ガリア王宮日誌2 − アレキサンドル私書録 −
[全1ページ]

ある日、気が付いたら目の前に金髪の子供がいた。

名前はエルザ。

吸血鬼であり、俺を屍人鬼グールにしたご主人様だ。

「早く付いて来なさい、アレキサンドル!」

BAD ENDから始まる憑依ヒストリーかぁ。

あれ、目から汗が出るよ?

 

さて。 我已經死了。 俺はもう死んでいる訳だが、少なくとも自分の意思を持って存在している。

Cogito,ergo sum。 我思う故に我あり、だ。

ご主人様のエルザに逆らえるかXXXにXXXをしたが問題なく実行できたので間違いない。

おかげで、辛うじて回避したものの、危うく滅殺されそうになったが。

とにかく原作知識とさっちんの如く完全自立行動可能なのを生かし死亡フラグを折るべく行動を開始する。

 

まずエルザがザビエラ村に来てからは村人を殺さないように仕向ける。

ダルシニとアミアス姉妹の様に、人を殺さない吸血鬼なら状況次第で

受け入れられる余地があるので、北花壇騎士に潜り込む事を提案したのだ。

当初はエサに過ぎない人間の配下になることを渋ったエルザだが、

裏側とはいえ身柄の保証が受けられる事にプライド以上に魅力を感じたようだ。

好都合な事に討伐に来たガリアの騎士が風韻竜と蒼髪眼鏡を連れた平賀才人だった。

才人の額にルーン文字が見えたのでジョゼフの使い魔で北花壇騎士をやっている様だ。

才人の甘さに付け込んでエルザを北花壇騎士に売り込めば死亡フラグを折れる筈。

……多分。

 

その際、俺が屍人鬼(グール)として存在する事で新たな犠牲者(グール)が出ないのも利点だ。

……そうあって欲しい。

 

才人との取引材料は、予め纏めておいたハルケギニアで使える現代知識と、

『世界扉 − ワールド・ドア − の情報、すなわち地球に帰れる希望を与える事。

……釣れるよな?

 

吸血鬼は死んで灰になり、屍人鬼(グール)は元から存在しなかった事にしてもらう。

エルザはタバサが両親の親類を知っている事にして連れ出してもらう。

そして俺とおっ母は村に居辛いという名目で同行する。

……完璧という事にしといてくれ。 俺はそう思う事にする。

 

で、結論を言うと、この不安要素満載の生き残り作戦は成功を収める。

よく成功したな。

ジョゼフの興味を惹けたのが勝因とおもわれ。

 

但し、『世界扉』の事で「余計な事を教えるな」と、

才人を手放したくないタバサ − ではなくシャルロットと、何故か居るジョゼット、そしてイザベラに抹殺されかけた。

3股才人モゲロ。

 

「アレキサンドル。私は下僕である貴方の全面的な協力を求めても良いわね?」

「ご命令を真摯に受け止め、可及的速やか、かつ前向きに検討したいと存じます」

さらにエルザも加えて4股となった。

リア充爆発しろ。

 

その為、よくもエルザを連れて来るという余計な真似をしたと、蒼デコ三人衆にプチトロワの床の頑固な汚れにされかけた。

助かった理由は唯一つ。

「これでサイトを下僕に……」とエルザが漏らしたからだ。

全俺が泣いた。

 

「ぎいいいいぃぃぃぃやああああぁぁぁぁ!!!!」

「「「「ばかああああぁぁぁぁーーーーっっっっ!!!!」」」」

そして今日も聞こえる馬鹿騒ぎ。

才人は恩人であるが敢えて言おう。

 

だめだアイツ早く何とかしないと……

 

  

 

注1 XXXにXXX

 ⇒ 移動中に盆踊り。死霊の盆踊り。

 

注2 さっちんの如く 

 ⇒ 自由だが別に幸せな訳ではない。 

 

注3 よく成功したな

 ⇒ ご都合主義だが、イジる以外で主役に不都合な話は、

   「冷たい方程式」と「過去へ来た男」ぐらいで充分です。

 

注4 ご命令を真摯に受け止め〜

 ⇒ やんねーよ、ダリィ。

 

注5 だめだアイツ〜

 ⇒ 手遅れ

説明
ある朝俺が目覚めると幼女の下僕になっている自分を発見した。
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ゼロの使い魔 憑依 

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