魔法少女リリカルなのはStrikerS〜二次創作〜 第5話 「潜入!機動六課」 |
『今日一番悪い運勢は・・・ごめんなさい○○座のあなた でした』
「こっちでも朝の占いってやってんだね」
「ダンの世界でも?」
「うん、まぁね・・・っていうか本当にそのあだ名になっ たんですねシャモニーさん」
「ダーンー?シャムって呼んでって言ったよね?あと敬語 も」
「ごめん、シャム」
朝、シャム・・・の話によるとシャムの機動六課への出勤 時間はとても早いらしい
シャムが先に行き、俺が後で一人機動六課を訪れるという こともできるが、地理がわからないので却下
それならば一緒に行こうという話になり早起きして朝食を 食べているわけだ
「私は書類を取りに行くからその間・・・そうだ、食堂で 待っててね。その方がわかりやすいから」
あのゲームが出来るデバイスもあるでしょ?とシャムは最 後に付け加えた
昨日の夜、俺が持っていた多機能型音楽プレイヤーにシャ ムが興味を持ったので触らせてあげたところ予想以上にハ マっていた
俺のハイスコアを一時間で塗り替えされるくらいだ
そのときに、私もシャムって呼ばれてるんだから、私もダ ンって呼んでいい?と言っていたので、なんだかくすぐっ たかったがオーケーした
それほどまでにフレンドリーなシャムが俺の世界について 詳しく聞いてこないのは、まだこの現実を受け入れきれて いないんじゃないかというシャムの優しさだろう
その優しさに、俺はもの凄く感謝してる
『そんなあなたに今日のアドバイスー!それは・・・ズボ ンにあるポケットに連絡用のデバイスを入れるです!思わ ぬ人から連絡が来るかもしれませんよー?』
「っていうか俺何気に最下位だなー・・・」
「ダンって○○座なんだねー」
いつも最後にやっているアドバイスとやらを実行したこと はないが、こんな世界に来てしまったのだ少しは運に頼っ てもいいだろう
「あっ、実行するんだ」
「まぁ・・・たまにはいいかなってね」
「可愛いところあるんだね」
俺が自分の太もも辺りにあるポケットを見つけ、携帯を入 れる仕草にクスクス笑うシャム
その仕草がとても命の現場で働いているとは思えないほど に可愛らしかった
「何?」
「いいや、なんでも。ごちそうさまでした」
その事を悟られないように俺は食器を片付けにキッチンへ 行った
ちなみに今日の朝ごはんはシャムの手料理だった
さすが一人で広い部屋に住んでいるためかとても美味しく 頂くことができた
ただただ感動するばかりである
「じゃあ、そろそろ時間だから行くよ?用意できたら言っ てね?」
「はーい、わかったよー」
俺は昨日与えて貰った部屋に行くと必要な物を準備した
携帯は持った、シャムが言っていた音楽プレイヤーに、一 応何かあった時のためにガンホルスターを腰に巻いた
コートで隠れるため普通は見えない
だがシャムが言う『機動六課』で何があるかわからない。 護身用に持つことにした
「ごめんごめん、待たせたね」
部屋から出るとシャムが扉の前で待っていた
指で何かの鍵をくるくる回しながら
「えっと・・・シャム、この部屋ってカードキーじゃなか ったっけ?」
「え?・・・ああこれ?これは車の鍵だよ?」
・・・車?
「シャムって・・・車運転出来んの!?」
「うん、そんなに驚くことかな?」
実際、俺の世界で車に人を乗せて怖がらずに運転できるの はだいたい二十歳を越えてからだ
でもシャムは見た目俺と同い年のようなもの
俺より一つ上だったけど
どれだけ車に乗り慣れてるんだ?
「まぁとりあえず行くよー」
シャムのことだ、乗り慣れてるんだからきっと安全運転だ ろう
そう思い俺はシャムの車がある駐車場へと向かった
?機動六課駐車場?
「着いたよー、ダン?」
「う・・・うお・・・」
前言撤回、なんなんだこのドライビングテクニックは・・ ・
並みの人間じゃあんなスピードは出せないぞ?
