Fateなんとなく書いてみた4 |
放課後、部活で忙しいであろう白より先に帰宅した俺は夕飯の準備に取り掛かった。
そしてキッチンで肉や野菜の下拵え(したごしらえ)をしていると、家のインターホンがなった。
「あ、もうそんな時間かな?」
俺は手を洗って、玄関へ向かい扉を開けた。
そこには紫色の大人しそうな女の子――間桐桜――がいた。
彼女は白の後輩で同じく弓道部に所属している、今日会った椎名の妹だ。
ただし姉と違って性格はまったく逆といっていい。
しかし優しく、気を使えるという点に置いては間桐姉妹は実に似ている。
「こんばんは桜、今日もわざわざすまないね。白は居残って道場の掃除でもしてるのかい?」
「こんばんはお兄さん、先輩は相変わらずですよ。ふふっ、とても先輩らしいと思いますけど」
そう言って笑う彼女は実に楽しそうだ。
彼女はとても白を慕っており、今朝はいなかったが普段は結構な頻度で我が家の朝飯の準備を手伝ってくれている。因みに理由は定かではない、以前に白が病気で倒れた際に来るようになったのだが・・・もしやソッチ系の趣味なのだろうか?この娘は。
いやいや、そんなことは・・・あるまいよ。
「じゃあ準備に取り掛かるか、行こうか桜」
「はい、今日もご教授願います、お兄さん」
と、キッチンに赴こうとした刹那。
「たっだいまあああああああああああああああああ!!」
酷い大声で扉が壊れんばかりの力で思い切り扉を開けた音が背後から聞こえた。
溜息をしたあと振り向くと案の定というべきかわかってはいたが、白の姉貴分がいた。
「今帰ったわよ〜!ご飯は?」
「まだですよ藤村先生、今から準備に取り掛かるところだったんです」
「というわけだから大河はとっとと居間で冬眠してろ、やかましいから」
「ぶーぶー、そんな言い方ないんじゃなーい?退は桜ちゃんみたいにもう少し私に優しくしてもいいと 思うわよー。あとタイガーって言うなあああああああああああああああああああああああああああ!」
そう目の前で喚いている女性――藤村大河――は穂群原学園の教師をしており、弓道部の顧問をしている。
能天気な見た目に反して割としっかりしており、そこそこに頼れる人間なのだが、普段が能天気すぎて正直頼ろうと思えない少し残念な先生だ。
しかし剣道は段持ちで非常に優れており、また明朗快活な性格で親しみやすいので生徒たちにも人気がある。
タイガーと呼ばれるのを気にしているようだが実際にそう見えるわけで、仕方ない。
「俺が大河に優しくするのは本当にお前が悩んだりしている時だけだろうさ、優しくしなくてもなんら問題ない奴に優しくするなんて必要性ないだろ?」
「お兄さん・・・相変わらず藤村先生にはドライですね・・・」
「でしょ?桜ちゃん、慰めて〜」
言って大河は桜ちゃんに抱きつこうとした、が。
「すみません先生、夕飯の仕度に取り掛からないといけませんから、行きましょうかお兄さん」
「・・・。」
「大河・・・、桜マイペースな娘だから・・・」
「うがあああああああああああああ!不貞寝してやるうううううう!」
寝るのかよと心の中でツッコミを入れた後、俺はキッチンに向かい桜と夕食の準備に取り掛かった。
準備が終わり、白の帰りを待っていたがいつまで経っても白は帰ってこなかった。
それなりにいつものことではあるが、桜と大河は家に帰ってしまった。
俺は仕方なく白を探しに家を出た。
俺は恐らくいる可能性の高い学校にいた。
もしかしたらまだ掃除に夢中になっている可能性も否めない。
俺は弓道場に向かった・・・がしかし、そこには綺麗になった道場の閑散とした空気しかなく白はいなかった。
次は校庭に出る。そこで俺は妙な違和感を見つけた。
それは校庭の砂のコンディションだ。普通はわからないだろうが、俺は毎日この校庭にトンボをかけているし、野球部やソフト部の子達も部活の最後にトンボをかけて帰るのだ。
だから、流石にこんなに広範囲を暴れ回ったような不自然な砂の形をしている訳がない。
しかし、その理由は気になるが気にしても詮無きことだし俺には及びもつかないだろう。
俺は考えることを放棄して、学校を後にした。
それから商店街や、新都、公園、柳洞寺など探して回ったが白の姿はなかった。
もしかしたら入れ違いなのかもしれないと、俺は帰路についた。
家には電気がついていた。しかし、なんだろういつもと家の空気が違う気がする。
何故だろう、凄く不安だ。
「ただいま!」
俺が声を出した刹那、なにやら居間でドタバタと物音がした。
俺は不審に思いそっと扉を開けた。
そこには白がいたのだが・・・。
「お、おかえり兄貴!遅かったな!」
「おかえりなさい退さん、それと夜分遅くに申し訳ございません。お邪魔していますわ」
何故穂群原学園美少女の2強の一角の遠坂さんがここにいるのだ・・・。
遠坂さんは綺麗な黒髪ツインテールを揺らし、どこか優雅に軽く頭を下げてきた。
まあそれはいい。まだ妥協出来る。しかしだ・・・。
「白、この際お前が連絡もないのに帰りが遅くて心配で色々走り回らされたという件については良しと しよう。無事だったならそれでいい、いいんだがな?・・・そこのレインコートの方はどちら様だ?」
「あ、えっと・・・彼女は親父の知り合いで、親父に会いに来てくれたらしいんだが・・・もう亡くなった事を知らなかったらしいんだ。それでえっと、とりあえずセイバー、あたしの兄貴だ。挨拶してくれ」
「白の兄君でしたか、私はセイバーと申します。お見知りおきを」
この出会いが良い意味でも悪い意味でもこれからの人生の大きな転機となるとは、俺はこのとき思ってもみなかった。
日常は非日常へ加速していく。
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作品説明めんどくなってきたぞー!原作キャラTSハーレム!以上! | ||
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