とある異能力違い 2−9
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《幻想の華〔前半〕》

 

 

〜橋〜

 

木山の一言によりアンチスキルが戦闘体勢に入る

 

「射撃班!発砲用意!」

 

リーダー格の男の号令で前列にいたアンチスキルが銃を構える。

しかし、突然1人のアンチスキルが勝手に動き隣の隊員に発砲する。

 

「貴様何を!」

「違う俺じゃない!銃が勝手に・・・・・」

 

男が言い切る前に、木山は両手を前に出すとそこには炎の塊が出現する。

 

「なっ!?学生でもないのに能力者だと!」

 

〜タクシー〜

 

「お客さん本当にここでいいのかい?」

「ありがとう、お釣りはいいから早くここから逃げて!」

「え?でもお客さん?」

「おっちゃん早く逃げな」

 

タクシーで木山とアンチスキルのいる所まで来た美琴と元。

降りてから美琴は黒子に連絡をしている。

橋の上からは銃声と悲鳴、そして爆発音がする。

 

「おいおい派手にやりすぎだろ」

「黒子どうなっているの」

「私も混乱してますの、だって木山が能力を使ってアンチスキルと交戦しているんですの」

「春生先生は能力者だっけ?」

 

元は確認のために聞いておく。

 

「いいえ書庫には木山が能力開発を受けた記録はありませんの」

「じゃあこれはなんだっていうのよ!」

「私もわかりませんの、しかも木山は複数の能力を使っているんですの」

「はぁ?能力は1人1つのはずでしょ」

「現状から推測するに・・・恐らく木山は幻想御手を利用していると思われますの。

何千人もの能力者とネットワークと言う名のシナプスでできた「一つの巨大な脳」、それを操れるのなら人間の脳ではあり得ないこともあり得ますの。

この推測が正しければ木山は実現不可能と言われた存在・・・・『多重能力者』〔デュアルスキル〕なんですの」

 

多重能力者〔デュアルスキル〕

 

二つ以上の能力を持つ能力者を言うが、脳に負担がかかりすぎるため実現不可能と言われ、幻の存在なのである。

 

「嘘・・・アンチスキルが全滅」

「春生先生・・・」

 

美琴達が階段を上った先には死屍累々とも言える状況であった。

死屍累々といっても死んでいる人はおらず、気絶か怪我により行動不能なだけである。

 

「初春!」

 

美琴は車の中でぐったりとしている初春を見つける。

 

「安心したまえ、戦闘の余波で気絶しているだけだ」

 

後ろから不意に声が聞こえた。

 

「御坂美琴・・・学園都市に七人しかいないレベル5の第三位か・・

私の幻想御手の中には流石にレベル5は入ってはいないが私のような者と戦ったことはあるまい。

一万の脳を統べる私を止められるかな?・・・そして元君」

「春生先生・・・」

 

元は木山がこのようなことをするとは思ってなく、正直なところ冗談であってほしかった。

 

「黄泉川さんに謝っておいてくれ、アンチスキルは嫌いだが貴方はよい人だったと、そしてまた会えたらもう一度、元君の料理で飲もうと・・」

 

木山はアンチスキルが嫌いであった、必要なときに役に立たず、要らないときに寄ってくる邪魔な存在として認知していた。

しかし、黄泉川は違った、竹を割ったような性格で、生徒のことを考え行動する、そんな人だから好感が持てた。

最初は、同じ研究者の桔梗の紹介で仕方がなくだったが、暇があると元にツマミを作らせよく呑んでいた。

 

「話はいい?それじゃあ、あんたは初春をお願い、いくわよ!」

 

美琴が木山に突っ込んだと同時に、美琴がいた場所に穴が開く。

なんなく避け、電撃を食らわせようとするが、木山が手をかざした瞬間、美琴を中心に爆発が起こる。

 

「驚いた、本当に幾つもの能力が使えるみたいね。多重能力者なのは本当のようね」

「私の能力は理論上不可能なあれとは方式が違う。

いわば『多才能力』〔マルチスキル〕といったたころだ」

 

木山は右手を挙げ軽く握ると真空波が美琴目掛け飛んで行く。

横っ飛びで真空波を避け、美琴は右手に電気をためる。

 

「呼び方が違っても、こっちがやることに変わりはないのよ!」

 

真空波をうって無防備な木山に電撃を放つ。

しかし、木山は涼しい顔でバリヤのようなものを展開し電撃を防ぐ。

 

「ばっ!?」

「どうした?複数の能力を同時には使えないとふんでいたのかね」

 

