青いチビの使い魔 第9話
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 ロングビルSide

 

「ふぅ、まったくヒヤヒヤしたよ。まぁあの子は迷ってただけみたいだしバレてないだろ」

 

私はそう呟きながら学園長室に向かう。しかし宝物庫の扉はどうしたもんかねぇ、あのエロジジィに媚売って学園に侵入できたけどお宝を盗れないんじゃあ意味無いしさて。私は今後の算段を考えていたら学園長室に着いた。

 

「ふむ、まぁゆっくり調べるか。焦って正体がバレたら元も子もないからね」

 

私は小声でそう言った後気持ちを切り替えて、コンコンと学院長室をノックし扉を開く。

 

「失礼します。只今戻りました」

 

「おお、ミス・ロングビル少し遅かったが用事はすんだかね?」

 

部屋に入るとエロジジィじゃなかった学園長のオールド・オスマンがそう聞いてきた。

 

「すいません。迷っていた使い魔の娘を案内していたら遅れてしまって」

 

「使い魔とな?」

 

「はい、例の人間の使い魔でミスタ・アルベルトの召喚した娘です」

 

私は仕事机に着きながら答える。

 

「おお、例の使い魔か。いやはや今年の使い魔召喚の儀は不思議じゃのぉ。ほっほっほ」

 

ジジィはそう言って水ギセルを引き出しから取り出す。私はあまりあの煙の臭いが好きでは無いのでキセルをジジィから取り上げる。

 

「年寄りの楽しみを取り上げて、楽しいかね?ミス・・・・」

 

「オールド・オスマン。あなたの健康を管理するのも、わたくしの仕事なのですわ」

 

私はもっともらしい理由をジジィに言う。

 

「こう平和な日々が続くとな、時間の過しかというものが、何より重要な問題になってくるのじゃよ」

 

「オールド・オスマン」

 

「なんじゃ?ミス・・・」

 

「暇だからといって、わたくしのお尻を撫でるのはやめてください」

 

このエロジジィが!酒場で合った時から人の尻を何度も触りやがって。

 

「あ〜〜、う〜〜〜」

 

「(イラッ)都合が悪くなると、ボケた振りをするのもやめてください」

 

私はとにかく声を抑えて冷たく言い放った。

 

「真実はどこにあるんじゃろうか?考えたことはあるかね?ミス・・・・」

 

「少なくとも、わたくしのスカートの中にはありませんので、机の下にネズミを忍ばせるのはやめてください。」

 

「モートソグニル」

 

ジジィが名前を呼ぶと私の机の下から白いネズミが出て行った。

 

「気を許せる友達はおまえだけじゃ。モートソグニル」

 

このクソジジィ、使い魔のネズミに私の下着を毎度覗かせやがって。学園の宝を奪うまでの辛抱だと思っていたがこれ以上のセクハラしようものなら、

 

「オールド・オスマン」

 

「なんじゃね?」

 

私はネズミから下着の色を聞いているジジィに

 

「今度やったら・・・・潰しますよ?」

 

「ひぃっ、そ、その程度の脅しでこのワシが屈するものかー!」

 

無駄に迫力出してんじゃないよ、ただのエロジジィのクセに。

 

「下着を覗かれたぐらいでカッカしよって!そんな風だから、婚期を逃がすのじゃ。はぁ〜〜、生き返るのぉ〜〜」

 

うふ♪ 笑顔で学院長と言う名のクソジジィに近づき、私は無言でエロジジィを蹴りまわした。特に下半身を集中的に

 

「あー!ごめん。やめて。痛い。もうしないから。だからそこはぁぁ!!」

 

ジジィが何か言ってるがそんな事は無視して私はとにかく踏み続けた。主に足の付け根辺りを。

 

「やめてー。い゛だっ!あんたそれでも人間か!?年寄りになんてことをぉぉぉ」

 

そろそろとどめに片方を潰そうと足を大きく上げたとき、ガチャリとノックも無しに扉が開け放たれた。

 

「オールド・オスマン!!」

 

「なんじゃね?」

 

私達は部屋に誰かが入ってきた瞬間にそれぞれ元の位置に戻り何も無かった様に取り繕う。私はともかくジジィはなんであの状態から元に戻れるんだ?

 

「た、た、大変です!!」

 

いきなり部屋に入ってきたのは最近よく私に声を掛けてくるコルベールとか言う教師だ。まったくタイプじゃないし、いい迷惑なんだよね。ジジィと何かを話しているようだが一体何を?ブリミルがどうとか、少しするとジジィが

 

「ミス・ロングビル。席を外しなさい」

 

真面目な、学園長としての真面目な声でそう言ってきた。私はそれに従い大人しく部屋を出て行く。下手に居座ろうとして怪しまれたら面倒だからね。私は部屋から出るとやる事もないので宝物庫の調査をしに行く事にした。

 

 

 

 

 

 リオンSide

 

「ふう、これでいいだろ」

 

僕は手に持った雑巾を置き皆に言う。

 

「そうですね、これだけ綺麗になればいいですね」

 

そう返してきたのはちとせだ。今この教室には他にもルイズ、キキ、ジン、タバサ、の6人の人間がいる。

 

「そうだな、存外早く終わったな」

 

ジンがそう言いながら魔法で掃除道具を仕舞っていく。

 

「まあ、5人がかりでやれば早いよな」

 

