ハイスクールD×D〜HSSを持つ転生者〜 第18話 |
パンッ!
「どう? 少しは覚めたかしら」
これは祐斗がビンタされた音だ。球技大会でも上の空だった。
一応…球技大会は優勝したけどな。
「もういいですか? 大会も終わりましたし、練習も
やらなくていいでしょう。昼間は…どうにも調子が悪かった
みたいです」
「木場…お前最近おかしいぞ」
「きみに関係ないよ」
一誠を冷たくあしらう。
「祐斗。一応俺達は仲間だ。悩みがあるなら相談してくれ。
解決…とはいかないが、少しぐらいは楽になるはずだ」
「そうだね。僕はね。基本的なことを思い出していたんだよ」
「基本的な事?」
「あぁ。僕が何の為に戦っているのかを」
「部長の為ではないのか?」
一誠の言葉に祐斗は否定した
「いや…ちがうよ。僕は復習の為に生きている。
聖剣エクスカリバー。それを破壊する為に…」
俺は祐斗の本当の顔を初めて見た。
◇
俺は家でラノベを見ながら部長から聞いた話を思い返していた
「(聖剣計画…か)」
祐斗は聖剣に適応するか検査をして、その資質がないから
捨てられたらしい。
祐斗以外の人も、検査されて殺されたらしい。
今の時代、漫画みたいな事をしている奴がいるんだな。
「(許せない…)」
久しぶりにそう思った。
ライザーのときに聖剣を使った時に感じた殺気は
祐斗だったんだな。
「(考えても仕方が無い。少し動くか…)」
俺は、運動する為に外へ出た。
◇
「おっ! 小猫」
「…先輩?」
俺は外で走っているときに小猫と偶然会った。
「…先輩は、何をしていたんですか?」
「俺は…鍛えていたところかな。俺はまだまだ弱いしな」
「…嘘です。先輩は充分強いと思いますけど」
「それは…神器とこの特異体質のおかげだ。多分、一誠と
素手で殴り合ったら俺は負けるだろうな」
って俺は何を喋っているんだろうな。
でも、小猫になら…何故か気楽に話せる。よくわからんけどな。
「それにな…一誠は俺をライバル視しているんだ。それを知ってしまった
から俺は…負けたくない。俺も一誠をライバル視しているから」
あぁ。俺はこんな事を思っていたんだな。ラノベに影響されたかな?
「…そうですか。私は…クリス先輩を応援しています。
頑張ってください」
「…ありがとう。後…祐斗についてどう思う?」
正直…これが聞きたかった。
「聖剣のことですか……正直、祐斗先輩にはもっと頼ってほしいです」
小猫は少し寂しそうに言った。
「俺もそう思うぞ。少しでも悩みを打ち明けて欲しい。仲間だし
友達だ。まぁ…役に立つかはわからんけどな」
とこんな感じで小猫と喋っていると
「お前達…悪魔か」
その声を聞いて横を向くと、青髪の女性と栗色の髪の女性が立っていた。
ぞわっ!!
この感じ…こいつら、まさか!
「悪魔祓い(エクソシスト)か。だとすれば、その背中にあるものは聖剣だな」
「ほぉ…鋭い。そうだこれは聖剣だ」
くそ…悪魔祓い(エクソシスト)ならフリードを見たからわかるが…
人間なのに強い。油断していると俺達はやられてしまう。
俺は、カナの武装を呼び出した。
「男のくせに…女ものの服を着るなんて、変態だな」
「悪かったわね。変態で」
ふふっ。こいつは私を変態呼ばわりしたからね。お仕置きしなきゃ☆
でもひとまず…
「小猫ちゃん、ここから逃げて。危ないわ」
「…大丈夫です。2対2でちょうどいいですし」
どうやらやる気みたいね…止めはしないけどね。
「(先手必勝ぉ〜♪)」
私は青髪の女性と栗色の女性に向けて、4連撃(ファンショット)の『不可視の銃弾(インヴィジビレ)』
を放った。
ビスビスッ!!
「ぐぅ…!」
「うはぁ!」
二人に二発ずつ銃弾が当たり、膝をついた。
「なんだ…あれは? 何も見えなかったぞ」
「これは…確かに…銃弾だね」
どんなに強くても悪魔祓いは人間だからね。『不可視の銃弾』の速さには
ついてこれないわ。
小猫ちゃんは…『不可視の銃弾』が見えなかったらしく、ぼう〜と
立っていただけだった。
「ささ。小猫ちゃん。今のうちに逃げるわよ」
「え…? でも…」
「聖剣(あれ)に斬られて、無に帰りたくないでしょ?」
「…はい。わかりました」
私と小猫ちゃんは悪魔祓い(エクソシスト)の二人に背を向けて
走り出した。
「待て! まだ勝負はついていないぞ!」
そんな声が聞こえた気がしたけどここは無視をした。
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神様の悪戯で、死んでしまった俺―――神矢クリスはハイスクールD×Dの世界に転生した。原作の主人公、兵藤一誠らに会っていろんな事に巻き込まれる。 |
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