乱世を歩む武人〜第十四話〜 |
〜一刀side〜
桂花
「華琳さま。ご覧のとおり、見事徐栄こと我が弟「荀攸」の確保に成功しました」
曹操
「ええ、ご苦労様。見事だったわよ桂花」
桂花
「はい!」
桂花は瞳をうるませて華琳を見つめている。しかし・・・
典韋
「あの・・・大丈夫なんでしょうか?」
一刀
「ああ・・・直撃だったもんな・・・」
俺はついさっき目の前で季衣の攻撃が直撃した彼のほうが気になった。
そう、ここまで全て桂花が打ち出した策だったのだ。
〜回想〜
兵士
「報告!戦場から離脱しようとしている張遼隊を発見しました!北西の方角です」
華琳
「ご苦労、徐栄はどう?」
兵士
「はっ!張遼のそばに常に兵士が一人ついているとの報告を受けています。おそらくそれが徐栄かと!」
華琳
「特徴はわかる?」
兵士
「いえ、そこまでは・・・」
華琳
「まぁそばにいる兵士ってだけでも十分可能性は高そうね・・・春蘭!」
待ってましたとばかりに飛び出そうとする春蘭。
夏侯惇
「はい!張遼は私が捕らえて参ります!夏侯惇隊!行くぞ!」
夏侯惇隊
「「「応っ!!」」」
言うが早いかものすごい速さで走って行ってしまった。
華琳
「さて・・・桂花。先ほどの話だけど・・・本当にあなたの弟が徐栄なの?」
桂花
「はい。話通りならばほぼ間違いないかと。」
あのあとひとしきり笑った桂花が言ってきた驚くべき事実。
なんと徐栄が桂花の弟である可能性が極めて高いといってきたのだ。
徐栄は偽名であり本来の名前は「荀攸」というらしい。確かにこの時期董卓軍にいた人物だが・・・武人だったかな?
華琳
「もし違かったら?」
桂花
「私の策は破錠しますがそれ以前に秋蘭に殺されるのがオチだと思っております。男で秋蘭をしのぎきれるやつなんてあの子以外にいるはずがありません。」
華琳
「なるほど・・・秋蘭。聞いていたわね?」
秋蘭
「はっ。桂花、確認するが徐栄は一騎打ちが始まったら静観しているか華琳様に向かって一人で突っ走るというので間違いはないか?」
桂花
「ええ、あの子が張遼に真名を預けてなければ武人としての誇りを大事にするから何もしないはずよ。逆に真名を預けていたら彼女を助けるために華琳さまを人質に取ろうとするはず」
秋蘭
「むぅ・・・華琳さまを囮にするというのはやはり納得がいかないな・・・」
桂花
「別にとるに足らないと奴だと思ったらその場でどうにかしちゃっていいわよ。それにあの時と違って季衣に加えて流琉もいるわ。そしてあの子がこちらに来たら・・・」
華琳
「私が武器を構えてみせればいいと。それだけで本当に大丈夫?」
桂花
「はい、あの子が私に送った手紙通りの実力を持っているなら華琳さまの実力を即座に把握するでしょう。・・・ここで時間をかけたら本末転倒になるはず。」
一刀
「そこで次善の策として俺をねらってくるからそこに桂花がいれば必ず止まると。
・・・にしてもこんなにピンポ・・・一点に絞った策で大丈夫なのか?」
桂花
「大丈夫よ。あの子じゃなかったらかならず秋蘭で止まるはずだから。ただの男で秋蘭を抜けられると思う?」
一刀
「・・・無理だよなぁ。」
〜回想終了〜
一刀
「まさに寸分たがわず引っかかったなぁこいつ・・・」
典韋
「はい・・・聞いてはいましたがまさかここまで綺麗にハマるとは思ってませんでした。」
