IS 〜零の名を冠する深緑の翼〜
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羽田空港にて

俺こと蒼井大和は古今の変わりようで言葉を失っていた。

しかも、こんなに人がいるところに只今絶賛指名手配中の篠ノ之束(新聞で読んだ)がいるのだが、大丈夫なのだろうか?

束が不意に「ちーちゃん」と言って走っていくのでそれを追いかけるようにこちらも走り出す。

‥…俺はどう反応したら良いのか?

簡潔に言うと篠ノ之束が織斑千冬と見られるスーツ姿の女性に抱きついている。

千冬「やめろ束、あいつが対応に困っているぞ」

と鬱陶しそうに言う

束は「そっか〜☆」と言いながら

「こちらがちーちゃんこと織斑千冬なのだよやまくん!」

というので、スーツ姿の女性に向かって敬礼し

「蒼井大和であります。よろしくお願い申し上げます」

と言った。千冬は「ああ」と答え、大和を連れ車へと向かった。

別れ際に束から携帯とISスーツを貰った。

 

車内にて外の景色を眺めていたが、本当に自分がいた所とは違う所だと実感した。

「やはり、今と昔とでは違うか?」

千冬は運転席から声をかける

「はい」

「話は束から聞いているが、学園でお前の話をもう一度聞くが異存は無いな?」

「俺には拒否権が無いのであろう?」

「当然だ。お前のIS、零戦についてはデータは学園で預かっている。国際IS委員会については束が手を回しておいたそうだ」

「わかりました。」

「それと、お前はこれから軍人ではなく一生徒だ。私のことは織斑先生と呼べ」

などと話している間に学園についた。

 

応接室のような所に通され、織斑先生と二人きりになり、束に話したのと同じことを話した。

さらに、経歴、階級、戦績についても聞かれた

 

経歴は、父親が海軍の指令であることで海軍に志願した際に戦闘機の操縦者になるため訓練校に入るための根回しをしてくれたこと、訓練校を卒業する前に、前線に補充兵として入れられたこと。ただし、補充兵といえど、訓練校を卒業した扱いになるので階級は少尉であること。戦績は多いときには数十機墜としたことと、敵艦に特攻したことを伝えた。

 

そして、次には入学試験ということで、織斑先生と試合することになった。

言われたとおりに更衣室で着替え、カタパルトにて零戦を展開し、射出準備を始める。

「発進どうぞ」とアナウンスが入り、

「に…無所属、蒼井大和、出撃するっ!!」

とコールをし、射出された。

 

目の前には打鉄を纏った織斑先生がいる。

試合開始のブザーがなるが両者は互いにどうでるかを見きるために動けないでいた。

先に動いたのは織斑先生だった。

「はぁぁぁぁあああ」

と刀のような武器を頭からふり下ろす体制になりながら肉薄してくるが、大和はシールドを正面に展開し、そのまま突っ込み体当たりをするそこで間合いが取れた所でシールドの真ん中が開き、16連装ミサイルポッドが現れ、ミサイルを射出させる。

織斑先生はミサイルを次々と切り捨てるがそれが隙となり、

「貰った!!」と大和が日本刀を模した近接用ブレードで袈裟斬りにかかるが、「なんのっ!!」と織斑先生は刀を持ち上げつばぜり合いとなった。大和は蹴りをいれ間合いをとり拳銃レベルまで小型化した20mm機銃二丁を両手に持ち銃弾の嵐を浴びせるが、織斑先生はそれを縫うように躱すと瞬時加速(イグニッション・ブースト)を使い、刀で突いてくる。「ぐわっ!!」急いで体制を整えると、今度は後ろからなぎ払うかのように刀をふるってくる。「ぐぅ」と今度は思いっきり吹っ飛び、真上を見たら織斑先生がとどめだといわんばかりに刀を降ってくるが、こちらも刀を展開つばぜり合いになる。互いに、距離をとりお互いに瞬時加速(イグニッション・ブースト)を使い、互いが互いの腹を差し試合終了のブザーが鳴った。

 

「試合終了。両者、引き分け」

 

***

「明日からお前は転校生という扱いで学園に通うことになる。そのため入学式には出られないがホームルームには出ることができる。それまでにこれをよく読んどけ」

と織斑先生から渡されたのは電話帳に匹敵するほどの大きさの参考書だった。それと、部屋の鍵を貰い、寮へと向かった。

因みに1026号室。2人部屋ではあるが今は誰も住んでいないので実質1人部屋らしい。

 

***

 

「これは、想像以上にきつい‥…」

俺以外全員女子で、尚且つ真ん中最前列目立つこと間違いなしの優良物件な席に俺はいるため、クラス全員からの視線を感じる。俺は助けを求め、窓側のファースト幼馴染こと篠ノ之箒に視線を向けるが、顔をそられてしまった

「・・・・・・くん」

これが六年ぶりに再会した幼馴染に対する態度だろうか。……いや、もしかして俺嫌われているんじゃないか?

