とある異能力違い 0−4 |
《銀行よりコンビニATMのほうがらくだよね》
「暑い」
ベットにうつ伏せになりながら元はうなっていた。
今は夏休み、そう夏なのである。
夏といえば暑いこれにつきる、しかし元の部屋は扇風機どころかクーラーもついていない、
これは元が扇風機やクーラーが嫌いな訳ではない。
昨日夜に落ちた、原因不明の落雷により家電製品が全滅したのだった。
よって、クーラーが使えないのである。
「暑すぎる、無理だ、どっかで涼もう」
そう言って出かける支度をしてから、金がないときずいたので、銀行によっていこうと考えていた。
この時、元はコンビニのATM行った方がよかったと後悔するのは先の話である。
〜銀行〜
「よしと、こんぐらいでいいか」
約5万円をおろして財布に入れた元は銀行を出ようとした、そのとき。
「オラァ金を出せ!」
「怪我をしたくなかったらさっさとしろ!」
「ここにいる全員の財布もだせや!」
銀行強盗の登場である。
しかし銀行側も対処がはやく、防犯シャッターを閉め犯人を逃がさないようにして、アンチスキルに通報しようとした。
が、
強盗の1人が通報するのに気付き、近場にいた元を人質として下手に動けないようにしたのである。
元は特に怖がったり、驚いた様子もなく、
ただただ早く終わって欲しいと考えていた。
ハンター試験や修行中、グリードアンランドを手に入れるために、幾度となく修羅場を経験した元は、これぐらいどうということはないのである。
一方、銀行内は緊張感が漂っていた。
「昼なのに閉まっている銀行を見れば、異変に気付き誰か通報してくれる」「時間さえ稼げばいい」そう思っている人が銀行内の大半であった。
しかし、一つ誤算があった。
強盗の1人は発火能力〔パイロキネシス〕であったのだ。
シャッターを能力で破壊し、逃げるさいに元を突飛ばしていった太った強盗は、元のポケットから財布を盗っていった。
「あれ?財布?どこだ?」
財布が無いことに気づき、辺りを見回したとき、強盗が自分の財布を持っているのが見えた。
「返せやコノヤロー」
一応持っている全財産を盗られたのでキレた元。
逃げる強盗の前に1人の少女が立ちふさがった。
「ちょっとお待ちなさいジャッチメントですの。強盗の罪で少しおとなしくしてくださいな」
「アア!?お前がジャッチメント!?馬鹿にすんなよお嬢ちゃん」
「怪我をしたくなかったらそこを「シネやゴラー」うぎぇ!」バタンッ
太った強盗が言い切る前に、元が後ろから飛び蹴りをしたのである。
「ちょっとなんなんですn「ガキがなにすんだよ」
強盗の1人が元に殴りかかる。
しかし、元に念能力でもなければ、ボクサーでもない一般人のパンチなど当たるはずがなく最小限の動きでかわす。
そして左のレバーブローで1人を沈めた。
「ちっ俺を怒らせんじゃねえよガキィ!」
先ほどシャッターを壊した発火能力者が、左手にハンドボール位の火玉をつくり、こちらに投げてきた。
「避けなさいっ!」
外野が何か言っているが元は気にしない。
右手を「硬」で固めて火玉を弾いた。
「ば、馬鹿な」
驚いている隙に元は、発火能力者の顎を蹴りあげり、また1人を沈めた。
「よいしょっと、1・2・345よしちゃんとある」
「ちょっとなんなんですのあなた!これはジャッチメントの仕事ですの!お姉様といいなんでこうも・・」
「お姉ちゃん!」
「佐天さん!」
花のカチューシャの少女が叫ぶ。
視線の先に佐天とよばれた少女が倒れ、先ほどレバーブローで沈めた強盗に蹴られ、子供が横で泣いている。
おそらく、子供を連れ去ろうとしたのを見つけ、抵抗したのだろう。
強盗は連れ去るのを諦め、車に乗ってこちらに突っ込んできた。
「避けなさいここは私がやるわ」
怒りの表情の少女がコインをとりだし、身体中から電気を発しながら隣まできた。
元は少女の言葉を無視して、懐から筆をとりだし、ポケットから小さなナイフを出して左手の親指をかるく切った。
そして、血の出ている親指に筆をつけて静かに呟やく。
「弘法筆の誤り〔ファローグラフティ〕」
美琴said
美琴はこの男が何をしているのかわからなかったけど、一瞬にしてこの男の空気が変わったのがわかった、しかし車を止められるとはおもわなかった。
美琴out
車が向かってくるので、元はそのまま車の方に走って行き地面に「粘」と書いた。
車はそのまま突っ込み、元をはねると全員が思ったとき車がいきなり止まったのである。
「粘」と書いた地面は粘着力をもち、車を止めた。
強盗はいきなり車が止まったことに驚き、アクセルを踏むが車はびくともしない。
強盗は車を捨てて逃げようとしたが、ドアを開けた目の前に元の姿があった。
「人前で面倒事を起こすんじゃねぇーー!」
強盗が動く前に顔面ストレート。
こうして、銀行強盗はジャッチメントでもアンチスキルでもない一般人、元によって片付けられたのであった。
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