ONE PIECE ?黒髪少年の描く世界? 第二十二話 先回り
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ガチャリ…

 

「うっしゃー!出たー!!」

ルフィが檻から出て思いっきりのびをする。

 

「そ、それじゃ私は失礼するガネ…」

Mr.3がいそいそ立ち去ろうとする。

「あ、ありがとな。もう寝ていいぜ」

「え、私は帰りたいんだガぶっっ」

台詞を最後まで言う事も叶わず、地面に埋まるMr.3。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ピシッ

 

ピシピシッ

 

 

 

 

ドバァァァァァ

 

 

何か割れるような音がしたと思ったらそれは壁にヒビが入る音だった。

 

「なっ」

「ヤマトさんの攻撃の衝撃で壊れるようになっていた建物の崩壊が早まったんだわ!」

「ヤマトのバカ!もっと静かに埋めなさいよ!」

「無茶言うな、埋めるのもそんなに簡単って訳でもねーのに静かに埋めろって注文多すぎんだよ容量オーバーだ!!」

そんな事を言いつつ入り口の方を目指す。だが水の方が早かったようで水に飲み込まれてしまう。

 

 

 

「来てみたらいきなりこんな状況かよ!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あれ?サンジ?

 

 

 

 

っっ!ヤバ…息が…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ザバッ

 

「ゴホッ、ヘホッ、おえぇぇ!」

「…死ぬかと思った」

なんとか外に脱出した俺たち。

ルフィと俺は泳げないため、ルフィはいきなり現れたサンジに、俺はビビに助けてもらう形になった。

 

能力者で泳げないのは仕方ないと思っているが、女の子に助けられるというのは少し情けない気になる。

サンジはさっきまでこのレインディナーズの外にいたらしい。クロコダイルと少し子電伝虫で話して上手く二人をレインディナーズの外に連れだしてルフィ達を助けにきたらしい。そしたらいきなり濁流に巻き込まれ、とりあえずルフィを掴んで泳いだというわけだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ロロノア!!」

 

ガキィィン…

 

 

ん?

音がした方を見るとスモーカーがゾロに向かって十手を突き、それをゾロが刀で防いでいた。

 

 

「何故俺を助けた」

どうやら能力者で泳げないスモーカーをゾロが助けたらしい。不謹慎な気もするがスモーカーのような強面の者が泳げないのは少し可笑しく感じる。強面の者はなんか強そうで何でもできそうというのは誰でも感じるのもではないか。

 

ゾロによるとルフィの船長命令だそうだ。確かにルフィの言いそうな事だ。そして水でも飲み過ぎて思考が混乱しているのかこの場は捕まえずに見逃すと言う。多分混乱でもなんでもなく恩返しなのではないか。そんなこんなしているうちに海軍がやってきてとにかく逃げる事に専念しよう。俺たちにはどう行けばいいのかわからないのでビビについていく。

 

町の外れに着く。着いたはいいが…どうやってアルバーナまで行くつもりなのだろう。反乱軍はまさか徒歩で来ている訳じゃあるまいし。だがその心配はないらしい。チョッパーがドでかいカニを連れてきてくれたのだ。ビビによると“ヒッコシクラブ”というらしい。確かにこのくらいでかかったら大人数での移動も大変助かりそうだ。

 

 

 

 

目がいやらしくなかったらもっと助かる。

 

 

「なあ、俺また先にアルバーナの方に先回りしてもいいか?」

ヒッコシクラブに乗っかりながら聞く。とにかく時間が惜しいため話も移動しながらだ。

「なんで先回りする必要があるんだ?」

サンジが新しいタバコに火をつける。タバコから独特の香りが漂う。サンジに会ってからはこの匂いもあまり不快に思わなくなっていた。

「ああ、一応俺は向こうの幹部ってことになってるから向こうにも顔出しする必要があると思うんだ。疑われたら何より面倒だからな」

「そうね」

ナミが納得してくれる。

「それで何か連絡手段になるものとかないか?」

まわりを見渡す。さすがに誰も持ってないか…。

 

 

「ああ、子電伝虫ならあるわよ」

ナミが取り出して言う。

「やっぱり“子”だから使える範囲は限られるけど改良してあるから結構使えるわよ。これから同じとこに向かうんだし不自由はないわ」

「おー!助かった!でもよくこんなもん持ってるな?」

「ええ、さっき道で見つけたのよ。ほら、多分あのクロコダイルのパートナーの女が持ってたやつ!そんでもう片方はサンジ君が持ってるじゃない?だからそれをもらったのよ」

「さすが元泥棒だなー」

「まあね、調達、情報収集、演技は私の得意分野だからね」

親指、人差し指、中指を順に立てながら言う。

 

