ゼロの使い魔 〜魔法世界を駆ける疾風〜 第七話
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「武器が欲しい?」

 

こんばんは。ハヤテだ

俺は今、ルイズと交渉をしている

 

「でもアンタ、どっかから武器を取り出せるじゃない」

 

「モチロン使えるよ。だけど急に襲われたりしたら間に合わないからさ」

 

「それもそうね。一理あるわ。わかったわ、明日城下町に行きましょう。じゃあもう寝ましょう。ほらこっち来なさい」

 

そう言ってルイズは俺をベッドに引き込んだ

 

「えっと…ルイズ。やっぱり俺は床で寝るよ。だから放しt・・・」

 

「却下。おやすみなさい」

 

ルイズは何も聞かず寝てしまった

…しょうがない。明日も早いんだし寝るか

 

 

 

とは言ったものの俺は緊張して碌に寝られなかった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

俺は朝早く起きて日課の鍛錬をしていた

 

「ハッ!セイヤッ!((八卦空壁掌|はっけくうへきしょう))!!」

 

「どうぞ。ハヤテさん」

 

「いつもありがとうシエスタ。それじゃ行こうか」

 

シエスタが渡してくれたタオルで汗を拭き、洗濯場へ行く

 

「さて、これで最後かな」

 

「ありがとうございます。ハヤテさん」

 

「ううん。それじゃ」

 

洗濯を終わらせルイズの部屋へ戻る

いつもは俺が起こすのだが、今日は珍しく起きていた

 

「あれ?今日は早いねルイズ」

 

「それはそうよ。城下町は馬で三時間かかるんだもの。アンタ馬は乗れるわよね?」

 

「う〜ん、自信はないなぁ。…そうだ!ルイズ。俺の友達を呼んでもいいかな?」

 

「へ?い、いいけど友達って誰?」

 

「今から呼ぶよ。『口寄せの術』!」

 

白煙が上がり、それが晴れたときには今までいなかった者がルイズの部屋にいた

 

「ふん。やっとワシを呼び出しおったか。小僧」

 

「ごめんね。ちょっとゴタゴタしてたから」

 

俺がクラマと話していると突然ルイズがクラマを指差し

 

「あ、あ、あんたそのクチヨセって生き物も呼び出せるの!?しかも何?その狐?は。尻尾が九本あるじゃない!喋ってるし!」

 

「ん?呼び出せないって行った覚えはないけど?クラマの尻尾が多かったり喋ったりするのは…まあそういう種族なんだ」

 

「…なんかもう驚くのに疲れたわ」

 

「それじゃ話を戻すね。クラマ、悪いんだけど俺たちを乗せてくれないかな?」

 

「アンタなに言ってるのよ?そのクラマだっけ?に乗れるわけないじゃない。そんな小さいのに」

 

クラマの今のサイズはハヤテの頭に乗るくらいの大きさだ

 

「そうだよね。じゃあちょっと場所を変えようか」

 

そうして来たのは学院の入り口

 

「で、どうやってクラマに乗るのよ?まさか私たちが小さくなって乗る。とか言わないでよね?」

 

「惜しいねルイズ、逆だよ。クラマが大きくなるんだ。クラマ、俺たちを乗せられるくらいに大きくなってくれないか?」

 

「いいだろう。変化!」

 

また白煙が上がり、その中に見えたクラマは明らかに馬なんかよりも大きかった

 

「な、なあ?」

 

「ね?大きくなったでしょ?」

 

ルイズは目を丸くしてクラマを見ている

まあハルケギニアに大きさを変える幻獣なんかそうそういないだろうしね

 

「ほら、行こう?ご主人様」

 

「わ、分かってるわよ!」

 

ルイズは照れつつもクラマに乗った

 

「それじゃ、城下町まで頼んでもいいかな?」

 

「別にいいが、どの方向に行けばよいのだ」

 