気絶しているのを確認後、俺は近づいて鎧を外してみた。その体は細身ながらも引き締まっている。体中に無数の傷跡があるがこれは彼が歴戦の猛者だという証だろう。
俺はとりあえず脈をとってみることにした・・・うん。生きてる。
続いて兜を外す。目は閉じているので分からないが桂花と同じ茶色い髪。身長は俺と同じくらい・・・170程度だろうか。
ぱっと見た感じ変な方向に曲がったりもしていない。どうやら気絶しているだけのようだ。
一刀
「大丈夫・・・だな。気絶してるだけみたいだ。」
典韋
「よかった・・・」
流琉はほっと胸をなでおろす。
桂花
「当然よ。生半可な鍛え方をさせていないもの」
そっけ無くそういう桂花。だがその表情は少し緩み気味だ。やはり心配だったのだろう。
桂花
「それで華琳さま・・・桂枝は貴方様のお眼鏡にかないましたでしょうか・・・?」
桂花が心配そうに華琳に聞く。華琳が使えると判断しなければ傘下に入れないと公言していたらしい。桂花は緊張した面持ちで馬上にいる華琳を見上げる。
曹操
「・・・流石は貴方の弟ね。弱兵とはいえ関羽率いる義勇軍を短時間で半壊させた手際の良さ。あの秋蘭と凪から逃げ切ることのできる武の心得。そして私が構えた姿を見るやいなや御し難しと判断して即座に方向転換を測る機転。どれをとっても優秀だと分かるわ。」
桂花
「それでは・・・!」
曹操
「ええ、合格よ。張遼ともども、我が覇道の助力となってくれるでしょう。」
桂花
「・・・!ありがとうございますっ!」
桂花はますます潤んだ瞳で華琳をみあげていた。
一刀
「嬉しそうだな・・・」
桂花があまりにもうれしそうなのでつい言葉がこぼれる。
桂花
「ええ。アンタみたいな女を孕ませる以外脳のない役立たずと違ってあの子は私が育てたんですもの。優秀なのは当然よ。」
余計な一言が入っていたがその言葉に嘘はないようだった。
荀攸といえば俺の知ってる世界の三国志の中では魏の有名な軍師の一人だ。曹操の信頼も厚く荀ケとの仲も良好だったらしい。
確かあっちでは荀ケの弟ではなく甥っ子だったと思ったが・・・まぁ後々聞いてみればいいかな。
さらに言えば後世には「荀攸は荀ケに比べて人間ができている」という話もあった。桂花がアレ分、きっと彼も相当苦労をしているはず。
一刀
「桂花の弟か・・・仲良くなれたらいいな。年も近そうだし。」
季衣
「ねぇ兄ちゃん。この人どうするの?」
季衣がそういって彼を指さした。あ・・・そうだ。倒れたままだったの忘れてた。
一刀
「う〜ん・・・どうする桂花?」
桂花
「そうね・・・抵抗はしないと思うけど一応捕虜だし軽く拘束しておいて医者に見せてあげなさい。終わったら適当な天幕に放り込んでおいてくれればいいから。」
一刀
「だ、そうだ。流流も彼を引きずらないように運ぶの手伝ってやってくれ」
季衣
「は〜い」
流流
「はい。わかりました!」
流流と季衣はそういって拘束用の縄で手だけをしばり担いで行ってしまう。
もしかしたらこの世界で初めての男友達ができるかもしれない。俺は彼がどんな人なのか、今から楽しみでならなかった・・・
〜一刀side out〜
〜桂枝side〜
桂枝
「・・・・・・ん」
ふと目が覚めた。目の前には天幕と思われるもの天井。
体を確認してみる。・・・どうやら手を後ろ手に縛られるみたいだ。足は自由に動く。痛みも特にない。
???
