魔法少女リリカルなのはStrikerS〜二次創作〜 第7話 「嫌だ!機動六課へ」 |
「はぁ・・・ただいま・・・」
最強部隊、ロボットの追跡を振り切り、機動六課の敷地か ら逃走して二十分後
俺はなんとかシャムのマンションまでたどり着いた
一体何だったんだろう・・・
戦いを申し込まれたりロボットに殺されかけたり
機動六課ってどうなってるんだ?
「・・・腹減った」
気づけばもう昼頃
ということは午前中ずっと俺は追いかけまわされたわけだ
・・・そういえば携帯が気になる
シャムは電話が切れたあと何があったんだろう
俺は心配になり何か連絡の手段がないか模索していると
「ただい・・・まぁ・・・」
玄関から聞き覚えのある声が聞こえてきた
「シャム!」
俺はリビングを飛び出し慌てて玄関に向かった
もしかしたらシャムもあの後何かされたかもしれない
「シャム・・・はぁー、よかった・・・」
疲れて倒れてはいるものの怪我はしていないようだ
「ほら、肩貸して」
「ありがとう・・・ダン」
俺は倒れているシャムを肩に担ぎリビングへと向かった
あのまま倒れていたらお客さんにどう思われるかわからな い
「これじゃあ・・・あの時と逆だね」
「いいからほら、座って・・・と」
俺はシャムをソファーに座らせると、キッチンに行き水を 一杯持ってきた
「あー、生き返るー」
渡した水をシャムは一気に飲み干した
相当疲れていたのだろう
「で?何があったのさ」
「あ、そうだよ。ダンが六課から逃げたあとシグナム副隊 長や八神部隊長とか最強部隊の人たちの質問にもみくちゃ にされて・・・大変だったんだよー・・・」
それは・・・悪いことをした
俺が目立つようなことをしたばっかりに・・・
「あんな戦闘スタイルは見たことがないとか、就職先は決 まってるのかとか・・・シグナム副隊長は、また連れてこ い!・・・とか言ってたし・・・」
そりゃあ、あれだけ派手に暴れたら・・・ってちょっと待 て
「もしかして、あのロボットってあの人たちが?」
「ロボット?そのロボットってこんな形してない?」
シャムは手で縦長の楕円を描いた
確かそんな形をしていたはずだ
「信じたくなかったけど・・・やっぱりダンだったんだ! 一体どういうこと!?」
両肩に手を置き、前後に揺さぶりながらシャムは聞いてき た
「とりあえず食堂から逃げた後のこと教えてよ。あの人た ちが何したのか」
「いいよ、あの後・・・」
ーーーーーーーーーー
「「「逃げたー!」」」
あわわバレちゃった!
そりゃそうだよね、あんな方法で出し抜けるわけないよね ・・・
「私たちを出し抜くなんて・・・やるなぁ、あの子」
「あいつ・・・フフ、なかなか面白いやつだ。これは何が 何でも戦ってみたい!」
「だからシグナム・・・やめとけって」
どうしよう・・・大変なことになってるよ・・・
「はやて」
「はやてちゃん、どうするの?」
なんだかフェイト隊長や高町教導官も集まってきてさらに 大変なことにー!
「うーん・・・シグナム、あの子の戦い方知りたくないか ?」
「是非!」
これはまずい・・・そうだ!
「シャーリー!」
「うん?どうしたのシャム?」
私は偶然食堂にいたシャーリーに話しかけた
シャーリーならもしかして・・・!
「私の連絡用デバイス、今六課の中を走り回ってる少し違 う電波と繋げられないかな?」
「まかせてー、ちょちょいと」
シャーリーはどこからか整備用の道具を取り出し、デバイ スの改造を始めた
「ええか?リィンが玄関に立つからその間に私たちは訓練 場に行くんや」
「なるほど、誘い込むってわけだね」
やばいやばい!
シャーリー、早くー!
「できたー!」
「ありがとうシャーリー!」
私は急いでダンに繋いだ
お願い!繋がって!
