乱世を歩む武人〜第十一話〜 |
張遼
「おー来た来た・・・ってこれ来すぎやろ!」
徐栄
「ええ・・来てますねぇどんどん来てますねぇ・・・報告の倍以上っていうのは想定しちゃいけない範囲だと思うんですよ私は。」
華雄
「・・・むぅぅ」
徐栄
「痛っ。無言で殴らないでくださいって。」
今現在ココ虎牢関の城壁。私たちは来る連合軍をみおろしながらその数に驚いていた。
華雄さんの報告ではせいぜい5万といったところだった。その時は随分削ったもんだと感心したものだ。
だが今現在。連合軍はぱっとみただけでもその倍はゆうに超えている数が存在している。
・・・・・・何を見てたんだ?この人?
陳宮
「これでは作戦も立て直しなのです。全く・・・軍師のねねのことも考えて欲しいのです。」
虎牢関の軍師を任されている陳宮さんも起こっているご様子。そりゃそうだ。人数の前提がちがければ作戦は全部洗いなおしだからな。
華雄
「ぐぬぬぅ・・・」
苛立つ華雄さんは陳宮さんにたいして梅干しをくらわせる。おいおい・・・明らかに自分のせいだろうに。
呂布さんのとりなしで離れた華雄さんは軍の確認に行くと言い下に降りていった。
張遼
「悪いやつやないんやけどなぁ」
徐栄
「水関のことで苛ついているのでしょう。陳宮さんも許してあげてくださいね」
陳宮
「むむ・・・ねねは悪くないのです。」
徐栄
「ソレは同意ですがね。」
軍師としては当然のことだしたしかに悪くはないと思う。と思いつつも城壁の外を見下ろす。
下では連合軍が陣を敷いていた。
徐栄
「ん〜・・・それにしても敵の展開速度、なかなかですねぇ。これは相当鍛えている。まぁウチほどではないですが」
張遼
「せやな。まぁこの手の定石は篭城や。向こうもそのつもりやろうけど・・・あんま時間は掛けたくないな」
徐栄
「洛陽に残してきた董卓さん、賈駆さんも不安ですしね・・・呂布さん、大丈夫ですか?」
呂布
「・・・・・・なんとかする」
まぁこの人は大丈夫か。とか考えていると慌てた様子で伝令兵が来た。
兵士
「報告いたします!」
徐栄
「おや。どうしました血相を変えて。まさか華雄さんがいきなり突撃したわけでもないでしょうに」
ハハハっと笑いながらそういう。流石に二の舞はないだろうしこのくらいの冗談は言える程度に余裕を持つべき「あの・・・そのとおりです」
徐栄
「・・・・は?」
思わずほうけてしまった。あの人本当に人間か?
張遼
「はぁ!なんやのそれ!」
いち早く正気に戻った張遼さんが聞き返す。ソレに続いて私達も我に返る。
陳宮
「そんなの聞いてないのです!」
陳宮さんも焦っている。そりゃそうだ、ここで突撃を選ぶ軍師は軍師とは言わない。
呂布
「・・・・・・でる」
呂布さんも出撃体制をとろうとしている。どうやら華雄さんを助けに行こうとしているみたいだ。
張遼
「全くあの猪は・・・ウチらもでるで!」
やはり出るしかないか。しかし・・・
徐栄
「連れ戻しを最優先ですね。それと・・・ここは捨てることになるかもしれませんよ?」
張遼
「しゃーないわ。ここで華雄が死んだら月が悲しむ!。ねね!関の防衛は任せたで!」
陳宮
「わかったのです!」
張遼
「徐栄!部隊に出撃命令を!あの猪迎えに行ってさっさと戻ってくるで!」
仕方ない・・・姉貴の軍に当たっていたら後で全力で土下座しよう。生きるのが最優先だ。
徐栄
「了解っと。陳宮さん。一応撤退も頭に入れておいて下さい。状況によっては洛陽まで引くかもしれません。」
陳宮
「そ・・・そうですね。そっちの準備も一応進めておくのです。」
さぁて・・・無事に済むことを祈りつつ行きますかね・・・!