「あ・・・目、覚めた?」
声のする方角をみてみると一人の男がいた。白く光る衣装を着ている。
桂枝
「その白い衣装・・・天の御遣いかな?」
一刀
「ああ、俺の名は北郷一刀、真名はないから適当に呼んでくれ。一応天の御遣いってことになってるえっと・・・そっちは荀攸さんでいいんだよな?」
そうか・・・姉貴がもう説明したのか。ならば偽名を使う必要もないかな。
それにしても真名がない・・・そうか、天の国では真名なんてないってことか。
桂枝
「ええ、私は荀攸と申します貴方のことは・・・では北郷殿と呼ばせて頂きましょう」
一刀
「堅苦しいなぁ・・・敬語もやめてくれると嬉しいな。年も近そうだし」
そういって苦笑してみせる。・・・なんだろう、似たような感覚をどこかで受けた気がする。
桂枝
「じゃあ・・・そうさせてもらおう。すまないが今の現状を出来る範囲で教えて欲しい。とくに張遼隊の行方なんかがわかると最高だ」
一刀
「ああ。まずここは曹操軍の天幕だ。今は連合が洛陽内に入り復興作業を行なっている最中で張遼さんの部隊は張遼さんを含めて華琳・・・曹操の傘下に入った」
やはり負けたか・・・しかし姉の発言どおり霞さんは生き残ってくれたようだ。
桂枝
「そうか・・・十全だな。それで、俺に対する扱いがやけにいいと思うのだがそれに関しては?」
一刀
「ああ。桂花が自分の弟だからって「ちょっと、ちょっと待った少し待て」え?何?」
こいつ・・・今・・・聞き間違いじゃなければ・・・
桂枝
「なぁ・・・お前今うちの姉貴を真名で呼ばなかったか?」
む・・・ちょっと殺気が漏れたか?
一刀
「あ・・・ああ。華琳・・・曹操の傘下に桂花が入った時に預かった。」
たじろぎながらも北郷は答えてくれた。
桂枝
「へぇ・・・さすがは天の御遣い。姉貴が俺以外に真名を呼ばせる男なんて初めて見たぞ」
一刀
「そうなのか?・・・そういえば確かに俺以外で呼んでいる男の人って見なかったなぁ・・・」
北郷は今更気づいたのか納得したように頷いていた。
桂枝
「話がそれたな。それで・・・要するに姉貴がこの状況を手配したってことかな?」
一刀
「そうだよ。張遼さんを救うのが目的だったはずだからどうせ目を覚ました所で絶対に暴れたりはしないって。ただ天幕に誰もいなかったら様子見に勝手にでていっちゃうだろうから」
桂枝
「あ〜そこからはわかる。「出ていかれないように説明役が必要だからアンタ、ちょっとこいつのこと見てなさい。」だろ」
一刀
「正解!」
彼は手を叩いて喜んだ。
桂枝
「北郷・・・どうやら姉貴に相当苦労させられてるみたいだな・・・」
一刀
「わ・・・わかってくれるのか荀攸!」
北郷がズズいっと近づいてくる。
桂枝
「近い近い。・・・ああ。よく分かるさ。だって俺、姉貴の弟だぜ?」
一刀
「ああ・・・ココに来てから初めて、初めて俺の苦労を理解してくれる人が現れた・・・!」
そういってくるくると小躍りし始めた。そんな様子を苦笑しながら眺めているうちに先ほどから感じているこの感覚を思い出す。
・・・そうだ。短い間だったからうっすらとしか覚えていなかったが・・・こいつ、劉備さんの気に似てるんだ。
桂枝
「乱世を正す天の御遣い・・・あながち間違いでもないのかな?」
一刀
「え?それってどういうい「じゃますんでー。桂枝が起きたってホンマ・・・・桂枝!」
桂枝
「霞さん!」
天幕をくぐり抜けて霞さんが様子を見に来てくれた。どうやらこちらと違って拘束されているとかはなさそうだ。安心した・・・けど
桂枝
「申し訳ありません・・・必ず守るといってこのような体たらくで。」
私は・・・守り切ることが出来なかった。例え 過程がどうであれ霞さんが死んでいてもおかしくない状況で自分は何も出来なかったのだ。