木山を中心に円を描くようになにかが広がったと思ったら、いきなり地面にひびがはいり、崩れていった。

美琴はいきなりのことに驚きながら落ちていったが、橋を支えている鉄製の柱に電磁力を使って張り付く。

木山は自分を中心にして崩したので崩落に巻き込まれたが風を操り、ゆっくりと着地。

 

(何てやつ、自分が巻き込まれるのを怖れずに能力を使ってくる)

 

美琴はいつ自分が巻き込まれてもおかしくないほどに能力を使ってくる木山に内心恐怖していた。

 

「拍子抜けだ、レベル5というのもこんなものか」

「電撃を攻略しただけで勝てたつもり!」

 

美琴は電撃をただ撃っても無駄だと思い、コンクリートの塊を浮かせ、木山向かってぶん投げた。

木山は冷静に掌からビームサーベルのようなものをだし、塊を一刀両断。

 

「はい?」

 

予想外の対処法でボーとしていた美琴を木山が指差すと、それまで美琴が張り付いていた所が円柱状にくりぬかれ、飛び出てきた。

 

「しまっ」

 

ズドーーーン

 

「ケホッケホッ」

「もうやめにしないか、私はある事柄について調べたいだけだけなんだ、それが終わったら全員開放する。誰も傷付けない、誰も犠牲にはしない」

 

木山はもう美琴に興味がない顔で、髪をかき揚げながら話す。

 

「誰も犠牲にはしないですって?ふざけんじゃないわよ!誰も傷付けない?あれだけの人を巻き込んで!人の心を弄んで!こんなことまでして調べることなんてろくなことじゃないんでしょ!

そんなの見過ごせるわけないでしょ!」

 

その言葉に木山は呆れたと言わんばかりの顔をした。

 

「やれやれ・・・レベル5と言っても世間知らずのお嬢様か」

「あんただけには・・「君達が日常的に受けている能力開発、あれが安全で人道的なものだと思っているのかね?」

「え?」

 

木山の言葉にキレた美琴は言い返そうと声を荒げたが、木山の一言で黙ってしまう。

 

「学園都市の上層部は能力に関する重大なことを隠している、第一に何万もの脳を開発して事件が起きない方がおかしいと思わないかね?それを知らずに教師達は日々学生の脳を開発している。それがどんなに危険なことなのか。

元君に似たような話をしたが、彼は能力開発の危険性を感じていたよ」

「面白そうな話じゃない、あんたを捕まえた後でゆっくりと調べさせてもらうわっ!」

 

話を聞いた後、奇襲攻撃として砂鉄を操り、刃にして木山に襲いかからせる。

木山が軽く手を降ると目の前の瓦礫が盾のように木山を守る。

 

「残念ながらまだ捕まるわけにはいかなのでね、抵抗させてもらうよ」

 

今度は自販機の横にある缶の入ったかご二つを操り、美琴の回りに缶をばらまいた。

 

「空き缶?・・・・!グラビドン!」

 

一瞬何をしたいのか理解できなかったが、美琴の脳裏にあるシーンがながれた。

 

「さぁこれはどうする?」

「全部吹き飛ばす!」

 

宣言どおり美琴は電撃で空き缶を次々と壊してゆく。

吹き飛ばすことに専念していたせいで、美琴は木山が持っていた一つの空き缶を見落としていた。

 

「すごいな、これがレベル5というものか、しかし」

 

持っていた空き缶を空間移動で美琴の背後へ。

 

「どうよ、ざっとこんなもの・・・・・!?」

 

ズドーーーン

 

きずいたときには時すでに遅し、爆発に巻き込まれてしまった。

 

「もっとてこずるかと思ったが・・・レベル5もこんなものか。手加減はしておいた、恨んでくれても構わない」

 

振り返り、その場から離れようとした時だった。

 

「つーかまーえた♪」

「ば、馬鹿な!君はあの爆発に」

 

振り返ると同時に美琴が木山を羽交い締めにする。

爆発地を見ると、そこには人がちょうど1人入るだけの防空壕のようなものがあった

 

「瓦礫であの短時間に簡易盾を作り、防いだと言うのか」

「ゼロ距離からの電撃、あの馬鹿には効かなかったけど、あんなトンデモ能力までは持っていないでしょう?」

「くそっ!」

 

瓦礫を操り美琴目掛けて飛ばすが。

 

「遅い!」

「うわあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」

 

超至近距離、からの電撃に木山はなすすべなく気絶する。

 

「ふぅ〜一応手加減はしておいた・・」

 

