外史を行く喧嘩師 二幕 |
<???サイド>
???:「どう、月は見つかった!」
兵A:「いえ、城内隈隅々まで探しましたが、董卓様を見つける事は出来ませんでした!」
(月〜、本当にどこに行っちゃったのよ〜。)
「城外に探しに行ったのは、帰ってきてる?」
「いえ、まだ。」
そう言った兵の横に新たな兵が。
兵B:「報告!董卓様、発見しました!」
「本当!月は今どこに?」
(よかった、無事みたいね。)
けど、次の言葉を聞いた瞬間心臓が止まるかと思った。
「は!今は城内に居られますが、先程まで城の外に居たらしく、そこで賊に襲われたとの事。」
「なんですって!月は無事なの!」
「はい、服が所々破れているだけで、目立った外傷はありません。
それと、董卓様を助けたという男も一緒です。」
(月を助けてくれた男?本当なら感謝しないとだけど・・・注意だけはしておいたほうがいいわね。)
「取り敢えず月の所に行くわよ。案内して。」
<狼鬼サイド>
狼鬼:「なぁ月。俺はさっきまで月がそんな凄い人じゃないって心のどこかで思ってたんだ。
けど、やっぱり凄いな月は。帰ってきただけでこんなに多くの兵隊が迎えにあがるなんて。」
月:「あはは・・・」
ちなみに月ってのは董卓ちゃんの真名だ。あの後俺に預けてくれた。
「御使い様は命の恩人ですから。」だそうだ
んで、俺も御使い様っつうのが嫌だったから。狼鬼って呼んでもらってる。
そんなことをしていると。
???:「月!」
月:「詠ちゃん!」
そう言って抱き合う二人。
(う〜ん。この時期で董卓と仲良かった奴誰かいるか?
呼び捨てって事はかなり偉いだろうし。)
「本当に大丈夫月?変なことされなかった?」
「大丈夫だよ。狼鬼さんが助けてくれたから。」
「月、そちらさんは?」
と、何気なく言うと。
「ちょっとあんた!どこの誰だか知らないけど、何勝手に月の真名を呼んでるのよ!」
「勝手にって。本人に呼んでくださいって言われてるのに呼ばないのも失礼だと思うぜ。」
「・・・そうなの、月?」
そう言った眼鏡っ娘はかなり不安そうな顔で月を見る。
「そうだよ詠ちゃん。だってこの人賊に襲われた所を助けてもらったし、天の御使い様だから。」
「「は?」」
眼鏡っ娘とハモったな。
「月どういう事?」
かくかくしかじか
「成程。その流星が落ちたところに行ったらこいつが居た、っていう事ね。
状況的にはこいつは天の御使いね。」
「まぁ俺が言うのもなんだけど、俺はその御使いとやらじゃ無いぜ。
俺はどっちかつーと、乱の中に平和を求め、平和の中で乱を求めるような人間だからな。」
「そうなんですか・・・」
そんなショボーンとした顔しないでくれ。
「まぁいいわ。まずは月を助けてくれてありがとう。それとさっきはごめん。」
「気にすんな。それだけ月のこと大切に思ってんだろ。」
「月が預けたなら僕も預けなくちゃね。僕の名前は賈駆。字は文和。真名は詠よ。
本当にありがとう。」
そう言って頭を下げる賈駆。
俺はしゃがんで顔をのぞく様にして頭を上げさせる。
「だから気にすんなって。俺の名前は性が神崎、名は狼鬼。字と真名はもってないから、
狼鬼とでも呼んでくれ。」
そう言って笑ってみせる。
「///分かったから、近いわよ!まぁよろしく!」
そう言ってそっぽ向く詠。
・・・俺なんかしたか?顔も赤いし。
「取り敢えず今夜はもう遅いです。今日はここに泊まっていってください。」
「そうね、詳しい事は明日聞くわ。ゆっくり休んで。」
「そうさせてもらうよ。なんかいつも以上に疲れたしな。」
そして兵に案内された部屋でその日の夜を過ごした。
次の日
「・きてく・・・ろう・・ま。」
ん、ああもう朝か。お袋がこんなに優しく起こすなんて珍しいな。
いつもならエルボー一発かまして終わりなのに。
「起きてください狼鬼様。」
「おう、起きるよ今。」
そう言って起き上がりながら欠伸をしていると起に来た侍女らしき娘が。
「・・・///あの、賈駆様がお呼びです。至急玉座の間に来るようにとのことです。
私が案内しますので着替え終わったらお呼びください。」
なぜか赤面した女の子が部屋から出ていってやっと思い出した。
「ああ、ここ俺ん家じゃないんだっけ。夢落ちって線がなくなったな。
・・・さて着替えるか。」
そんな事を言いながら、貸してもらっていた寝巻きから昨日の服に着替える。
手ぐしで髪を整え後ろを縛る。前はそんなでもないんだが、後ろ髪は肩より
少し下ぐらいまで伸ばしている。なんかカッケーじゃん。
「うしっ、準備完了!」
扉を開けて。
「案内よろしくっ」