しかし霞さんは笑顔のまま
霞
「聞いたで桂枝。ウチの為に単騎で華琳の元まで突っ走っていったんやろ?」
こう質問してくる。
桂枝
「それはそうですが・・・結局何にもならなかったんですから同じ事です・・・」
霞
「あほぅ!ウチが自分のために命を張ってくれた人間に対してそないな薄情なこと思うかい!」
桂枝
「霞さん・・・」
その目は至って真剣で「コレ以上否定しようものならぶん殴る」。そう雄弁に語っていた。
霞
「ってなわけや、ウチはお前に感謝している。それでな・・・ウチは華琳のところに降ろうと思う。お前はどうするんや?」
桂枝
「こう言ってはなんですが・・・願ってもないことです。姉がいて、あなたがいる。コレ以上望むものも無いですよ。」
霞
「言ってくれるなぁ桂枝・・・じゃあこれからも頼むで」
桂枝
「了解しました。霞さん」
霞
「それにしても話は聞いたんやけどホンマにあのちびっこ軍師の弟なんか自分?」
桂枝
「ええ。正真正銘。まごうことなく私の姉は荀ケその人ですよ。改めて自己紹介しましょう。私の名は荀攸、字は公達です」
霞
「ホンマなんかぁ・・・でも確かに髪と目の色はそのまんまやなぁ・・・」
桂枝
「ええ・・・これくらいしか姉との血のつながりを証明するものがないですからね」
一刀
「あの〜・・・もういいかな?」
完全置いてけぼりだった北郷がおずおずと話を切り出してきた。
桂枝
「む・・・スマン。どうかしたか?」
一刀
「ええっと・・・華琳達が帰ってきてお前を呼んでるって」
あ〜・・・忘れてた。知らないとはいえ姉貴の邪魔したんだよね。
・;・説教かね。体罰かね。いずれにせよ地獄の予感。
桂枝
「・・・さ〜て、では霞さん、ちょっくら逝ってきます」
そういって案内の兵士について行くのであった。
一刀
「なんか・・・字が違かった気がするのは気のせいか?」
霞
「奇遇やなぁ。ウチもそんな気がしたで・・・?」
桂花
「このバカっ!最近
連絡の一つもよこさないと思ったらっ!よりによって董卓のところにいるなんてっ!何考えてるのよっ!」
桂枝
「ちょ・・・痛い!痛いって姉貴!」
桂花
「うるさいっ!心配だけでなく要らない手間までかけさせてくれてっ! このっ! このっ! このっ! 」
桂枝
「悪かった!悪かったからやめてくれ姉貴!それ結構痛いんだって!」
今は曹操軍大将の天幕内。手を縛られている状態で姉にいいように叩かれている。
ちなみにただ叩かれているわけではない。一体戦場のどこに使うのかと言わんばかりの分厚い本でだ。防ごうにも防げず頭に全部直撃している。
曹操
「・・・そろそろいいかしら?」
桂花
「はぁ・・・はぁ・・・はい華琳様。桂枝。流流のアレの件も含めて・・・仕方ないからコレで許してあげるわ。華琳さまの寛大な処置に感謝することね!」
桂枝
「ハイ・・・アリガトウゴザイマスソウソウサマ」
曹操
「ふぅ・・・桂花に手も足もでないでやられるようなこの男があの徐栄なのね」
曹操さんが呆れた顔をしながら止めてくれた。
外見で言うと身長は姉と大して変わらないであろうか。髪は金色で両側に回転させてまとめてある。
だが流れる気は姉貴にある「才気」なんていうものでは無く絶対的な「覇気」。
桂枝
「ええ・・・私は絶対的に姉には逆らえない様にしつけられているのですよ。改めまして初めまして曹操さん。私は荀攸。字は公達と申します。」
曹操
「私は曹操、字は孟徳よ、早速だけど荀攸。あなたの上司である霞も、あなたの姉の桂花も私に仕えている。そして二人共貴方を認めているわ。だから・・・あなたも私に仕えなさい。」
桂枝
