テイルズオブエクシリア〜転生者はイレギュラー |
〜第三者SIDE〜
ミラが四大達と共に霊山を登っている頃、ジュード達はミラとレオンに会うため、そして、本物のマクスウェルに会うために霊山の山頂まで来ていた。
山頂に着くまでの間にジュード達はミュゼがガイアスと戦っているのを幾度か見ることになった。
ガイアスはミュゼを追ってどこかへ……山頂へと向かっていったのだが、いざジュード達が山頂に到着すると、そこにはアグリアとプレザ……そして、アルヴィンが待ち構えていた。
「お前たち……だったのか」
アルヴィンは山頂に来るのがジュード達とは思ってなかったらしい。
「アルヴィン!どうして……」
ジュードは何故ここにアルヴィンがアグリア達といるのか驚いている。
「ジュード……」
そんなジュードをアルヴィンは見る。
「お二人まで……ジャオさんは何処に?」
ローエンはジャオがいないことに気づき、アグリア達に聞くと、
「また敵同士になれるなんて、喜んでいいのかしら?それとジャオ殿は今はア・ジュールよ。あの時、船が崩壊した時に私たちを助けた時の傷が原因で休養中よ」
「アハハ!またあんたたちをいたぶれるなんてサイコー!おいブス!あんたこの男に撃たれたんだって?」
アグリアは自分の後ろにいるアルヴィンを指差す。
「…………」
レイアはアルヴィンに撃たれたことは事実なので黙る。
「やめろ、アグリア」
そんなアグリアをアルヴィンは止める。
「アハハハハ!」
が、アグリアは止まらないで笑い始める。
「悪いけど、今度こそ死んでもらうわ」
「お前たちがここに来たのは無駄だったことを教えてやるよ!」
アグリアは武器を構える。
「そうはいきません。私は、ジュードさんをマクスウェルに会わせなければならない」
「ローエン……?」
「あなたがガイアスさんたちを特別と感じたのは……あの三人が真に大人たる生き方をしているからです」
「アハハ!ジイさんはしてねーけどな!」
アグリアはローエンのことをバカにしている。それを聞いてローエンは怒ったそぶりを見せない。
「お恥ずかしい話、そうなのでしょう。そして、アルヴィンさん、あなたも」
「俺が……」
アルヴィンは自分が大人になっていないことを指摘され、ローエンを見なくなる。
「ご託はもういいよ、ジジイ!あんたは先にヘブンリーしな!」
そういい、構えていた武器を地面に突き刺し、術を発動させようとするアグリア。
そのアグリアの前にアルヴィンが立ち塞がる。
「アル……」
プレザはそんなアルヴィンを見る。
「いや、俺は……」
「おい、ニイちゃん!どけ!」
アグリアがそういうと、術が完成し、炎がアルヴィンを軽く吹き飛ばす。
よろけるアルヴィンの前にレイアが立つ。
「アグリア!どうしてあなたは!」
「うるせえ! あたしはな、陛下を裏切るわけにはいかないんだよ。ババア!あんただって同じだろ!あたしたちの居場所はここだ!」
アグリアはそう言いながらプレザを見る。
「そうね……陛下は私たちのようなゴミとされた人間まで傍においてくれた」
「プレザ……」
「ごめん、アル……あなたはやっぱり私の敵っ!」
悲しそうに見つめ合っているアルヴィンとプレザ。
「ここで役に立たなきゃ、お払い箱なんだよ!」
アグリアとプレザは出式を展開し始める。
そんな時だ。
ポオォォォォ――――!
