真・恋姫†無双〜だけど涙が出ちゃう男の娘だもん〜[第4話] |
真・恋姫?無双〜だけど涙が出ちゃう男の((娘|こ))だもん〜
[第4話]
漢中郡を平定したボクは、まず益州の州都・成都から飼い猫のミーシャを連れて来て貰いました。
癒しが無いのには((堪|こた))えました。コリゴリです。
その後、有為の人材を招聘して政務をとらせる事にしました。
張任・ケ芝・李厳・李恢・黄権・費?・費詩・呂乂(義)・孟達・法正などを登用していきます。
軍の統括は、配下筆頭として厳顔を置きました。
黄忠は基本ボクの補佐をして貰い、政務の統括をお願いします。
魏延は、ボクの知らないうちに親衛隊の隊長に就任していました。
何で?
財政においては、反乱者や汚職官達から押収した財産で((殆|ほとん))ど問題ありませんでした。
役所を各県に設置して、人口と税の納入義務者を調べさせます。
これで、次年度の税収見込みが立てられるように成りました。
総税率の割合を下げて、納税者の総収入の4割を納めるように調整します。
商家は売上に応じて税を徴収する方式を採用し、出店も許可制にしました。
許可制にした為か、商家の数が増えて行くのは嬉しい事です。
これらの政策を朝廷から問題視されても、“知らぬ存ぜぬの一点張り”ですね。
税を下げた為か他の土地からの移民・流民が増えて来て、治安は少し不穏な雰囲気に成りました。
その為に急遽、軍の管轄ではあるが新規の警察隊を創設して町の安全を任せます。
県と県を繋ぐ主要な道を整備して、乗合馬車を走らせました。
乗合馬車の護衛には、訓練も兼ねて新兵を中心に派遣しています。
一定の区間を決めて駅を作り、伝令が馬で乗り継げるようにしました。
おかげで緊急連絡が可能になり、有事の際に((後|おく))れを取る事も無くなるでしょう。
「この後は、特産品の開発と学校の建設かなぁ」
ボクは手元の報告書に書いてある領地経営の進み具合を見ながら((呟|つぶや))きました。
(荊州の司馬徽に書簡を送ってはいるけど、なしの((礫|つぶて))なんだよなぁ)
領地経営に乗り出した時、ボクは真っ先に司馬徽に招聘の書簡と使者を使わしたのですが、仕官には色好い返事が貰えなかったのです。
疑問に思って“情報”を送受信したところ、“不信感・困惑”と感じられました。
「やっぱり、ボクが直接行くしかないかぁ……」
ボクが思案に暮れていると、「おとうさん!」とボクを呼ぶ幼いカン高い声が部屋に響きます。
声が響いたと思ったら、すぐさま声の主はボクに飛び乗って来ました。
「おっ?! こんにちは、璃々ちゃん」
「うん! こんにちは〜」
「璃々ちゃんは、今日も元気一杯だねぇ」
「うん! 璃々は今日も元気なの!」
この子は黄忠さんの娘の璃々ちゃんです。
成都からミーシャと一緒に連れて来て貰いました。
でも黄忠さんの差し金か、ボクを『おとうさん』と呼ぶのです。
最初にそう呼ばれた時に訂正しようしたら、瞳に涙を浮かべて『おとうさんって、(グスッ)呼んじゃダメなの?』って言われてしまい、あえなく撃沈。
子供を使うとは、黄忠さんの腹黒さが伺えます。
ボクは女性と付き合った事すら無いと云うのに、それを通り越してもう子持ちの気分ですよ。
「おとうさん。璃々と一緒にあそんで?」
「おとうさん、まだお仕事中なんだよ。だから一緒に遊べないんだ」
「えぇ〜。璃々とあそんでくれないのぉ〜?(泣)」
泣きそうな顔をする璃々ちゃんにボクが困っていると、救いの神が現れます。
「あらあら。璃々、我が((儘|まま))を言ってはいけませんよ?」
ボクに提出する書類を片手に、黄忠が部屋へ入室して来たのです。
黄忠は自分の娘を((窘|たしな))めました。
「えぇ〜。でもぉ〜」
「う〜ん。じゃあ、璃々ちゃん。昼ご飯、お外へ一緒に食べに行こう! ね?」
「ほんとう?!」
「うん。本当だよ」
母親の言葉にも怯まず慕って来る可愛い子に、ボクは根負けして代案を出しました。
「よろしいのですか?」
「はははっ。丁度、一息つこうと思っていたんだ。それに、可愛い子には勝てないしね?」
困惑気味に問いかける黄忠に、ボクは問題ないと答えました。
「じゃあ、璃々ちゃん。何が食べたいのかな?」
「うんとね、うんとね。璃々、チャーハンがたべたい!」
「うふふっ。璃々ったら、しょうがないわねぇ」
3人での食事は、璃々ちゃんの一生懸命な食べ方が微笑ましく、楽しい一時でありました。
食事後、璃々ちゃんを真ん中に挟み、親子の様に3人手を繋いで城に帰って来ます。
何だか黄忠さんの術中に、余計に((嵌|は))まっていっているようだけどね。
気を取り直してボクは、城へ帰還後に厳顔・黄忠・魏延の3人をボクの執務室へ呼び、自身の荊州行きを告げました。
留守中は厳顔が統括者で有事の際の指揮を取らせる事とし、黄忠をボクの代理として政務を任せると決めて。
「まあ、情勢は安定しているし問題あるまい」
「そうねぇ。大丈夫じゃないかしら」
と、厳顔・黄忠は賛成してくれました。
「では、ワタシが護衛として一緒に行くのだな?」
「え〜と。来るのかい?」
「あたりまえだ。ワタシは親衛隊の隊長だからな!」
「そうか……よろしく?」
「ああっ。任せろ!」
魏延がボクの道中の警護に随分と乗り気です。
何故でしょうか?
〜ある夜、ある部屋〜
「よいか、焔耶。女は度胸。荊州での道中、思いの((丈|たけ))を若にぶつけるのじゃ!」
「はっ、はい! 頑張ります、桔梗さま!」
「くちゅんっ」
何やら、先ほどから寒気がしてきました。
良く分かりませんが、ボクの知らない所で悪巧みが計画されているみたいです。
こういう時は、マイ・エンジェル・ミーシャと一緒のお布団で眠るにかぎりますね。
あ〜、ぬくいです。
もふもふです。たまりません。
では、おやすみなさい。
説明 | ||
無難な人生を望み、万年やる気の無かったオリ主(オリキャラ)が、ひょんな事から一念発起。 皆の力を借りて、皆と一緒に幸せに成って行く。 でも、どうなるのか分からない。 涙あり、笑いあり、感動あり?の、そんな基本ほのぼの系な物語です。 『書きたい時に、書きたいモノを、書きたいように書く』が心情の不定期更新作品ですが、この作品で楽しんで貰えたのなら嬉しく思います。 *この作品は、BaseSon 真・恋姫†無双の二次創作です。 |
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