かれるみんな。

 

そのあと、いろいろ騒ぎがあったけど何とか全クラス実習は終わった。ただ、円夏に言われたことが頭から離れない。俺はちゃんと割り切ってるはずなのに。

 

Side out

 

Side秋人

昼休み箒に昼食に誘われて、せっかくだからみんなを誘って屋上で食べている。なぜか箒の機嫌が悪いけどなんで?ちなみにみんなっていうのは箒、セシリア、鈴にシャルルだ。

 

「えっと、僕ここにいてよかったのかな?」

 

「いいって。転校してきたばかりで右も左もわからないだろうし」

 

「ありがとう、秋人」

 

う、結構かわいい顔するなシャルル。本当に男か?

 

「何照れてんのよ?」

 

「照れてないよ!」

 

そんなこんなで、みんなで昼食を食べながら話をしたりしながら次第に話題はシャルル以外の転校生の箏になっていった。

 

「にしてもそのドイツの転校生ってなんなの?いきなり秋人の事叩こうとするなんて」

 

「まあ、なんとなく理由は分かるかな」

 

「なんですの?それは?」

 

「ごめんあまり、人には言えないんだ」

 

「ふむ。まあそれより、三組の転校生のほうが謎だと思うのだが」

 

箒の言うとおりだ。あそこまで姉さんに似ているっていうのは僕たちと無関係とは思えない。

 

「ほんと、あの子もあんたの妹とかじゃないの?」

 

「いや僕の知ってる限り、妹やもう一人の姉さんがいたなんてことは聞いたことはない」

 

「一体何者なんでしょう」

 

僕たちが悩んでいると、

 

「あのさ」

 

シャルルが話しかけてきた。

 

「なに?」

 

「実習の時、あの子と更識君が話をしているのを見たんだ」

 

「「「「ええ!?」」」」

 

その言葉に僕らは驚く。

 

「なんで一夏が」

 

「一夏さんはあの子のこと何か知っていらっしゃるんでしょうか?」

 

「聞きに行ってみるか。おそらく何か知っているのだろう」

 

「では今すぐにでも」

 

僕たちが聞きに行く予定を立てていると、

 

『その必要はないぞ』

 

「え?うわ?!」

 

突然、幽里が現れた。僕たちはもう慣れたけど初めて見るシャルルは驚いてる。

 

『我が主様より伝言を預かっておる』

 

「伝言?」

 

『あ奴のことに関して、お前さんたちは関わるな』

 

「え?」

 

『下手に刺激するなということじゃ。あ奴はわし等で何とかする。お前さんたちはあのちっこいのに気おつけておれ』

 

そういって幽里は消えた。

 

説明
模擬戦と昼食です。
あまり話が進まなくてすみません。
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コメント
とはいえしばらく出番はありませんが(竜羽)
この時点でマドカ登場ですか・・・・続きが気になる。(i-pod男)
タグ
織斑一夏 更識簪 デジモン インフィニット・ストラトス IS 

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