「あ、ダン!よかった繋がった!」
『シャム!?』
なんとかダンに繋がった、あとでシャーリーに何か奢って あげよう
『シャム・・・今、どうなってる?』
「もう大変だよー!あの後最強部隊の人たちが機動六課の 中を駆け回ってダンのこと血眼になって探してる。特に・ ・・シグナム副隊長が」
私はちらっとシグナム副隊長に目を向ける
「よし!テスタロッサに続け!」
「だからよ・・・」
「よし、皆も行こうか?」
「「「「はい!是非!」」」」
このまま捕まったら何されるかわからない!
「とにかく頑張って逃げて!私もなんとか・・・」
「シャム?何やっとるんや?」
「わっ!八神部隊長!」
こそこそ連絡をとっていたら八神部隊長にバレてしまった
おまけに驚いた拍子にダンとの通信が切れちゃった
「うーん?こんなときに誰と連絡とってるんや?」
「あ・・・えっと・・・」
「ちょっと見してみ」
八神部隊長は私からデバイスを取ると通話記録を調べた
「ほお、あの子の名前はダンテっていうんか」
「あわわ・・・」
「シャムにもたーくさん質問したいことがあるんで、後で 会議室な♪」
キャー!ダン!
絶対逃げてー!
「ほな、行こうか!」
そう言うと八神部隊長は私の襟を掴んで訓練場へ引きずっ ていった
ーーーーーーーーーー
「・・・よく生きてたね」
「私もその後の最強部隊の人たちからの質問攻めで死んだ と思ったよ・・・」
シャムによると余計なことは喋っていないようだ
そこはなんだか管理局員としての意地が働いたらしい
「それじゃ、次はダンについて教えて?」
「え?」
「なんであんな動きができるの?武器はどこから出したの ?」
「・・・わかった、話すよ。自分でもよくわからないけど 」
俺は、この力のことを話すことにした
あの歪んだ世界のことを除いて
「なるほどね・・・、こっちに来てから・・・」
「ああ、なんでだろうな・・・」
あいつに借りたゲームがそんなに印象に残ってたか?
でも、それにしても何故?
「とりあえず・・・今考えるのは止めよう?私疲れちゃっ た・・・」
「でも・・・」
「答えは見つけていけばいいよ。この世界に来てから一日 しか経ってないでしょ?」
そう言うとシャムはソファーの上に寝転がった
「わかったよ・・・答えは見つけていく」
「うん、それがいい」
そうだ、焦らなくていい
敵に追われているならまだしも、今は安心して休めるとこ ろがある
それだけでも十分だ
「俺も腹減ってたけど、寝る」
「眠気には勝てないよねー」
「これは世界共通なんだね」
俺はシャムの寝ているソファーの下に横になった
「そういえば、なんで昼で帰ってきたの?」
「・・・」
「シャム?」
「・・・」
どうやら寝てしまったようだ
ま、いいか
結局目を覚ましたのは夜
朝シャムの手料理を食べたので夜ごはんは俺が作った
味はまぁまぁだったがシャムは大層喜んでくれた
作ってくれたことが何より嬉しいと
この時俺は、本当にいい人に拾われたなぁと思った
そして・・・次の日、シャムから一本の電話が入った
シャムが機動六課に通勤したあと、部屋の掃除をしている 時に携帯に連絡が入った
シャムの話によると、テーブルの上に大事な書類を忘れた ので届けてほしいとのこと
なんでも今日必ず必要なほどの書類らしい
簡単だ、食堂でシャムが待っているからそこに書類を届け るだけ
だけど俺の場合は違う
またあの地獄(機動六課)へ侵入し、時間を見計らって最強 部隊の目をかわし(特に部隊長の)、誰にも気にも止められ ず(特にピンクのポニーテールの人に)、脱出しなければな らない
俺の中で機動六課はこの世の恐いものベストテンに入って いた
昨日の一件で非常に、ひじょーに行きたくなかったがこの 書類がなくてはシャムが困る
だったらもう答えは決まっていた
「・・・うまくいきますように!」
俺はシャムの部屋に鍵をかけ、機動六課に向かった
時間は昨日と同じくらい
上手くいくかは運しだいだ
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