魔法少女イレギュラーなのは〜13〜 永次「やれやれ」 |
「……」
温泉旅館にて。
俺は部屋の隅で寝転ンで、他のみンなが談笑するのを眺めていた。
なのは、アリサ、すずか、神楽、更下。
まさかの一緒の部屋である。
良いのか男女同室で。……あァ、俺達まだ9歳だッけか。
……チッ、結構めンどくさいな……。確かジュエルシードここにも有るよな?ンで、それを巡ッてなのはとフェイトがまた争う事になる。
なのはと神楽がこの部屋を出るのは確実だ。
よッて、夜中に2人が外へこッそり出ていくッて訳で。
俺も原作を眺め、いざという時に乱入する為には、その2人より後に部屋を出なきャならない。
……流石に、少しの間を空けてるとはいえその人数が出ていッたら他の奴等を起こしかねない。それは非常に面倒だ、避けたい。
……まァ、何とかなるか……。
「ちょっと、あんただけ何でそんな離れたとこにいんのよ。こっち来なさいよ」
「気にしなくて良いんでやんすよアリサちゃん。あいつは一匹狼のツンデレですから」
「一匹狼ッてのは言われてしまッても仕方無いのは解るけどツンデレッてのは違うと言わざるを得ない」
アリサが俺に話しかけ、更下が続ける。ッてかツンデレ要素なンざ俺には程遠いンだよ。まさにそこの金髪少女がそれじャねェか。
「あんた今失礼な事考えなかった?」
「ンな事は無い」
……相変わらず鋭いなオイ。もしかしてこの世界の女ッて全員読心術持ッてンのか?
「……まあでもせっかくでやんすし……ちょっとは話そうや、塔矢永次君」
「うン、確かに漢字の読み方を考えればだいぶ近い方ではあるが、しかし更下。人をどこぞの天才囲碁少年の名字で呼ぶな。俺の名前は十夜永次だ」
「失礼、噛みました」
「違ェ、わざとだ」
「噛みまみた」
「わざとじャないッ!?」
「ファミマ見た?」
「旅館に来といてファミマの場所確認する必要がどこにあンだ!?」
「神はいた」
「あ、それは確かに」
「噛みました。ガブッ」
「いッてェェェェェェェ!?ぶち殺すぞテメェ!!」
「ぎゃふあっ!?」
一通りのコントをしてから、締めに更下をぶん殴る。
……うわ、歯形がくッきり右手に付いてやがる……どうしてくれンだこのクソ野郎。反射を発動すりャ良かッたか。
「……ぐふっ……やるでやんすな、永次……俺の愛情表現に対してなかなか過激な返事ですぜ……」
「お前のあれを愛情表現と感じられる奴がいたら連れてこい。そいつとお前もろとも殴ッて頭を矯正してやるからよ」
ッつか、愛情表現ならせめて甘噛みじャね?……うェ、想像したら嫌な感じしかしねェ……想像して後悔した……。
「……なんと言うか……更下君が殴られるのにも見慣れてきたかな……」
「にゃはは……」
「……まあね……」
「はあ……」
すずかの言葉に、なのは、神楽、アリサの順番で苦笑、もしくは溜め息をつく。
ッつか、更下が殴られ慣れてるのは大部分が後半2人のせいだよなァ。……まァ、どうでも良いけど。
「……ま、せいぜい頑張りな。モテない王子さン」
「やめてヘコむ。マジでヘコむ」
俺の言葉に急に涙目になる更下。あれ、案外豆腐メンタル?