「わかりました。ではその前に・・・一つだけ質問をさせていただいてよろしいでしょうか?」
曹操
「へぇ・・・」
桂花
「ちょっと桂枝!アンタ何を「すまない姉貴。一つだけ。これだけは絶対に聞いて置かなければいけないから」・・・っ!」
そういって姉の制止を振りきって曹操さんへと目を向ける。彼女は面白いものを見つけたような目付きをしていた。
曹操
「フフ、やはり姉弟なのね。それで、それに答えることで何が変わるのかしら?」
桂枝
「結果だけ言うのなら何も変わりません。私が貴方にお仕えすることも。全力を持って仕えることも。ただ・・・」
少しの逡巡
桂枝
「私が仕えるその「理由」が変わります。何のために貴方の元にいるのかが、私にとって貴方に仕えることがどういうことか。その意義が変わります。」
彼女の瞳から目をそらさずこう続けた。
曹操
「・・・いいでしょう。質問を許可するわ」
彼女は身にまとう覇気をいっそう強めて言い放つ
桂枝
「感謝いたします。では・・・」
こういって私は質問をした。質問した内容はかなり前劉備さんに質問した内容と同じ。100人と1人、どちらを助けるかというものだ。
彼女はふむ・・・と少し考えた後こう答える
曹操
「そうね・・・私の答えは「100人を救い」「両方とも救う」よ」
表情には出さなかったが私は驚いていた。正直予想外の答えだ。彼女ならば遠慮無く100人を救い1人を切り捨てるだろうと思っていたのだ。
しかし彼女の答えは100人を救い「両方」とも救うといったもの。その答え方からその手段があるという絶対の自信を感じる。
だから聞いた。そんな夢の様な解答に至る手段を。
桂枝
「・・・あなたからは絶対の自信を感じる。よろしければ教えていただけませんか?一体どのような方法でそのような矛盾を述べることができたのかを」
そして彼女の答えを聞き
曹操
「簡単よ。だって私の下にくるあなたが一人を救えばいいのだから。」
桂枝
「・・・・・はい?」
今度こそ心の底から驚いた。
曹操
「あら、そんなに難しいことじゃないでしょう?そんな質問をするくらいだもの。あなたはいつでもその「どちらか」を救う準備ができているということでしょう?」
彼女は楽しそうに解説を続ける。
曹操
「ならば話は簡単。もしあなたがその時私とともにいるのならばあなたに一人を助けることを命じましょう。あなたが船にいる一人ならばあなた自身を助けるように命じましょう。
そしてあなたが100人の船に乗っているのならば」
・・・・・・全く
曹操
「あなたには100人の船から飛び降り一人を助けるように命じましょう。そうすればほら。私は100人を救うことで全員を助けることができるわよ?」
全くもって・・・・
曹操
「それが私、曹孟徳の答えよ。いかがかしら?」
桂枝
「・・・さしあたって一つ。申し上げることがあります」
曹操
「いいわ。何かしら?」
桂枝
「はい。では・・・
醜態を晒すことをお許し下さい。」
曹操
「え?」
なんっっって最高な王なんだこの御方は!
桂枝
「アーッハッハッハッハッハッハッハッハ!!!
すげぇ!!!すげぇよ姉貴!!!こんな人、生まれて初めてみた!!!うれしさの余り笑いが止まらねぇ!なんだこの人!?最っ高すぎるだろう!!」
私・・・いや、俺はうれしさの余り大笑いし続けている。
この人は俺が「大切な一人」を助けるであろうことを見ぬいた。そして俺が常にその覚悟をしていることを理解してくれた。
そしてその上でたとえどんな状況であろうと自分がその一人を助けに行くことを許してくれたのだ。自分が他を救おう。だからお前はそいつを助けてやれと。そう言ってくれたのだ。
コレ以上俺にとってふさわしい主がどこにいる!!
