ハイスクールD×D~HSSを持つ転生者〜 第28話
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、俺は一誠と一緒に依頼者のところへ向かっている。もちろん、チャリでな。

「一体…俺達の何がいいんだろうな」

「そんなの、俺にはよくわからんが…俺達の事を気に入ったんじゃねぇの?」

「それなら……いいけどよぉ」

 

 

 

 

 

「よー悪魔君達。今日も悪いな」

 相手は黒い髪で、悪そうな雰囲気な男。悪そうな雰囲気がタイプの女性は

 一目惚れしそうな人だ。年齢は二十代ぐらいか…。

 指名は決まって一誠と俺。最初は一誠だけだったが、後から俺も指名された。

 釣りに行ったり、ゲームセンターに付き合ったりなどして色んな場所に

 行った。

「悪魔君達、今日はゲームでもやらないか? 昼間にレースゲームを買ったんだ。

 相手がいなくて寂しくてな」

「は、はい。喜んで」

 実はこの人、契約面ではとてもいい人なんだよなぁ。金塊や宝石など、どれも

 大きい対価をよこしている。これで、一誠や俺の評判が上がっているけどな。

 などと考えながら、ゲームの電源をつける俺。

「いつも悪いな」

「いやいや…これぐらいは。はい、コントローラー」

「どうも」

「俺、この手のゲームは強いですよ?」

「俺は……あまり得意じゃないなぁ。手加減してくれよ? 一誠」

「そりゃ楽しみだ。こっちは初心者だから軽く頼むぜ?」

 

 

 

 

 

 

「つ、つえぇ…しかも…初めてクリスに負けた…」

「よっしゃ! 初めて一誠に勝った!」 

「いえーい」

 序盤は一誠の独壇場だったが、コツを覚えてきたのかとても上手くなっていた。

 この人はすごいな。こんな短時間に…

 俺なんか、未だに壁ばっかりにぶつかっているぞ。

「くそ! まだだ! このままで終わらせるかよ!」

「次も、一誠に勝ってやるぜ!」

 いつの間にか、俺達は熱中していた。

「おーおー。気合入りまくりだねぇ。もう一レースと行くか? 悪魔くん達。

 いや、赤龍帝と多重の創造者」

 自分の事を呼ばれている事を知らずにゲームに夢中になっている俺をよそに

 一誠は男性に問いかけた。

「……あんた、誰だ?」

「俺の名はアザゼル。堕天使の総督をやっている。よろしくな赤龍帝の兵藤一誠と

 "多重の創造者"神矢クリス」

「俺って周りからそんな名前で言われているの?」

 俺は、思わずそんな事を呟いていた。ゲームをやりながら。

『Win!』

 アザゼルと名乗る彼の背中から、十二枚の漆黒の翼が出てきていた。

 

 

 

 

 

「冗談じゃないわ!」

 部長は今回の件について怒っていた。一誠は部長の隣に、俺は部長の前の

 ソファーに座ってラノベを読んでいた。

「確かに悪魔、天使、堕天使の三すくみのトップ会談がこの町で執り行われるから

 といって、突然堕天使の総督が私の縄張りに進入して営業妨害なんて……!」

「別に、営業妨害はしていないけどな」

「クリスは黙っていて頂戴!!」

「はいはい」

 部長は怒りで震えていた。そこまで怒る事か? 営業妨害なんてしていないぞ。

 堕天使の総督殿は。

「しかも私のかわいい一誠とクリスにまで手を出そうだなんて、万死に値するわ!

 アザゼルは神器(セイグリット・ギア)に強い興味を持つと聞くわ。二人に有能な

 神器(セイグリット・ギア)があるからって接触してきたのね……大丈夫よ。二人は

 私が絶対に守るから」

 部長が俺達の頭を撫でた。俺はさっきの言葉に違和感を感じるんだが…

 

 部長は下僕の眷属悪魔を大切に可愛がる。誰かに傷つけられたり、触れられるのを

 ひどく嫌う。…多分、俺に対しては違うと思うけどな。

 最近になってから俺にだけ、黒いオーラを出すようになった。

 それがとても怖い。まだ、ライザー戦の方が怖くない。

「……やっぱ、俺達の神器を狙っているのか、堕天使の総督だろ?」

「一誠の『赤龍帝の籠手(ブーステッド・ギア)』が『神滅具(ロンギヌス)』だからだろ。俺のは

 『神滅具』じゃないから大丈夫じゃね?」

「いいえ。クリスの『武装創造(アメント・イマジン)』はどの書物を探しても無かったから

 そのことを考えて、『赤龍帝の籠手』より危険じゃない?」

 冷静に考えると、納得できる。俺の神器は小説のキャラの武装と能力を

 使えるようになった。それが禁手化して、祐斗の聖魔剣も創造したんだ。

 神器に興味を持っているアザゼルが、俺の神器を狙っていると考えてもいいだろう。

 

 と考えていると、祐斗がとんでもない事を言い出した。

「大丈夫。ボクがクリスと一誠くんを守るから……」

「おい! 一誠。どうかそんな危険人物を見るような目で祐斗を見ないでくれ。

 祐斗は天然で言っているだけだ!」

 一誠は俺に近づいて耳打ちした。

「でも…あの言葉は普通女子に言うもんじゃね?」

「それを言ったらおしまいだ! 最近学園で噂になっている事が現実になるぞ!」

「それはいやだ!」

 一誠は、小さい声で批判した。因みに、学園で噂になっているのは祐斗×一誠とか、

 一誠×祐斗、クリス×祐斗などのBLらしい。一番人気なのは、俺×祐斗の噂だという。

 うん。この噂を立てた奴を、俺が消してやる。もちろん、記憶をな。

 

「アザゼルは昔からああいう男だよ。リアス」

 声の方を見ると、紅髪の男がにこやかに微笑んでいた。

 周りを見ると、朱乃さん達がその場で跪いている。新人メンバーの俺達だけが

 対応が遅れていた。

「お、お、お兄様!」

 部長が驚愕の声を上げた。お兄様って言う事は…魔王様か。

「先日のコカビエルみたいな事はしないよ、アザゼルは。今回みたいな悪戯は

 するけどねしかし、総督殿は予定より早い来日だね」

 横にはメイドのグレイフィアさんもいた。

 一誠達が朱乃さん達の真似で跪く。俺は跪く…と見せかけてラノベを読んでいた。

「お兄様、どうしてここに…?」

 すると、魔王様は一枚のプリントを取り出した。

「授業参観が近いだろう? 私も参加しようと思ってね。ぜひとも妹が勉学に励む姿を

 見たいものだ」

 授業参観ねぇ…。俺にはよくわからない。中学3年の時に両親が病気で亡くなったからな。

「…先輩。どうして泣いているんですか?」

 小猫が聞いてきた。俺…泣いているのか?

「いや、ちょっとな。部長、すみませんが用事を思い出したんで帰ります」

「お、おい! ちょっと待てよ!」

 俺は一誠の制止の声を無視して、家に帰った。

 

 

 

説明
神様の悪戯で、死んでしまった俺―――神矢クリスはハイスクールD×Dの世界に転生した。原作の主人公、兵藤一誠らに会っていろんな事に巻き込まれる
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