魔法少女リリカルなのはStrikerS〜二次創作〜 第10話 「勧誘!機動六課より」
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「う・・・うーん・・・」

 

どのくらい眠っていたのだろうか

 

体の状態からすると仮眠というレベルではなく、結構深く 眠っていたらしい

 

というかここは一体どこだ?

 

あの時、血のプールで溺れかけていたときにコウモリを誰 かが倒して気を失って・・・

 

ダメだ、寝起きで朦朧とした意識の中で考えてもしょうが ない

 

まずは簡単なことから

 

「・・・?」

 

病院のような天井、そして病院のようなベッド

 

まるで保健室のような場所

 

だけど先生らしき人が見当たらない

 

「よいしょっと・・・あ」

 

もっと周りを確認しようと起き上がったときにベッドが血 のような赤い液体で汚れているのが目に入った

 

なるほど、勝手に服を脱がせるわけにもいかなかったとい う訳か

 

時間・・・

 

そうだ時間だ

 

今は一体何時だ

 

6時半くらい

 

時計はそう示していた

 

午前じゃない午後だ

 

折角部屋を掃除しようとしていたのにこれじゃあ明日に回 すしかないじゃないか

 

次に、今日はいつだろう?

 

いつもと同じように眠ったら30年も眠ってしまったってい う人の話も聞いたことあるし・・・

 

「・・・探そ」

 

俺はこの保健室のようなところを抜け出し探すことに決め た

 

何日も経ってなければいいけど・・・

 

?機動六課?廊下・・・?

 

保健室のようなところを抜け出し、俺は廊下を歩いていた

 

たぶんここはまだ機動六課だと思う

 

俺が倒れても他に運びこむ場所なんて思い付かないし・・ ・

 

第一、すれ違う人たちが高町さんたちと同じような制服を 着てるからここはたぶん機動六課だろう

 

人が人みんなすれ違うたびに俺の姿を見て驚いた表情をし ているが

 

「き・・・君、大丈夫なの!?」

 

「あ、大丈夫ですよ。こんなナリですけど」

 

と言って血まみれのコートを見せその場を後にする

 

そんな行為が何回か続いた

 

・・・なんだか人通りが激しいような気がする

 

あ、もう夕食どきだからか

 

ーーーーーーーーーー

 

「・・・シャマル、一つ聞きたいんやけど・・・」

 

「・・・はい」

 

「こんな体の構造してる人間見たことあるか?」

 

「私の経験上、今までは一度も・・・」

 

ダンテ君が倒れて医務室に運びこんだあと、ダンテ君には 内緒で少しメディカルチェックさせてもらい、その結果を なのはちゃんやフェイトちゃんら隊長陣で確認していた

 

フォワードのメンバーは訓練、このことは隊長陣の秘密や

 

と思っていたんやけど・・・

 

これはそんなレベルを越えてしまっとる

 

余裕で機密情報に該当してるで・・・

 

「主はやて、あいつは一体・・・」

 

「私にも一体何が何やらわからんのや・・・」

 

一体どんな世界からやってきたんやダンテ君

 

戦闘スキルといい、武器といい・・・不思議なことがいっ ぱいや

 

「はやてちゃん、ダンテ君今は?」

 

なのはちゃんもフェイトちゃんも心配そうな表情してる

 

「大丈夫や、医務室でまだ眠っとるで」

 

起きたらダンテ君にも話聞かなあかんな

 

というよりも、あんな逸材見逃すわけにはいかへん

 

「夕食前にこんな話しもなんや、あとは夕食後にしよか」

 

ダンテ君の必要書類、お願いしに行かんとな

 

ーーーーーーーーーー

 

「おう、食堂に来ちゃったなぁ・・・」

 

適当にその辺を歩いていたら、巡り巡って食堂に着いてし まった

 

ちらほら人も集まってきている

 

それにこの格好、血まみれで鉄くさい、このまま入ってし まえばたちまち注目の的だ

 

下手すれば逮捕されるかもしれない

 

一体どうすれば・・・

 

「ダン!?」

 

後ろから、それはそれは聞きたかった声が聞こえた

 

振り返ると、驚きに満ちていながらもどこか安心した表情 をしたシャムがいた

 

シャムは俺を見つけるや否や一目散に駆け寄って

 

「あ、シャム」

 

「もう!心配かけて!倒れたって聞いたから私・・・私! 」

 

勢いはそのままに抱き締めてきた

 

両手でしっかり背中まで手を回し、まるで母親のようにや さしく

 

隣にいた同僚の人らしき女の人もやさしい表情で見守って くれていた

 