桂花
「当然よ。私が人生をかけて支えると決めた御方なのよ?あなたが気に入らないわけがないでしょう」
姉は落ち着いた様子でそう答えた。長い付き合いだ。おそらくこうなるのが目に見えていたのだろう。口には誇らしそうな笑を浮かべている。
桂枝
「全く・・・全くだよ!姉貴の慧眼には心底恐れ入るよ本当に!!!・・・主人!」
曹操
「なにかしら?」
俺の狂態にすこし驚いていたがすぐに持ち直した。
桂枝
「性は「荀」!名は「攸」!字は公達!真名「桂枝」!ただいまこの時をもってあなた様を主人とし、我が全てを御身に捧げる所存なり!」
華琳
「そう・・・。ならば私を「華琳」と真名で呼ぶことを許しましょう。姉の桂花共々期待しているわよ?桂枝。 」
桂花
「はい!」
桂枝
「必ずやご期待以上の働きをお約束しましょう!」
使えるべき主も姉もいる。そう、私の「荀攸」としての人生はここからが始まりなのだ。
あとがき
ここでとりあえず徐栄編?は終了です。次回より荀攸として改めて頑張っていきます。
以下、適当な予告
予告
ついに使えるべき主と姉とともにお仕えすることになった私。そんな私を待っていたのは・・・
「え〜・・・なにこの書簡の山。」
「仕方ないでしょ。まともな軍師が私だけなんだから。」
大量の書簡の山だった。
<つかの間の日常>
「ええ、彼女達がラーメンが食べたいと言いますのでね。」
「そう、もちろん、私の分はあるのよね?」
「・・・塩ですかね?」
「当然」
「同じだ・・・あの時大将のラーメンの品定めをする時と全く同じだ・・・大丈夫なのか荀攸」
<ついにベールを脱ぐ桂枝の本気モード>
「ぐ・・・貴様!己の武器に誇りはないのか!?」
「え?ないですよ。なんで戦術を一つに絞らなくちゃいけないんですか?」
「あの人、なんという無茶な氣の使い方を・・・!
<そして到来する群雄割拠と覇権をかける戦い>
「おーっほっほっほっほ! おーっほっほっほ!」
「・・・何?あのへんなの?」
「・・・信じられないかもしれないけどアレが敵の大将よ。」
乱世を歩む武人〜官渡の戦い編〜 ゆっくりと執筆中
「一応光栄に思ってくれ。この理由で真名を預けたやつはお前が初めてだよ、○○。」
おおよそこんなかんじです。あまり期待しないでゆっくりとお待ちください。
ご意見・ご感想お待ちしております。
以下に桂枝のキャラ設定を載せました。ネタバレが若干入っていますが見たい方だけどうぞ。
桂枝キャラ設定(第一部終了時点)
性(偽名時): 荀(徐)
名(偽名時):攸(栄)
字(偽名時):公達(無し)
真名:桂枝
性別:男
外見:身長170くらい。瞳は緑色をしており髪は茶色。細身ながらも鍛えてあるため体つきはしっかりしている。
服へのこだわりはないので大抵通常では文官服を、戦時には一般兵の鎧を着ている。
<概要>
曹操軍軍師、荀ケの弟。諸事情により姉の元を離れて一人旅をしていた。
色々あったが第一部最終部分で鉄球制裁を受けた後再び姉の元に帰還し、ともに曹操軍に仕えることとなった。
幼少時から姉について回っていたため「姉には逆らってはいけない」というのが魂レベルで刻み込まれている。
そのため「姉属性」を持つものすべてに対して弱い。また、姉と同様人に仕えることで能力を発揮するタイプ。
なので「自由気ままに動く者」や王とよばれる「人を使う才能を持つ人」に振り回される傾向がある。
逆にその手のタイプの存在には「相性のいい相手」と見られてしまうため結構苦労している。
<性格>
基本は常識人の部類だが真名を預けたものとそうでないものに対する考え方がかなり違う。
真名を預けたものに対しては自分のすべてを掛けて全力で守ろうとするし、常にその人のために動こうとする。
逆に預けていないものに対してはかなりドライ。仮に強盗で襲われたと聞いた場合。手近に入れば助けるが現場の到着にも救助にも手間がかかると判断したら平気で見捨てる。(苦手属性持ちには例外)
そのため人の指揮は苦手。どうしても「どうせ他人だし・・・」となり雑な指揮をしてしまう。
