魔法少女イレギュラーなのは〜11〜 貞明「ぼろぼろです」
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結局あの後、ボロボロになってフェイトの家に到着した。

 

フェイトはバリアジャケットが少しボロボロになっている程度で、大した問題じゃない様だ。良かった良かった。

 

 

 

「っ!?ジョジョ、腕!?」

 

 

 

げ、バレた!?

うわしまった、床にちょっと血が落ちちゃってる!これで気が付いたか、流石フェイト!

って感心してる場合じゃないね!

 

「だ、大丈夫、ちょっと引っ掛けただけだし」

 

「良いから、早く見せて!」

 

ぐ、流石に誤魔化しきれない。

諦めて、素直に右腕を彼女の方へ差し出す。

 

「凄い怪我……!?え、えと、病院に……!」

 

「おっとそれはストップ!」

 

慌てるフェイトをこちらも慌てて止める。

 

「そんな、どうして……!?」

 

「いちおー、奴さんのデバイスだって非殺傷設定の筈だ。なら、大惨事にはならないと思う。……それに、俺達みたいな魔道士は居るとはいえやっぱりこの世界じゃ例外でさ。もし病院に行ったとしても、怪我の理由なんて聞かれたらめんどくさい事にしかならないよ」

 

怪我をしてるっていうのに、今の俺の頭は酷く落ち着いていた。あまり怪我の事も気にならない、っていうか……。

……ま、まさか、俺の体は人間よりDIOに近いんじゃあるまいな!?

 

……ハハハ、何を馬鹿な。

俺は別に太陽が照りつける場所を歩いたって何ら支障はないよ?灰になんか当然ならないし、焼けたりもしない。……あ、でもどちらかといえば夜型か……。

 

……気にしない。俺はキニシナイヨ!

 

……そんな事を考えてたら頭がクラクラしてきた。

前言撤回。どうやら感覚が少々狂っていただけで、それ相応のダメージはやはり受けているらしい。……ぐあ、右腕の痛みが強くなってきた……!

 

「と、とりあえず応急処置!アルフ、救急箱!」

 

「わ、解った!」

 

ナイスですお二人さん。

 

というかこんな美少女2人に処置してもらえるとか俺結構幸せじゃね?ハハハ、羨ましいだろ全国のモテない野郎共!

 

……うーん、何か間違った発言をしてるような。気のせいかな?

 

とまあ、そんなこんなで俺の右腕には包帯が巻かれた。うん、あまり派手に動かそうとしない限り、大した痛みは無い。ありがたいね。

 

「……さて、と。でもま、そんな状況じゃあんたに協力頼む訳にもいかないね。ま、今まで通り、2人でやってくさ。……あんたはもう、あんたの世界に帰りな」

 

「……うん、そうだね」

 

「ごめんね……私がもっとしっかりしていれば……」

 

 

 

 

 

 

 

 

「……なんて言うと思った?」

 

 

 

 

 

 

 

 

「「え?」」

 

ポカーンとした2人。

何間抜け面してんのさ揃いも揃って。

 

「今まで通り、俺は君達のサポートをさせていただきます」

 

「ええええ!?」

 

「んなっ!?何馬鹿な事言ってんだい!?あんたそんな怪我で何をしようって言うのさ!?はっきり言っちゃ悪いけど、足手纏いだよ!?」

 

思いっきりビックリしていらっしゃるお二方。気持ちは解るけど落ち着いて。ここマンションだからね。

 

「まあ、確かに今の俺だけじゃほんと役立たずもいいとこだろうね。だけど、俺の能力があれば話は別だ」

 

「あんたの能力……?」

 

俺の言葉に、アルフは怪訝そうに呟く。と、フェイトがあ、と声を上げた。

 

「フェイト?」

 

「それって……私を助けた時の……?」

 

「Exactly。その通りでございます」

 

そう軽く誉めておいてから、俺はふう、と息を吐いた。

 

 

 

 

 

「それじゃ、改めてお見せしよう……ザ・ワールド」

 

 

 

 

 

俺のコールに応え、相棒が俺の背後に現れた。俺の怪我が治っていないからだろう、こいつの右腕もダラリと垂れ下がっているだけだった。

それを見て改めて驚く2人。……初見だともっと警戒されてたかも。

 

「これが俺のデバイス……ザ・ワールド、だ」

 

『以後、お見知りおきを』

 

まずは紹介をしておいて。

 

「百聞は一見に如かず、だしね……実際に見せてから説明した方が早いよね。いけるか?」

 

『問題ありません』

 

「それじゃ、いくよ……!」

 

フェイト、アルフ両名が頷いたのを確認してから。

 

 

 

「時よ……止まれ!」

 

 

 

世界を灰色に染め、動きを止めた。

それから2人の背後に移動。

 

 

「そして時は動き出す……」

 

 

時止め解除。

 

「え、わ、わっ!?」

 

「あ、あんたいつの間に!?」

 

これだけで驚く美少女2人を拝めます。

 

「ま、ぶっちゃければ……時間を止めるんだよ」

 

「時間……を?」

 

「そう。まあ、まだ4秒位しか止められないし、連発出来ないけど。で、止めてる間は俺だけが動けます。さっきみたいにね」

 

そう説明すると、アルフにはあ、と溜め息をつかれた。

 

「そんな能力を持っておきながら、自分をへなちょこ扱いかい?」

 

「へなちょこだよ。君達みたいな戦闘能力持ってないし、これだけで何とかやれてるだけなんだから」

 

とまあ、こんな会話をした後に暫く話し合った結果、あまり無茶しない事を条件に同行を許可してくれた。……まあ、そもそもこんな怪我じゃしたい無茶も出来ないけどね……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その後の夕飯は、俺が片腕しか動かせない事を理由に、フェイトに料理を教えながら作ることとなった。女の子と一緒に料理作りだぜ?フハハ、羨ましいだろ全国のモテない(ry

 

その飯はいつも俺が作ってあげていたのよりも更に美味かった、とだけ言っておこう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その後、近くの公衆電話から俺の家に電話を掛けた。

魔法の事は話す訳にいかないので、とりあえず事故って腕に怪我を負い、それでいつも夕飯を作りに言ってあげている所で休んでいた、と話したらこれまたあっさりと母親は信じてくれた。

しかも、少し学校は休むと良い、それからもし向こうが許可してくれたらそっちに泊まっておいで、とまで。

 

いやもう相変わらずの放置っぷりなんだけど……それでも、母親の声から心配してくれている様子が解ったので、ほっとした。

後。

 

「あんたは、自分が正しいと思った事をやりなさい」

 

この言葉が、やたらと耳に残った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それから、フェイトの所に泊まって良いかを尋ねたところ、了承されたのは良いのだが。

 

「言っとくけど、もしフェイトに手を出したりしたら……ただじゃおかないからね」

 

やたらとアルフに釘を刺されました。まあ、同じ部屋で寝るんだから、フェイトの相棒である彼女からしてみれば、俺は不安の種なのだろう。

 

……にしたって、いくらなんでもそこまで警戒しなくたって良いのに……。

 

 

 

 

 

……ところでこれさ、フェイトの寝顔を拝見させてもらうのは別に構わないよね?

説明
コレは、転生者たちが、リリカルなのはの世界で転生生活を頑張るお話。

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