「よかった・・・って鉄くさ!」

 

シャムはしばらく抱き締めていると俺の今の匂いに気づい たのか、背中に回していた手を戻し肩に置いた

 

「よく見たらその格好・・・血、血まみれ!?ちょっとダ ン!気をしっかり!今医務室に・・・!」

 

「大丈夫大丈夫!俺の血じゃないし・・・」

 

どこかに連絡しようとしていたシャムを慌てて止め俺はわ けを話した

 

あの世界のことは多少オブラートに包み必要なことだけを

 

「八神部隊長たちも手が出せないなんて・・・難しい問題 だね・・・」

 

「まぁ、生きてるだけよかったっていうか・・・」

 

「ホントにもう、ダンはねぇ・・・」

 

シャムは腕を組みプンプン怒っている

 

そういえば他人からこんなに親身になって怒られたのって いつぶりだろう・・・

 

あ、またまたそういえば今日はいつだっけっていうこと忘 れてた

 

「シャム、今日はいつ?30年後とかじゃないよね?」

 

「30年?今日は今日だよ。30年どころか1日も経ってない よ?」

 

よかった、何日も眠っていたわけじゃないのか

 

シャムが切れて上司のところに殴り込みにいくんじゃない かと思ったけど大丈夫そうだ

 

「「「ダンテ君!」」」

 

今度は、今の状況ではあんまり聞きたくなかった声がシャ ムの向こう側から聞こえてきてしまった

 

『聞こえてきた』じゃない、聞こえてきてしまっちゃった の

 

「ダメやないか!勝手に医務室抜け出したら!」

 

「でもよかった、六課を出ていったわけじゃなかったんだ ね」

 

八神さんたちは心底心配してくれていたみたいだ

 

顔を真っ青にして俺に話し掛けてくる

 

というか、こんな状態になった原因ってそもそもあなた達 ではありませんでした?

 

「ごめんなシャム、少しの間ダンテ君借りてもええか?」

 

「いいですけど・・・あまり無茶はさせないでくださいね ?じゃあダン、家でねー!」

 

そういうとシャムは同僚の女の人と食堂に行ってしまった

 

できれば行ってほしくなかったんだけどな・・・

 

「さてダンテ君、いろいろ聞くんは夕食のあとにして、ま ずはシャワーでも浴びてきたらどうや?その格好で食堂入 るんはちょいキツいで?」

 

八神さんは俺の全身を見ながらそう言った

 

だけどシャワーがある部屋までの道のりがわからない

 

「私が案内するよ、いい?はやてちゃん」

 

「ええよ、じゃあ私たちは一足先に食堂に行ってるな?頼 むでなのはちゃん」

 

高町さんに案内を頼むと八神さんたちは食堂に入っていっ てしまった

 

「じゃあ行こうか」

 

「は、はぁ・・・」

 

?おそらくシャワールームへの道?

 

「へぇ?、ダンテ君は18歳なんだね」

 

「はい・・・もうバリバリの18歳です」

 

「私は19なんだ、一つ上だね」

 

「・・・先輩ですね」

 

行く道中、てっきり会話がなくなり嫌な雰囲気になるかと 思ったら、案外気さくに高町さんは話し掛けてきてくれた

 

とは言っても俺はまだまだ話し方が堅いが何も喋らないよ りはマシだ

 

「あの・・・今日はゴメンね?」

 

「はい?」

 

高町さんは、話を止めたと思ったら次は謝ってきた

 

何か高町さんが俺に謝らなくてはならないことをしただろ うか?

 

「私たちのせいで・・・危ない目に遭ったんだよね・・・ 」

 

「あ、えっと・・・」

 

高町さんは悲しそうな表情に変わり、言葉を続ける

 

「人を助ける立場にあるのにこれは許されないよね・・・ 、あの後みんなで話したんだ、ダンテ君に謝ろうって」

 

それは別に・・・

 

「だから私たちのこと・・・嫌いにならないでほしいんだ 」

 

すると高町さんは立ち止まり、俺に頭を下げながら言った

 

「本当に申し訳ありませんでした」

 

それは本当に心からの謝罪、とても誠意が籠ったものであ った

 

だけど、あれは誰にも予想出来なかったこと

 

高町さんたちが謝るものではない

 

むしろ俺が謝ることだと思う

 

無関係な高町さんたちを巻き込み、迷惑をかけて・・・

 

「そ、そんなそんな!顔を上げてください!」

 

俺は慌てて高町さんに頭を上げるように頼んだ

 

こんなことしても無意味だ

 