「まあ、安心しなよ。輝宮よりかは絶対にモテる。それはあたしが約束してあげる」
「あんな奴と比べられても……グスッ」
うン、神楽。慰め方が悪かッた。比較対象が悪すぎたンだ……。
「……ッたく。オラ、どうせだしUNOやンぞ。ルールはみンな解ッてるか?」
何だかンだで持ッてきたUNOをスタート、みンなで賑やかに話しながら遊ンだ。
……悪くねェよな。こういうのも。
……さて、温泉である。
ちなみにここは、10歳以下なら男湯女湯どっちに入ッても良いらしいンだが……。
「よーし、じゃあ俺はこっち行くから、永次は1人で楽しんで来ぎゃふあっ!?」
「あんたは、何で、女湯に、普通に、行こうとしてんのかしら……?」
「ダメだよ、更下君」
……更下がアリサと神楽からダブルパンチを喰らッて見事にダウン。
年齢的には良いンだが……日頃の行いが祟ッたな。
「……あ、永次君、一緒に入る?」
……オイ、主人公。
何言ッてやがンだ。
「……そうね、十夜なら別に……」
「うん、大丈夫そうだし」
オイテメェ等、ちョッとは躊躇えや。
「……あー、俺はコイツを引ッ張ッていかなきャなンねェから、悪いけどパスだわ」
「そっか」
「おう。ンじャァな」
更下を引きずッて、青い暖簾を潜る。
「……あれ?ユーノ君は?」
ン?あァ、フェレットもどきか?
「悪ィな、ちョッと借りてくぜー」
「えええー!?」
暖簾越しに、なのはの残念そうな声が聞こえてきた。
だッてコイツ男だしな。
服を脱いでいる途中、ユーノはやたらと頭を上下に振ッていた……感謝のつもりか、それ?別に気にしなくて良いンだが。
「……はっ!?ここはどこ!?」
「やッとお目覚めか馬鹿野郎。とッとと風呂入るぞ」
「……あー、なるほど。ちぇー」
何が「ちぇー」だ、ッたく……。
……おォ、広いな。
「お、そだユーノ。体洗ってあげるぜい、こっちこっち」
更下がユーノと戯れながら体を洗い、俺は身体を一足先に洗い終え、湯船に浸かる。
「……ふゥー」
やッぱ気持ち良いよな、温泉ッて。
……さて、原作についてはどうしたもンか。
なのは陣営に転生者は2人、フェイト陣営に1人、どちらにも属していないのは現状、俺を含め2人……。
ちョッと2陣営のバランスが悪いか……フェイト陣営のあいつは苦労しそうだな。
いや、でもあいつには「ザ・ワールド」ッつうチートじみた能力がある……あいつがそれをフル活用すりャ、勝ち目はフェイト陣営にある、か。
しかも今回は輝宮がいねェ……1対1、正々堂々となるのは良いンだが、神楽が勝てるかどうか、だな……。とにかく、フェイト陣営のあいつが良識を持ッてる事を今は願うしかねェな。
「おーい、永次ー」
そんな感じで考えていると、湯船に浸かった更下が話しかけてきた。
「あンだよ?」
「うん、女湯ってどうやったら覗けるでやんすかね?」
「………………」
「……冗談ですすみませんだからその可哀想な奴を見るような眼差しは止めてください」
夜。
真ッ暗な部屋に、スヤスヤと寝息だけが響く。
風呂から出た後、美少女に出会ッた、つか絡まれた……まァ、アルフだったが。……確かに、酔ッ払いと見られても仕方ねェよな、あのやり方じャ……。
……ンー、しかしなかなか起きてられるもンだな。
とと。
もぞもぞと音がして、気配からして2人程起き上がッた。多分、なのはと神楽だ。
2人が出て行ってから少しして、俺もこっそり起き上がり、忍び足で外へ向かう。
……さてさて。
あンまり予想外の事は起きて欲しくねェけど……どうだ?
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コレは、転生者たちが、リリカルなのはの世界で転生生活を頑張るお話。 | ||
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コメント | ||
そうですね、見事なまでに首です(笑)その場の勢いで出してしまって、その後の活躍が……(苦笑)(ドラゴマキナ) おろ?そういえば今回の話では兄ちゃんや三色レンジャーは出ないんですね、こいつらも首か…。(神薙) |
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