魔法少女リリカルなのはmemories 第二章 再開するまでの記憶(メモリー) 第十二話 |
フェイト達がなのはを探している頃、なのははある森林の奥深い中で休んでいた。
ここは第26管理世界であり、そこの近くに町があるところの森林に居たのだ。
なのはが行方不明になってから、なのはは管理世界を転々と移動しており、一度食料を調達する為に別の管理世界で町の中に入ったが、そのときなのはを見かけた人たちは「エースオブエース」がどうしてここに居ると思いながら驚いたりしている人がかなり多かった。
けどなのはを見て驚く事しか思っていないような感じだったので、なのははまだ自分が行方不明になっているわけではないのだと理解する。自分が管理局から行方不明扱いにされていたのなら買う物を買ってすぐに別の世界に移動しようと思っていたのだが、行方不明だと知られていないと分かったのでまだ安心して行動ができると思ったのだ。自分がまだ行方不明扱いにされていないのは、多分自分が行方不明になったら管理局が大変な事になると、フェイトやはやてなどがまだ知らせていないのだろうと思った。
しかしそれでもフェイトやはやてがなのはを探しているだろうと思うので、なるべく姿を現さないように森林の中に隠れるようにしていたのだ。
「今さらだけど、フィルノ君の居場所を知らないのにどうして出ちゃったんだろう?もうちょっと考えて家を出るべきだったかな」
あれから約一週間も経つというのに、フィルノがどこに居るのは分からないなのはは、世界はかなり広いというのにまったく持ってフィルノを探す方法を考えていなかったのだ。なのはの出身である第97管理外世界に居るかもしれないとは思ったが、もし運悪くアリサやすずかにあったとすればすぐにフェイトたちに居場所がばれてしまう為、第97管理外世界には行っていないのだ。
なのはは自分の後先考えずに家を出てしまった事に少し後悔をしながら、一休みでもしようと思って木に寄りかかって寝ようとした。
しかしなのははそれから寝る事は無かった。
「――誰か近くに居る」
突然、何者か分からない足跡が聞こえてきたのだ。普通、こんな森林の中に人が歩く事なんて早々ありえない。あるとしてもこの森林に何かあるか、なのは居場所を見つけた誰かがなのはの居場所をフェイト達が見つけて連れ戻しに来たかの二つだった。
なのはは足音が聞こえる方向を向き、警戒心を出していた。
次第に足音が大きくなっていき、見つかった時のためにレイジングハートを右手で握りて息を潜める。だんだんとこちらに近づいてくるのが分かり、何事もないように終わるのを待つのだった。
しかしなのはから十メートル辺りで不意に足音が消え、なのはは向こうが自分に気づかれたと思う。それを確かめるために、なのはは意を決して様子を見ることにした。
そこには四、五人の白衣を着た男達と子供が入るぐらいの袋が近くに置いてあり、そして何かを話しているようだった。それを見たなのはは姿から見てどうやら自分を探すために来たわけではないとすぐにわかり、向こうに気付かれないように安堵の溜息を漏らし、一応様子をうかがい、耳を澄ませて向こうの話を聞くのだった。
「――しかし、今回は良い実験材料が入ったな」
「ああそうだな。今回ばかりは失敗なんかしたら((上|・))からかなり怒られるから気を付けないとな。今回確保した奴は、生まれながら魔導師ランクがS+という化け物に近いからな」
「なるべく慎重にですか。難しいことを言ってきますね」
「仕方ないだろ。上の奴らは俺達の事なんか気にしてないのだし、ただ成功するかしないかしか見てないんだから。あいつらにとっては難しいかろうと関係なんだよ」
「もうちょっと気にしてもらっても良いのですのにね」
「そう言うな。そもそも俺達もこんなことをして普通の生活なんかしていないのだから。とりあえず休憩は終了だ。もう少しで着くのだから先に進むぞ」
「了解」
そう言った彼らは近くに置いた袋を一人が持ち上げて、先に進むために森林の中を歩いて行った。
それを見送り、一部始終を聞いていたなのはは彼らが話していた話がとてもまともな話ではなかったという事を知り、数分の間だけ足が震えて動けないでいたが、すぐに持ち直してこの後どうするか考える。
「今の私はまだ捜索がされていないことは分かったから、あの人達の後をついて行っても管理局として何とかなるけど、そんな事をしていたらフィルノ君を探すのが後回しになってしまう。けどあの人達が言っていた事は聞き捨てなれないし、そうみすみすと見逃すわけにもいかないし……」
なのははさらに考え、そして数十秒もしないうちに答えを出す。
「やっぱり、あの人達が言っていた事を見逃すわけにはいかないの。人体実験なんて、そんなの酷すぎる。フィルノ君に会うのに遅くなるかもしれないし、もしかしたらフェイトちゃん達に見つかるかもしれない。けど私は助けを求めている人は絶対に助ける!」
なのははそう決意すると、すぐに立ち上がって彼らを追うことにした。
たとえフィルノに会うのが遅くなろうと、目の前に助けを求めているだろう人達を見逃すなんて言うことはしたくない。彼らが何故こんな事をしているかという事を知り、それを阻止するためであるのだ。それがなのはの信念でもあり自分の意志であるのだから。
しかし、今回なのははこの選択が自分の人生を大きく変えてしまうことだという事をまだ知らない。今まで平和だった日常ががらりと変わり、今までの信念が打ち砕かれるという事を。
説明 | ||
J・S事件から八年後、高町なのははある青年に会った。 その青年はなのはに関わりがある人物だった。 だがなのはにはその記憶が消されていた。 消されていた記憶とは、なのはと青年の思い出であった。 二人が会ったことにより物語は始まり、そしてその二人によって管理局の歴史を大きく変える事件が起こる事になる。 それは、管理局の実態を知ったなのはと、親の復讐のために動いていた青年の二人が望んだことであった。 魔法戦記リリカルなのはmemories ?幼馴染と聖王の末裔?。始まります。 |
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