バカとテストと召喚獣〜バカと天才と復讐者〜第2話
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「ここが文月学園か・・・」

 

俺、西村梓(にしむら しん)は学園の校門に立っていた。

 

「そうだ。梓、お前がこれからここに通うんだからな」

 

俺の隣に立っている肌黒で髪を短く切った男は西村宗一。この学園の補習担当であり、 俺の義理の兄である。

 

「ああ、分かってるよ、兄さん」

 

「お前はもう学園の生徒だ。西村先生と呼べ!」

 

ドグッ!

 

頭に岩石が落ちたかのような衝撃が走る。

 

「イッタァァァァ!いきなり殴るなよ、鉄人!」

 

「誰が鉄人だ!」

 

ドグッ!

 

「グアァァァ!」

 

2発目を食らってしまった。

 

「ほら、さっさと自分のクラスに行け!」

 

「クッソ、頭が割れる」

 

痛みが走り続ける頭を抑えながら俺は学園へと入った。

 

『遅いぞ、吉井!』

 

後ろから微かに兄さんの声が聞こえたが気にしない。とゆうか頭が痛すぎて気にしよう とも思わない。

 

「痛っ!くうぅぅ、転校初日から兄に殴られるってどうゆうことだよ、ったく」

 

痛みに堪えながら職員室を探す。

 

「あれ、何処だっけ?」

 

周りを見ると空き教室しかなかった。

 

(さっきまで覚えていたはずなのに・・・。おのれ鉄人、忘れちまったじゃねえか!)

 

今頃遅刻した生徒にクラス分けの封筒を渡しているであろう義兄に怨念を向けながら職 員室の場所を聞くための適当な生徒を探す。

 

「あっ」

 

空き教室から1人の女子生徒が出て来たのでその人に聞くことにした。

 

「あの、すいません」

 

「はい、何ですか?」

 

その生徒は前髪を2つのピンで留めている可愛い人だった。両手には2つのダンボール が積んであり、前が見づらそうにしている。

 

「重そうですね。手伝いますよ」

 

「え?良いわよ、これぐらい1人で運べますから」

 

「駄目ですよ。階段などで転倒したら顔に傷が付いてしまいます。せっかく綺麗な顔な んですから」

 

上に積んであるダンボールを取りながら言う。鞄はダンボールの上に置く。

 

「あ、ありがとう」

 

何故かその人は顔を赤くしていた。俺変な事言ったっけ?

 

(まぁ、良いか)

 

「これ、何処に運ぶんですか?」

 

「え、えと、2年Aクラス」

 

まだ顔が赤いその人は少したどたどしく答えた。

 

「2年って事はタメですね。・・・・・えっと名前は」

 

「き、木下優子よ。」

 

「俺は西村梓です。今日からこの学園に転入しました。これから宜しくお願いします、 木下さん」

 

「よ、よろしく」

 

少し頭を下げる礼をして、微笑むと木下さんはまた1段顔を赤くした。

 

「顔、真っ赤ですけど。大丈夫ですか?」

 

「だ、大丈夫よ。急ぎましょう、HRが始まるわ」

 

「あ、そんなに急いじゃ危ないですよ」

 

俺は足早に行く木下さんを追いかける。木下さんに追いついたのは階段の2段目。

 

ガッ!

 

「あっ」

 

案の定、急いで上がっていた木下さんは足を踏み外した。

 

「だから言ったのに」

 

俺は落ちそうになった木下さんを片手で抱き寄せるようにして助ける。

 

「・・・・・・っ!」

 

ボボン!という音が聞こえそうなほど俺を見ながら真っ赤になる木下さん。足を挫いた 分けではなさそうだ。

 

「・・・・・ありがとう」

 

木下さんは俯きながら静かにそう言った。

 

「どういたしまして。それでは行きましょうか」

 

コクッ

 

と頷いたので少し背中を押して立たせたら、並んで歩く。渡り廊下を歩きながら会話を する事にした。

 

「木下さんはAクラスなんですか?」

 

「え、ええ、そうよ。あなたは?」

 

「俺はFクラスですよ。あなたとは頭の出来が違うみたいで」

 

苦笑しながら答える。

 

「そう・・・」

 

木下さんの目に軽蔑の色が混じり始めた。

 

(仕方ないな。Aは学年の代表、Fは学年のクズだからな。差別の意識が入り込むのは 、そうゆう風になるようにされてんだから)

 

「あの馬鹿と一緒なのね・・・」

 

「あの馬鹿?」

 

Fクラスに知り合いがいるのか?

 

「私の弟の事よ。演劇ばっかやってて、勉強は空っきし」

 

「でもそれは、演劇をそれほど好きって事でしょう?」

 

「それはそうだけど、私までそうゆう目で見られるかもしれないのよ」

 

溜め息混じりに言う木下さん。

 

「それは、大変ですね。あれ?とゆうことは、双子って事ですか?」

 

「ええ、そうよ。そして何故か、2卵生なのにそっくりなのよね。だから目を引いてし まって」

 

「とゆうことは、その弟さん、可愛い顔してるでしょうね。木下さんにそっくりなんで すから」

 

そっくりと言うのだから、きっとそうなのだろうと思って言った。

 

「・・・・・・・・・」

 

すると木下さんは、また顔を赤くして黙ってしまった。

 

(何か、話しかけづらい)

 

そのままAクラスまで沈黙が続いた。木下さんが口を開いたのは、Aクラスに着いた時 だった。

 

「ありがとう、西村君。手伝ってくれて」

 

「いえ。それにしても、広いですね。義兄さんに聞いてたけど、これほどとは」

 

「お兄さんもここに通ってるの?3年生?」

 

「いえ、教師ですよ。木下さんも知ってるはずです」

 

「も、もしかして、補習担当の西村先生!」

 

木下さんは信じられないと言った驚き方をする。

 

(何故か俺と義兄さんが並んでたら皆こうゆう反応するんだよなぁ)

 

「そうですよ。兄と言っても、義理ですけどね」

 

「そ、そうなんだ。そうだよね」

 

『あなた達、そろそろHRが始まりますよ』

 

振り向くと、知的な眼鏡を掛けた女性がいた。多分、教師。

 

「あ、高橋先生。お願いされていた荷物を運ぶのを手伝って貰っていたんです」

 

どうやら高橋先生と言う教師みたいで、Aクラスの担任らしい。

 

「そうですか。それはご苦労様でした。あなたは、西村先生の義弟さんですね。あなた は職員室に来る様言われている筈ですが」

 

「実は場所を忘れてしまって。それで近くにいた木下さんに聞こうとしたんです」

 

義兄さんに殴られて忘れたとは言えない。

 

「そうでしたか。職員室は1階にあります。そこで担任の先生が待ってますので。木下 さんは重いでしょうが、それを持って教室に入って下さい。HRを始めます」

 

「ありがとうございます。それでは、木下さん」

 

「う、うん、じゃあね、西村君」

 

その場を離れて、階段を降りる。途中、1人の男子生徒とすれ違った。

 

(なんだろ。何と言うか、バカっぽい感じがしたな。まぁ、良いか)

 

気にせず階段を降りて、職員室へと向かった。

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バカとテストと召喚獣 ヒロイン 木下優子 闇の男 

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