アルヴィンとレイアの体が黄色く光り始めたのは。
「これは……なんだ?」
「なに……この光?温かい……」
二人から飛び出した光は、一つになっていき、
<全く……アグリア、プレザ。お前たちはガイアスのことがわかってないんだな>
光は一人の人間……レオンとなった。
『レオンっ!?』
この場にいた全員が驚いた。何故、ミラと共に消えたはずのレオンがここにいるのだと。
<よお、って言ってもこれは俺の分体。ただの分身だよ>
「分身……ですか」
<そうだ。あの時、俺は消えかかった時に力の一部をアルヴィンとレイアに憑かせた。こんなことがあるかなと思ってな>
レオンはニィっと笑ってジュード達を見る。
そんな中、
「おい、てめえ!あたしたちが陛下のことをわかっていないって……何で言える!」
アグリアが真っ先にレオンに突っかかる。
<はぁ……お前たちはガイアスの考えを忘れたか。あいつは自分の国からは脱落者は出させないって言っているんだ。失敗しようがしないはお前たちをあいつが手放すはずがないし、ましてやお払い箱にするはずないだろうが>
レオンがそういうとジュードは確かに……という。ガイアスと言葉を交わしたジュードにはガイアスがどういう人間かがわかっている。そんなガイアスが部下である二人を切り捨てるはずがない……そう思っている。
「うるせえ!てめえ何かにあたしのなのがわかる!失敗すれば何もかもが無駄なんだよ!」
無駄……この言葉に一番喰いついたのは、
「無駄なんかないよ!」
レイアだった。
「あぁん!!」
「無駄になることはないよ!失敗しても何度も何度も挑戦して、駄目だったらもう一度!何度も挑戦すればいいじゃない!無駄なことなんかないよ!その挑戦が一歩……また一歩って前に進んでいけるんだよ!どうして、自分のすることや他人のすることに無駄だってケチをつけるの!」
レイアがそう、自分の心の底から思っていることをアグリアにぶつける。
「だ、黙れ!無駄なものは無駄なんだよ!」
「だったら……私がしてきたこと、無駄かどうか見せてあげるわ!」
「おもしれえ!やってみやがれ!ブス!」
レイアも武器を構える。
「……構えなさいアル」
「プレザ……くっ!」
アルヴィンも戦うことに躊躇いながらも武器を構える。
<アルヴィン。戦いの中で躊躇いをもつな。己のことを戦いでプレザに伝えろ。お前の気持ちを>
「俺の……気持ち」
<そうだ。お前の気持ちをだ。言葉にしたってわからないこともある。そういう時は言葉でなく……戦いの中で語れ>
アルヴィンはレオンを見る。
アルヴィンは決心がついたのか真剣な表情でプレザを見る。
<んじゃま、行きますか!俺にも時間があるからな。ちゃちゃっといきますか!>
そして、戦いが始まった。
「アハハハ!燃えちまいな!ファイアボール!」
「フリーズランサー!!」
二人は初めに精霊術を使うが、
<エアプレッシャー!>
二人から飛んでくる精霊術をレオンはエアプレッシャーの空気の重圧で押し潰す。
「くっ!相変わらずやることが器用ね!」
プレザはレオンのした術を術で相殺するやり方を見て舌打ちする。
<ハッハッハ!それは今に始まったことじゃないけどな!巨岩の主、荒ぶる憤りをここに顕せ…!深淵の咆哮!!グランドダッシャー!!>
レオンが術を完成させるとアグリアとプレザの足元に巨大な岩を噴出され、二人を吹き飛ばす。
<エリーゼ!ローエン!>
「はい!湧き出でよ、闇の腕(かいな)!ネガティブゲイト!」
「ええ。フリーズランサー!」
エリーゼの闇の精霊術で二人の動きを止め、そこへローエンの氷の精霊術の槍が降り注ぐ。
「「ぐあああっ!!」」
倒れかける二人に、
<ジュード!>
「うん!獅子戦吼!」
ジュードは素早く二人の後ろに回り、獅子の形を闘気を敵に叩きつけ、こちらに吹き飛ばす。
<レイア、行くぜ!!>
「うん!神速の突き!行っくよー!」
<貴様に見切れるか?>
レイアがアグリアを空中に浮かせ、レオンとレイアの二人で、
「<翔破裂光閃!!!>」
連続で貫く。
「がっ!?」
連続の突きを喰らったアグリアは怯む。
「<行くぞ!(わよ!)>」
<我らに仇なす者>
レオンが蹴る。
「冥府へ送りし、朧月の棺!」
レイアは棍で殴り、アグリアを吹き飛ばす。
「<覇王!籠月槍!!>」
最後にレオンがレイアの棍に雷を付加させ、それをアグリアに向けてレイアが投げる。
「ぐがあああああ!!!」
空中から受け身を取れず、倒れるアグリア。
「アグリア!これが私が頑張った結果だよ!」
<お前はどんなに頑張っても無駄だと言ったが、お前はその無駄に負けたんだよ>
「ちっく……しょう」
倒れながらレオンとレイアを睨むアグリア。
「はぁはぁ……アル」
「プレザ……」
アルヴィンとプレザは対峙していた。
<アルヴィン……>
「レオンか……」
「ふふ……あなた、居場所があるじゃない。ないってことはないのよ」
レオンとアルヴィンを見ていたプレザがいきなりそう言いだす。
「でも……これで終わりよ!!」
プレザからの威圧感が高まる。
<アルヴィン!これで終わりにするぞ!!>
「…………ああ!」
レオンとアルヴィンは武器を構える。
<炎よ、この剣に宿れ!>
「全部焼き尽くす!」
「龍精召喚!」
レオンとアルヴィンは剣に炎を宿し、プレザは本から龍の頭が出てくる。
「<炎覇、鳳翼翔!!燃え尽きろ!!!>」
「ドラゴネス・スニーカー!!!いっちゃいなさい!!」
巨大な鳳凰と龍がぶつかり合う。
バチィ!!!
