ハイスクールD×D〜HSSを持つ転生者〜 第21話
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今日も収穫はなし、か」

 破壊団を結成してから、数日が過ぎた。未だにフリードを見つけていない。

 因みに、今の俺達は神父やシスターの格好をしている。そうじゃないと

 悪魔(エクソシスト)祓い狩りをしているフリードを見つけきれないからな。

「なぁ一誠。そろそろ部長たち気づいているんじゃないか?」

「ああ。俺達の行動が気づかれるのは時間の問題だな」

 やばいな…気づかれたら危ない。主に俺の命が…

 そんな事を考えていた時、祐斗が歩みを止めた。

「…祐斗先輩」

 小猫も何かに感づいた。これは殺気だな

「上だ!」

 匙が叫んだ。全員上を見上げると神父が長剣を振り下ろしながら降ってきた。

「神父の一団にご加護あれってね!」

 ギィィィン!!

 祐斗が素早く魔剣を取り出して、フリードの一撃を防いだ。

俺もカミトの武装を作り出す。

「…お前あの氷結弾をかわしたのかよ」

「おお! この声はクリスくんではありませんか! これまた珍妙な再会劇ですなぁ

 この前のリベンジといきましょうか!」

 

 フリードがエクスカリバーを構える。どうやらアイツの狙いは俺らしいな。

「祐斗。俺が囮になってあいつをひきつける。その間にフリードを斬れ」

「わかった」

「作戦会議ですかぁ? おれっちも混ぜてちょうだい!」

 フリードが斬り込んで来た。俺はそれを『魔王殺しの聖剣(デモン・スレイヤー)』で受け流し、

 フリードの横腹に蹴りを入れ、その勢いを使って『真実を貫く剣(ヴォーパル・ソード)』で

 背中を斬った。

「ぐはっ!」

 フリードはそのまま壁に吹き飛ばされた。

「これが…元悪魔(エクソシスト)祓いかよ。弱すぎだ」

「ふざっけんなぁぁぁぁぁぁ!! くそ悪魔がぁぁぁぁぁぁ!!」

 フリードはエクスカリバーを振りおろしてきた。

 俺は『真実を貫く剣』で受け止めた。

「死ねぇぇぇぇぇ!! くそ悪魔がぁぁぁぁ!!」

 フリードはそのまま押し切ろうとしている。かかった♪

「消えるのは君だ! フリード!」

 フリードの後ろには祐斗が二刀の魔剣を持って斬りかかろうとしていた。

「なんだとぉぉぉ!! まさかの『魔剣創造(ソード・バース)』ですか! こんなの

 ありかよぉぉぉぉ!!」

 フリードは『真実を貫く剣』を押し出し、すごい速さで祐斗の魔剣を受け止めた。

 ガギィィィンッッ!!

「くっ!」

 祐斗の魔剣が壊れた。エクスカリバーには勝てないか…

 

「俺さまのエクスカリバーは『天閃の聖剣(エクスカリバー・ラビッドリィ)』! 速度だけでは

 負けないんだよッ!」

 アイツの聖剣の先がブレ出した。やばいな…HSSではない今の俺ではかわしきれない。

 俺はカナの武装を呼び出した。

「へぇぇ 君って女装の趣味があるんだねぇぇ」

「悪かったわね。でも意外と楽しいわよ?」

 私はピースメーカーで『不可視の銃弾(インヴィジビレ)』を放つ。

 バスッッ!!

