ジェラールに憑依したので一生懸命フラグを折ろうという話 第三話 |
ヒューン・・・。
「・・・ふう」
一射一射丁寧にする。最近弓使ってなかったからやってみた。もうちょっと鍛錬が必要だな・・・。
「珍しいじゃないかね?君が汗をかく姿なんて・・・」
「ヤジマさん・・・」
「声をかけて悪かったね」
「いえ、別にそんな事は・・・」
この人はなんとなく苦手だ。((思念体|ジークレイン))じゃどうも接しづらい・・・。
「弓か・・・これは最近始めたのかね?」
「いえ、だいぶ前からですよ・・・昔取った杵柄ですね」
「ほうほう・・・」
いずれは弓道みたいに礼を大事にするのではなく、弓術みたいに戦いに転じていきたいんだが・・・あまりうまくいかんな。
「あ!こちらにいらっしゃいましたか!」
「どうした?」
「緊急会議です!何やら大変なものが見つかったとか・・・」
楽園の塔か!?こんなに早く見つかるとは・・・。
「分かった。着替えてから行く」
「分かったづらよ」
さて・・・ここからが勝負だな。
――――――――――――――――――――――――――――
〜〜〜魔法評議会会場ERA〜〜〜
「Rシステムがまだ残ってるだと!?そんな馬鹿な!!」
「8年前・・・黒魔術を信仰する魔法教団が莫大な資金を投じて建設する予定だったRシステム」
「7つの塔だったか?あれは全部評議会が押さえ、今では跡形もない筈」
「8つ目の塔があったんだよ。カ=エルムの近海にのう」
そこまで分かられているのか・・・。
「ま・・・まさか既に完成してるわけではなかろうな?」
「残念だけど現地調査団の連中ジョークが苦手でのう」
「完成・・・しているのね」
「うぬぬ・・・」
「何故Rシステムが今頃になって・・・」
「・・・楽園の塔」
「!?」
「Rシステムじゃねえ。楽園の塔・・・だろ」
((R|リヴァイヴ))システム・・・一人の人間を生け贄に死者を蘇らせる恐ろしい魔法だ。
「そんな呼び方もあったな・・・」
「黙れジーク!呼び方などどうでもいいわい!Rシステムは禁忌の魔法!!民衆の影響が大きすぎる!!大混乱を招くぞ!!」
すっげえ弁論。言ってる事は分かるんだけどね・・・。
「直ちに軍を送る手配だ!一刻も早く制圧するのじゃ!!」
「しかし相手が分からぬ以上・・・」
「相手が・・・分からん・・・だと?」
「Rシステムを選挙しているのは例の魔法教団ではないらしいのだヨ」
「何!?」
「ジェラールと名乗る謎の男」
「ジェラール!?」
「!?」
「聞かぬ名だのう」
「名前以外の素性は全て不明」
「・・・」
その後も議論は続く。だが平行線を辿っていくばかりだ。仕方がない・・・。
「鳩共め」
「!?」
「何!?」
「ジーク貴様!」
「俺から言わせれば軍の派遣程度は鳩派と呼ばざるを得ないと言ったんだ」
ばん!机が叩かれた音が響く。
「あれは危険だ、危険すぎる。アンタらは何も分かってない!楽園の塔を今すぐ消すなら方法は一つだろ!!((衛生魔法陣|サテライトスクエア))からのエーテリオン!!!」
「な!?」
「超絶時空破壊魔法だと!?」
「正気か!?」
「被害予測は出来ているのか!?力加減で一国をも消せる魔法だぞ!!」
「エーテリオンは我々の最終兵器じゃ!Rシステムより危険な魔法なんじゃぞ!!」
「ふう・・・」
「しかし((衛生魔法陣|サテライトスクエア))ならばこの地上全てのものを標的に出来る。そしてあの巨大な建造物を消すにはエーテリオンしかない」
「賛成・・・ですわ」
「ウルティア!!貴様まで」
「((評議員|われわれ))は全部で9名。あと三名の賛成票があればエーテリオンが撃てる!時間がないんだぞ!Rシステムは絶対に使わせちゃいけねえ!!」
そろ〜・・・。
「あと二人だ!楽園の塔をこの世から完全に消し去る為に・・・Rシステムをジェラールに使わせない為に!今・・・我々が取れる行動は((衛生魔法陣|サテライトスクエア))からのエーテリオン以外にないんだぞ!!」
