世界を越えし男と数の子たち 第11訓 捜査の基本は聞き込みと現場調査
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今回、やっとドゥーエが出て来ます。

そして、優斗達の敵も…

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マテリアルとレリックを持ち帰って早数日、俺とチンクはスカリエッティに呼ばれて、研究室に向かっている。

研究室に着いた俺達は部屋の中に入った

ユウト「一体何の用なんだ?」

 

スカリエッティ「ああ、実は二人に頼みたい事があってね」

 

チンク「頼みたい事…ですか?」

 

スカリエッティ「そうだ、君達に…

 

 

 

マテリアルの世話を頼みたいんだ」

 

 

 そう言って、スカリエッティは視線を移した。

 優斗とチンクは視線を追うと、一人の少女の姿を捉えた。机の陰に隠れるように、こちらの様子をうかがうのは路地裏で確保した例の聖王の器(マテリアル)だ。

 

 

俺達が路地裏で見つけた少女は、聖王の器といって、俺達が今いるアジト…『聖王のゆりかご』を動かすのに必要な存在だと言っていた。

『聖王のゆりかご』は、古代ベルカの遺産で強大な力を持つ質量兵器である。

この世界では質量兵器を禁止しているのに、何故こんな物があるかというと、スカリエッティの過去や管理局の裏に関わるから、今は置いておく。

 

 

 

それで、何故俺達にマテリアルの世話を頼むのか聞いたら、チンクはノーヴェ達の世話をした事があるから、俺はそのサポートという事らしい。

 

俺は面倒だと思いつつ、マテリアルの世話を引き受けた。

 

ーーーーーーーーーーー

 

 

俺とチンクが研究室をでた。

しかし、そこで事件が発生した。

 

???「うえええぇぇぇぇん!!」

 

 

そう、マテリアルが泣き出した。

チンクは慌てながら、どうすれば泣き止むのか俺に聞いてきた。

 

 

チンク「ゆ、優斗!?どうすれば良いんだ?」

ユウト「どうって…あー、とりあえず、泣き止もう。さっきの怖いおじさんはいないから、な。大丈夫、泣き止んでくれ、頼む。な?」

???「う…うう…、ひっく…うん」

 

チンク「す、凄い、泣き止んできた(怖いおじさん…ドクター)」

 

 

ユウト「えーと…そうだ、俺の名前は五十嵐優斗。君の名前は?」

ヴィヴィオ「…ヴィヴィオ…」

ユウト「ヴィヴィオ…ね、大丈夫だ、別に怖くないし、酷い事はしないから、な?」

 

チンク「そうだ、私の名前はチンクだ。今日からヴィヴィオの世話を任されている。よろしくな?」

 

マテリアル…ヴィヴィオは少しづつ泣き止んでいった。

 

ヴィヴィオ「チンク…お姉ちゃん?」

チンク「ああ、そうだ」

 

そんな会話をしていると、セインとトーレがやって来た。

 

セイン「あれ?チンク姉に優斗だ?」

 

トーレ「その子供は…マテリアルか?」

 

チンク「ああ、名前はヴィヴィオだ」

 

ヴィヴィオ「…お姉ちゃん達はだれ?」

 

セイン「あたしはセインだよ、よろしくね、ヴィヴィオ」

 

トーレ「私はトーレだ、よろしくな」

 

ヴィヴィオ「ヴィヴィオです、…セインお姉ちゃんに、トーレお姉さん」

 

セイン「うん、…それで、二人は何してるの?」

 

チンク「私達はドクターにヴィヴィオの世話を頼まれたのだ」

セイン「そうだったんだ」

チンク「ああ」

トーレ「チンクなら、ノーヴェ達の世話役もしたことがあるからな」

 

ヴィヴィオ「チンクお姉ちゃん、ノーヴェってだれ?」

 

チンク「ノーヴェは私やトーレ達の妹だ」

 

 

トーレ「そういえば、優斗はこういう事は経験あるのか?」

 

ユウト「ん?ああ、昔、サヤのお守りをしたことが有るからな。」

 

トーレ「そうだったのか。セイン、そろそろ行くぞ」

 

セイン「はーい、またね、チンク姉」

 

 

 