『木山せんせ』

 

「!?」

 

『木山せんせ』『木山せんせ』

 

「なにこの声?」

 

木山を抱き抱えている手に軽い電流が流れている

 

「もしかして、私とこいつの合間に電気をかいした回路が?」

 

『『『『『『木山せんせ!!!!!!』』』』』』

 

「これは!?」

 

 

〜木山の車〜

 

時は遡り、美琴と木山が落ちていった頃。

 

「初春さーん初春さーん?起きてくださーい!・・・むう黙りか、ならばいたしかがなし・・・そんなに寝ていると佐天さんにパンツ脱がされますよ!」

「佐天さん!やめてください!お願いします!ってあれ佐天さんは?」

 

飛び跳ねるかのように初春は目をさます。

 

(軽くトラウマレベルじゃん、どんなことをされたのやら)

 

「おはよう、初春さん」

「元さん!そうだ私木山先生に連れ去られて、木山先生がアンチスキルに能力使って・・・て道が無くなってる!」

「以外と元気だね君」

「そりゃあ目が覚めたらこんな状況の人そうそういないですよ。

そう言えば木山先生は?」

「今あの下で美琴と戦ってる」

 

そう言って道の途中が消えている所を指差す。

 

「とにかく止めないと!」

「そうだな、そろそろ終わる頃だろう」

「え?終わるって?」

「ん?美琴が勝って終わるってことだよ」

「何でそんなことがわかるのですか?」

「万能型と一点特化の戦いはどんなに万能型が頑張っても一芸が秀でるものには勝てない、それだけだよ」

 

〜橋の下〜

 

美琴が羽交い締めを解き、木山がゆっくりと倒れる。

 

「・・何よ今の」

「見られてしまったのか」

 

ボロボロの木山が立ち上がる、

 

「あ!いました!」

「美琴の勝ちみたいだけど、なんかおかしくないか?」

 

その頃、元と初春も下に到着する。

 

「なんで、なんであんなこと!」

「ゲフッあれは、表向きにはAI拡散力場を制御する実験だか、実際は、暴走能力の法則解析の誘爆実験だったのだよ。AI拡散力場を刺激して法則の条件を知ろうとするためのな。

あれは意図的に仕組まれたものだったのだよ。 最も、全てに気づいたのは全てが終わった後だがな」

「それってもしかして・・・」

「そうだよ元君、人体実験だ。

あの子達は今でも目覚めることなく眠い続けている。

私達はあの子達を使い捨てのモルモットにしたんだ!!」

 

木山は目に涙をうかべながら叫ぶ、平和な、教師をしていた頃を思い出して。

一方、美琴は学園都市で平和に生活している裏でそんなことが起きていることを知り唖然としていた。

 

「それだったらアンチスキルに通報を・・」

「23回・・・あの子達の回復手段と事故究明のシュミレーションのためにツリーダイアグラムの使用許可を求めて却下された回数だ!

ツリーダイアグラムの演算能力ならば助けられた!もう一度、太陽の下で自由に走り回ることができた!だが23回の申請全てを却下されたんだ!!

統括議会がグルなんだ、アンチスキルが動くはずがない!!」

「だからってこんなやり方・・・」

「君に何がわかる!!!あの子達のためならなんだってやって見せる!!全てを敵にまわしてもやらなきゃいけないんだーーーーーー!!!!!」

 

木山が全てを吐き出しこちらを向き、再び戦闘体勢にはいるはずだった・・・

 

「ヴア゛ァァァァァァァァァァァァァ!!」

 

木山がいきなり頭を抱えうずくまる。

 

「何よ!」

「春生先生?」

「ネットワーク・が・・暴走をアァァァァァァァァァァァァァ!!」

 

再び叫ぶと、木山の頭から白い帯状の物が飛び出て、形をなす。

 

「なによこれ・・・」

「大概のことには驚かなくなったけどこれは・・・」

「胎児?」

 

集合しきったのか、頭の上に天使の輪のようものができ目を開いた、木山の左目と同じく目が真っ赤である。

 

「次はこれの相手?片手でどこまで出来るかな俺?」

 

 

「キィィィャャャャャャ!!!」

 

 

説明
ファミマでISの一番くじやってきたぜ

結果はファイルセット!

部帰りで雨降ってたしちょうどいいや?

残ってたファイル数、箒5、ラウラ6、セシリア1、鈴1、シャルル0

箒とラウラ・・・・・

もちろん鈴取ってきたぜ!
別にセカンド党だけど全員好きだし・・

そんじゃ始まれ!

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