ぬこの魔法生活 第10話
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 ◆ 第10話 魔法少女始めました ◆

 

 

 どうも、みぃです。

 はやて嬢との出会いから月日は流れ、今やご主人も小学3年生となっています。

 そんな訳でぬこも2歳となっています。……猫の2歳は人間でいうところの23歳だそうで、よくよく考えてみると人間換算で通算43歳。

 

 そろそろぬこは魔法使いを超えて、大魔法使いになってる気がします。

 メドローアとか余裕で使えるに違いない。……鬱だ。

 

 まぁ、そんなことは置いといて、小学3年生となったご主人は今、ぬこのとなりで寝ています。

 別に、昨夜はお楽しみでしたね? とか、見せられないよ! なんてことはなかったです、ぬこだもの。

 

 でもこんな風に一緒に寝てると、恭也さんや士郎さんからの視線が痛いのなんのって。

 まぁ、慣れましたけどねぇ。おっ、携帯のアラームがなってますよ、ご主人。

 起きてー、超起きてー。

 

 「ふぁー、なんか変な夢見ちゃった」

 

 む、ぬこと寝ていながら悪夢を見たということか?

 なんということだ……! ぬこがついていながら何たる失態。

 おはようからお休みまでご主人に安眠その他諸々を与えるのがぬこ役目だというのに……

 

 んー、でも別にうなされてるわけでもなかったと思ったんですが……? ま、夢見が悪いことなんて誰にでもあるさね。

 

 「あ、みぃ君おはよー」

 

 はい、おはようございます。さて、先に部屋を出るとしますかね。

 ジェントルを自負しているぬこが着替えなんて覗くわけないじゃない。

 今ちょっと期待した者、おとなしく警察の厄介になってくるといい。

 ちゃんと更正してから出直してくるといいよ。

 

 さぁ、今日も元気にがんばりますか!(基本ぬこは特に何もしない)

 

 

 

 

 

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 今朝は変な夢見ちゃった。みぃ君が一緒に寝てくれるようになってから怖い夢だとかは見たことなかったのになぁ。

 そんなことをぼんやり考えていると、いつの間にか授業が終わっていた。

 えっと、この前の海鳴市で働く人についてのまとめ、だったっけ。

 それと、今から将来やりたいことを考えてみてもいいかもということだった……はず。

 上の空だったから、半分ぐらい聞いてなかったんだよね。

 

 将来どんなお仕事に……かぁ。

 う〜ん、翠屋でみぃ君と一緒に働くぐらいしか思いつかないなぁ。

 

 お昼休みにアリサちゃん達にも、将来のことを聞いたけど漠然とだけど決まっているらしいの。

 ちなみに、私のことも言おうと思ったんだけど、二人とも口をそろえて

 

 「「みぃ(君)と翠屋の2代目をやるんでしょ?」」

 

 って、言われちゃったの。う〜、そんなに分かりやすいのかなぁ、私。

 ちょっと落ち込んじゃうなぁ。

 

 

 そして、時間は流れて放課後。

 アリサちゃんたちと一緒に塾に行くために、近道だという公園のちょっと気味の悪い道を通っているときだった。

 

 

 「―――――」

 

 

 何か、聞こえた気がした。

 

 

 「――――けて――」

 

 

 気が付けば私はその声の元に走り出していた。 

 

 

 

 

 

 

 

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 いつものように翠屋から帰ってくると、何やらそわそわしているご主人を発見。

 なんかうなってますけど大丈夫なんですか?

 

 「……あ、みぃ君おかえりー」

 

 はい、ただいまです。

 何をそんなに浮ついてるのか、聞きたいとこだけどぬこなのでどうしようもないのが悔やまれる。

 

 結局、何もわからずに夕飯になったわけですが、みんなが食卓に揃ったここに来てその原因を話すそうな。

 

 「あ、あのね? 今日ね、怪我をしてるフェレットさんを拾ったんだ。

 誰か預かれないかなっていう事になったんだけど、アリサちゃんもすずかちゃんもダメだったの」

 

 ふむ、嫌な予感がするんだが。

 

 「それでね、おうちで預かれないかなーって思ったんだけど……

 みぃ君もその子をいじめるなんてことしないだろうし」

 

 ……やっぱり? というか、意見を封殺された orz

 で、その後ご主人が面倒を見るなら、ということで許可が下りた。

 これはまずい、高町家のマスコットキャラとしての地位が揺らぎかねない……!!