チンク「しかし、優斗が経験者だったのはよかった。私だけならヴィヴィオを泣き止ませられなかった」

 

ユウト「そうか、まあとりあえず、俺とチンクはヴィヴィオの世話係って事だな」

 

チンク「そうだな」

 

 

 

ーーーーーーーーーーー

 

 

俺とチンクがヴィヴィオの世話係になり二週間後、俺はスカリエッティに呼ばれた。

 

 

研究室にて…

 

 

 

ユウト「スカリエッティ、今度は何の用だ?」

 

スカリエッティ「おっ、来てくれたね、君に頼みが…」

 

ユウト「またか、で?今度は何?」

 

 

 

 

 

 

スカリエッティから聞いた頼みとは、現在、管理局に潜入しているNo.2、ドゥーエと一緒に行動してほしいとのこと。何でも、スカリエッティの言う老人…管理局の最高評議会の脳みそどもに、局員殺害事件について調べろと言われたので、手の空いてる人…つまり俺に白羽の矢がたったわけだ。

 

ちなみに俺は最高評議会の事は知っている。そして、その最高評議会達の欲望のために、スカリエッティは生み出された事も。

 

 

 

ユウト「分かった。それで、そのドゥーエと事件について調べろ、と」

 

スカリエッティ「すまないね。ドゥーエには君の事を伝えてあるから」

 

ユウト「うっし、んじゃ行ってくるわ」

 

ーーーーーーーーーーー

 

 

そんなわけで、俺はドゥーエとの集合場所に着いた。

 

ユウト「さて…来たはいいが、ドゥーエとやらはまだみてえだな」

レヴァンテイン『だが、もうすぐ来るだろう』

 

少し時間が過ぎて、俺に一人の管理局の制服を着た女性が近づいてきた。

その女性は、緑色で長髪の美人だった。その女性は俺に話しかけてきた。

 

 

ドゥーエ「貴方が、ドクターの言っていた、五十嵐優斗さんですね」

 

ユウト「ああ、そうだけど…アンタがドゥーエさんか?」

 

ドゥーエ「ええ、そうです。私がNO.2のドゥ―エです。よろしくお願いします」

 

ユウト「ああ、よろしくな」

 

挨拶を交わした後、二人は早速調査に向かった。

 

 

 

 

 

 

 

ユウト「光線を出して、魔法が効かない…ねえ」

 

ドゥーエ「ええ、逃げ延びた局員がそう証言していたそうです」

 

優斗は少し考えて言った。

 

ユウト「とりあえず、その現場に行ってみるか」

 

 

二人は事件のあった現場に来た。

 

 

ユウト「ここって…ヴィヴィオとレリックを見つけた所か」

 

 

ドゥーエ「ヴィヴィオ…マテリアルの事ですね」

 

ユウト「ああ、…さて、何かないかなっと」

優斗とドゥーエは事件現場を調べた。

 

数分後…

 

 

ユウト「特にないな」

ドゥーエ「もう調べられてますからね」

 

ユウト「何かあればと思ったんだけどな…」

二人は此処での調査を打ち切り、他の場所へ行こうとした。

その時…

 

 

???「ほう?私の事を嗅ぎ回っている連中がいるとはな?」

 

背後から男の声がした。

優斗とドゥーエは振り向いた。

 

男「片方は管理局か、もう片方の貴様は何者だ?」

 

ユウト「俺は五十嵐優斗だ。てめぇこそ何者だ?」

 

男は優斗の問いに答える

 

ジエ・リヴォース「私の名はジエ・リヴォース。」

 

ドゥーエ「ジエ・リヴォース…。貴方が、局員を殺したの?」

 

ドゥーエが警戒しながら問う。

 

ジエ・リヴォース「そうだ、それがどうした?」

 

ユウト「てめぇ…、何が目的だ」

 

優斗が再び問う

 

 

ジエ・リヴォース「私の目的、それは…」

 

 

 

 

ジエ・リヴォース「神となって、この世界を滅ぼし、人類を支配する事だ」

 

 

ユウト「俺達人間を支配する…馬鹿か?てめぇ」

 

ジエ・リヴォース「ふん、なんとでも言うがいい」

 

ドゥーエ「…それに、管理局が黙ってないわよ」

 