張遼
「悪いが邪魔や!どけ!」
袁紹兵
「ぎゃぁ!」
徐栄
「張遼さん!華雄さん発見しました!右です右!」
張遼
「ホンマか!?よし。お前ら右に向かうで!華雄回収したら撤退や!」
張遼隊
「「「応!!」」」
なんとか姉を見かけること無く華雄さんを見つけた。ついでに戦ったことである一つのことがわかった。
袁紹軍に姉はいないということだ。姉がいたらこんな無様な采配はしない。この大人数でこれだけの機会を逃すようなやつだ。仮に袁家にいるとして軍師ではないだろう。
ならば遠慮無く殺せるというものだ。
ザクザクと金色のはでな鎧兵士たちをくぐり抜けならがようやく華雄さんと合流。かなり苦戦気味だったようだがなんとか崩壊前に辿りつけたようだ。
張遼
「やっとおったで華雄!とっとと帰るで!」
張遼さんが肩を掴んでひきづっていこうとするか彼女は暴れだした
華雄
「話せ張遼!私はまだ戦える!」
徐栄
「そういうのは虎牢関の上でお願いしますよ・・・よし、この程度の被害なら撤退すればまだいけますね」
張遼
「せやな、皆徹底するでー!」
即時反転の準備をしようとする私達。しかしそこに伝令の兵士が来た
兵士
「虎牢関の陳宮殿より伝令!洛陽に賈駆様より連絡があり。非常事態につき虎牢関を放棄し至急戻られたしとのこと!」
張遼
「なんやて・・・誤報とちゃうやろな!」
張遼さんが伝令兵に詰めかける。
兵士
「印は董卓さまのものとのこと!陳宮さまはすでに撤退の準備を始めています!」
この状況で洛陽に起きる非常事態・・・アレか
徐栄
「全く・・・この状況下で権力争いですかねぇ。本当に腐ってやがる・・・」
張遼
「都に誰も残しとらんのは失敗やったわ・・・詠の奴全然大丈夫やないやないか・・・!」
徐栄
「仕方ありませんね・・・このまま洛陽まで引きましょう、ってアレ」
振り返れば関には人だかりができている。ちぃ。話混みすぎたか
張遼
「あー!ヤバイ。あのまま関を突破されたらウチらに帰るとこなくなるで!」
呂布
「・・・・・・霞、徐栄、先に行く」
呂布さんが先行してくれるようだ。彼女ならば十二分に止められるだろう。
張遼
「任せた!ほら。華雄。ウチらも戻るで。徐栄、スマンが恋のあとについてってやれるか?」
一緒に時間を稼げとのことだろう。確かに今それができるのは私しかいない。
徐栄
「まぁ仕方ないですね。華雄隊、張遼隊ともども撤退だっ!私は先行する故あとは任せた!」
董卓軍
「「「応!!」」」
そういって馬を飛ばして呂布さんのもとへと走りだした・・・・
呂布
「・・・時間ないから本気で行く」
???
「うぉ!」
???
「きゃぁ!」
ずっと先を走って行って・・・いた。金ピカの鎧をきた二人と戦っている。あれは・・・袁紹家の二枚看板か。
徐栄
「呂布さん!手伝いに来ましたが・・・いりませんでしたかね?」
呂布
「・・・大丈夫。」
どうやら問題なさそうだ。ってか邪魔になっているまである。
徐栄
「・・・む」
そんなことを思っていたときだ。関羽さんと張飛さんがこちらに向かってきたのは。
関羽
「大丈夫か二人とも!」
張飛
「鈴々たちが来たからもう大丈夫なのだ!」
そういってこちらに向かい武器を向けてくる。一般兵の格好をしているためかこちらに気づいていない。なら気づかないままでいいだろう。
そう考え気を極力抑えて仕事にかかりながら観察する。
張飛
「お前が呂布なのかー。鈴々が行くのだ!」
関羽
「鈴々!一人では危険だ!」
張飛
「大丈夫大丈夫!でぇぇぇい!」
彼女は自分の二倍もあるような槍を呂布さんへと突き出す。突き出る槍の速さはそのカラダのどこからくるのだろうかという程のもの。しかし・・・
呂布
「・・・あたらない」
彼女の前ではあの程度ならば止まっているとほぼ同義。
張飛
「にゃにゃー!こいつ・・・強いのだ!」
それを彼女も気づいたのだろう。距離を置いて間合いを計り始める。
愛紗
「だから言ったろうが!」
関羽は張飛と並び向かい合っている。どうやら二人がかりということらしい。しかし
???