それにこの車
明らかにスポーツカーじゃないか!
もはや何でもありなのかこの世界は!
「ダーン?鍵閉めちゃうよー?早く降りてー?」
「・・・はいはい」
なんだか今日の占い、当たってる気がする
?食堂?
「じゃあここで待っててね?結構時間かかるからその間に 朝ごはん食べに他の職員が来るかもしれないけど怖がらな くて大丈夫だよ、皆いい人たちだから。美人さんも沢山い るよー?」
「・・・はぁ」
俺が案内されたのは二人用の席
向かいには多人数用の席がある
ここが人でうまるわけだ
たしかに美味しそうな匂いがする
「はいこれ、私からの奢り。喉渇いたら飲んでね」
そう言って渡されたのは缶ジュースだった
名前は読めないが美味しそうだった
「それじゃねー」
缶ジュースを渡すとシャムは食堂の出口へ歩いて行ってし まった
結構心細かったが仕方がない
「さて・・・と」
俺は音楽プレーヤーを取り出して時間を潰すことにした
どれほど時間が経っただろうか
シャムの言った通り人がだんだんと食堂に集まってきた
最初は皆俺のほうを見るが、たぶん誰かの知り合いだろう と解釈してすぐに目を反らす
初めは俺も戸惑ったが慣れれば気にならなくなった
早くシャム来ないかなぁ・・・
「いや?お腹空いたよティア?」
「わかったわかった」
「スバルさん凄いですよねー」
「キュクルー」
出入口に目をやると、朝練でもしたのだろうか?
妙に疲れきった三人の女の子と一人の男の子と小さなドラ ゴン(ドラゴン!?)が入ってきた
それも男の子と一人の女の子はまだ十歳くらい
なるほど・・・俺と同じく誰かについてきたってわけか
「キャロもエリオも結構動けるようになったんだね?」
前言撤回、もはやこの世界は何でもありなようです
その後四人は自分たちの朝ごはんを受け取り多人数の席に 座った
一人がもの凄い量を受け取っていたがあんなに食べられる のだろうか?
四人は食べ始めるかと思いきや誰かを待っているようだ
席を見るとまだ六人分くらい空いている
一緒に食べる相手がまだ来ていないのだろう
「仲がいいんだなぁ・・・」
俺も昼休みにはよく友達と食べたもんだ
そう思い出に浸りながら缶ジュースを飲もうとすると
「あちゃー、全部飲んじゃったか・・・」
もうすでに中身は空っぽだった
空の缶ジュースに用はない
俺はゴミ箱を探したが何処にあるかわからない
下手に動けば注目されるだろう
「どうしたもんかな・・・」
考えている最中、缶を持って歩いている職員が目に入った
その職員は四人が座っている席から2?3メートル離れた ところにあるゴミ箱らしき箱にその缶を捨てた
あそこがゴミ箱なわけか
だが捨てに行こうにも下手に動けない
どうしようかと、何気なくその職員を目で追っていると四 人の座っていた席がうまっているのに気がついた
缶を捨てているところを見ているうちに残りのメンバーが 来たのだろう
一人はピンク色の髪をした長いポニーテールの美人さん、 一人は長い金髪の美人さん、一人は長い栗色の髪の美人さ ん、一人は、茶髪のショートヘアーの美人さん、そして最 後の一人は髪を編んでいる背が低い可愛らしい子
いやたぶんその髪を編んでいる子は大人だと思う、背が低 いだけで
それにあの金髪美人さん何処かでみたような・・・
考えこんでしまいそうだったので俺はとりあえず缶を捨て る方法を考えた
そして浮かんだ
ここを動かず缶をすてる方法
チケットと同じだ
ここから投げて入れればいい
なんだか今日は出来そうな気がする
アドバイスも実行したことだし
だけどここからゴミ箱まで15メートルは離れている
教室の黒板から後ろの壁にあるゴミ箱に投げるより難しい と思う、だが注目をなるべく受けずに捨てるにはこれしか ないっぽい
なんだか本当に出来そうな気がするのだ
そして投げるモーションに入ろうとしたその時
ふと、多人数の席に座っているあの10歳くらいのピンクの 髪の女の子と目があった
俺の姿をみたその女の子は、一体これから何をやるんだろ う?といったような目でこちらを見ていた
どうやら目を反らしてはくれないようだ
俺は決心して、ゴミ箱に狙いを定め缶を放り投げた
缶はきれいな放物線を描きながら、吸い込まれるように見 事ゴミ箱に入った
ピンク色の髪の少女に恐る恐るガッツポーズをすると、少 女は満面の笑みで俺に向かって拍手をしていた
そんな少女の行動になんだなんだと同じ席に座っていたメ ンバーたちが問うと、少女は放物線のジェスチャーを交え ながら俺がやっていたことを説明していた
説明が終わるとその席に座っていた他のメンバー全員が俺 に目を向けた
10歳くらいの男の子と大食い少女はキラキラした目で、 オレンジ色の髪の少女と金髪美人と栗色の髪の美人と茶髪 のショートヘアーは何やら考えるような目で、ピンク色の ポニーテールと髪を編んでいる少女?は俺を探るような目 で
慌てて俺は目を反らした
もしかして、結構目立ったことをしてしまったのではない だろうか?