 

ジエ・リヴォース「だろうな、しかし、奴らの攻撃は私の前では無力だ。もちろん、貴様らのもだ」

 

ユウト・ドゥーエ『!!』

 

ジエ・リヴォースの言葉に二人は驚く。

 

 

ジエ・リヴォース「…さて、話し過ぎたな。私は目的の為の準備があるのでな、失礼する」

 

ユウト「おい!待ちやがれ!てめぇ!」

 

優斗が去るジエ・リヴォースを追いかける。しかし優斗の行く手を、人型の機械が遮った。

 

 

ジエ・リヴォース「置き土産だ、せいぜい楽しんでくれ」

そういい、ジエ・リヴォースは去って行った。

 

ユウト「…奴は一体…」

そう呟いていると、突然、機械が動き出し、優斗に襲い掛かってきた。

 

ドゥーエ「優斗さん!」

 

ユウト「うぉっ!このガラクタ野郎が!」

 

間一髪で避けた優斗はレヴァンテインを構え、機械に切り掛かる。しかし、優斗の剣は当たらなかった。

 

優斗「おいおい、空なんか飛ぶなよ」

レヴァンテイン『しかも、奴は高い位置にいて、攻撃が届かん』

 

ドゥーエ「参りましたね…こちらは飛べませんし」

 

ユウト「空破斬じゃ空中には届かねえし…ん?」

 

 

ユウト「…なら、これはどうだ」

優斗が剣を三日月を描く様な軌道で、機械に向け、勢いよく振るった。

 

ユウト「『孤月閃!!』」

優斗の剣から、三日月形の衝撃波が出る。

衝撃波が空中にいる機械に当たり、機械は爆発した。

 

 

ユウト「…何とか倒したな」

 

ーーーーーーーーーーー

 

機械を倒した俺達は、今日あった事をスカリエッティに報告する事にした。

 

ユウト「それで、アンタはまだ潜入調査するんだろ?」

 

ドゥーエ「はい、優斗さんは、このことを…」

 

ユウト「分かってる、スカリエッティに報告しないとな。…しかし、ジエ・リヴォース…か」

 

レヴァンテイン『奴は一体何者なんだ?』

 

ドゥーエ「それに、準備というのも…」

 

ユウト「まあ、分からない事は気にしていても仕方ない。とりあえず今日は…」

 

ドゥーエ「ええ、優斗さん、今日はありがとうございました」

 

ユウト「ああ、そんじゃあな」

 

ーーーーーーーーーーー

 

アジトに帰った俺は、今日あった事をスカリエッティ達に報告した。

 

スカリエッティ「…なるほど、分かった。…しかし、世界を滅ぼして、人類を支配する、か」

 

ウーノ「それに、魔力が効かないとは…」

 

ユウト「ああ、全部、本人が言っていた」

 

スカリエッティ「すると、私達は、管理局だけでなく、ジエ・リヴォースとも闘う事になるかも知れないね」

 

ユウト「あいつの言っていた『準備』がどのくらいかかるかだな」

スカリエッティ「それは分からないけど、警戒するに越した事はないね」

 

 

 

ユウト「…俺は別に管理局がどうなろうと知ったこっちゃない。でもな、罪も無い一般人や、俺の家族を奴の好き勝手にさせるわけにはいかない」

 

スカリエッティ「私も同じだ」

 

ユウト「スカリエッティ…」

 

スカリエッティ「我々が望むのは自由な世界だ、それに、管理局を倒すのは私達だ」

 

ユウト「…」

 

スカリエッティ「…さて、優斗君、今日はご苦労だったね」

 

ユウト「ああ、本当にいろいろあったしな」

スカリエッティ「ははは、今日はよく休み給え」

 

ユウト「あー、そーする」

 

優斗は研究室から出て行った

 

説明
俺はこの日、掛け替えの無い奴らに出会った。
俺は車に跳ねられて死んだと思ったら、なんかよく分からんが別世界に行ってしまったみたいだ。
気が付けば、マッドな科学者や12人の姉妹と暮らしていたり、組織にケンカ売って犯罪者になっちまったり。平凡な日々を送っていたり
そして−−俺は戦う。ナンバーズ達を、世界を守るために。
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