裏庭物語 プロローグ
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 『表裏一体』。

 

 ――相反して見える二つのものの関係が、根本のところでは密接に結び付いていて切り離せないこと。

 

 比較的馴染み深い四字熟語である故に、これに該当するものを挙げるのは容易い。

 

 光と影。

 正と負。

 実と虚。

 有と無。

 そして、

 表と裏。

 

 これらは表裏一体の文字通り、片方が存在して初めてもう片方が存在できる。

 

 光があるから影が見え、影があるから光が見える。

 正があるから負が成り立ち、負があるから正が成り立つ。

 実があるから虚が判り、虚があるから実が判る。

 有があるから無が生まれ、無があるから有が生まれる。

 表があるから裏があり、裏があるから表がある。

 

 意識を築いてないだけで、常識に気付いてないだけで、この世のものは全てこのように根本を同じくする『表』と『裏』からできている。

 

 そう。

 どんなものにも裏はあるのだ。

 

 どんな物にも。

 どんな者にも。

 

 

 

 舞台は、広大な敷地面積を誇り膨大な生徒数を有する日本屈指のマンモス校、

 

 『箱庭学園』。

 

 表向きは少しばかり特異なただの私立高等学校であるこの学園には、しかし『フラスコ計画の実験場』という代代的で大々的な“裏”がある。

 

 これは、そんな異常な学園に通う生徒達の日常の、ほんの一片を、僅か一編を、彼ら自身に語ってもらった物語である。

 

 原作では細かく描写されない箱庭生の『普通の』日常。それを原作とは違った((生徒|キャラ))達の視点から覗いてみよう。

 

 果たしてどんな「裏話」が聞けることやら……。

 

 

 

説明
原作キャラと原作には出てこない箱庭生たちによるスピンアウト風物語。

にじファンから転載しました。
駄文ですがよろしくです。
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