「織斑一夏くんっ」

「は、はいっ」

呼ばれてつい大声を出す。因みに今声をかけたのは我らが巨乳ロリ副担任こと山田真耶先生上から読んでも下から読んでもヤマダマヤうん、覚えやすい。いい名だ。

「あっ、あの、お、大声だしちゃってごめんなさい。お、怒ってる?怒ってるかな?ゴメンね、ゴメンね!でもね、あのね、自己紹介『あ』から始まって今『お』の織斑くんなんだよね。ご、ゴメンね?自己紹介してくれるかな?だ、ダメかな?」

本当に中学生程度にしか見えない先生に頭を下げられると罪悪感が出てくる。

「いや、あの、そんなに誤らなくても……っていうかちゃんと自己紹介しますから、先生落ち着いてください」

「ほ、本当?本当ですか?本当ですね?や、約束ですよ。絶対ですよ!」

ガバッと顔をあげ手をとり熱心に詰め寄ってくる巨乳ロリ……もとい山田先生

「それよりも質問です」

「は、はいなんでしょう?」

「本当に先生なんですか?」

先生は「ひどいですよ〜」と涙目になっているが、クラスの女子……俺を除いたら女子しかいないのだが…がうんうんといわんばかりに首を縦に降っているため、みんなの疑問を解決することになるのだろうが、どうやら山田先生の反応を見るかぎり本当に先生のようだ。そして後ろを向き、自己紹介を始めようとするが、

(うっ…)

全員からの興味の目が一気に向けられる。

「織斑一夏です。よろしくお願いします」

と頭を下げる。な、なんだ?他にも話すことはあるよね?と言いたげな目は!?話すことなんてないぞ!!よしこうなちゃ

と息を吸い込む

「以上です!!」

女子が全員ずっこけた。うん、見事なコンビネーションだ。人間は皆兄弟とはよく言ったものだ。と関心していると

スパンッと出席簿が脳天を直撃した。

「げっ関羽!」

スパンッ!二発目

「誰が三国志の英雄か、馬鹿者」

なんで、千冬姉がここにいるんだ?職業不詳で月に一、二回ほどしか帰ってこない俺の実姉は。

「あ、織斑先生職員会議終わったのですか?」

「ああ、山田君、朝のホームルームを任せて悪かったな」

おぉ、聞いたこともない優しげな声!!

「諸君、私が織斑千冬だ。君たち新人を一年で使い物になる操縦者に育てるのが仕事だ。私の言うことはよく聴き、よく理解しろ。出来ない者にが出来るまで指導してやる。私の仕事は若干十五才を十六才までに鍛え抜くことだ。逆らってもいいが、私の言うことは聞け。いいな」

なんという暴力発言。間違いなく俺の実姉、千冬姉こと織斑千冬だ。

だが、周囲からは黄色い声援がきた

「キャーーーーーーーーーーーーーー千冬様、本物の千冬様よ」

「あたし、千冬様に憧れて来たんです。北九州から!」

「私、お姉様のためなら死ねます」

「なぜこうも私の所ばかり馬鹿ばかりくるのか…私のクラスに集中させているのか?で、まともに挨拶もできんのか?お前は?」

「いや、千冬姉、俺は」

スパン!

「織斑先生だ。馬鹿者」

「ハイ織斑先生」

この会話で気づかれたのか生徒達はもしかしてと顔になる

「え……?織斑くんって、あの千冬様の弟……?」

「それじゃあ世界で唯一男でISが使えるって言うのもそれが関係して?」

「いいなぁ、代わってほしいなぁっ」

とキャイキャイ騒いでる女子を制すかのように千冬姉は手をパンパンと叩いた。

「訳あって入学式に間に合わなかった転校生を紹介する。蒼井、入ってこい」

というと一人の生徒が入ってきて誰もが絶句した。

 

 

 

なんとその生徒は男子だったのだから

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四 「やはり、今と昔とでは違うか?」
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戦闘機 零戦 敵艦 特攻隊 運命 少年 パイロット 世界 IS インフィニット・ストラトス 

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