キキがそう言う。教室には6人いるがタバサは端で本を読んでいただけで掃除には参加していない。

 

「すまない、助かった。僕とルイズだけだったら昼まで掛かっていた」

 

僕は皆に礼を言うが何故かルイズは端っこで俯いたまま何も言わない。

 

「おい、ルイズ。お前も礼ぐらいしないか」

 

僕はルイズにそう言って近づく。すると

 

「別に・・・手伝ってなんて・・・言ってない」

 

ルイズはふて腐れた様にそう呟いた。まったくコイツは・・・

 

「お前はバカか。頼んでも無いのに手伝ってくれたんだ、礼ぐらい当然だろ」

 

僕はルイズの身勝手な発言にをたしなめる。しかしルイズは

 

「っ! バカってなによ!! 私は手伝って欲しくなんか全然無かったし、それにどうせ皆心のなかでは迷惑がってるんでしょ!! 恩着せがましいのよ!」

 

急に怒り始めて周りの者達に八つ当たりし始める。さすがにこの発言は看過できない。

 

「おいルイズ、今の発言は失礼だ。お前は・・・・」

 

「まあまあ、別に俺達は気にしてないからさ」

 

僕がルイズを叱ろうとしたらジンが横から声を入れてきた。

 

「ルイズも別に迷惑なんて思ってないよ。友達が困ってたら手伝うのが当たり前だよ」

 

「そうですよ、ジンさんの言うとおりです。友達は助け合うもの、助け合いに友達、なんていい言葉でしょう」

 

ジンとちとせはルイズを元気付けようと声を掛ける。

 

「・・・・・・・っ」

 

しかしルイズはそっぽを向き、そのまま逃げるように教室を飛び出して行ってしまった。まったく世話の焼けるヤツだ。

 

「あ、ルイズさん! あの、追っかけなくていいんですか!?」

 

ちとせが僕にそう言って来たが、ハッキリ言ってあの手合いは追いかけてもコチラの話しを聞かないどころかさらに不機嫌になってしまう。しばらくほっといて落ち着くのを待つのが無難だ。

 

「別にかまわん。一人にして少し頭を冷やしたほうがいい」

 

僕はそう言った。しかし、ちとせにはそれが気に入らないらしく。

 

「なんでそんな酷い事言うんですか! ルイズさんは傷ついているんですよ。リオンさんが追っかけて優しい言葉を掛けて上げなくてどうするんですか!? いいですか、女の子と言うのは・・・・・」

 

ちとせがクドクドと話し始めてしまった。こいつは話し始めると周りが見えなくなるからほっとけばいい。僕は改めて皆に礼を言おうとしたがキキとタバサはいつの間にか居なくなっており、ジンはちとせに魔法を掛けて眠らしていたので僕はジンに一言声を掛け教室を出た。

 

 

 

 

 

ルイズSide

 

なんなのよ! 私だって皆が親切にしてくれてる事ぐらい分かってるわよ!・・・・・・ううぅ〜、あーもう!!

 

「大体リオンはもう少し私に優しくするべきよ! いつもいつも何かあるとバカバカって、私はリオンのご主人様なのよ!」

 

さっきまで憂鬱だった気持ちがリオンへの不満でイライラに変わってきた。しかもこうゆう時に限って

 

「あら? ルーイーズ。こんな所ほっつき歩いてどうしたの。貴方が爆破した教室の掃除はもう終わったの? あ、もしかしてリオン一人に押し付けて来たんじゃないんでしょうね?ソレはさすがにかわいそうじゃない?」

 

出やがった。この無駄乳女キュルケ。チッ、たれてしまえ!

 

「あんたには関係ないじゃない!」

 

「そんな事言わなくてもいいじゃない。彼とってもカッコイイしいい男じゃない」

 

また、なんか言い始めた。どうせいつもの盛り内容だろ、気分も冷めちゃったから相手する気にもならない。私はキュルケを無視して歩いていこうとすると

 

「ちょ、何処行くのよ。ねぇ待ちなさいって。」

 

「あーもう、なんなのよあんた?」

 

「ルイズこそどうしたのよ? いつもだったらキ−キー猿のように言い返してくるのに。何?ホントにリオンと喧嘩したの?」

 

「違うわよ!ってか猿って何よ!? この万年盛り女! もうほっといてよ、私今すっっっごく落ち込んでんだから。」

 

「え!? ちょ! ルイズ!! 待ちなさいって」

 

私は一人にして欲しいだけなのに。私は早足でキュルケから離れようとしたが、キュルケは駆け足でで私の前に来ると、突然人の額に手を当てて

 

「・・・・・・熱は無いわよね。頭も・・・ぶつけた様な痕はない。ルイズ、とりあえず医務室にいきましょ?」

 

とても心配そうな顔で言ってきた。

 

「って、私が落ち込んでちゃあ悪いかー!!」

 

「あら、元気じゃない。落ち込んでるって言うから心配したのに・・・・頭の。」

 

「なに!?頭のって!私は何ともないわよ!いいから一人にしてよ、もう。」

 

「なによー、いいじゃない。そうだ、外で一緒にお茶しましょ。」

 

私の話しを聞かないキュルケは一人で勝手に話しを進めて私を無理矢理外に連れ出した。はぁ、まったく。

 

説明
主人公が・・・・・
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