「あっそうだね。ルイズ、城下町ってどこ?」

 

「あっちの方向にずっと行けば見えてくるわ」

 

ルイズは指差しながら言った

 

「クラマ、分かった?じゃあ行ってくれ。それなりに全速力で。あ、ルイズ。落ちるかもしれないから、しっかり掴まっててね?」

 

クラマはルイズが俺の腰に掴まったのを確認してから駆けた

 

「速すぎるわよぉぉぉ〜〜〜!!」

 

ルイズの悲鳴が聞こえたのは気のせいに違いない。うん

 

 

 

 

 

 

 

 

第三者視点

 

その頃、青い髪の少女は自室で本を読んでいた

そこにドンドンとドアを叩く人がいたのでとりあえず無視した

だが、そのうち激しく叩かれ始めたので杖を振り『サイレント』の魔法を唱えた

『サイレント』は周囲の音を消し去る魔法である

少女は本に目を落とした

しかしドアが勢いよく開かれた。部屋に入ってきたのはキュルケだった

キュルケは少女に二、三度何かを喚いたが『サイレント』がかかっているので少女には聞こえない

やがてそのことに気づいたキュルケは少女の読んでいた本を取り上げた

しかたなく少女は『サイレント』を解いた

 

「タバサ!今から出かけるわよ!早く支度をしてちょうだい!」

 

どうやら青い髪の少女はタバサというらしい

タバサは短く

 

「虚無の曜日」

 

とだけ答え、本を取り返そうとした

しかし悲しいかなタバサの身長はキュルケよりはるかに低く、キュルケが本を掲げるだけで届かない

 

「分かってる。あなたにとって虚無の曜日がどんな日だかあたしは痛いほどよく知ってるわよ。でも今わね。そんなこと言ってられないの!恋なのよ!恋!」

 

キュルケは分かるでしょ?と言わんばかりの態度だが、タバサは首を横に振る

 

「そうね。あなたは説明しないと動かないのよね。ああもう!あたしね恋したの!でね?その人が今日、あのにっくいヴァリエールと一緒に出かけたのよ!相手はルイズの使い魔なのよ!あなたも興味あるでしょう?それにあなたの使い魔じゃなきゃ追いつかないのよ!」

 

なるほど。とタバサは思った。確かに自分の使い魔でなくては追いつかないだろうと

それにタバサ自身、あの傭兵の青年には興味があった

あの決闘のとき彼は、大量の水を具現化し竜をかたどって放った

あのような魔法は見たこともなければ、聞いたこともない

しかもあれだけの魔法を使うなら、かなり高位の水のメイジだと思った

彼ならもしかして・…とそこまで思考したところで現実に戻った

 

「わかった」

 

「ありがとう!じゃ、追いかけてくれるのね!」

 

タバサは頷いた。そこで彼女は窓から自身の使い魔を呼び、乗った

キュルケも続いた

 

「いつみてもあなたのシルフィードは惚れ惚れするわね」

 

タバサの使い魔はウィンドドラゴンの幼生だった

そのドラゴンからすれば人間を二人乗せて飛ぶことなど造作もない

 

「どっち?」

 

タバサは短く尋ねた

キュルケは口ごもりながら

 

「わかんない…慌ててたから」

 

タバサは文句を言うでもなくウィンドドラゴンに命じた

 

「馬二頭食べちゃダメ」

 

「あ、待って!乗ってたのは馬じゃなかったわ。なにか尻尾が九本あったから」

 

キュルケからの情報に首をかしげながら再び使い魔に命じた

 

「尻尾が九本あって、人を二人乗せてる生き物。追って」

 

ウィンドドラゴンは短くないて了承の意を伝えると力強く羽ばたき始めた

タバサはその様子を見てキュルケから本を奪い返し、満足したように本を読み始めた

 

 

 

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第七話です

『疾風物語』とこちらは出来るだけ交互に書いていきます

 

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