魔法少女イレギュラーなのは〜10〜 貞明「初!戦闘」
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どうも、千丈貞明です。

 

最近、夜にフェイトの所へ行くようになりました。相変わらず両親は許可してくれてます……軽く怖くなってきた。

 

向こうとも打ち解け、話はよくするようになった。

とは言っても他愛の無いものばかりで、魔法に関しての話はしていなかった。俺を一般人であると考えている2人だからな。まあ、しょうがない。

 

……だけど、そろそろか?

木がデカくなるイベント……その次にフェイトも本格的に関わるんだったような。

 

って事は、そろそろ潮時。

 

まずは、フェイトと話さないと。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「「ご馳走様でした」」

 

「へいよ、お粗末様でした」

 

晩飯タイムを終え、和やかな空気が流れる。

 

「あー……美味かった……」

 

いやアルフ。こんぐらいホント大したことじゃないんだけど……。つーか君は何だってドッグフードなんて食べてたのさ。

 

 

 

……まあ、今はどうでもいいか。

 

 

 

「ちょいとお二人さん、質問したい事があるんだが」

 

後片付けを終えてから、少し改まって2人に声をかける。

 

「どうしたんだい、急に。まあ、答えられる範囲なら答えるけど……」

 

「うん、大した事じゃない」

 

一拍おいて。

 

「君達は何でこの町に来たのかな、と思ってさ」

 

軽く2人の表情が強張る。

 

「……何でそんな事を聞くの?」

 

幾分堅い調子で聞いてくるフェイト。

……んー、ここはズバッと行くか。

 

 

 

 

 

「君達、魔道士なんでしょ?何しに来たのかな、って」

 

 

 

 

 

うわ、一気に険しくなった。

 

「ジョジョ、あんた!」

 

「うわっと、落ち着いてくれよ。俺はまだ魔道士としてはド素人で、君達に勝てる筈が無い。だから殺気立つの止めて。良い?」

 

とりあえず落ち着かせる。

そういう雰囲気好きじゃ無いのよ俺。

 

「……あなたは、何なの?」

 

改めて問い掛けてくるフェイト。……おい、せっかくさっきまで良い笑顔だったのにそんな堅い顔したら台無しじゃないか。

 

「俺はジョジョ、只のへなちょこ魔道士です」

 

やだな、嘘は言ってないよ?だからそんな疑いの目を向けないで欲しいな。

 

「……何が目的だい?まさかあんたもジュエルシードを狙ってるんじゃないだろうね?」

 

「じゅえるしーど?何それ?」

 

アルフの質問にはキョトンとしておく。実際見たこと無いし、関わってないので間違ってはいない。

 

「……ほんとに知らないのかい?」

 

「だからさっきも言ったよね、俺はド素人の魔道士なんだ。つい最近出来るようになってさ」

 

暫くの沈黙。

フェイト、アルフ両名俺を見つめっぱなし。

こちらも同じく相手の目を見る。

 

 

 

 

 

「……解った。んじゃああんたは、フェイトの敵になる事は無いんだね?」

 

「逆にそんな状況にある君達は何なんだって言いたいけど……ま、敵なんかにはならないから安心しなよ」

 

アルフの問い掛けに対する俺の答えを聞いて、2人共ほっとしたようだ。うむ、やはりフェイトには凛々しい顔も捨てがたいけど笑顔も良いよね。

 

さて、本題を忘れていたっけ。

 

「んでは改めて。君達は海鳴市に何をしに来たのかな?」

 

「……」

 

「まあ、大体解るけど。さっき言ってた……何だっけか、ジュエルシード?それを集めに来た、で良いかな?」

 

俺の言葉に、コクリと頷く2人。

 

 

 

 

 

「……んー……じゃあさ。俺にもそれ、手伝わせてくんない?」

 

 

 

 

 

「「!?」」

 

俺の言葉に2人が驚愕。え、そんな反応するとここれ?

 

「そんな、ダメだよ!ご飯でお世話になってるのに、それ以上頼めないよ!」

 

「それにあんたはド素人なんだろ!?そんな奴を連れて行って、怪我でもされたら困るって!」

 

……ぐ、フェイトの理屈はともかくアルフの言葉にゃさっきの俺の言葉もあるから迂闊に返せない……墓穴掘ったか。

 

「いや、頼むよ。修練も積めるし……てかこのまま見過ごすとか無理だって」

 

「駄ー目ーだ。もしあんたを連れてって怪我なんかさせた日にゃ、自分を許せなくなるからな」

 

くそう、なかなか頑固じゃねえの。

ならばしょうがない。

 

「……なら、こっちにも考えがあるんだが」

 

「「?」」

 

2人揃って首を傾げる。

 

「君達に飯作ってあげてるお礼貰ってないよね?そのお礼として、俺を同伴させてくれ」

 

「んな!?あんた、それは卑怯……!?」

 

「……どうして?」

 

俺の提案にアルフは喚くが、対照的にフェイトは静かに聞いてきた。

その顔には、困惑がありありと見える。

 

「どうして、私達を手伝ってくれるの?」

 

 

 

「頑張ってる女の子を助けるのに理由が要るかい?」

 

 

 

いや、要らない。

これは即答出来る事の1つ。

俺の、前世から続くポリシーだ。

 

「ま、結局はただやりたいから、ってだけ。別に俺が怪我しても君達のせいじゃない……だからさ、手伝わせてくれないかな」

 

 

 

そう言って、手を伸ばす。

 

暫く、無言の時間が流れ……。

 

結果、アルフは頷き、フェイトは俺の手を握ってくれた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

という訳で作戦の日。

 

俺も同行したんだけど、フェイトはやはり俺とかに負担を掛けたくないらしく、まずは1人で出撃した。俺は少し離れて観戦。

 

最初はなのは対フェイトで、フェイトが優勢だったんだけど……途中で見知らぬ奴が2人の間に割り込み、事情が変わった。

 

……何か、やたらと豪華な鎧着てるけど……あれバリアジャケット?原作にあんな奴居たっけ?