「あら、劉備の軍も来ていたの?」
徐栄
「・・・!」
もう一人現れた。褐色の肌をした桃色の髪の女性。そしてその体をまとっている気は「覇気」と「威圧感」を兼ね揃えたもの。
褐色肌であの気・・・そうか、アレが揚州にいた時に聞いた孫策か。
孫策
「へー・・・こんなぼーっとした子がほんとうに強いのかな?」
しげしげと眺めながらそんな批評を下す。関羽は苦い顔をして
関羽
「孫策か・・・すまんが桁違いだ・・・スマンが、助力を頼めるか?」
孫策
「アラ、高く付くわよ?」
関羽
「この場の一番乗りでいいならゆずってやるさ」
孫策
「フフ・・・いいわよ、乗ってあげる」
関羽
「なら三人で一斉にかかるぞ!」
そういいながらの同時攻撃の展開だ。しかし・・・
呂布
「・・・・・・遅い」
そういって呂布さんは一薙ぎに蹴散らす。
そりゃそうだ。あんな話をしていたら誰だって連携を崩しに行くだろう。こっちだってそうしてる。・・・よし、頃合いか
徐栄
「呂布さん!張遼さん達が追いついて来ました!行きましょう!」
張遼
「ようやってくれたな呂布!徐栄!はよもどり!」
呂布
「・・・分かった」
張飛
「にゃ?徐栄?」
関羽
「な・・・徐栄だと!?」
関羽さんがようやくこちらに気づいたようだ。私は真っ赤な姿のまま笑顔でアイサツをする。
徐栄
「お久しぶりです。関羽さん。張飛さん。そして・・・」
孫策
「アラ、あなたが張遼隊の徐栄なの?全然気づかなかったわ」
徐栄
「はじめまして孫策さん。」
こちらにもアイサツをする。
孫策
「ふ〜ん・・・こっちも全然強そうには見えないけれど・・・これだけできるんだもん。強いのよね。」
徐栄
「おや、お気づきの上で放置なされていたので?」
孫策
「しかたないじゃない。だって余裕なかったんだもん」
ぷーっと頬をふくらませる孫策さん。なんとなくわかる・・・多分この人私の天敵だ。
張遼
「徐栄!なーにくっちゃべっとんねん!」
徐栄
「おっと・・・まぁゆっくりしてる暇もないんで今日はこのへんで、ああ関羽さん。今のうちに謝っておきますね。装備が薄かったんでどうしてもそっちを優先的に狙っちゃいました。」
関羽
「何!?」
そういい残して私は全速力で虎牢関へと戻るのであった・・・
〜その後〜
関羽
「やつめ・・・どういうことだ?装備が薄い・・・?」
孫策
「アラ、こんなところで考えてたら危ないし撤退したら?」
関羽
「そうだな。鈴々撤退だ」
張飛
「わかったのだ!総員、撤退なのだー!」
この後、関羽は彼の言葉の意味に気がついたのは
自分の率いる義勇軍がわずか半数にも満たないことに気づいた時であった。
張遼
「あれ?徐栄また武器変わっとるやん。」
徐栄
「ええ、10人目あたりで折れちゃったんですよ。なのでその辺から拾いながら戦ってたんですが・・・別にコレもいりませんね。ポイっと」
説明 | ||
検索しづらい・・・のかな?このあたりから改変しなくちゃいけないほどの反省点はないので過去ログみないで投稿してたり。指摘やご意見アレば大歓迎です。 | ||
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コメント | ||
「あら、劉備の軍も着ていたの?」⇒来て 今のうちに誤っておきますね⇒謝って(黄金拍車) 徐栄の戦い方がほとんど千刀流状態だなぁ。(アルヤ) |
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