 渡しはせん! 渡しはせんぞぉーーー!!

 

 で、現在。ご主人はすずか嬢、アリサ嬢へメールで許可が下りたと伝えてるとこです。

 ひどい、ぬこがいらなくなったのね! もういらなくなったからポイッするのね!!

 ポイッしないでください!!

 

 ん? また挙動不審になりましたよ、うちのご主人。

 へっ? 何突然着替えだしてんの!? さすがのぬこもいきなり脱がれると困るんだけど!?

 必死で目をそむける。

 

 「みぃ君! 私、ちょっと出かけてくる!」

 

 はいぃっ!? 今 何時だと思ってんの!? あ、待ってせめて恭也さんか士郎さんと一緒に!

 伝われ、この思い! という感じで「にゃー!」と叫んでみる。

 

 「いってきます!」

 

 だぁーー!? 行っちまったぁ!? 仕方ない、恭也さん呼ぶしかないか……

 って、ああぁーーーー!? ドアをしっかり閉めて行きやがりましたよ!?

 これじゃ出れないじゃないですかっ!? ひどい、あんまりだぁ!!

 

 しばらく、ドアにカリカリと爪をたてたりしてたけど誰にも気づかれることはなかった。

 もう、いいよ。ご主人なんて無断外出で叱られちゃえばいいんだ! フォローなんてしてあげないんだからね!

 ぬこはもう寝る! そうだよ、不貞寝だよ! おやすみなさい!

 

 ぼすんと、ご主人のベットに飛び込んで丸くなったぬこなのであった。

 

 

 

 

 

 それから、1時間弱ほどたった頃、ドアを開く音に目が覚める。どうやら帰ってきたらしい。

 ちょっと意趣返しでもしようかとそちらの方を見てみると、ご主人は腕に何かを抱いてるらしい。

 

 「はぁ、疲れたよぅ」

 「ごめんなさい、僕のせいで……」

 「ううん、いいんだよ、困ったときはお互いさまだもの。それと、そんなにかしこまらなくてもいいんだよ?」

 「でも、なのはさん……」

 「な の は !」

 「う、わかったよ、なのは……さん」

 「むぅ〜」

 

 誰か、助けてくれ。幻聴と幻覚が見えるんだ。

 イタチっぽいのとご主人がお話してるように見えるんだ。頭がどうにかなっちまったらしい。

 動物病院にも精神科ってあるのかなぁ?

 

 「あっ、ユーノ君。この子がさっきお母さんたちが言ってた猫のみぃ君だよ」

 「へぇ、そうなんだ」

 「みぃ君、この子は夕飯のときに言ってたフェレットのユーノ君だよ、仲良くしてあげてね」

 

 現実から目を逸らそうとするぬこ。しかし、ご主人が容赦なくその現実をつきつける。

 

 『戦わなきゃ、現実と!』

 

 そんな言葉が思い浮かんだ。

 

 「ふぁ〜〜、なんだか眠くなってきちゃった……」

 「初めて魔法を使ったんだもの。しょうがないよ、ゆっくり休んだ方がいい」

 「でも、ちゃんとお話を聞いてないし。明日も学校だから時間がぜんぜん取れないよ?」

 「大丈夫、念話を使えば離れていても会話ができるんだ」

 「わっ、本当だ!」

 

 はは、聞きました? しゃべるイタチの次は魔法ですって……

 うちのご主人はどこに向かっているの? 誰か教えてくれよぉ……

 

 これはあれですか、ぬこが今朝 大魔法使いとかメドローアとか言ってたせいですか?

 それでみょんなフラグが立っちゃったのですか?

 

 「じゃあ、明日学校の時間に話そっか! じゃ、おやすみなさいユーノ君。みぃ君、おいでー」

 

 

 

 

 

 

 ……とりあえず、もう一度寝ます。

 ご主人に抱かれて【願わくばこの夢が醒めていますように】と必死に祈りながら眠りにつくぬこであった。

 

 

 

 

 

 ◆ あとがき ◆

 

 読了感謝です。

 ということで、原作突入回。全く関わってないけども。

 視点変更ごとに改ページをしてるんですが、一つ一つが短いかなぁ。

 あまりに変なようでしたら、ご報告を頂けるとありがたいです。

 

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