「ダン?どうしたの?」
シャムー!!
これで二度目だけど今ほど感謝したことはない!
目の前には、書類を両手で抱え不思議そうに俺を覗きこむ シャムがいた
シャムは俺の向かい側にある椅子に座り、テーブルの上に 書類を広げた
一方俺は、あの集団がなんとなく気になりちらちら見てい た
あちらもすでに目を反らしているが俺のことが気になるの だろう
同じようにちらちらと俺を見ている
ピンク色のポニーテールの人はずっと俺を睨んでいるが
そんな俺が気になったのかシャムは、一体何をちらちら見 ているんだろうと俺の目線の先にある人たちに目を向けた
「ああ、あの人たち?あの人たちはね、機動六課の最強部 隊の人たちなんだ」
なるほど・・・
「えっと・・・書類のこことここに名前書いてね?それで 終わりだから、文字はこんな感じ」
と言ってシャムは、おそらくこちらの文字でダンテと書い てあるであろう一枚の紙を渡してきた
あの人たちから目を反らし俺はそれを見ながら慣れない手 つきで名前の欄に書いた
「よし、これでオッケー!これからよろしくね、ダン!」
その言葉に俺は笑顔で答えた
これから新しい生活が始まるのだ
「シャム、少しいいか?」
俺がシャムの言葉に答えたその時、隣から女性だがなんだ か勇ましい声が聞こえてきた
「シ・・・シグナム副隊長!」
シャムは俺の隣にいるであろう女性に見事な敬礼をした
俺は恐る恐る隣に立っているであろう女性に目を向けた
そこには・・・さっきまで俺を睨んでいたピンク色のポニ ーテールの人がいた
「ほう、お前は次元漂流者なのか」
「昨日、私が保護しました!」
なんで・・・なぜここにいるんだ?
あのテーブルのメンバーも皆こっち見てるし
「それとお前、ただ者ではないな?」
シャムから俺に目を戻すと、ピンク色のポニーテールの人 はそう言った
「な・・・なぜです?」
「目を見ればわかる、ただ者ではない」
たしかに俺は次元漂流者だけど、そういう意味ではないと 思う
俺は女性の雰囲気に何もできず、ただ座ることしかできな かった
「それで相談なのだが・・・」
そんな俺の状況などお構い無しに女性は信じられない言葉 を口にした
「この後何もなければ・・・手合わせ願えないだろうか? 」
俺は一瞬何がなんだかわからなかった
あのテーブルのメンバーも驚いた表情をしている
数人は、あちゃーという顔をしていた
「どうだ?」
どうだって言われましてもねぇ・・・
もしこのまま承諾してしまえば、確実に大変なことになっ てしまいそうな気がする
何が何でも逃げなくては!
俺は何か逃げられる方法を探した
映画みたいにテーブルの下の相手に見えない位置に何かな いかなど
そして俺は
太もものポケットにある携帯に気づいた
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