魔法少女リリカルなのはmemories 第一章 消された記憶(メモリー) 第八話 |
無限書庫から出て移動したなのはとフェイトは、フェイトの車に乗って二人の家へと帰っていた。その運転する中で、先ほどよりもかなり気分が良くなっているなのはをフェイトが見ていると、いつものなのはに戻ったと思って安心していた。
多分なのはの事だから何を言おうと明日には仕事を復帰するだろうと思いながらも、フェイトは苦笑いしながらも車を運転しているのだった。
「そういえばヴィヴィオはちゃんと学校には行ったの?」
突然思い出したのか、なのははヴィヴィオが今日しっかりと学校に向かったのかと思って心配になり、その事をフェイトに問いかけるのだった。
フェイトはなのは自身が少し前までは寝るのを嫌がって、挙句には貧血で倒れる事態になったのにも関わらず、ヴィヴィオの事をを考えているのに相変わらずだなと思っていた。自分の事を後回しにして友達のことを考え、自分の事は自分で解決させようとする。それがなのはであり、昔から変わっていないことだった。
しかしそれが今回の事を招いてしまい、なのはは自分自身で追いやってしまった。自分の性格が良い方に回ればかなりなほど役に立つのだが、悪い方に回ればそれが槍となって自分に突き刺さってくるものだ。それは誰でも言える事であり、誰もが持っているものである。
言葉が武器になるように、その言葉を受けた自分はダメージが受ける事になるような感じであった。現になのはは無理して一度危険な状態になったことだってあるし、一応その事があってから少しは改善しているかもしれないが、根本的な事は変わっていないのだから。
しかし、今回の事はフェイトやヴィヴィオにも迷惑を掛けてしまったと思ってしまい、なのは反省していた。そんななのはの反省している顔を見ていたフェイトは運転しながら答えた。
「それは大丈夫だよ。最初は私とついて行くとか言っていたけど、ヴィヴィオはちゃんと学校には行かせたよ。なのはの事でかなり心配はしていたから渋々行かせた感じなったけどね」
「そっか。ヴィヴィオには悪い事しちゃったな。フェイトちゃんにもだけどやっぱりかなり迷惑をかけていたよね?」
分かっていたような質問であったが、なのはは念のためフェイトから聞きたかった。もちろん嘘偽りがない答えを。
なのはは夢の件でフェイトとヴィヴィオの二人に悪い事をしたと思い、先ほどよりもさらに反省していた。その姿を見たフェイトは嘘を言わずに答えることにした。
「確かに、なのはは私たちに何も言わなくて一人で抱え込んでいたことにはかなり迷惑を掛けてたけど、もうそれは終わった事だから余り自分に責めなくても良いよ。私たちは別に怒っているわけでないのだから」
「そっか。ありがとうねフェイトちゃん」
「でも、今回の事がまたあったらその時は怒るよ。だから、今度からは私たちにも相談してね」
嘘偽りがないと信じたなのはは、フェイトの言葉によって先ほどよりかなり気分が楽になっていた。
だが気分が楽になったとは反対に、なのははこれからしようとしている事に迷惑を掛けてしまうだろうと思い、それが少し辛かった。
けどそれは自分が先ほどなのはが決めた事。揺らぐつもりもないし、考えを変えるつもりもなかった。
だからなのははこれからすることを意味深げなようにフェイトに言い始めるのだった。
「あのねフェイトちゃん。もしかしたらまた二人に迷惑を掛けちゃうかも知れない。ううん、今度は二人だけじゃないかな? たとえそうなったとしてもフェイトちゃんは私を心配してくれる? たとえ私がなにか悪いことをしても」
「なのは? いきなり何を言っているの? 突然そんな話をして――」
「いいから答えてくれる?」
フェイトの言葉を遮って、なのははフェイトに聞いていた。
そんななのはの発言に、フェイトはなのはが一体何を言っているのかとこの時は全然分からなかった。そしてこの後なのはが行動をしてしまい、気づくのが遅かったとフェイトが後悔するような前兆の言葉であり、この時気づいていれば止めておくべきだったと思うのだった。
しかしこの時のフェイトはどういう意味だったのか理解できていなかったので、とりあえずなのはの質問に答える事にしたのだった。
「もちろんだよ。私はそれでもなのはを心配はするし、もしなのはが何か悪い事をしようとしていたら、あの時の私みたいに今度は私がなのはを止めてあげるから」
「そっか。フェイトちゃん、本当にありがとうね」
フェイトの答えを聞いたなのははとても嬉しかった。そしてフェイトのおかげで先ほど考えていたことを決意することができ、それはこの後に大変な事になるのに近づいていることでもあった。それに気づかないフェイトは最初は気にしていけど、今は全く気にせずに車を運転するのだった。
それから数分すると、二人を乗せた車はなのはの家の前に着き、二人は車を降りて玄関の前まで言って玄関のドアの鍵を開けて中に入るのだった。
「それじゃあ、昼食は私が作るからフェイトちゃんは待ってて。今まで心配をかけた分もあるからそのお礼も含めて作るから」
「別に気にしなくていいよ。私も手伝うからさ」
「今日はいいの。私がお礼したいのだし、手伝ってもらったら意味がないじゃない。だからフェイトちゃんは座って待っててね」
「なのはがそこまで言うのならば良いけど……」
ちょっと納得が言っていないような感じであったが、フェイトは渋々ながらもなのはの言葉に従う事にした。これ以上なのはに言ったところで聞いてくれないだろうと思ったので、なのは一人に任せることにしたのだった。
なのははフェイトから了承を得ると、すぐに玄関からリビングにあるキッチンへ向かい、フェイトもその後について行く感じでリビングへと向かった。
キッチンに着いたなのはは昼食の食材を出そうと冷蔵庫から取り出して、昼食の準備をしたのだった。
それからなのは一人で昼食の料理を作り、なのはとフェイトの二人分が出来上がるとテーブルに乗せて、二人は椅子に座って昼食を取るのだった。
そして午後4時ごろにヴィヴィオが帰ってきて、帰ってきて早々にヴィヴィオはなのはの事をかなり心配していたが、なのはの大丈夫そうな顔をみてすぐに安堵し、それからストライクアーツの練習を夕飯まで一緒にするのだった。
それから夕食を食べて、それが終わって少し経つと三人で一緒に風呂に入り、風呂を上がって髪を乾かしてから三人で寝る事にするのだった。
三人が寝てから約二時間後、なのはは目を覚ました。夢で目が覚めた訳ではなく、元々寝るつもりもなかったのでだ。それからフェイトとヴィヴィオを起こさずに、こっそりベッドから抜け出してリビングに行って洋服に着替える。着替え終わるとメモ帳から紙を一枚切って書置きをして、そこに書かれたのは「ごめんね、フェイトちゃん」という一文が掛かれており、そのメモを書き終わったなのはは家を出てミッドチルダから姿を消すのであった。
説明 | ||
J・S事件から八年後、高町なのははある青年に会った。 その青年はなのはに関わりがある人物だった。 だがなのはにはその記憶が消されていた。 消されていた記憶とは、なのはと青年の思い出であった。 二人が会ったことにより物語は始まり、そしてその二人によって管理局の歴史を大きく変える事件が起こる事になる。 それは、管理局の実態を知ったなのはと、親の復讐のために動いていた青年の二人が望んだことであった。 魔法戦記リリカルなのはmemories ?幼馴染と聖王の末裔?。始まります。 |
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