魔法少女リリカルなのはmemories 第一章 消された記憶(メモリー) 第七話 |
「まずはなのはが知っているフィルノ・オルデルタの事を教えてくれるかな?」
「分かった。って言っても幼い事ぐらいしかないからそれほど良い情報でもないけど」
「それでもかまわないよ。唯少しでも情報が欲しいだけだから」
ユーノにそう言われたので、なのははフィルノの事について知っていることを話すことにした。といっても、先ほどなのはが言った通り知っているのはなのはの小さい頃の時だけなので、それほど参考にはならないのだが少しでもフィルノの事を知りたかったのである。
オルデルタ一族はスクライア一族と同じで遺跡探索を生業にしているのだが、スクライア一族と違う所は基本的目立つような行動はせず隠密な行動をする一族であるので、オルデルタ一族の情報がほとんど手に入らずに入ったとしてもデマと言う可能性のが高いのだ。
だからまずは当時は幼くてもフィルノの性格などを聞いておきたかったのだ。それはとてもユーノにとっては貴重な情報になり、後に必要になる可能性があるからだ。
それからなのははフィルノについて知っていることをユーノに話すことにした。それはフェイトも聞きたかった事で、なのはとフィルノの関係がどんな感じだったのか気になっていた。なのははその事に気づいたが、あまり気にせずに話すことにする。
「フィルノ君は私が生まれるときからずっと近くにいて知り合いだった。幼馴染と言ってもおかしくないほどに、物心ついた時は当たり前のようになっていてそれが普通だと思ってたぐらい」
「っていう事は、生まれたときにはオルデルタ家とは知り合いだったという事?」
「そういう事になると思う。それで六歳の事にフィルノ君とある約束をしたの。これは私の記憶が戻った中で一番覚えていて、さっきユーノ君にも伝えた夢でもあって、ここ毎日見ていたものだから。記憶を思い出すまではあの悪夢みたいで悲しい夢をね。記憶が無い時は何度も同じ夢を見て嫌になっていたけど、今はその夢を見ても悲しくも思わないし逆に嬉しいくらい」
「そのなのはが見ていた夢ってなんなの? 詳しく聞いていないから聞きたいのだけど」
フェイトはその夢がどんなのか詳しく聞きたいと思っていた。フェイトが言った通り昨日なのはが打ち明けてくれていたのだが、詳しい内容は聞いていなかったので気になっていたのだ。あの時はなのはも記憶がなかったので、それほど詳しく話すことすらできなかったのである。だからフィルノの記憶を取り戻したなのはならばその内容も細かく話せるだろうとフェイトは思っていた。
それはフェイトだけではなくユーノも気になっているような感じであった。なのでなのははフェイトとユーノの二人にその事を話すことにした。
「その日フィルノ君は私に聞いてきた。『大きくなったらどうするの?』ってね。あの時の私は小さいから純粋に答えて、『大きくなったらフィルノ君のお嫁さんになりたいなの』言った。あの時は幼かったと言うのもあるけど、それでもフィルノ君には好意を持っていたのは確かだった。まぁ、今はただの幼馴染としか思っていないけどね」
年齢が6歳だとしてもなのははフェイルのに好意を持っていたということに、ユーノ、フェイト、アルフの三人は驚いていた。それは幼馴染で友達としてという意味ではなく、『恋』という意味でだろうと三人はすぐにわかる。そしてなのははその記憶を思い出したときに何も思わなかったのかと三人は思った。
なのでフェイトはなのはにその事を聞くことにするのだった。今まで忘れられていたことを思い出して、なのははフィルノの事をどう思っていたのかという事を聞くために。
「それで今はどうなの? フィルノ・オルデルタの事を思い出してどう思ったの?」
「う〜ん……確かに記憶を思い出したときはフィルノ君に会いたいと思ってたけど、それは一瞬だけで今も会いたいとは思っていただけで、今はそれほどでもなくなってるね。もうかなり昔の事だと思っているからフィルノ君の事はそれほど好意は持っていないし、さっき言った通り唯の幼馴染としか見ていないの」
なのはが言ったその言葉は事実だろう、とフェイトたち三人は思った。嘘をついているような感じではないように話せていたし、何か隠しているようにも思えなかったのだ。
しかし、実はこの時なのははある事については嘘を付いていた。その事には三人とも気づいていなかったようなので、なのはは内心その事で安心していたのだった。気づかれたら、この先なのはがやろうとしている事で、多分フェイト達に邪魔に事だったから。
「そっか。じゃあ最後に聞きたいけど、なのははフィルノ・オルデルタの魔法を見た事がある?」
「ううん、多分一度も無いと思うの。っていうより絶対にないかな。だって私達には魔法の事は隠していたとは思うからね」
ユーノの最後の質問になのはは否定した。魔法がない管理外世界に暮らしていたのならば、魔法の存在を教えるはずがなく、魔法を使いえない唯の一般人として暮らしていたはずであるから、見ていないというのは事実だろうとユーノは思った。魔法を見せるなんて言う事をするはずがないと。
「分かった。まだ聞きたいことはあるけどそれほど急いでいるわけではないから他の話はまた今度にするよ。なのはもここ最近は疲れていたようだから休んだ方が良いだろうから、少し家で休んだ方が良いかもしれないからね。こっちでも何か情報が入ったら一応なのはに教えるから」
「ありがとう。それじゃお言葉に甘えてもらうとして、フェイトちゃん行こう」
「なのはがそういうのならわかった。アルフもまた今度ね」
「フェイトも気をつけてよ」
ユーノはなのはからほかにもたくさん聞きたいことがあったが、先ほどまでなのはは夢の件で悩んでいたし、さっきだって記憶を思い出した時に脳にかなり負担を掛けたと思ったので、この辺りで切り上げて今度話を気負うと思っていた。
それはなのはも同じことを思っていたので、ユーノの言葉に甘えてフェイトと一緒に無限書庫から出て行くことにした。なのはも今日はいろいろと収穫できることがあったし、フィルノとの幼い記憶を取り戻すことも出来たのでこの辺りで切り上げてもよいと思っていたのだった。
そしてナノハとフェイトの二人が居なくなると、ユーノはなのはが来る前から調べていたロストロギアが載っている本を読み始める。
「一体フィルノ・オルデルタは何を考えているんだ? 親の代わりにロストロギア、ティディアの半分を回収しにいくとしても何故盗んだんだ? 盗まなくてもロストロギアは借りれた筈なのに、しかも今更になってだ。それになのはの夢のこともあるし何がしたいんだろう? 何かいろいろと胸騒ぎがするんだけどな……」
なのはとフェイトが居る前では言わなかったが、ユーノはフィルノの行動に意味が分からなかったのだる。何故今更になって盗み、テュディアを盗む必要があったのか? そしてなのはに何をしようとしているのか? 疑問はたくさんあったのだった。
そしてその疑問と胸騒ぎは、なのはがここから居なくなったことから動き出しており、管理局の歴史を変えるほどの最悪な展開になる予兆である事にユーノは知らなかった。
説明 | ||
J・S事件から八年後、高町なのははある青年に会った。 その青年はなのはに関わりがある人物だった。 だがなのはにはその記憶が消されていた。 消されていた記憶とは、なのはと青年の思い出であった。 二人が会ったことにより物語は始まり、そしてその二人によって管理局の歴史を大きく変える事件が起こる事になる。 それは、管理局の実態を知ったなのはと、親の復讐のために動いていた青年の二人が望んだことであった。 魔法戦記リリカルなのはmemories ?幼馴染と聖王の末裔?。始まります。 |
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