特に敵にいたっては敵を人ではなく「動く危険物」程度に思っているため、草を刈り取るように人を淡々と殺す。
<内政能力>
計算能力が高い。その速度と正確さはおそらく大陸一と言っても過言ではなく、数字関係の仕事をさせれば無類の力を発揮する。逆に戦時中の策や政治的な案をだすのは苦手。
政務中は軍師が内政案、策を打ち出し彼がその案や策にかかる費用を計算するという形をとると非常に捗る。
詳細部分を煮詰める必要がなくなるため、軍師の補佐としては便利な人材。
<戦闘能力>
その高い計算能力を駆使し、相手の行動を読みながら戦う。
名家の生まれだったため教師に事欠かなかったこと、一人旅の間に習得したことを合わせ剣や槍、弓などのあらゆる武器から素手までこなす。
しかしすべて「器用貧乏」どまりなため、実は董卓軍にいる間は霞はおろか華雄にも一度も勝ったことがなかった。(余談だが、本編中彼は一度も戦いと呼べるものに勝ったことがない。)
だがこれはあくまで「徐栄」としての彼の話。「荀攸」であり「桂枝」である彼は彼女たちとの戦闘中一度も本気で勝ちを取りに行ったことがない。
董卓軍では張遼隊の副将をしており、調練が終わったあと食事を作ったり武器や鎧などの消耗品の管理、部隊や馬の補充などを行なっている。
戦時中は基本霞の援護をしており、霞が敵将と戦っている間は「味方兵士をなるべく減らさない」ことを念頭に置きつつ指揮をしながら、自身も淡々と一般兵士を狩り続けている。
本編ではそういう場面があまりなかったが敵に回すと非常に厄介。
前述のとおり殺気が殆ど無いことに加え、勝っていないとはいえ武将クラスと打ち合える力は持っているためそのへんの兵士はほぼ確実に瞬殺可能。
相手の武将は目の前にいる霞の対応に追われることになるため気がつくと味方の被害が甚大な数になっている状況に陥ることになる。
更に一般兵の格好をしているため戦いがはじめるまでどれが彼なのかというのを判別するのが難しい。
逆に霞から見れば戦時中周りを気にせず相手の強者と心置きなく戦うことができるようになる。
更に戦時中じゃなくとも面倒な仕事の大半を丸投げ可能。
ついでに戦っても楽しい振り回して面白いという非常においしい存在。
現時点ではここまで。第二部終了後にまたまとめることになるかなぁと思います。
説明 | ||
第一部?最終回。 | ||
総閲覧数 | 閲覧ユーザー | 支援 |
8362 | 7320 | 19 |
コメント | ||
女を孕ませある以外脳のない⇒孕ませる以外 姉と同様人に使えることで⇒仕える(黄金拍車) >>陸奥守 さん。 ご意見ありがとうございます。このあたりについての回答を含めて後の話に加筆・修正を加えたいと思います。(RIN) にじふぁんの時も感じましたが、この話の華琳の答えって表現が変わるだけで後々の桃香の答えと同じじゃないでしょうか。華琳のやり方も犠牲云々といったことはちゃんと説明されてないし。(陸奥守) siasiaさん 応援ありがとうございます!。 これからもこんな物書きである私をよろしくお願いいたします!(RIN) >>shirouさん 芸人ェ・・・全く発想になかった私はきっと根っこからの関東人だということでしょう、(RIN) >>アルヤさん いい主人を見つけて最高にハイになってしまったんですよw(RIN) 面白いです! これからも頑張ってください(siasia) 護りたい人がいて逆らいたくない人がいて自分の考えを理解してくれている主人・・・・・・確かに最高の陣営ですねぇ。余談ですが桂枝って真名見ると真ん中に三や文をいれてみたくなるのは関西人の性かなw(shirou) 桂枝のテンションがwwwwww(アルヤ) |
||
タグ | ||
反董卓連合 恋姫†無双 恋姫 桂花 桂枝 | ||
RINさんの作品一覧 |
MY メニュー |
ログイン
ログインするとコレクションと支援ができます。 |
(c)2018 - tinamini.com |