「それってぶっちゃけ盗み、盗み聞き、嘘ってことじゃ…」

「ん?」

「なんでもありません。独り言っす」

「ん」

 

 

やっぱりナミは怖いと思った瞬間だった。

なんでも筒抜けそうだ、とも。

 

 

 

 

 

 

ということで俺はみんなとまた別行動をとることになった。ウソップにお願いを一つしておいた。俺の子電伝虫の念波を受信できるもの、つまりナミの子電伝虫のコピーを作ってほしいと頼んだのだ。無理だ、と喚くウソップに一斉に話せるようにしてくれ!とゴリ押しする。そしてさっきの水でビビのケガの偽装がとれていたので、また塗り、チョッパーに適当に包帯を巻いてもらい、カニから離れる。いつか作った方位磁石を頼りにふわふわ浮きながらアルバーナを目指す。今度はいいにおいがしても釣られないように。それに今回は身体を上手く進行方向に飛ばす事に苦労した。風がめちゃくちゃだ。すんごいめちゃくちゃという訳ではないがやりにくい。近くで砂嵐でも起こっているのだろうか。

 

 

 

 

そんなことを考えながら野を越え谷越え川を越え。実際に越えたのは川だけだが。考えてみただけだ。俺も頭ん中でこんな事を考えるようになってるなんて暑さにやられてるのかもな。仰向けになり、真上に手を少し伸ばしてスプーンの方位磁石を眺める。相変わらず同じ方向を指している。でもやはりずっと静止しているわけじゃなく、ゆらゆらと揺れている。

 

 

そんなものをずっと眺めてたら眠くもなるさ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ゴン

 

「ちょっとアンタ、ジョーカーちゃんじゃなぁ?いのよぉーーぅ!!」

頭への鈍い痛みと一回聞いたら忘れられない口調に起こされる。

 

「…ん?」

「あんたいきなり流れてきたら驚くじゃないのよーう!あちしびっくらこいたわ!」

重いまぶたを開けるというまでもなくMr.2が立っていた。どうやら俺はとても運良く

アルバーナにしっかり着いたらしい。そしてMr.2にぶつかった次第だ。ぶつかる前に止めろよ。

 

周りを見渡すとMr.2の他にも1、4と(ミスターはめんどいから省略)ミス・ダブルフィンガーとミス・メリークリスマスがいるようだ。彼ら曰く、ボスから『ビビと麦わら達が止めにくる可能性が高いからここで食い止めろ』との事らしい。ということで俺もここに加わらせてもらう。

 

 

 

 

 

それからしばらく待っているがビビ達は一向に姿を見せない。あのカニの速さだ、そろそろ着いてもいい頃合いではないだろうか。まさか砂漠に住んでいるだけで水が苦手になる訳ではあるまいし。

 

まあ後で聞いた結果そのまさかだった訳だが。

そんな事今は知らない訳で。

 

事故でもあったのかとかを考えていた。するとMr.2は待ちきれなくなったのかバレエを始めている。ただ回っていてもうるさいというのに

「アン!ドゥ!クラァ!!アン!ドゥ!オラァ!!」

と叫びながらやる為うるさいこと極まりない。それに加えミス・メリークリスマスもMr.2に怒る声が加わり、最早うるさいを通り越してやかましい。

 

今バロックワークス達はビビ達が西から来る事を想定して西ゲートにいる。そしてMr.2によるとビビの父のコブラ王がそこに捕まえてあるのだという。

そしたらまずはその王様の救出か?でもその間にビビ達がくるかもしれない。だったらやっぱここで待つべきか。でもただ待っているだけというのもどうかと思う。

そこまで考えたところで俺の考えはまた振り出しに戻る。これが無限ループだと言う事に気づいた俺はやはりこう思うんだ。

 

 

 

 

 

 

後で考えればいっか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ん!?あのカルガモ達王女じゃない!?|南(こっち)から反乱軍が来てて西(こっち)からは王女達が来てるのねぃ!あの数の反乱軍を止めようとするなんてとんだイカレポンチねぃ!……そんでなんでそのイカレポンチが6人もいんのよーーう!」

 

説明
にじファンからの転載です。
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