異世界で生きる
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プロローグ

 

 

ハーレムと言うものをご存じだろうか?小説やゲームなどでよく取り上げられ、イケメン主人公が美少女達に囲まれてうはうはな生活を送るものだ。しかもそういう主人公はえてして鈍感なものだ。そのせいでいろいろと反感をかったりする。しかも周りの人間も巻き込んで。まぁ俺が何を言いたいのかと言うと。

 

 

「龍也様〜!!」

 

 

「龍也くぅ〜ん!!」

 

 

「うわぁぁぁー!!助けてくれ海人ー!!」

 

 

ハーレムは実在するということだ。ついでに言えばそれは俺じゃない。学校において今現在目の前で美少女二人に追いかけられている腐れ縁の友人、周防龍也の事だ。容姿端麗、頭脳明晰、運動神経抜群、何かと事件やらに関わってフラグをたてる小説から出てきたような主人公君。現在校内の三分の二の女子生徒及び教師を数名を落としている。

 

 

「はぁ……龍也、いつものか?」

 

 

「あぁ!助けてくれ!」

 

 

俺の背中に隠れるヘタレは何故か今までずっと学校から何まで一緒だった。虐待を繰り返してきた両親は五歳の時に蒸発し、親戚内をたらい回しにされて、目付きが悪いという理由で結局は孤児院に入った。そんな中で唯一友達になってくれたのがコイツだったわけ。まだ小さくて純粋だった俺はとても嬉しかった事を覚えてる。後に後悔の日々が続くわけだが。

 

 

そして友達として遊んでいく中であれよあれよとフラグを立てていくコイツは、同時に敵も多く作った。理由は嫉妬、怒り、中には彼女を取られたという同情を禁じ得ない理由もあった。

だがコイツは持ち前の鈍感スキルでそれに気づかず、どういうわけかいつも近くにいる俺に標的が移った。苛めや暴力、酷いときには殺されそうになったりもしたものだ。

 

 

そのため俺が関わるのを拒否しようものならより凶悪な死亡フラグを持って現れるから余計タチが悪い。ヤクザな人達の事務所に女の子が拐われたから助けてほしいだの、暴走族に女の子と絡まれたから助けてほしいとようやく一人暮らし出来るようになった家にわざわざ押し掛けてきたりした。しかも無理矢理連れていかれて、それらを何度も病院で死にそうになりながらも全てなぎ倒していった俺は頑張ったと思う。龍也は一度も見舞いに来なかった。というか来させなかった。

 

 

先程彼女を取られたという奴がいたと言ったが、同様な事も俺に起きている。初恋で最初の彼女は他の中学校の生徒だった。本当に好きで、俺も彼女の気持ちに応えようと頑張ったのだが、付き合って一ヶ月も経たないうちに俺の知らない所で転けた時に龍也にあり得ない程優しく介抱されたとかで

 

 

「好きな人が出来た」

 

 

とそそくさと去っていった。その時は俺がいけなかったのだと思い、涙を飲んだが後に龍也本人に俺の彼女を介抱したと言われてわかった。

 

 

次の高校に入ってからが酷かった。龍也の後始末も次第に規模がでかくなってきて、肉体的にも精神的にもヤバかった時に彼女が来た。結果から言えば俺は龍也に近づくためのダシに使われ、無理だとわかれば何もなかった様な態度を取られた。よく心がもったと思う。

 

 

だがまたもやコイツは持ち前の鈍感スキルでそれに気づかず、本人は冗談のつもりだっただろうが笑いながら

 

 

「バッカで〜!!フラれてやんの〜!」

 

 

と、そう言ってきた。この時ばかりは腸が煮え繰り返りそうだったが、事情をわかっているクラスメイト達のお陰で何とかなったのを覚えてる。何だかんだで最初の友達というのが強かったのだと思う。まぁ、俺の主観だし、嫉妬だとか言われればそれまでだけど。

 

 

そしてこんなくそったれな――いや、こうして生きていられるだけ幸運なのかもしれない――人生を送るちょっと荒事処理に慣れてしまって目付きが悪い以外の他の能力は普通な俺、漣海人はこの日がこの世界で最後の日となるとはこの時思ってもみなかった。

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にじふぁんから移動してきました。これから随時載せていきたいと思います。こちらの方でもよろしくお願いします。

説明
何かと不幸な人生をイケメンハーレムの友人のせいで送ってきた主人公、漣海人。しかも最後はその友人によって殺され、それを哀れんだ神達は力を与えて異世界へと飛ばしてくれた!!とにかく作者の好きなものを入れて書く小説です。技とか物とかそういう何でも出てくるような物やチートが苦手な方はご注意を。にじふぁんから移動してきました。
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