「うがぁぁぁぁ!!」

 フリードの太ももに当たったらしく、膝をついた。

「なんなんだよ! あれは! 銃すら見えねぇじゃねぇかぁぁぁ!」

「何言っているの? 見せないのが当たり前じゃない。さよなら」

 私がフリードの胸に狙いを定めたとき、

「ほう、『魔剣創造』か。使い手次第では無類の力を発揮する神器か」

 第三者の声に皆は振り向いた。

「…バルパーのじいさんか」

 フリードが呟いた。あいつが…バルパー・ガリレイね。

「…バルパー・ガリレイッ!」

「いかにも」

 バルパーは堂々と肯定した。祐斗の仇の人。

「フリード。何をしている」

「じいさん ちょっと撃たれてしまってよ」

「ふん。弱い奴め」

 そう言いつつ、バルパーは包帯でフリードの太ももを巻いた。

 

「逃げさせてもらうね! 次に会うときには、最高にバトろうぜ!!」

 捨てゼリフを吐いたフリードに

「逃がさん!」

 ゼノヴィアがフリードと切り結んだ。

「やっほ。イッセーくん」

「イリナ!」

 共同戦線を張った二人が来た。

「バルパーのじいさん。ここは撤退するぜ! コカビエルの旦那に報告だ!」

「致し方あるまい」

「あばよ! 悪魔と教会の連合どもが!」

 フリードは懐から球体を取り出し、地面に投げつけた。

 カッ!

 眩しい。閃光弾かよ…!

 視力を取り戻したときには二人ともいなくなっていた。逃がしてしまったわ。

「追うぞ! イリナ」

「うん」

 教会の二人は追いかけていった。

「僕も追わせてもらおう。逃がすか! バルパー・ガリレイ!」

 祐斗も追いかけていった。

「お、おい! 木場! ったく! なんだよッ!」

 毒づいた一誠。皆は戦闘態勢を解き、息を整えていた。

「逃がしてしまったわね」

 私は神器を解いて、駒王学園の制服に戻した。

 

「力の流れが不規則になっていると思ったら…」

「これは、困ったわ」

 後ろには部長と会長さんがいた。

 

 

 

 

 一誠Side

 

「エクスカリバー破壊ってあなたたちね…」

 話を聞いた部長はため息をついた。不機嫌極まりない表情をしている。

 場所は公園。俺達は正座をさせられていた。何故か…クリスだけ砂の上に

 正座で手を後ろに持ってかれて手錠をされてしかも太ももに岩が置かれていた。

「…部長。俺だけ罰重くないですか?」

「気のせいよ」

 これって…江戸時代の拷問のやり方じゃないか! 絶対痛いよ!あれ

「それで…祐斗はそのバルパーを追いかけていったのね」

「はい」

「死ぬ! これ死ぬ! 絶対死んでしまうぞ!」

「クリスは黙っていなさい! 悪魔はこれだけでは死にはしないわ」

 あれ絶対嘘言っているぞ! 目を合わせていない!

「すみません 部長」

「…ごめんなさい 部長」

 俺と小猫は深く頭を下げていた。

 匙は…会長さんに尻を叩かれていた。痛そうだなぁ

 

「さて、イッセー。尻を出しなさい。下僕の躾は主の仕事。あなたも

 知り叩き千回よ♪」

 部長の手には魔力が込められていた。今日の俺の尻は死んだな。

「クリスは一誠の2倍やるからね」

「なっ!?」

 クリスは絶句していた。

「ふざけんなよこの野郎! 絶対逃げてやる!」

「やっぱクリスからやるわ」

 部長はクリスに向かっていった。

「ちょ…! まっ…!」

 部長がクリスの尻を叩いた瞬間

 さぁぁぁぁぁ…

 クリスが砂になって消えていった。な、何事!?

「危なかった…あれは危険だ」

 クリスが俺達がいる場所の反対側にいた。

「じゃ俺は帰ります。あの拷問で死に掛けたので」

「クリス! 待ちなさい!」

 部長の制止の声を無視して、クリスは家に帰っていった。

 

「クリスには誰が主が教えるべきね」

 部長が紅いオーラを立ち上らせていた。怖いよ!

「クリスがいなくなってしまったから…イッセーの番ね♪」

 今日 俺の尻は死んだ。ちくしょう! クリス覚えていろよ!

説明
神様の悪戯で、死んでしまった俺―――神矢クリスはハイスクールD×Dの世界に転生した。原作の主人公、兵藤一誠らに会っていろんな事に巻き込まれる。
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