高町さんたちは何も悪いことしてないのに

 

「で・・・でも、私たちのせいで・・・あんな・・・」

 

「だから高町さんたちのせいじゃないですって、あれは誰 にもわからなかったことですし・・・第一、今こうして生 きてるじゃないですか!」

 

そう、あんなことがあったけど今こうして生きている

 

死んだら死んだで大変だったけど、生きているし結果オー ライだ

 

そのことを高町さんに伝えた

 

相手の事情とかもわからないし少し簡単な考えだったけど それでも、高町さんはまた笑ってくれた

 

「ダンテ君・・・優しいんだね」

 

「・・・気のせいですよ」

 

そしてまた、高町さんと歩き始めた

 

暗い話はせず、明るい話題を話しながら

 

「フェイトちゃんいつも一人で無茶するから、目が離せな いんだよねー」

 

「高町さん、優しいんですね」

 

そう言うと高町さんはむっとした表情をして切り出した

 

「その・・・高町さんっていうのなんか堅苦しいなぁ、な のはでいいんだよ?」

 

俺の顔を覗きこみながらそう言う

 

「で・・・ですが・・・」

 

「なーのーは、はい」

 

高町さんは何かを期待するような目で俺を見てくる

 

だけど、ほとんど初対面の人を名前で呼ぶのは・・・

 

「な・・・」

 

「うん?」

 

「なの・・・」

 

「うんうん」

 

「なの・・・あ!シ・・・シャワールームってここじゃな いですか!?案内ありがとうございましたー!」

 

「え?あ、ちょ・・・ダンテ君!?」

 

高町さんの言葉を背中に受けながら、俺は逃げるようにシ ャワールームに入った

 

さすがに名前で呼ぶのは恥ずかしい・・・

 

?シャワールーム内?

 

「あー、生き返るー」

 

シャワーが体を流れ、血も鉄くさい匂いも洗い流していく

 

シャワーは絶妙な温度に保たれており、それがまた心地よ い

 

「あれ?ダンテさんですか!?」

 

俺の隣の個室から聞こえてきたのは、あの赤髪の少年の声 だった

 

「あーはい、俺ですよー」

 

「怪我は大丈夫なんですか!?医務室にいないと・・・! 」

 

「もう大丈夫ですよ、だからここにいるじゃないですか」

 

赤髪の少年に誤解のないように伝えた

 

今ここに居るってことは、何かの練習をした後なのか・・ ・訓練?

 

?シャワールーム前廊下?

 

「・・・なるほど、訓練だったんですか」

 

「はい、みんなシャワーを浴びてから夕食を食べようって 話になって・・・」

 

どうやら訓練が終わり、みんなで夕食を食べにいく前にシ ャワーを浴びていた際に俺が入ってきたというわけらしい

 

「凄いですね、えっと・・・」

 

「あ、エリオっていいます!エリオ・モンディアル三等陸 士です!」

 

モンディアルさんは俺に敬礼しながらそう言った

 

気のせいなのかもしれないが、何だか子供の比率が高いよ うな・・・

 

「モンディアルさんも凄いですね。まだ子供なのに・・・ 」

 

「あの?・・・」

 

モンディアルさんは何だか不満そうな表情を浮かべて話し 掛けてくる

 

「その呼び方・・・」

 

「エリオくーん、お待たせ・・・ってダンテさん!」

 

モンディアルさんが何かをいいかけたその瞬間、女子のシ ャワールームからルシエさんが出てきた

 

たしか、他に三人居るって言ってたっけ

 

「大丈夫ですか!?お怪我は・・・!」

 

「あー、大丈夫ですよー」

 

「ダンテさん!」

 

ルシエさんの後ろを見ると、残りの二人も出てきていた

 

なるほど・・・この四人は同じチームみたいなものなんだ

 

「お怪我は大丈夫ですか!?」

 

青髪の女の子が俺を見つけるや否や駆け寄り話し掛けてき た

 

「もうスバル!大声出しちゃダメでしょ!すいませんダン テさん」

 

その後から出てきたオレンジ色の髪の女の子が青髪の女の 子の頭を掴み、自分と一緒に下げさせた

 

「いやいや大丈夫ですよ、それに体の方も、特に怪我は無 かったですし・・・」

 

「本当ですか!?良かったです」

 

青髪の女の子は俺の状態に安心したのか安堵した表情にな った

 

「ダンテさん、私たちこれから食堂に行くんです。一緒に どうですか?」

 

ルシエさんが俺の顔色を伺いながら言った

 