激しくぶつかり合っている3人の秘奥義。
「プ、レザアァァァァァ!!!!」
「ア、ルゥゥゥゥゥゥゥ!!!!」
アルヴィンとプレザは互いの名前を呼び合い、それにより技の大きさが変わっていく。
「ウオォォォォォォ―――――!!!!」
「ハアァァァァァァ―――――!!!!」
そして、ぶつかり合った結果、
バシャ!!
プレザの秘奥義……ドラゴネス・スニーカーがレオンとアルヴィンの共鳴秘奥義(リンクアーツ・ファイナル)に敗れた。
「きゃああああああああ!!!!」
鳳凰に吹き飛ばされるプレザ。
「プレザ……俺は……」
<アルヴィン。言いたいことがあるならはっきり言って来い!>
「レオン……すまねえ」
「くっ!」
「うぅ!」
倒れるアグリアとプレザの二人。
「アル……たった数日間だったけど……あなたといられて幸せだった……」
「プレザ、俺は……」
戸惑うアルヴィン。
そんなアルヴィンを見て、プレザはアルヴィンを見ながら微笑んでいる。
「アル……居場所は……あなたにもあるのよ……気づいて」
そう、言った瞬間!
グラグラグラグラ!!
山頂が激しく揺れ始める。
アグリアとプレザのいるところの岩が崩れた。
「プレザ!!」
アルヴィンは急いで手を伸ばすが……届かない。
<ちぃ!>
シュン!!
それを見ていたレオンは雷化して、落ちていくプレザを拾いに行く。
そして、アグリアも落ちけるが
「アグ……リア!」
レイアが手を掴んだ。
「今、助ける!」
「!」
アグリアはそれを聞いて、驚くがいつものようにレイアに口悪く言う。
「おい、ブス!てめーがいくらがんばっても、どうにもならないことってのがあんだよ!」
そういって、アグリアは自分から手を離した。
「あっ!」
「アハハハハ!絶望しろ!」
そういいながら、落ちていくアグリアであったが、
<ところがギッチョン!>
ガシッ!
「んな!?」
プレザを拾いに行っていたレオンが右脇にプレザを抱え、左脇にアグリアを抱えて、山頂に戻ってきた。
<俺がいるんだ。死なせるかよ>
「「レオン!」」
アルヴィンとレイアは笑顔になる。死んでしまったと思った二人が生きてここに戻ってきたことを喜んでいた。
レオンは二人を降ろす。
「プレザ!」
ダキッ!
「ア、アル……!?」
アルヴィンはプレザに抱きつく。
「よかった……本当によかった」
アルヴィンはプレザに見れない位置で泣いている。
「ア、アル……」
アルヴィンが泣いていることに気づいたプレザはアルヴィンに優しく手を回す。
「おい、この野郎!よくも……!」
アグリアはレオンに文句を言っていた。死ぬ覚悟をしてレイアの手を離したのに助けれたことに不満をもっていた。
そんなアグリアに、
「…………」
パァン!
「なっ……!」
レイアがアグリアの頬を平手打ちを食らわす。
「なにすん……」
「バカ!」
いきなり平手打ちをするレイアに文句を言おうとするアグリアであったが、レイアが怒った表情で自分を見ていることに戸惑う。
「死んだら……死んだら本当の無駄になるじゃない!生きてよ……生きていれば、いいこともある!できないことは皆で一緒にすればいい!でも、死んだら……意味がないのよ?」
アグリアを見ながら涙を流すレイア。
「お前……」
アグリアは自分のために泣くレイアを見て、何も言えなくなる。
そして、
バチィィ、バチィィ!
レオンの体が雷を発生させながら、どんどん薄くなっていく。
<ちぃ!タイムリミットか……ジュード!皆、あとはお前たちがやれ!>
「レオン!君とミラは生きているの?」
ジュードがレオンとミラの生死を聞く。
<ああ。俺とミラは…て……る。だ……俺………皆………力>
「何?何を言っているの?」
力が弱まり、レオンが何を喋っているのかがわからないジュード。
<とに………今………マクス………いけ!>
そういって、レオンの分身体は消えた。
「……行こう!皆!」
ジュードがそう言うと他のメンバーは頷く。
「プレザ。お前は一足先に戻ってろ」
「アグリア。後でお話しようね」
アルヴィンとレイアはアグリアとプレザにそういって、ジュード達は空間の穴に入って言った。
その頃、精霊界にいるミラは、
やっとの思いで山頂に到着していた。
そして、マクスウェル(分体)に貰った記憶と人格の情報が宿っている光を自分の中に入れた。
その直後だ。
ドックン!
