化物になっちまったようです act9 |
〜side獅貴〜
旅館。
温泉旅行に誘われ、僕も参加する事となって、今ここにいる。
部屋に到着してから、僕は荷物を下ろした。
「うわー、ひろーい!」
なのは、アリサ、すずかこと、美少女3人組も到着。
……何で、僕は女の子3人と同じ部屋なんだ……!?
(『良かったじゃねぇか。両手に収まりきらねぇ花だぜ?』)
(ちょっとロキは黙ってようか。ていうか念話も遠慮しといてよ……なのはがいるじゃん)
(『大丈夫だって。奴さん、何だかんだで聞こえてねぇみたいじゃねぇか。別に気にするこたぁねぇだろ?』)
確かに、アニメでも念話は望んだ相手にしか聞こえてないみたいだったけど……。
僕みたいなイレギュラーも当てはまるかどうかは難しいとこだし。警戒位しとかないと。
(『んで?お前は誰が一番好みなんだ?うん?』)
(はいはいカットカット)
(『あ、ちょ、おま』)
ロキの人格を強制的にシャットアウト。
こうすれば、ロキに勝手に話しかけられることも身体を勝手に操られることもなくなるし、シャットアウト中はロキは何も認識出来なくなる。
つまりあれだ、ざまぁみろ、って訳。
まあ、長時間シャットアウトし続けるのは無理なんだよね……後、あんまり何度もシャットアウトしちゃうと、ロキもふてくされるし。
とりあえず、忍さんとかに話を聞きに行くかな。まあ、こんなとこまで来て、「魔」がらみの事なんてそうそうあるはずがないけど……。
「あれ?獅貴君、どこに行くの?」
「あ、ちょっと忍さんとこに」
「あー……今は止めといた方が良いかも」
「へ?」
なのはに呼び止められたので、自分の目的地を告げると、すずかが微妙な顔をした。何で?
「ほら、今、お姉ちゃん恭也さんと同じ部屋だし……」
…………。
あー。
納得。
月村忍さんと高町恭也さんは、ぶっちゃけバカップルだ。
それも、小学生が呆れてしまうぐらいに。
いやー、この場合、僕はともかく、なのはとかアリサとかすずかが大人び過ぎてるのかな?ま、それはともかく。
うん、そりゃ邪魔しちゃ悪いよね。
あのバカップルだ、キスとかしてるかも知れないし。
じゃ、この件は後回しだ。
「さて、時間は少し余ってるけど……どうしようか?」
「あ、大富豪とかやるかい?」
アリサの発言に、ポケットからトランプを取り出す。
「うん、やる!」
「賛成なの!」
と、いう訳で、大富豪スタート。
「あ、勝ったらラムネ一本、ってのはどうだい?」
「却下。小学生が賭けなんてするもんじゃ無いわ」
「ちぇっ。これだからツンデレ金髪はって、ごめん口が滑っただけだからその振り上げた手を下ろしてくれないかな?」
「……あ、革命!」
「残念、革命返し」
「えー、酷いよ獅貴君!」
「あはは、僕は悪くないよ、すずか。僕にこんな手札を持たせた神様が悪いんだ」
「はい、革命」
「……なん……だと……!?」
「あら、あたしは悪くないわよ?あたしにこんな手札を持たせた神様が悪い……のよね?」
「よし、ジョーカー!」
「ぐ、やるじゃない……!」
「これでさっきのお返しだよ、アリサ。さて、後は……!」
「あ、待って。スペードの3」
「……なのはさん……君って子は……」
「すごーい、なのはちゃん!」
……女子3人組がたまに結託してるとしか思えない……。
これが原作キャラクオリティか……。
と、そんなこんなで時間は経ち、夕飯を食べ終えて、温泉だ。
で、ここで問題が。
「一緒にお風呂入らない?」
主人公、なのはがこんな事を言い出した。
アリサは別に構わないって言っちゃうし、すずかもOKを出す始末。味方がいないっ。
いや、確かにそこの注意書によると僕もOKなんだろうけどさ!
……うん、前世で健全な男子高校生だった事もあるけど、やっぱ無理!どこぞのシスコン兄の事もあるし!
というわけで、フェレットこと、ユーノも引ったくって、男湯に逃走。
……服を着替える間、このユーノがやたらと頭を上下に動かしているのが気になった。
というか、フェレットなんて温泉に連れてきて良かったっけ?
「……ふう」
ユーノの身体も洗ってやり、湯船に入って息をつく。
「『……んで、女湯覗かねぇのか?』」
口が勝手に動き出したので、慌てて口を塞ぐ。
しまった!いつの間にかロキのシャットアウトきれてた!
(ちょ、いきなり口使って酷い事言わないでくれないかな!?)
(『あー?別に良いだろ。フェレット以外誰もいねぇじゃねぇか』)
いや、確かにそうだけど!
ユーノを見る。……うん、独り言を言ってるようにしか見られてない……よね?
(ともかくごめん!カット!)
(『はぁ!?おい待てやコラ!?』)
シャットアウト!
ユーノはこういうの結構鋭いからね……。念には念を入れる。
原作介入したくないのかって?
そりゃしたいさ。
だけどね。
僕は、化物なんだ。
これは、今までも、これからも、一生変わらない。
特異体質であったとしても、僕もまた「魔」との混血の末裔。いつ、何がきっかけで、ただのケモノじみた悪魔になるか解らない。
そんな僕が、なのは達の側で戦っていて。
ふとした拍子に、反転してしまえば、どうなるか。
なのは達を殺してしまったりしたら、間違いなく僕は僕達自身を許せない。
なのは達は、これから先、困難に見舞われながらもそれを乗り越え、成長していくはずなのだから。
そんな未来を、奪う訳にはいかない。
だから、このままで良い。
僕は久我峰家の一員としてこの地に生き、この地の「魔」を管轄する。
この生き方を、貫くんだ。
何、この生活だって十分非日常的で、退屈しないさ。
「あー……君達かね、ウチの子をアレしちゃってくれてる子は……。あんまり賢そうや強そうには見えないけど?」
風呂を出て、なのは達と合流。
部屋に戻ろうとすると、美少女さんに声をかけられた……というか絡まれた。
……うん。見たことあるなー、っていうか間違いなく、フェイトの親友、アルフさんじゃないですか。
っていうか、「君達」?……あ、なのはとユーノの事か。
いきなり話しかけられて困惑気味の女子3人。
奇妙な沈黙が、少しの間流れ……。
「……あっはっはっは!ごめんごめん。人違いだったかな?知ってる人によく似てたからさ」
再び相手の発言によって破られた。
ほっとする、なのは一行。
(今の所は挨拶だけ。でも忠告しておくよ。子供は良い子にして家に居ることだね。おいたが過ぎると……ガブッといくよ)
だが、その後の念話で、今度はなのはとユーノの顔が強張った。
……ってか、何で僕にまで聞かせたんだ……?いや、アルフの目がなのはしか見てない事を考えると、この念話は、多分才能ある人みんなに聞こえるんだろうけど。良いのかこれ。
「さーて、風呂でも行こうかねー」
そう言って、彼女は去っていった。
「何よあの人!酔っぱらってんじゃないの!?」
アリサは不機嫌そうに言うが、なのはは軽く緊張した表情のままだった。きっと、今ユーノと念話で話してるんだろう。
そういえば、今晩、なのはとフェイトがまた戦うんだっけ。
鑑賞程度なら、しても大丈夫かな。
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何だかんだで、この世界は面白いんだよby獅貴 | ||
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