なるほど、また医務室に戻ると思っているのか

 

まぁ、このまま逃げるっていう手もあるけど、そんなこと したら地の果てまで追ってきそうな方々がいるので却下

 

そうしたらもう答えは決まっていた

 

「私で良ければ喜んで」

 

「やったー!じゃあ行きましょう!」

 

「え?あ、おっと」

 

ルシエさんは俺の手を引き食堂へと歩き出した

 

なんだか妹ができたような感じだなぁ

 

「ふんふーん♪」

 

「えへへ」

 

現在俺の右手をルシエさんが、左手を羨ましくなったのか 途中からモンディアルさんが繋いできて二人に引っ張られ ている感じになっている

 

「なんだかお兄さんみたいですね」

 

「そういう風に見えます?えっと・・・」

 

「スバルです!スバル・ナカジマ二等陸士です!」

 

「お二人は仲がいいんですね?えっと・・・」

 

「ティアナ・ランスター二等陸士です。スバルとは同期で して」

 

「あ、学校が同じだったんですね?」

 

「まぁ、そんな感じです」

 

「ティアは凄いんですよ!」

 

古くからの友達というわけか、同じ職場で働けるっていう のはいいね

 

「モンディアルさんとルシエさんも?」

 

「はい、僕たちは家族なんです。フェイトさんに引き取っ てもらって」

 

「あ・・・ごめんなさい」

 

自分が一体何を聞いてしまったのか一瞬でわかった

 

複雑な家庭の事情

 

俺の居た世界ならまだしも、このように魔法というものが 存在し、いつどこでどのように命を落とすかわからない世 界じゃ家庭が複雑になる人も少なくない

 

モンディアルさんもルシエさんもそうなのだろうと一瞬で わかってしまった

 

「いえいえ!今は幸せなので大丈夫ですよ!ね?エリオ君 」

 

「うん!大事な家族なんです!」

 

まずいことを聞いてしまったと謝ったが、どうやらなんと か大丈夫だったようだ

 

違う世界なのだから発言には気をつけなくては

 

「あの?」

 

ルシエさんは何だか期待した顔で俺に尋ねてきた

 

「その・・・ルシエさんっていうのは何だか・・・」

 

「僕もです。モンディアルさんって呼ばれるのはその・・ ・慣れてないというか、物凄く他人行儀な感じで・・・」

 

・・・また名前関係か

 

高町さんといいこんなフランクでいいのか機動六課

 

「「なので・・・」」

 

二人は自分の考えが一致していることを確信し、俺にそれ をぶつけてきた

 

「私のことはキャロでいいですよダンテさん!」

 

「あ、じゃあ僕のこともエリオで!」

 

ルシエさんに続き、モンディアルさんも言ってきた

 

「私のこともスバルでいいですよ!」

 

「それなら私もティアナで、第一ダンテさんの方が年上な んですから」

 

モンディアルさんとルシエさんに続き、後ろの二人も言っ てきた

 

だけど・・・

 

「ほら・・・俺たちってほぼ初対面ですし!だから・・・ 」

 

「ダンテさ?ん・・・」

 

ルシエさんは頬を膨らませ不満そうな顔をする、ランスタ ーさんを除く二人も同じ

 

だけどランスターさんも心なしか・・・何だか不満そうな 表情をしている

 

「えっと・・・」

 

四人の誠意に負けた俺は一人一人指を差しながら

 

「キャロちゃん」

 

「はい!」

 

「エリオ君」

 

「はい!」

 

「スバルさん」

 

「はいはい!」

 

「ティアナさん」

 

「はい」

 

「これでよろしいですか?」

 

すると、ラン・・・ティアナさんを除く三人はまだ少し納 得がいかないようだ

 

「敬語もなるべく・・・止めて欲しいかなーって」

 

スバルさんが今度は敬語は止めてほしいと言ってきた

 

さすがにそこまでは・・・

 

「何や?食堂の前でみんなして何してるんや?」

 

目の前の扉が開き、八神さんが顔を出してきた

 

周りを見渡してみると、いつの間にか食堂へ着いてしまっ ていたみたいだ

 

「いえ!何でもないですよ!ね?ダンテさん!」

 

「そ・・・そうだよな!キャロちゃん!あ・・・」

 

「ダンテさんそれです!それですよ!」

 

ついつい口が滑ってタメ口で話してしまった

 

このような失態を部隊長である八神さんが見逃すハズもな く

 

「ほほう・・・これは何があったのか食事中じっくり聞く 必要があるな」

 

「や・・・八神さん?」

 

「とりあえず・・・私たちの席に来ようか?」

 

「いやだー!助けてくださーい!」

 

目をキラーンと光らせた八神さんに首根っこを掴まれ、八 神さんたち隊長メンバーのいる席まで連行された

 

あれだけ発言には気をつけるって思ったばかりなのにー!