【ぐっ!力を召喚される……!】
【この強力な交信は……マクスウェル様!】
【でも、一体!誰と戦っているというのです!?】
【行けるでしよ、今のミラなら!】
【さあ、行くぞ!】
そういい、四大達は吸い込まれていき、ミラの視界には真っ黒な景色だけになる。
真っ黒な景色だけのところに一つだけ穴がポツンと開いていた。
そこを覗きこむと……ジュード達がマクスウェルと戦っていた。
それを見たミラは表情を変える。
――――胸の鼓動がなりやまない……そうだろ?――――
――――助けに行きたい……そう思っているのだろ?―――――
ミラに目の前に記憶を失う前のミラと……レオンの姿があった。
「バカものめ!今のお前は立っているのがやっと。もう私に抗う力などないではないか!」
――――なぜ私は抗ってまで死を選んだ!――――
――――俺たちは何故、死んでまで彼らを助けた!――――
ジュードがマクスウェルに突っ込んでいく。
――――彼らは……彼らは誰だっ!!――――
そして、ジュードが、マクスウェルの障壁を殴る。
「ジュード!皆!!レオォォォォォン!!」
その瞬間、ミラはその真っ黒な空間から抜け出し、一瞬でマクスゥエルの障壁を破壊し、ジュードはマクスウェルを殴り飛ばす。
皆は突如、現れたミラを見て、驚いていた。
「ミラ……なのか」
「「ミラ!!」」
「まさか……ミラさん」
「ミラ……ミラ!」
「ミラ……よかった」
ジュード達はミラが生きていてくれたことに喜んでもいた。
「すべてのものの未来を守るのが、マクスウェルの使命ではないのか?」
ミラは倒れているマクスウェルを睨みながら言った。
「なぜ……こんなことが……四大が謀ったというのか……」
「迷ったな。それでは本来の力が出ないぞ」
ミラがそういうと、四大達がジュードを含む、メンバーに回復を施す。
そして、ミラの後ろに立つ四大達。
「いいのか?お前たち?」
「き、きさま!」
四大を従わせるミラを見て、マクスウェルは激怒した。
「……さあ、マクスウェル!お前の罪を数えろ!」
ミラがレオンが言う口癖を言う。
「待って!レオンは?レオンはどこにいるの?
ジュードは今ここにいない、最後の仲間……レオンのことをミラに聞く。
他のメンバーもそれに気づき、慌てている。
だが、ミラが慌てているそぶりはない。
何故なら
「レオン……ともに行こう!」
――――おうともさ!!――――
そう、レオンの声が聞こえるのと同時にミラの隣に8つの術式が現れる。
術式が現れるのと同時に、ミラの体から火・水・風・地の属性の色が8つの内の4つに反応し、色が染まる。
そして、エリーゼからは闇、ローエンからは氷、アルヴィンとレイアからは雷の属性の色が3つの術式に吸い込まれ、色を染める。
最後にジュードとミラからは光の属性が現れ、最後の術式の色を染めると、
シュドオォォォォ――――ン!!!
8つの術式が染まった時、光を発し、爆発が起こる。
「うわっ――――!」
近くにいたジュードは爆風から自身を守る。
煙が舞い、そして、煙が晴れていくとそこには……
今までと同じ黒赤のロングコートをその身に着て、手には炎と氷の剣を……そして、赤かった髪は金髪になっても、変わることのない表情で堂々とミラの隣に立つ……
『レオン!!!』
レオンがそこに立っていた。
「降臨……満を持して」
レオンはそう言いながら、ミラを見る。
「ミラ……」
「レオン……」
二人は見つめ合い、そして、マクスウェルを睨む。
「さ〜て、俺の女を困らせた罪は重いぜ?マクスウェルの爺さんよ」
剣を構えるレオン。
「き、貴様か!貴様の存在がミラを変えたのか!!!」
レオンを睨むマクスウェル。
「はっ!この世に変わらない人間はいないんだよ!ミラだって例外じゃねえんだよ。お前の思惑通りにすべてが進むと思わない方がいいぜ?」
「きいぃさぁまぁぁぁ!!!」
手をかざすマクスウェル。
「さあ、始めようか!戦いを!!」
そしてここに人と精霊の主の戦いが始まるのであった。
説明 | ||
第55話 ミラとレオン | ||
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コメント | ||
どうせならジュード編でのマクスウェルとの会話が見たかったですね。まあ俺の方でそれ書いたんですけど。(BLACK) | ||
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