「しかし・・・」
「うむ・・・」
「Rシステムは歴史に記録されてはならない禁忌の魔法。この意味お分かりですよね皆さん」
「エーテリオンによる攻撃は全てを“無”にかえす。たとえ民間人がいたとしてもだ。あの塔にいる者は全滅するのだぞ?」
それはない。今あの塔は無人だ。全員俺が避難させたからな。
「それが魔法界の秩序を守る為なら払わねばならない代償なんだ」
「ジークの言うとおりじゃ。ワシ等は常に犠牲の上を歩いてきた。それが今日の魔法界歴史がそれを証明しておる」
「レイジ老師!我々は無断でカ=エルム国領土に攻撃を仕掛けた凶人として歴史に名を残すことになるのだぞ!!」
「そういう意味ではうちらも犠牲の一つってことやな」
「ベルノ老師!」
「死んだ人間は生き返らん。命の尊さを子供に教える時、ワシ等はそう言わねばアカン。やむをえんわ、エーテリオン攻撃に賛成する」
「何!?」
「・・・」
「あと一人だ」
ざわ・・・ざわわ・・・。
――――――――――――――――――――――――――――
「楽園の塔へのエーテリオン攻撃、賛成票4反対票5・・・以上によりエーテリオンの使用は見送りと議決します」
ここまでは原作通りか・・・まだ動くべき所ではないな。芝居はハッキリ言って疲れるが未来の為だ。我慢するしかない。
「待て!アンタ達はこの状況を本当に理解しているのか!?」
「見苦しいぞジーク。もう十分議論した。平和的な解決の道もあるのじゃ」
「平和だと?今こうしてくだらねえ事に時間を費やしている一方で歴史は動こうとしている!ジェラールは死者を蘇らせようとしているんだぞ!!」
「そうは言ってもRシステムが本当に作動しているかどうかも分からんのが現状だろう?」
「攻撃など早すぎる」
「・・・」
「アンタ達は感じねえのか?溢れ出る“負”の魔力・・・奴が蘇らせようとしている者の恐ろしさを」
「何じゃと?」
「ジークそれは一体・・・」
「黒魔道士ゼレフ!!」
「「「「「「「「!!!!!!!!???」」」」」」」」
皆驚いた顔を浮かべている。それはそうだろうな・・・史上最悪の存在を世に放とうとしているのだから。
「き・・・貴様・・・今・・・何と・・・?」
「・・・」
「それより何故そんな事が分かるんだジーク!」
「いらぬ疑いをかけられたくなかったから黙っていたが・・・俺はジェラールという人物を知っている。奴のしようとしている事も」
「!!!!」
「ジーク・・・全てを話せ」
――――――――――――――――――――――――――――
「賛成票8反対票1・・・以上により楽園の塔へのエーテリオン攻撃を認可します」
「・・・」
「ヤジマさん・・・納得はいかないかもしれないけど、ゼレフを蘇らす訳にはいかないのは分かりますよね?」
「ワスはもう知らんよ・・・責任はちゃんと取れるんだろーね?」
「勿論・・・全ての責任は俺が・・・」
「ワスは言ってるのは命の責任だ!!これから失われる命を背負って生きるんだぞ!!ジーク!!!」
「一時間後にエーテリオンを射出する。準備にかかれ!!」
「答えは直に出ますよ・・・」
このくだらない茶番の答えはね・・・。
説明 | ||
FAIRY TAILのジェラール・フェルナンデスに憑依してしまった主人公。投獄フラグをへし折って自由気ままに過ごす為に、色々と画策する程度の物語です。ただ・・・へし折った後が大変なのを忘れてませんよね? | ||
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FAIRYTAIL ジェラール 原作崩壊 憑依 | ||
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