 

?部隊長室?

 

食事が終わり、俺は部隊長室に連れてこられた

 

途中で危険物であるガンホルスターは押収され

 

シャマルさんの、食事が終わったら安全の為もう一度医務 室へ連れてくるという指示を無視してのことだった

 

そしてその対象である俺は床で正座中である

 

楽にしていいよと言われたが、部隊長室の雰囲気と俺がし たことの申し訳なさで正座することにした

 

というか正座しなくちゃいけないような気がした

 

「さてダンテ君、聞きたいことが沢山あるんやけどその前 に・・・なのはちゃん」

 

「はぁ・・・んな!?」

 

八神さんが高町さんに指示を出したと思ったら、俺の体が 桜色の紐というか縄のようなもので縛られ身動きがとれな くなってしまった

 

「八神さん!一体何を!?」

 

「何もしなかったらダンテ君逃げるやんか、私もこんな事 したくないんやけどしょうがなくや」

 

いくら俺でも全員にマークされてる状態で逃げようなんて 思いませんって

 

あ、前科があったか

 

「じゃあ改めてダンテ君、あの力は一体何なんや?」

 

「そう言われましても・・・自分でもよくわからないんで す。こっちの世界に来たらいきなり・・・」

 

俺は八神さん達に詳しい事情を話した

 

始終色々なことで驚いてはいたが

 

「八神部隊長、デバイスの検査が終わりました」

 

「おお、ご苦労やシャーリー」

 

話が終わるころ、検査の係りの人?が入ってきた

 

「で、どうやった?」

 

「結論から申し上げますと・・・」

 

その人は一瞬ためらい、言葉を放った

 

「ただのモデルガンですね」

 

『・・・は?』

 

「特に魔力を変換する内部構造も無し、構造どころか中が 空っぽな状態です。何度も調べましたが完全におもちゃで すよ?」

 

その言葉に、俺を除く隊長陣が呆気にとられたような声を 出した

 

俺も若干驚いていた

 

シャムの言っていた通りだ

 

「ではお返しします、失礼します」

 

その人は俺にホルスターを返すと部隊長室を出ていってし まった

 

「ダンテ君・・・どういうことや?」

 

「だからわからないんですって・・・」

 

俺の返答に頭を抱える部隊長陣

 

そんなに珍しいことなのだろうか?

 

魔法があれば何でも出来そうな気がするけど

 

「では次は私が、戦術は一体どこで学んだ?」

 

「どこと聞かれましても・・・」

 

学ぶどころか、頭に浮かんでくるのだから体が覚えている みたいなのだ

 

一体どうしたらいいのか

 

一体縛られているときはどうしたらいいのか

 

あれ?

 

この縄を破か・・・ん?

 

銃を取り・・・って

 

右手を目の前に構・・・ダメダメ

 

左手は90度左・・・

 

『ダンテ君?落ち着いて!落ち着くんや!・・・が!』

 

『主!!キサマァァ!ぐあ・・・!』

 

『ダンテ君!銃を下ろし・・・!・・・ぐ!』

 

『なのはぁぁぁー!』

 

・・・・

 

「・・・くん・・・テくん」

 

誰かが呼んでいる

 

一体誰を?

 

「ダンテ君!」

 

気がつけば、高町さんが俺の肩を掴み前後に揺すっていた

 

「どうしたの!?また何かあったの!?」

 

「えっと・・・その・・・シグナムさん」

 

「なんだ」

 

「どこで戦術を学んだって聞きましたよね?」

 

シグナムさんは頷く

 

「なんていうか・・・浮かんでくるんです。頭に・・・」

 

「頭に?」

 

「はい、だから今も浮かんできました。その・・・」

 

「あたしたちを、どうすれば殺せるか・・・だろ?」

 

俺の言葉に続くようにヴィータさんが答える

 

その言葉に驚いたのか、高町さんやテスタロッサさんは顔 を真っ青にしていた

 

「まだお前は、私たちを敵と見なしているわけか」

 

「だけど、それも変えなあかん」

 

俺の考えていたことを理解していたのか、冷静なシグナム さんがヴィータさんに続き、その後に八神さんが続いた

 

「単刀直入に言わせてもらうで」

 

八神さんは決心したように言った

 

「ダンテ君、機動六課に入らへん?」

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