そして侍女に連れられ玉座の間へ。
「来たわね。遅いわよ、全くいつまで待たせるつもり。」
「詠ちゃん。一応お客様なんだし、その言い方は・・・」
「まぁ月の言うことも最もだが、俺は泊まれせてもらっている立場だからな。
家主の言うことはきくよ。遅れてすまねぇ。」
「まぁいいわ。さてまずはあんたの事を聞かせてもらうわよ。」
「いいぜ。まずは何からだ?」
よっぽど不味い事じゃない限り答えるか。
「まずはあんたの出身は?」
「日本の福島って言っても分かんないよな。地理的に言えばここから東に行って海を渡ったとこに
ある、蓬莱ってとこかな。」
「地理的っていうことは違うの?」
「いや、場所は合ってんだけど。時代と世界が違うな。」
「時代、ですか?」
まぁ董卓と賈クが女の子ってところでもう俺のいたとこの過去ってことは無いしな。
「ああ、俺は多分1800年程後の別な世界から来たらしい。」
「どういう事よ?」
「俺の居た世界に三国志っつう史実を元にした物語があったんだよ。
そこには董卓、賈ク、華雄、呂布などの智将猛将が大陸統一を目指して戦う、みたいな話が
あるんだ。けれどもそいつらは殆ど男なんだ。」
「え、私が男の方ですか?」
「いや、月は違うだろ。けど月と詠は女の子。だから俺は1800年程後の別な世界っていったんだ。」
間違ってないよね。
「成程ね。という事はあんたはこれから起きる事を知っているって言うことね。」
そう言うと、周りの人間が一部を除き驚く。
それもそうだろう。この目の前の男は未来を知っているというのだから。
「まぁこの世界の歴史とどれぐらい当てはまるかは分からないけどな。」
「ふむ、じゃあ次。あんた行く宛は?」
「着の身着のまま別な世界に放り出されたんだ。そんなものあるはずも無く。」
肩を竦める。マジでこれからどうしよ。
「なら、ここで働かない?」
「・・・なんで?俺は御使いなんて人間じゃなくてただの人だぜ。」
「見たところ腕も立ちそうだし、馬鹿でも無さそうだしね。うちは今人材不足なのよ。」
腕が立つか、けど、
「それだけじゃないだろ。有り体に言えば俺を利用しようとしてんだろ。」
そう言うと詠は驚いた顔をする。
「軍師がこの程度で顔に出すな。要は俺の武なんて二の次。本当は俺の知ってる知識が
欲しいんだろ。」
「・・・やっぱり、馬鹿じゃないようね。」
「え、詠ちゃん。どういう事?」
「こいつは自分が1800年後の世界から来たと言っているわ。ならそれだけ文明も進歩してるはず。
ならそれを取り入れれば、もっとこの天水を良く出来るわ。そして月の理想の
実現の力になる。だから。あんた、役に立つ自信はある?」
「知識の提供も出来るし、字さえ覚えりゃ文官の手伝いも出来ると思うし、
そんじょそこらの奴に負けない程度の武も持っているつもりだぜ。」
「なら月。最後は月が決めて。こいつを迎え入れるか、追い出すか。」
「・・狼鬼さん。今この大陸は力の無い人たちが、賊や暴政に、この時代に殺されています。
今この瞬間も・・・私はそんな人達を助けたいんです。こんな時代に生まれて苦しんでいる
人を助けたいんです。そのためなら力を奮います。話し合いが出来ないなら、
力でその人を説得します。
平和になっても戦いは無くならないかもしれません。けど、このまま黙っている
なんてできません。ですから、狼鬼さん、私に力を貸してくれませんか?」
「・・・良い目だ。それに覚悟も出来ているみたいだな。
いいぜ、俺に出来る事なんてそんなに多くはないが、支えてやるよ。
その理想、遮るものがいんなら俺の拳でぶっ飛ばしてやる!」
「有難うございます。これからもよろしく願いします。」
「こっちこそよろしくな。・・・んで、そこの晒し巻いてるねぇちゃん闘気ぶつける止めて
くれないか?」
自分の武に自信があるって言った辺からずっと気になってたんだが、
「お、なんや。気づいとったんか。そんなら話が早い。ウチと勝負しいや!」
「詠この人は?」
「張遼よ。その横が華雄。んでそこで寝てるのが呂布よ。」
・・・・・・・もう驚かないぞ。関西弁話しても、ビキニみたいな鎧でも、
あの呂布が小動物みたいでも。
「ああ、もう。ウチの名前なんてどうでもいい!さっさとやろうで!」
そう言って俺の手を引っ張り走り出す張遼。
「ふむ、霞とあの男がやるのか。些か可哀相な気もするが。おい、恋。起きろ。
中庭に行くぞ。」
「・・・華雄。・・・ご飯?」
「違う!ほら行くぞ。」
所変わって中庭
「二人とも準備は良いか?」
審判役の華雄が聞く。
「「いや、まd「もちろんや!」」
ちょ、待った!