 

……もしかして他にも……ってヤバい、フェイトが軽く劣勢だ。何あの矢の雨。反則じゃね?

……とにかく、助ける!

保ってくれよ……!

 

「ザ・ワールド!」

 

『了解』

 

俺のコールに答え、頼れる相棒が傍らに現れる。

 

 

 

「時よ止まれ!」

 

 

 

世界が、灰色に染まる。

 

ザ・ワールドに地面を殴って貰うことで、その反作用で一気にフェイトの所まで接近、そのまま彼女を抱えて離れる。

 

丁度その直後に時間切れ、さっきまでフェイトが居た所に爆発が起きた。……こぇー……。

 

「大丈夫、フェイト?」

 

「……うん」

 

一応確認すると、フェイトは多少驚いたような表情で頷いた。

 

「えと、ジョジョ。今のは……?」

 

「話は後、ザ・ワールド!」

 

彼女の疑問はおいといて、今は目の前の敵に集中する。相手はいつの間にか弓をハンマーに変えて殴りかかって来ていた。

 

「うらああ!」

 

『無駄ァ!』

 

正面からぶつかり合う。

って、ザ・ワールドのパワーで弾き飛ばせないのか!?

 

……いや、相手が強いだけじゃないな……俺がまだ修練不足なんだ!

 

時止めの再使用はまだか……!

 

「フェイト!もう1人は任せるよ!俺はこっちを何とかする!」

 

「……うん、解った!気をつけて!」

 

フェイトはなのはの方へ飛び、さっきの戦闘を再開する。……よし。

 

「……お前、結構自信有るみたいだな。俺に勝てると思ってるのか?」

 

「いんや、正直微妙……でもさ、一度、自分が強いと思ってる奴にはNOって言ってみたかったんだよね」

 

「そうか……なら、言って見ろよ!俺を倒した後でさぁ!」

 

『Lance mode!』

 

うわ、また形変わった!槍か、めんどくさいな!

 

「頼む!」

 

『無駄無駄ァ!』

 

ザ・ワールドに指示を飛ばし、拳を振るわせる。が、相手も上手くかわしてくる。

 

「ここ!」

 

「うわ危ね!?」

 

そこに突き出された穂先を、ギリギリで受け止めさせる。マジ危ねぇ……ダメージリンクするんだもんな、キツい……。

 

「おい、どうした?こいつに任せてお前は高みの見物か?良い身分だな」

 

はは、全くその通り。

返す言葉も無いね。

だけど、ただ見てるだけのつもりじゃ……ない!

 

「そらっ!」

 

ポケットに手を突っ込み、中から4、5個のビー玉を取り出して放り投げる。

そしてすぐさまザ・ワールドに指示し、相手から距離を取ると同時にビー玉をキャッチさせ、一気に敵めがけてぶん投げさせる!

 

「っ!?ヤバ……!?」

 

『Protection!』

 

が、相手も早かった。

多分デバイスのサポートも有りだな……魔法障壁張って防ぎやがった。

 

「……悪い、見くびってたな……」

 

武器を構え直し、相手は呟く。

 

「こっちも、全力で行く……!」

 

『Thinblade mode!』

 

相手のデバイスの形が太刀の様になる。

 

『Sonic move!』

 

「っ!?」

 

速い!加速したか!?

 

「ぐっ!?」

 

一撃、二撃はかわし、三撃目は何とか受け流す!

4撃目は中段の薙払いか……!

 

 

 

「甘い!」

 

 

 

「ぐあっ!?」

 

くそ、太刀筋の軌道変えやがった!

ザ・ワールドの右腕が斬られ、そして俺の右腕にも斬り傷が出来る。

 

『Bow mode!』

 

その隙を見逃さず、相手は弓に形状を変化させたデバイスでフェイトの方に矢を放つ……爆発だとッ!?

 

「フェイトッ!?」

 

「なのは!今だ、ジュエルシードを封印しちまえ!」

 

「わ、解った!……リリカルマジカル。ジュエルシード、封印!」

 

くそ、先行かれたか!

デカかった猫がみるみる小さくなっていく。

っつかフェイトは!?……お、来た!

 

「フェイト!無事か!?」

 

「私は大丈夫、けどジュエルシードが……!」

 

「今はとにかく撤退する!……ザ・ワールド!時よ止まれッ!」

 

時間を止め、さらに残り全部のビー玉を取り出して。

 

『無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄ァ!!』

 

それを一気になのはの協力者へと投げつけさせる。

 

 

 

 

 

「そして時は動き出す……!」

 

 

 

 

時止めが解除されたら即刻無事な左手でフェイトを抱え、さらにザ・ワールドに地面を殴りつけさせ、その反動を使って逃走。

 

 

 

 

 

……こうして、俺の初任務は散々な結果に終わった。無念。

説明
コレは、転生者たちが、リリカルなのはの世界で転生生活を頑張るお話。
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コメント
ほんとだ、変わってる…そんじゃあ今までのは消しておいて下さいな。(神薙)
そうですね……ではそれで!(ドラゴマキナ)
多分無理だと思います。だから三撃目に対しては白刃取りじゃなくて受け流しにした方が良いと思いますよ?まだこっちの方が無茶じゃないし…。(神薙)
反撃しようとしたら敵の追撃の方が更に速かったんですよ……って、無理があるかな(笑)?(ドラゴマキナ)
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