「なら、始め!」
その瞬間張遼が飛龍偃月刀で切りかかる。
「のわっ!あぶね!」
それをイナバウワーの要領でよけて両手を地面に付き、ブリッジの状態から顎をかかとで狙う。
張遼はバックステップで躱し、そのまま神速の突きの連撃。
(こいつは強ぇ。スピードが早すぎる。)
今まで数多の人間と喧嘩をしてきたが、こんなに速い攻撃をしてきた奴は居なかった。
「はは!いいね〜最近は骨のある奴が居なくて退屈してたんだ!」
「なんやあんたもかいな。ウチも華雄と恋っちとはもう何回やったかわからんから
飽きてきたとこやったんや。」
連撃を躱しきり、そこに一気に連打を打ち込む。
「おらおらおらおら!!」
ガンッガンッガンッガンッ
その連打全てを偃月刀で受ける張遼。
「つぅー。これ全部躱すか!なら。」
右でのストレート。
「甘いわ!」
上体を右に逸らし躱す。だが!
「貰った!!」
左手で張遼の右手を掴み、身体の向きを反転させ、張遼を背負うような状態に。
そして、左手一本で投げ飛ばす。
「おらあああぁぁ!!」
ドカッッーーン
「ぐっはっっ!」
背負投げ。張遼も体重を完全にこっちに向けてたからな。自分の勢いもあって受け身も取れなかったようだ。
「俺の勝ち、だな。」
「いっつー。なんやいきなり宙に浮いたかとおもたら、地面に叩き付けられるって。
あんた強いな〜」
いや、今回は完全に不意打ちの様なもんで、真っ向から戦ったら勝てないな。
「いや、勝てたのは張遼が手加減してくれてたからだよ。
実際はもっと早いんだろう?」
「なんやバレとったか。けど、ウチが抑えて戦こうてるって分かるなら、
あんた十分強いで。」
歴史上の猛将に言われると、自信が出てくるな。
そして、寝そべっている張遼に手を差しのべる。
その手を握る張遼の手は滅茶苦茶柔らかかった。
「張遼や。真名は霞。よろしゅうな。」
「神崎狼鬼だ。真名は無いから、それに当たる狼鬼で呼んでくれ。」
「ほう、霞に勝ったか。なかなかにやる男のようだな。
私は華雄。真名は優(ゆう)だ。あまり真名で呼ばれるのは好きでないのでな、
華雄と呼んでくれ。」
「恋は呂布、字は奉先。狼鬼、恋より弱いけど月助けてくれたから、恋でいい。」
「よろしく頼むぜ。華雄に恋。」
そう言って華雄と握手し恋としようと思うと。
「ちんきゅーーーーきーーーーっく!!!」
「おっと、あぶね。なんだこいつ?」
そう言って死角からキックをかましてきた奴の頭を鷲掴みにして詠に聞く
「その子は陳宮。ウチの一応軍師よ。」
「陳宮って事は恋のお付きのってとこか。」
「お前!勝手に恋殿の真名を呼ぶなです!」
そう言って暴れる陳宮。そこに。
「ねね。恋がいいって言った。・・・ねねも。」
「う〜恋殿〜。仕方ないですねねは陳宮・・・真名は音々音です。恋殿に免じてよろしくしてやるか ら感謝しやがれなのです!」
態度デケェなおい。
「よろしく、ねねね。」
「・・・ねねでいいのです。」
「さてこれで大体自己紹介は終わったわね。じゃあ後は自由にしてて。仕事は明日から
やってもらうから。」
「りょ〜かい。」
「よしならば、私と仕合しろ。さっきの戦いをみてたらやりたくなった。」
「次、恋も。」
「恋殿。こんな奴ぶっ飛ばしてやるです。」
おいおい、素手の俺にそんな危ない物を向けないでくれよ。
「狼鬼さん。」
月!君だけが俺の見方だ!
「あの、頑張ってください!」
おう、ジーザス。お前もか。
あとがき
こんにちは荒紅です。
今回は自己紹介と霞さんとも仕合を書きました。
次はちょっと武器作ります。さすがに無手は無理なんで。
それではご感想などコメしてもらえるとありがたいです。
んじゃ
説明 | ||
二回目の投稿です 董卓陣営と出会います |
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コメント | ||
アルヤ様:まぁ、分かりやすいですもんね。それともう一つ作ります。(荒紅) 武器・・・・・・戦闘スタイル的に手甲かな?(アルヤ) |
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